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第8部 分かたれる道
3-1言いたいことが言い合える仲間っていいよね
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時は巡り、三月。私は、十八歳になり、シルフィード生活も、四年目に突入した。また、私が『スカイ・プリンセス』に昇進してから、半年以上が経った。新しい環境にも、すっかり慣れて、上位階級も、だいぶ板についてきた。
相変わらず、たくさんの予約が入っており、最近は、一ヶ月分、丸々埋まっていることが多い。おかげで、朝からずっと、休む間もなく、観光案内で飛び回っていた。でも、この忙しい生活に、日々大きな幸せを感じている。
私は今〈南地区〉にあるレストラン〈マリアージュ〉に来ていた。ここは〈スカイホテル〉の四十階にあり、この町が一望できる。
〈グリュンノア国際空港〉や〈ドリーム・ブリッジ〉も見える、最高のビューポイントだ。夜空の星のように輝く、町の夜景が、言葉にできないほど美しい。
それにしても、流石は、高級ホテル。内装や雰囲気は、もちろん。今いるレストランも、高級感にあふれていた。純白のテーブルクロスに、ピカピカに磨かれたグラス。光沢のある、たくさんのフォークやナイフ。
一昔前なら、滅茶苦茶、緊張していたと思うけど。最近は、だいぶ慣れてきた。なぜなら『スカイ・プリンセス』の立場上、パーティーや会食に、参加する機会が多いからだ。
なお、今日は、恒例の『女子会』が行われる。いつもは、私一人で来るけど、今日は、後輩の子も同伴していた。以前『弟子になりたい』とやって来た、セラフィーナちゃんだ。
彼女とは、あのあと、ELで連絡をとったり、一緒にお茶をしたりしている。会う度に、仕事のコツや、心構えの話をしていた。私なんかの経験で、役に立つかは、分からないけど。彼女は、いつも、とても真剣に話を聴いてる。
最初に会ったころに比べると、だいぶ、自然に話せるようになった。主に、コミュニケ―ションのしかたについて、レクチャーしているので、効果が出てきたようだ。少しずつ、成長する姿を見るのが、とても楽しい。
以前は、女子会はいつも〈東地区〉にある〈アクアマリン〉で、やっていた。けど、今日は、ナギサちゃんの提案で、ここのレストランで、やることになった。
本当は〈アクアマリン〉のほうが、肩が凝らなくていいんだけど。『立場に見合った店を選びなさいよ』と、ナギサちゃんに、突っ込まれてしまったのだ。
ちなみに、私が昇進して、数ヵ月後。ナギサちゃんが『スカイ・プリンセス』に昇進した。彼女は『ミス・グリュンノア』に参加し、見事に優勝。その後『あの美女は誰?』と、大変な話題になった。
彼女の今までの実績。加えて『白金の薔薇』の娘であることが認知されると、爆発的な人気になった。その後、雑誌やMVなどに、何度も登場。スピでも、トレンドランキング入り。そのあとすぐに、昇進が決定した。
なお、コンテストには、ナギサちゃんの友人が、勝手に応募したらしい。本人は、ミスコンがキッカケで、昇進したことについては、かなり、不満のようだったけど。結果的に、昇進できたんだから、OKだよね。
さらに、年が明けてからは、フィニーちゃんが昇進。元々彼女は、人気グルメ・レビュワー『大食い妖精』のハンドルネームで、割と名前が知られていた。なぜなら、彼女のレビューは、とても分かりやすく、全くハズレがないからだ。
あと、途中から、大食いチャレンジや、大食い大会の、MVを配信し始めた。撮影も編集も、妹のクリスちゃんが、全てやっていたらしい。『小柄な体で、もぐもぐ食べる姿が可愛い』と、MV登録者が、どんどん増えて行った。
その後、ある大食い大会のMVが、大ブレイク。ニュースでも取り上げられ、各種雑誌にも登場した。加えて『旋風の魔女』の子孫、ということも認知され、大きな話題に。ほどなくして、彼女も『スカイ・プリンセス』に昇進した。
もちろん、彼女たちにも、二つ名がついている。ナギサちゃんは『白銀の薔薇』で、フィニーちゃんは『翠玉の妖精』だ。どちらも、二人にピッタリの、素敵な名前だよね。
私たち三人は、上位階級になってから、常に注目されていた。どこに行っても、色んな人に、声を掛けられる。やはり、上位階級の知名度は、半端ない。
