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第6部 飛び立つ勇気
5-9限界を超えて私はどこまでも進み続ける……
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四月一日。この世界では、向こうとは、季節が一ヶ月ずれているので、今日から春が始まる。陽気も良くなり、あちこちで、綺麗な花が咲いていた。こちらの世界にも、桜があって、沢山の桜が、美しく咲き乱れている公園もあった。
この世界では、花見の習慣はないけど、今月は『フラワー・フェスティバル』が行われる。これは、町中を花で飾り付けたり、世界中の花が集められたり、どこもかしこも花であふれかえる、とても春らしいイベントだ。
私は、桜を見ると、入学式を思い浮かべる。でも、こちらの世界は、入学や入社などの、新年度の行事は、一月だ。ただ、春の訪れを祝うお祭りとして、毎年、四月に『フラワー・フェスティバル』が、盛大に行われている。
イベントの開催に向け、町のあちこちで、どんどん、花が増えてきていた。一般家庭でも、この時期には、沢山の植木鉢をおいたり、フラワーリースを飾ったりする。この町の人たちは、イベントの参加が積極的だよね。
そんな中、私はユメちゃんの家に来ていた。広大な敷地では、プロの庭師の人たちが、本格的に手入れをしている最中だった。あちこちの花壇に、綺麗な花を植えている。流石は、大富豪。ちょっとしたイベントでも、スケールが物凄く大きい。
私は今、リチャードさんや、何人ものメイドさんたちが見守る中、エア・ドルフィンに乗っていた。後部座席には、ユメちゃんが座っている。
ここ最近、近場を中心に、ユメちゃんを乗せて、お出掛けをしていた。最初は、敷地内を低空飛行していたけど、しだいに慣れて来て、近所であれば、出かけられるようになった。
もちろん、まだ、全てを克服した訳じゃない。でも、敷地の外に出られるようになったり、空を飛べるようになったのは、目覚ましい進歩だった。
今日は、ユメちゃんの希望で、街を一周をすることになっていた。今までにない、かなりの遠出だ。でも、ユメちゃんにとっては、新しい挑戦であり、卒業試験的な感じでもある。
『これが上手く行けば、一歩前に進めるかもしれない』と、彼女は言っていた。確かに、街を一周するぐらいのことが出来れば、もう、何も恐れるものはないと思う。
それに、これは、私にとっても、とても大切な行事だった。ずっと前に『一人前になったら、ユメちゃんを乗せて、町中を案内する』って、ELで約束してたから。まさか、こんなに早く、実現するとは思わなかったけど。
あと、私、一人前になってから、ちゃんとした観光案内って、初めてなんだよね。いつも、ただの道案内ばかりだから。なので、お互いにとって、色んな意味で、記念すべき日だった。
「それでは、如月様。くれぐれも、お嬢様を、よろしくお願いいたします」
「はい。責任を持って、お預かりいたします」
リチャードさんを始め、一緒にいたメイドさんたちが、一斉に頭を下げる。皆に見送られる中、私はエンジンを起動し、ゆっくりと浮上して行った。広大な敷地が、少しずつ離れて、小さくなって行く。
まず最初に〈西地区〉を回る。そのあと〈中央区〉〈北地区〉〈東地区〉〈南地区〉〈新南区〉の順に回る予定だ。
本当は〈西地区〉は、一番、最後にしようと思っていた。なぜなら〈西地区〉を回ると、嫌でも、事故のあった場所に、行くことになるからだ。今までも、事故現場の付近は、ずっと避けていた。
しかし、最初に〈西地区〉を回るのを提案したのは、ユメちゃん自身だった。しかも、いきなり最初に『天使像』に向かうことを希望したのだ。『ケジメを付けないと、前に進めないから』という彼女の言葉から、並々ならぬ、強い決意を感じた。
私の後方からは、ユメちゃんの緊張感が、ヒシヒシと伝わってくる。私だって、ツバサさんから話を聴いた直後は、しばらく、近づくのを避けていたぐらいだ。事故の当事者であるユメちゃんは、想像を絶するほどの、プレッシャーだと思う。
私は、彼女が気持ちを落ち着ける時間を作るため、できるだけ、ゆっくり飛んで行く。それでも、徐々に目的地が近づいて来た。
「ユメちゃん、大丈夫……?」
「うん、平気。風ちゃんが、一緒にいてくれるから」
緊張した声を聴く限り、全然、平気じゃないのが分かる。それでも、彼女は、明るく振る舞っていた。