ただ、ちょっと買い物に行くだけでも、とても大変だったりする。なので、最近は、気楽に外に出られなくなってしまった。普通のお店に行くと、対応が大変なので、三人で集まる時は、完全予約制の、人の少ない店を選ぶことが多い。
あと、彼女たちの妹と、会ったことがなかったので『ついでに顔合わせもしよう』という話になった。私も、妹ではないけど、可愛い後輩ができたし。ちょうどいい機会だったので、一緒に来たのだ。
そんなわけで、長方形のテーブルには、六人が座っていた。私たち三人が、横に並び、その正面には、それぞれの妹が座っている。
最初に、二人の妹を見た時は『なるほどなぁ』と、思わず納得してしまった。姉に、あまりにも、そっくりだから。なるべくして、姉妹になった気がする。
フィニーちゃんの妹の、クリスティアちゃんは、物凄く無口で大人しい。しかも、色白でちっちゃくて、とても可愛い。体形も雰囲気も似てるし、二人が並ぶと、本物の姉妹のように見える。
一方、ナギサちゃんの妹の、ヴィオレッタちゃんは、少しつり目で、とても鋭い眼光をしていた。勝気な表情と、堂々とした態度は、ナギサちゃんにそっくり。しかも、ナギサちゃん以上に、気が強そうだ。
クリスちゃんと、セラちゃんは、物凄く緊張した感じだが、ヴィオちゃんだけは、全く物怖じした様子がない。三人とも、全く性格が違う。でも、やっぱり、新人の子って、初々しくて、見ていて微笑ましくなる。
「別に、ここまで高級なお店じゃなくても、よかったんじゃないの? 私〈アクアマリン〉大好きだし。テラス席のほうが、気持ちいいし」
「あのねぇ。少しは、自分の立場を考えなさいよ。常に、注目されているのだから。気楽に、目立つところに、行ける訳ないでしょ? それに、立場を考えて、それ相応の店を選ぶべきよ。もう、一般階級じゃないのだから」
「でも、普段は、今までと同じで、いつものお店に行くことが多いよ。夕飯を買う時も、休日の買い物も」
ナギサちゃんの言うことも、何となく分かる。でも、急に変えると言ってもねぇ。仕事は、以前とは、大幅に変わったけど。プライベートは、昔と何も変わってないし。
「まさか、スーパーに行ったりは、してないわよね?」
「普通に、行ってるよ。休みの日は、朝市に、特売品を買いに行くし。あと、一食、三百ベル生活も、まだ続けてるから」
「はぁ?! なにを考えてるの? どこに、特売品を買いに行く、上位階級のシルフィードがいるのよ? そんな姿を、他の人に見られたら、どうするつもり? 物凄く、幻滅されるでしょ?」
「うーん、色んな人に、声を掛けられるけど。お店の人も、買い物に来ている人も、とても好意的だよ。オススメの特売品の話題で、盛り上がったりとか」
買い物に来ている奥様方とは、とても話が盛り上がる。みんな、色んな情報を持っているし、気さくない人が多い。ここで得た話題や情報は、普段の接客でも、しっかり活用している。
「はぁー……相変わらず、考えなしね。いい加減、自分の立場を、自覚したら? 上位階級は、皆の憧れであり、全シルフィードの象徴なのよ。そんなのじゃ、ただの見習いと、変わらないじゃないの」
ナギサちゃんは、話し終えたあと、大きなため息をついた。
「話には、聴いていましたけど。『天使の翼』は、そうとうな、変わり者ですね」
ヴィオちゃんは、何の臆面もなく、あっさり言い放つ。
「変わり者というより、常識がないのよ。ただ、これでも、一応、先輩なんだから。もう少し、敬意を持った発言をしなさい」
「――はい、ナギサお姉様」
ヴィオちゃんは、今一つ、納得のいかなさそうな表情で、返事をする。でも、ナギサちゃんの言うことだけは、素直に聴くようだ。
「ちょっ……常識がないってのは、言い過ぎじゃない? 確かに、見習い時代は、色々とアレだったけど。今は、ちゃんと、常識的に行動してるんだから」
「常識的な人間は、プライベートでも、常識的なのよ。仕事の時さえ、しっかりすればいいと、勘違いしているんじゃないでしょうね?」
「で――でも、休日ぐらい、自由でいいんじゃないの……?」
上位階級になってからは、毎日が、物凄く忙しい。それに、やたらと声を掛けられるから、コミュニケーション好きの私でも、さすがに気疲れしている。だから、休みの日ぐらい、全てを忘れて、自由に過ごしたいんだよね。
「大丈夫。常識なくても、人気あれば、やっていける」
黙々と、前菜を食べていたフィニーちゃんが、ボソッと呟いた。
「ちょっ――フィニーちゃんまで?! それじゃ、まるで、私が、完全に非常識な人間みたいじゃない。てか、後輩の子がいる前で、やめてー!」
後輩三人は、全く話に入って来ない。クリスちゃんは、幸せそうな表情で、会話を気にせず食事を。セラちゃんは、話は聴いているけど、オロオロと。ヴィオちゃんは、怪訝そうなジト目で、私を見ている。
「風歌が、いきなり上位階級にふさわしい、立派な人間になれるとは、最初から思っていなかったし。非常識なのも、考えなしなのも、しょうがないわよね」
「んがっ……。ナギサちゃん、それ、言いすぎ――」
相変わらず、ナギサちゃんは、物言いがキツイ。
「でもね、私たち、内々の間でなら、いいのよ。見習い時代から、見ているんだから。お互いの、ダメなところも、全て知ってるし。ただ、それを知らない人たちは、見たままの評価しかしない。しかも、第一印象だけで、評価が決まるのよ」
「友人と他人との区別を、もう少しつけなさい。みんながみんな、優しく理解してくれる訳じゃないのよ。有名になるほど、批判的な人間も、出てくるのだから。ちょっとした、粗を突いて来る人間もいるのよ」
確かに、ナギサちゃんの言うことは、物凄く正論だ。この町は、とても優しい人が多い。だから、つい忘れてしまうけど。理事会の時のように、中には、批判的な人もいるのだ。特に、私の場合は、異世界人だから……。
「うん――そうだね。もう少し自重して『スカイ・プリンセス』に、ふさわしい行動をするよ。変な噂が立ったら、会社にも、迷惑が掛かっちゃうからね……」
私の二つ名は、リリーシャさんと、アリーシャさんの、二人からもらった、とても大事なものだ。もし、私がへまをすれば、二人の名にも、傷を付けてしまう。
「ナギサちゃん、いつも、ありがとね」
「は――? 私は、別に、何もしてないわよ」
そういうと、ナギサちゃんは、顔を背けてしまった。
でも、昇進の時も、一生懸命、協力してくれたし。今までも、たくさんの知識を教えてくれた。困った時は、いつだって、真剣に助言をしてくれる。結局、助けて貰ってばかりだ。
「でも、プライベートまで、気を付けなきゃならないなんて、大変だよね。他の上位階級の人たちは、どうしてるんだろ?」
上位階級の知り合いは、たくさんいるのに。考えてみたら、休日は、どう過ごしているのか、全く知らない。リリーシャさんも、付き合いは長いけど。プライベートの姿は、全然、見たことないし……。
「メイリオ先輩は、いつも、普通。休みの日は、ハーブの世話したり、料理の研究してる。あと、園芸店にも、よく行く」
フィニーちゃんは、パンを片手に、静かに答える。
「つまり、好きな生活をしてる、ってこと?」
「うん。仕事の時も、普段も、変わらない感じ」
「なるほど――自然体なんだ」
メイリオさんには、何度か会ったことがあるけど。堅苦しさや、営業っぽさが全くなく、凄く自然な感じがする。フィニーちゃんも、いつも、自然体だもんね。姉妹で、似てるのかもしれない。
「ナギサちゃん。ツバサさんは、プライベートって、どんな感じなの?」
「えっ……? 知らないわよ、そんなこと」
ナギサちゃんは、少し微妙な表情で答えた。
「だって、姉妹なんだから、いつも、一緒に行動してるんでしょ?」
「一緒になんていないわよ。週に一度。場合によっては、二週に一度ぐらいしか、会わないから」
「えぇっ?! そんなもんなの?」
「誰も彼もが、べたべたしてる訳じゃないわよ。特に、私たちは、干渉されるのが嫌いだから。お互い、自由にやってるわ」
なるほどねぇ。まぁ、らしいと言えば、らしいよね。ナギサちゃんは、昔から、個人行動が好きみたいだし。ツバサさんも、飄々としてるから、一人で気ままにやってるのだろう。
「ただ、休日、一緒に出掛けたりする時も、営業が終了したあとも、いつも、あんな感じよ。別に、内々で、あんなに、カッコつける必要はないのに。行動も言動も、何か、キザな感じなのよね」
「あははっ、そうなんだ。でも、ツバサさんって、そういうイメージしかないよね。どんな時でも、王子様みたいな」
ツバサさんは、あれが素なんだろうか――?