〈ウインド・ストリート〉の上空に着くと、真っ直ぐ、西に向かって行く。しばらく進むと、白い天使像が見えてきた。私は、広場の端のスペースを見つけると、ゆっくり高度を落として行った。
静かに着陸すると、そっと声を掛ける。
「着いたよ、ユメちゃん。行けそう?」
「うん。でも、ゴメン。ちょっとだけ、時間ちょうだい――」
「大丈夫。ゆっくりで、いいからね」
ユメちゃんの小さな手が、私の背中に、そっと触れた。ユメちゃんの心の中の、大きな葛藤と不安が、伝わって来るような気がする。
数分が経過し、
「ゴメン、お待たせ。もう、大丈夫だから」
小さな声が返って来た。
私は、先にエア・ドルフィンを降りると、手を差し出して、ユメちゃんを機体から降ろす。ユメちゃんの左手には、大事そうに、花束が抱えられていた。
「じゃ、行こうか」
「うん……」
ユメちゃんは、明らかに顔色が悪い。つないだ手も、心なしか冷たい気がする。それでも彼女は、ゆっくりと、一歩ずつ前に進んで行く。
私たちは、天使像の裏側に回り込んだ。そこには、いつにも増して、沢山の花が置いてあった。おそらく、イベントの影響だろう。
ユメちゃんは、私の手をそっと離すと、静かに献花の前に進んだ。私は、少し離れたところから、その様子をじっと見守る。
彼女は、ゆっくりと花を置くと、両手を組み、目を閉じた。人通りが多く賑やかな空間に、時が止まったかのような、静寂が訪れた気がする。
しばらくして、ユメちゃんは、小さな声で呟いた。
「来るのが遅くなって、本当に、ごめんなさい。命がけで助けてくれたのに――。もっと早く、お礼を言いに来るべきだったのに。私が、現実と向かい合う、勇気がなかったから……」
「せっかく、助けてもらった命なのに、無駄に使ってごめんなさい――。私、一人だけが生き残ったのに。勝手に、自分が不幸だと思いこんで、殻に閉じこもってしまって……」
「でも、これからは、真っ直ぐ前を向いて、歩いて行きます。あなたに貰ったこの命、大事に使って、一生懸命、生きて行きます。本当に、ありがとうございました」
ユメちゃんは、像に向かって深々と頭を下げた。私も目を閉じ、静かに頭を下げる。
私が目を開けたあとも、彼女は、頭を下げ続けていた。私は、その姿を、静かに見守った。
しばらくして、ゆっくり振り返ると、彼女は、目頭の涙を指で拭きながら、こちらに戻って来た。
「風ちゃん、ゴメンね。待たせちゃって」
「ううん、気にしないで。それより、アリーシャさんとは、お話しできた?」
「うん。お詫びもお礼も、ちゃんと言えた。私、ちゃんと、許してもらえるかな?」
「許すも何も、最初から、怒ってなんかないよ。滅茶苦茶、器の大きな人だもん。ユメちゃんが元気になって、凄く喜んでると思うよ」
アリーシャさんは、自由闊達で、物凄く大らかな人だったらしい。あの飄々としたツバサさんが『とても楽天的な人だった』と言うぐらいだから、間違いないと思う。
「だとしたら――嬉しいな」
ずっと張りつめていたユメちゃんが、ようやく、明るい笑顔を浮かべた。
「じゃ、行こうか。今日のメインは、ノア観光だからね」
「うん。行きたいところ、超いっぱい有るんだけど」
「よーし、なら、片っ端から回って行くぞー!」
「おぉー!」
こうして私たちは〈天使広場〉を飛び立ち、町を一周する観光に向かう。チラリと下を見た時、心なしか、天使像が、微笑んでいるように見えた……。
******
私たちは、予定通り〈中央区〉から順に回って行った。まずは、お約束の〈シルフィード像〉から。そのあとは〈北地区〉の牧場に行って、ソフトクリームを食べたり。私の行きつけの〈東地区商店街〉も案内する。
ユメちゃんは、まるで、この町に初めて来た観光客のように、物凄くはしゃいでいた。どうやら、昔から、行動範囲は狭かったみたいだ。学校も、ずっと〈西地区〉だったので、それ以外の地区は、ほとんど行ったことがないらしい。
でも、これほど喜んでくれると、実に観光案内のし甲斐がある。意外と、ノリのいいお客様って、少ないからね。
私たちは、観光名所や、人気のお店を、次々と回って行く。ユメちゃんの希望で、雑誌にのっていたお店を、片っ端から見て行った。物凄く流行には敏感だし、こうして見ると『今時の若者だなぁー』って感じがする。
考えて見れば、今までもELのやり取りで、いつもユメちゃんから、流行の情報を教えてもらってたもんね。