「ヴィオちゃん。ナギサちゃんは、普段、どんな感じ?」
「えっ……? ナギサお姉様ですか?」
「ちょっ、何で私のことなんか、訊いてるのよ?」
「まぁまぁ。今日は、それぞれの後輩たちと、親睦を深めるのが目的だし。色々と、お話を聴いてみようよー」
せっかくだから、全員と仲良くなりたい。
「特に、変わらないですね。いつも、こんな感じですよ。一挙一動を、徹底的に観察してますけど。ミスも全くしないし、欠点も見当たらないし。何もかもが、完璧すぎて、全然、面白くないですよ」
「あなた、いつも、そんなに私を、観察しているの?」
ナギサちゃんは、少し驚いた表情を浮かべる。
「欠点の一つでも握っておけば、いずれ、有利なるかと思って」
「はぁ?! 姉妹なのに、何を考えてるのよ?」
「頂点をとるなら、抜き去らなければならない、障害なので」
ヴィオちゃんは、澄ました顔で、サラッと言い放った。
「あははっ――。まぁ、それはそれで、いい関係だよね」
何か、姉妹と言うより、ライバルみたいな感じだ。でも、ナギサちゃんたちらしいよね。お互いに、常に、切磋琢磨しているんだろう。
「クリスちゃんは、どう? フィニーちゃんは、普段、どんな感じ?」
「……」
私が声を掛けた瞬間、彼女はビクッとした。フィニーちゃんに視線を向け、助けを求める。話には聴いていたけど、想像以上に、人見知りのようだ。
フィニーちゃんが、静かに頷くと、彼女は、恐る恐る、こちらに視線を向けて来た。
少し考えたあと、
「と――とても優しいです。いつも……一緒にいてくれて。助けて――くれます」
とても小さな声で、ゆっくりと答える。
「そっかぁ。とても、仲がいいんだね」
彼女が、答え終わったあと、フィニーちゃんは、頭をなでてあげる。すると、彼女は、とても幸せそうな表情を浮かべた。まるで、本当の姉妹のようで、微笑ましい。
こうして、比較してみると、ナギサちゃんとフィニーちゃんの姉妹は、全てにおいて、正反対だ。
決して、慣れ合わない、ナギサちゃんたち。常に一緒にいる、フィニーちゃんたち。それでも、相性はいいみたいだし、姉妹にも、色んな形があるんだね。
「それより、風歌はどうなのよ? セラフィーナは、風歌を、どう思ってるの?」
ナギサちゃんに尋ねられると、セラちゃんは、一瞬、驚いた表情を浮かべる。
だが、すぐに落ち着くと、ナギサちゃんの目を見て、話し始めた。これも、日ごろの特訓の成果と言える。
「風歌先輩は、いつも、とても明るくて、太陽のような方です。仕事もプライベートも関係なしに、元気一杯ですし。それに、物凄く行動的で、パワフルです」
「あと、見知らぬ人だろうと、誰であろうと。まるで、親友のように、親しく話せるんです。一瞬で仲良くなってしまうし、神掛かった話術を持っています。私も、いつか、風歌先輩のように、誰にでも好かれる、明るい人間になりたいです」
元気と明るさは、私の数少ない取り柄だ。でも、改めて言われると、ちょっと照れる。
「確かに、風歌が、明るく元気なのも、話術が巧みなのも、認めるわ。でも、あなたは、風歌のように、非常識な人間になってはダメよ。シルフィードに必要なのは、気品・常識・人格なのだから。体力馬鹿に、なる必要はないわ」
「ちょっ、ナギサちゃん、言い方……。完全に、間違ってはいないけど。ちゃんと、最低限の常識は、わきまえてるから」
「ただの、誉め言葉よ」
「全然、そうは聞こえないんですけど――」
「風歌、凄くうるさいし、考えなしに突っ走る」
「えぇー?! フィニーちゃんまでっ?」
二人の、私に対する評価って……。
「流石は、風歌先輩! 凄く素敵です!!」
「いや、全然、褒めてないでしょ」
「どこまでも、真っ直ぐなのが、風歌先輩の、魅力なんです」
「それって、猪突猛進なだけじゃないの?」
「そこも、いいんです。凄い行動力じゃないですか」
キラキラした目で語るセラちゃんと、それを、呆れた表情で、突っ込むヴィオちゃん。その横では、幸せそうな顔で、黙々と食事をするクリスちゃん。三人とも、まるで、性格がかみ合ってない。
でも、彼女たちを見ていると、昔の自分たちを思い出す。私たちも、温度差が激しくて、性格も価値観も合わなくて。いつも、意見が擦れ違ってたもんね。それでも、いつも一緒で、とても仲がよかった。
この三人も、いい感じに、仲よくなってくれるといいなぁ。シルフィードは、個人技ではあるけど、心を支えてくれる、仲間が必要だから。私も、ナギサちゃんやフィニーちゃんに、いつも支えられながら、ここまで来た訳だし。
ここ最近『スカイ・プリンセス』として、常にふさわしい、行動や言動をとるため、かなり窮屈だった。だから、こうやって、言いたいことが、自由に言い合える友達がいるって、本当に幸せだ。
それに、ちょっと安心した。立場が、大きく変わっても、二人の親友は、完全に、いつも通りだったから。
これからも、色々と、私たちの立場や環境は、変わって行くはずだ。それでも、いつまでも、この関係を続けて行けたらいいなぁ。
物事に、永遠はないし。いつかは、終わりが来る。それでも、この友情だけは、永遠であると、心から信じたい……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『深い心の傷もいつか癒える日が来るのだろうか……?』
時間こそが心の傷の妙薬なのです
相変わらず、たくさんの予約が入っており、最近は、一ヶ月分、丸々埋まっていることが多い。おかげで、朝からずっと、休む間もなく、観光案内で飛び回っていた。でも、この忙しい生活に、日々大きな幸せを感じている。
私は今〈南地区〉にあるレストラン〈マリアージュ〉に来ていた。ここは〈スカイホテル〉の四十階にあり、この町が一望できる。
〈グリュンノア国際空港〉や〈ドリーム・ブリッジ〉も見える、最高のビューポイントだ。夜空の星のように輝く、町の夜景が、言葉にできないほど美しい。
それにしても、流石は、高級ホテル。内装や雰囲気は、もちろん。今いるレストランも、高級感にあふれていた。純白のテーブルクロスに、ピカピカに磨かれたグラス。光沢のある、たくさんのフォークやナイフ。
一昔前なら、滅茶苦茶、緊張していたと思うけど。最近は、だいぶ慣れてきた。なぜなら『スカイ・プリンセス』の立場上、パーティーや会食に、参加する機会が多いからだ。
なお、今日は、恒例の『女子会』が行われる。いつもは、私一人で来るけど、今日は、後輩の子も同伴していた。以前『弟子になりたい』とやって来た、セラフィーナちゃんだ。
彼女とは、あのあと、ELで連絡をとったり、一緒にお茶をしたりしている。会う度に、仕事のコツや、心構えの話をしていた。私なんかの経験で、役に立つかは、分からないけど。彼女は、いつも、とても真剣に話を聴いてる。
最初に会ったころに比べると、だいぶ、自然に話せるようになった。主に、コミュニケ―ションのしかたについて、レクチャーしているので、効果が出てきたようだ。少しずつ、成長する姿を見るのが、とても楽しい。
以前は、女子会はいつも〈東地区〉にある〈アクアマリン〉で、やっていた。けど、今日は、ナギサちゃんの提案で、ここのレストランで、やることになった。
本当は〈アクアマリン〉のほうが、肩が凝らなくていいんだけど。『立場に見合った店を選びなさいよ』と、ナギサちゃんに、突っ込まれてしまったのだ。
ちなみに、私が昇進して、数ヵ月後。ナギサちゃんが『スカイ・プリンセス』に昇進した。彼女は『ミス・グリュンノア』に参加し、見事に優勝。その後『あの美女は誰?』と、大変な話題になった。
彼女の今までの実績。加えて『白金の薔薇』の娘であることが認知されると、爆発的な人気になった。その後、雑誌やMVなどに、何度も登場。スピでも、トレンドランキング入り。そのあとすぐに、昇進が決定した。
なお、コンテストには、ナギサちゃんの友人が、勝手に応募したらしい。本人は、ミスコンがキッカケで、昇進したことについては、かなり、不満のようだったけど。結果的に、昇進できたんだから、OKだよね。
さらに、年が明けてからは、フィニーちゃんが昇進。元々彼女は、人気グルメ・レビュワー『大食い妖精』のハンドルネームで、割と名前が知られていた。なぜなら、彼女のレビューは、とても分かりやすく、全くハズレがないからだ。
あと、途中から、大食いチャレンジや、大食い大会の、MVを配信し始めた。撮影も編集も、妹のクリスちゃんが、全てやっていたらしい。『小柄な体で、もぐもぐ食べる姿が可愛い』と、MV登録者が、どんどん増えて行った。
その後、ある大食い大会のMVが、大ブレイク。ニュースでも取り上げられ、各種雑誌にも登場した。加えて『旋風の魔女』の子孫、ということも認知され、大きな話題に。ほどなくして、彼女も『スカイ・プリンセス』に昇進した。