その後も、順番に各地区を移動し〈新南区〉を一周したあと、スタート地点の〈西地区〉に戻って来た。私たちが、最後に向かったのは〈サファイア・ビーチ〉だ。
〈西地区〉は、観光客が多いが、今はシーズンオフなので、海の近くは空いていた。それに、日が水平線に沈みかけている夕方なので、砂浜には誰もおらず、完全に貸し切り状態だった。
私たちは、二人並んで、波の音を聴きながら、赤く染まる夕日を眺めていた。先ほどから、ユメちゃんは、ずっと黙り込んでいる。
散々、はしゃぎ回ったので、疲れてしまったのだろうか? でも、表情は、どことなく真剣で、何か考え事をしているように見える。私は、彼女が口を開くまで、じっと待つことにした。
それから、だいぶ時間が経ち、ようやくユメちゃんのほうから、声を掛けてくる。
「風ちゃん、今日は本当にありがとう。一日中、私のわがままに付き合ってくれて」
「こちらこそ、ありがとう。私、一人前になってから、ちゃんとした観光案内、初めてなんだよね。第一号のお客様が、ユメちゃんで、本当に良かった」
「そうなんだ――?」
「うん。ちゃんと、以前の約束、守れたね」
二人で視線を合わせると、お互いにそっと微笑む。
「私ね、ここのところ毎日、ずっと考えてたんだ。これから先、どうするべきなのか? これからの人生、どうやって生きて行くべきなのか?」
「でも、いざ考えて見ると、何も分からなくて。偉そうに、他人のアドバイスをしてたくせに、自分のことは、何も分からないなんて。おかしいよね……」
頭のいいユメちゃんなら、何でも分かっていると、思ってた。でも、そんなことないよね。この世の中は、分からないことだらけだ。特に、自分のことほど、よく分からない。
「それが、普通なんだと思うよ。他人のことは、よく見えても、自分のことって、本当に分からないもん。私もそうだし」
「でも、風ちゃんには、明確な夢や目標があるじゃない? それって、自分が、ちゃんと見えてるからじゃないの?」
「そんな、カッコイイものじゃないよ。ちゃんと見えてたら、親と喧嘩して、家出なんかしないし。色んな物が見えてきたのは、こっちに来てから。それでも、まだ見えてないものが多くて。たぶん、人生の一割も、見えてないんじゃないかな?」
これから先、どんな生き方をするのか。どんな人生のなるのか。そんなものは、サッパリ分からない。ただ、漠然とした、夢や希望があるだけだ。
「物凄く、ひた向きに頑張ってるのに。そんなものなの?」
「うん、そんなもんだよ。きっと人はね、よく分かんないから、頑張るんだと思う。何となく、そっちかなぁ、って方向に、必死に進んで行く。もし、明確に分かってたら、そんなに、頑張らないんじゃないかな?」
「言われてみれば、そうかもね――」
私は、考えるの苦手だから、行動に、ほぼ全振りなんだけど。でも、いくら考えたって、明確な未来は、誰にも分からないと思う。
「ザックリ方向を決めて、突っ走って。何かある度に、方向修正をする。時には痛い目にあって、立ち止まって。それでも、しばらくしたら、また走り始める。人生って、そんなもんじゃない?」
「進んだり止まったりを、繰り返して。結果的に、ちょっとだけ、前に進む。まぁ、こんな非効率な生き方は、私だけかもしれないけどね」
壁にぶつかったら、それを迂回せずに、どんなに時間が掛かっても、それを無理矢理、乗り越える。それが、私の生き方だ。だから、立ち止まることだって多い。
「そんなことない。きっと、みんなそうだと思う。私は、進むのが怖くて、ずっと立ち止まり続けちゃったけど。そろそろ、歩き始めないとね……」
再び、静寂が訪れる。波の音だけが響き、心が洗い流されて行くような気分だ。
「私も、先のことは、よく分からないけど。一つだけ、決めたことが有るんだ。私、一から、学校に行き直そうと思う」
「一からって――?」
「私、中一の三月から、学校行ってないから。数ヶ月、行っただけで、ずっと、お休みしてたんだよね。だから、また、中一から、やり直そうかと思って」
「あぁ……そういうこと。でも、ユメちゃんなら、編入試験、受かるんじゃない?」
ユメちゃんの場合は、事情が事情だし。試験さえ受かれば、途中から入れるはずだ。しかも、滅茶苦茶、頭いいし。
「でも、それじゃあ、私の気持ちの、区切りがつかないんだ。それに、もう一つ、夢があるから――」
「それって、どんな?」
ユメちゃんだと、本が好きだから、小説家とかかな?