もちろん、彼女たちにも、二つ名がついている。ナギサちゃんは『白銀の薔薇』で、フィニーちゃんは『翠玉の妖精』だ。どちらも、二人にピッタリの、素敵な名前だよね。
私たち三人は、上位階級になってから、常に注目されていた。どこに行っても、色んな人に、声を掛けられる。やはり、上位階級の知名度は、半端ない。
ただ、ちょっと買い物に行くだけでも、とても大変だったりする。なので、最近は、気楽に外に出られなくなってしまった。普通のお店に行くと、対応が大変なので、三人で集まる時は、完全予約制の、人の少ない店を選ぶことが多い。
あと、彼女たちの妹と、会ったことがなかったので『ついでに顔合わせもしよう』という話になった。私も、妹ではないけど、可愛い後輩ができたし。ちょうどいい機会だったので、一緒に来たのだ。
そんなわけで、長方形のテーブルには、六人が座っていた。私たち三人が、横に並び、その正面には、それぞれの妹が座っている。
最初に、二人の妹を見た時は『なるほどなぁ』と、思わず納得してしまった。姉に、あまりにも、そっくりだから。なるべくして、姉妹になった気がする。
フィニーちゃんの妹の、クリスティアちゃんは、物凄く無口で大人しい。しかも、色白でちっちゃくて、とても可愛い。体形も雰囲気も似てるし、二人が並ぶと、本物の姉妹のように見える。
一方、ナギサちゃんの妹の、ヴィオレッタちゃんは、少しつり目で、とても鋭い眼光をしていた。勝気な表情と、堂々とした態度は、ナギサちゃんにそっくり。しかも、ナギサちゃん以上に、気が強そうだ。
クリスちゃんと、セラちゃんは、物凄く緊張した感じだが、ヴィオちゃんだけは、全く物怖じした様子がない。三人とも、全く性格が違う。でも、やっぱり、新人の子って、初々しくて、見ていて微笑ましくなる。
「別に、ここまで高級なお店じゃなくても、よかったんじゃないの? 私〈アクアマリン〉大好きだし。テラス席のほうが、気持ちいいし」
「あのねぇ。少しは、自分の立場を考えなさいよ。常に、注目されているのだから。気楽に、目立つところに、行ける訳ないでしょ? それに、立場を考えて、それ相応の店を選ぶべきよ。もう、一般階級じゃないのだから」
「でも、普段は、今までと同じで、いつものお店に行くことが多いよ。夕飯を買う時も、休日の買い物も」
ナギサちゃんの言うことも、何となく分かる。でも、急に変えると言ってもねぇ。仕事は、以前とは、大幅に変わったけど。プライベートは、昔と何も変わってないし。
「まさか、スーパーに行ったりは、してないわよね?」
「普通に、行ってるよ。休みの日は、朝市に、特売品を買いに行くし。あと、一食、三百ベル生活も、まだ続けてるから」
「はぁ?! なにを考えてるの? どこに、特売品を買いに行く、上位階級のシルフィードがいるのよ? そんな姿を、他の人に見られたら、どうするつもり? 物凄く、幻滅されるでしょ?」
「うーん、色んな人に、声を掛けられるけど。お店の人も、買い物に来ている人も、とても好意的だよ。オススメの特売品の話題で、盛り上がったりとか」
買い物に来ている奥様方とは、とても話が盛り上がる。みんな、色んな情報を持っているし、気さくない人が多い。ここで得た話題や情報は、普段の接客でも、しっかり活用している。
「はぁー……相変わらず、考えなしね。いい加減、自分の立場を、自覚したら? 上位階級は、皆の憧れであり、全シルフィードの象徴なのよ。そんなのじゃ、ただの見習いと、変わらないじゃないの」
ナギサちゃんは、話し終えたあと、大きなため息をついた。
「話には、聴いていましたけど。『天使の翼』は、そうとうな、変わり者ですね」
ヴィオちゃんは、何の臆面もなく、あっさり言い放つ。
「変わり者というより、常識がないのよ。ただ、これでも、一応、先輩なんだから。もう少し、敬意を持った発言をしなさい」
「――はい、ナギサお姉様」
ヴィオちゃんは、今一つ、納得のいかなさそうな表情で、返事をする。でも、ナギサちゃんの言うことだけは、素直に聴くようだ。
「ちょっ……常識がないってのは、言い過ぎじゃない? 確かに、見習い時代は、色々とアレだったけど。今は、ちゃんと、常識的に行動してるんだから」
「常識的な人間は、プライベートでも、常識的なのよ。仕事の時さえ、しっかりすればいいと、勘違いしているんじゃないでしょうね?」
「で――でも、休日ぐらい、自由でいいんじゃないの……?」
上位階級になってからは、毎日が、物凄く忙しい。それに、やたらと声を掛けられるから、コミュニケーション好きの私でも、さすがに気疲れしている。だから、休みの日ぐらい、全てを忘れて、自由に過ごしたいんだよね。
「大丈夫。常識なくても、人気あれば、やっていける」
黙々と、前菜を食べていたフィニーちゃんが、ボソッと呟いた。
「ちょっ――フィニーちゃんまで?! それじゃ、まるで、私が、完全に非常識な人間みたいじゃない。てか、後輩の子がいる前で、やめてー!」
後輩三人は、全く話に入って来ない。クリスちゃんは、幸せそうな表情で、会話を気にせず食事を。セラちゃんは、話は聴いているけど、オロオロと。ヴィオちゃんは、怪訝そうなジト目で、私を見ている。
「風歌が、いきなり上位階級にふさわしい、立派な人間になれるとは、最初から思っていなかったし。非常識なのも、考えなしなのも、しょうがないわよね」
「んがっ……。ナギサちゃん、それ、言いすぎ――」
相変わらず、ナギサちゃんは、物言いがキツイ。
「でもね、私たち、内々の間でなら、いいのよ。見習い時代から、見ているんだから。お互いの、ダメなところも、全て知ってるし。ただ、それを知らない人たちは、見たままの評価しかしない。しかも、第一印象だけで、評価が決まるのよ」
「友人と他人との区別を、もう少しつけなさい。みんながみんな、優しく理解してくれる訳じゃないのよ。有名になるほど、批判的な人間も、出てくるのだから。ちょっとした、粗を突いて来る人間もいるのよ」
確かに、ナギサちゃんの言うことは、物凄く正論だ。この町は、とても優しい人が多い。だから、つい忘れてしまうけど。理事会の時のように、中には、批判的な人もいるのだ。特に、私の場合は、異世界人だから……。
「うん――そうだね。もう少し自重して『スカイ・プリンセス』に、ふさわしい行動をするよ。変な噂が立ったら、会社にも、迷惑が掛かっちゃうからね……」
私の二つ名は、リリーシャさんと、アリーシャさんの、二人からもらった、とても大事なものだ。もし、私がへまをすれば、二人の名にも、傷を付けてしまう。
「ナギサちゃん、いつも、ありがとね」
「は――? 私は、別に、何もしてないわよ」
そういうと、ナギサちゃんは、顔を背けてしまった。
でも、昇進の時も、一生懸命、協力してくれたし。今までも、たくさんの知識を教えてくれた。困った時は、いつだって、真剣に助言をしてくれる。結局、助けて貰ってばかりだ。
「でも、プライベートまで、気を付けなきゃならないなんて、大変だよね。他の上位階級の人たちは、どうしてるんだろ?」
上位階級の知り合いは、たくさんいるのに。考えてみたら、休日は、どう過ごしているのか、全く知らない。リリーシャさんも、付き合いは長いけど。プライベートの姿は、全然、見たことないし……。
「メイリオ先輩は、いつも、普通。休みの日は、ハーブの世話したり、料理の研究してる。あと、園芸店にも、よく行く」
フィニーちゃんは、パンを片手に、静かに答える。
「つまり、好きな生活をしてる、ってこと?」
「うん。仕事の時も、普段も、変わらない感じ」
「なるほど――自然体なんだ」
メイリオさんには、何度か会ったことがあるけど。堅苦しさや、営業っぽさが全くなく、凄く自然な感じがする。フィニーちゃんも、いつも、自然体だもんね。姉妹で、似てるのかもしれない。
「ナギサちゃん。ツバサさんは、プライベートって、どんな感じなの?」
「えっ……? 知らないわよ、そんなこと」
ナギサちゃんは、少し微妙な表情で答えた。
「だって、姉妹なんだから、いつも、一緒に行動してるんでしょ?」
「一緒になんていないわよ。週に一度。場合によっては、二週に一度ぐらいしか、会わないから」
「えぇっ?! そんなもんなの?」
「誰も彼もが、べたべたしてる訳じゃないわよ。特に、私たちは、干渉されるのが嫌いだから。お互い、自由にやってるわ」
なるほどねぇ。まぁ、らしいと言えば、らしいよね。ナギサちゃんは、昔から、個人行動が好きみたいだし。ツバサさんも、飄々としてるから、一人で気ままにやってるのだろう。
「ただ、休日、一緒に出掛けたりする時も、営業が終了したあとも、いつも、あんな感じよ。別に、内々で、あんなに、カッコつける必要はないのに。行動も言動も、何か、キザな感じなのよね」
「あははっ、そうなんだ。でも、ツバサさんって、そういうイメージしかないよね。どんな時でも、王子様みたいな」
ツバサさんは、あれが素なんだろうか――?
「ヴィオちゃん。ナギサちゃんは、普段、どんな感じ?」
「えっ……? ナギサお姉様ですか?」
「ちょっ、何で私のことなんか、訊いてるのよ?」
「まぁまぁ。今日は、それぞれの後輩たちと、親睦を深めるのが目的だし。色々と、お話を聴いてみようよー」
せっかくだから、全員と仲良くなりたい。
「特に、変わらないですね。いつも、こんな感じですよ。一挙一動を、徹底的に観察してますけど。ミスも全くしないし、欠点も見当たらないし。何もかもが、完璧すぎて、全然、面白くないですよ」
「あなた、いつも、そんなに私を、観察しているの?」
ナギサちゃんは、少し驚いた表情を浮かべる。
「欠点の一つでも握っておけば、いずれ、有利なるかと思って」
「はぁ?! 姉妹なのに、何を考えてるのよ?」
「頂点をとるなら、抜き去らなければならない、障害なので」
ヴィオちゃんは、澄ました顔で、サラッと言い放った。
「あははっ――。まぁ、それはそれで、いい関係だよね」
何か、姉妹と言うより、ライバルみたいな感じだ。でも、ナギサちゃんたちらしいよね。お互いに、常に、切磋琢磨しているんだろう。
「クリスちゃんは、どう? フィニーちゃんは、普段、どんな感じ?」
「……」
私が声を掛けた瞬間、彼女はビクッとした。フィニーちゃんに視線を向け、助けを求める。話には聴いていたけど、想像以上に、人見知りのようだ。
フィニーちゃんが、静かに頷くと、彼女は、恐る恐る、こちらに視線を向けて来た。
少し考えたあと、
「と――とても優しいです。いつも……一緒にいてくれて。助けて――くれます」
とても小さな声で、ゆっくりと答える。
「そっかぁ。とても、仲がいいんだね」
彼女が、答え終わったあと、フィニーちゃんは、頭をなでてあげる。すると、彼女は、とても幸せそうな表情を浮かべた。まるで、本当の姉妹のようで、微笑ましい。
こうして、比較してみると、ナギサちゃんとフィニーちゃんの姉妹は、全てにおいて、正反対だ。
決して、慣れ合わない、ナギサちゃんたち。常に一緒にいる、フィニーちゃんたち。それでも、相性はいいみたいだし、姉妹にも、色んな形があるんだね。
「それより、風歌はどうなのよ? セラフィーナは、風歌を、どう思ってるの?」
ナギサちゃんに尋ねられると、セラちゃんは、一瞬、驚いた表情を浮かべる。
だが、すぐに落ち着くと、ナギサちゃんの目を見て、話し始めた。これも、日ごろの特訓の成果と言える。
「風歌先輩は、いつも、とても明るくて、太陽のような方です。仕事もプライベートも関係なしに、元気一杯ですし。それに、物凄く行動的で、パワフルです」
「あと、見知らぬ人だろうと、誰であろうと。まるで、親友のように、親しく話せるんです。一瞬で仲良くなってしまうし、神掛かった話術を持っています。私も、いつか、風歌先輩のように、誰にでも好かれる、明るい人間になりたいです」
元気と明るさは、私の数少ない取り柄だ。でも、改めて言われると、ちょっと照れる。
「確かに、風歌が、明るく元気なのも、話術が巧みなのも、認めるわ。でも、あなたは、風歌のように、非常識な人間になってはダメよ。シルフィードに必要なのは、気品・常識・人格なのだから。体力馬鹿に、なる必要はないわ」
「ちょっ、ナギサちゃん、言い方……。完全に、間違ってはいないけど。ちゃんと、最低限の常識は、わきまえてるから」
「ただの、誉め言葉よ」
「全然、そうは聞こえないんですけど――」
「風歌、凄くうるさいし、考えなしに突っ走る」
「えぇー?! フィニーちゃんまでっ?」
二人の、私に対する評価って……。
「流石は、風歌先輩! 凄く素敵です!!」
「いや、全然、褒めてないでしょ」
「どこまでも、真っ直ぐなのが、風歌先輩の、魅力なんです」
「それって、猪突猛進なだけじゃないの?」
「そこも、いいんです。凄い行動力じゃないですか」
キラキラした目で語るセラちゃんと、それを、呆れた表情で、突っ込むヴィオちゃん。その横では、幸せそうな顔で、黙々と食事をするクリスちゃん。三人とも、まるで、性格がかみ合ってない。
でも、彼女たちを見ていると、昔の自分たちを思い出す。私たちも、温度差が激しくて、性格も価値観も合わなくて。いつも、意見が擦れ違ってたもんね。それでも、いつも一緒で、とても仲がよかった。
この三人も、いい感じに、仲よくなってくれるといいなぁ。シルフィードは、個人技ではあるけど、心を支えてくれる、仲間が必要だから。私も、ナギサちゃんやフィニーちゃんに、いつも支えられながら、ここまで来た訳だし。
ここ最近『スカイ・プリンセス』として、常にふさわしい、行動や言動をとるため、かなり窮屈だった。だから、こうやって、言いたいことが、自由に言い合える友達がいるって、本当に幸せだ。
それに、ちょっと安心した。立場が、大きく変わっても、二人の親友は、完全に、いつも通りだったから。
これからも、色々と、私たちの立場や環境は、変わって行くはずだ。それでも、いつまでも、この関係を続けて行けたらいいなぁ。
物事に、永遠はないし。いつかは、終わりが来る。それでも、この友情だけは、永遠であると、心から信じたい……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『深い心の傷もいつか癒える日が来るのだろうか……?』
時間こそが心の傷の妙薬なのです
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