「前にも、言ったじゃない。私、シルフィードになりたいって」
「ええっ?! あれ本気だったの……?」
「ひどーい。冗談だと思ってたの?」
「いや、ある程度、本気だとは思ってたけど。でも、今の事情を考えると――。事故のことが有ってなお、それでも、シルフィードになりたいの……?」
あの悲惨な事故は、一生、記憶から消えることは、ないだろう。それに、空の恐怖が、完全になくなった訳でもない。
「空が怖いのに、シルフィードになりたいなんて、やっぱ、おかしいかな――?」
「ううん、全然。だって、シルフィードのこと、全く知らなかった人間が、こうやって、シルフィードやってるんだもん。私以上に、おかしな人間なんて、いないよ」
何の知識もなく、学校すら行ってない異世界人が、シルフィードをやってるのだから。ユメちゃんに、出来ないはずがない。
「あははっ。やっぱ、風ちゃんは凄いね。私も、絶対に、風ちゃんみたいなシルフィードになるから。それまで、待っててくれる――?」
「もちろん。いつまででも、待ってる。どうせ私も、しぶとく上を目指して、かじり付いてるつもりだから。十年後も二十年後も、シルフィードやってると思うよ」
「うん。きっと風ちゃんなら、そうだろうなぁー、って私も思う」
ユメちゃんは、私の左手に、そっと触れてきた。私は、その小さな手を、しっかりと握り返す。
未来は、誰にも分からない。もちろん、私たち二人の未来も。でも、歩みを止めない限り、ちょっとずつでも、前に進んで行くはずだ。時には、大きな壁が、立ちはだかる時もあると思う。でも、それだって、時間を掛ければ、乗り越えられるはずだ。
私は、これからも、前に進み続けよう。何があっても、憧れの人の背中を、追い掛け続け。そして今度は、私を追い掛けて来る人のために。
もっと先に、限界を超えて……。行けるところまで、どこまでも――。
例えそれが、私の望んだ場所じゃなかったとしても、後悔はしない。一番の後悔は、進まないことだから。
私は、永遠に進み続ける。シルフィードの頂点に、手が届くまで……。
―― 見習い編 完 ――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第7部 予告――
「大丈夫だよ。確かに死にそうにはなるけど、実際には死なないから」
「ぐっ……私だけじゃない、ファンがいないの」
「いい加減、その生活、やめたらどうだ?」
『悲しいけど、それが才能の差ってものだろう……』
「私は、いつだって常識的だっ!」
「力の差を目の当たりにすると、ちょっと、自信を無くすんだよ」
「あわわっ……その、違うんです。けっして、怪しい者では……」
『結局は、自分が納得できる生き方が、一番だと思う』
「いつかは、こうなるって、信じてました!」
「私は一度、逃げ出そうとしたのだから……」
「理屈じゃない、風を感じろ」
『私は飛ぶために生きているんだから。ここでは負けられない……』
coming soon
この世界では、花見の習慣はないけど、今月は『フラワー・フェスティバル』が行われる。これは、町中を花で飾り付けたり、世界中の花が集められたり、どこもかしこも花であふれかえる、とても春らしいイベントだ。
私は、桜を見ると、入学式を思い浮かべる。でも、こちらの世界は、入学や入社などの、新年度の行事は、一月だ。ただ、春の訪れを祝うお祭りとして、毎年、四月に『フラワー・フェスティバル』が、盛大に行われている。
イベントの開催に向け、町のあちこちで、どんどん、花が増えてきていた。一般家庭でも、この時期には、沢山の植木鉢をおいたり、フラワーリースを飾ったりする。この町の人たちは、イベントの参加が積極的だよね。
そんな中、私はユメちゃんの家に来ていた。広大な敷地では、プロの庭師の人たちが、本格的に手入れをしている最中だった。あちこちの花壇に、綺麗な花を植えている。流石は、大富豪。ちょっとしたイベントでも、スケールが物凄く大きい。
私は今、リチャードさんや、何人ものメイドさんたちが見守る中、エア・ドルフィンに乗っていた。後部座席には、ユメちゃんが座っている。
ここ最近、近場を中心に、ユメちゃんを乗せて、お出掛けをしていた。最初は、敷地内を低空飛行していたけど、しだいに慣れて来て、近所であれば、出かけられるようになった。
もちろん、まだ、全てを克服した訳じゃない。でも、敷地の外に出られるようになったり、空を飛べるようになったのは、目覚ましい進歩だった。
今日は、ユメちゃんの希望で、街を一周をすることになっていた。今までにない、かなりの遠出だ。でも、ユメちゃんにとっては、新しい挑戦であり、卒業試験的な感じでもある。
『これが上手く行けば、一歩前に進めるかもしれない』と、彼女は言っていた。確かに、街を一周するぐらいのことが出来れば、もう、何も恐れるものはないと思う。
それに、これは、私にとっても、とても大切な行事だった。ずっと前に『一人前になったら、ユメちゃんを乗せて、町中を案内する』って、ELで約束してたから。まさか、こんなに早く、実現するとは思わなかったけど。
あと、私、一人前になってから、ちゃんとした観光案内って、初めてなんだよね。いつも、ただの道案内ばかりだから。なので、お互いにとって、色んな意味で、記念すべき日だった。
「それでは、如月様。くれぐれも、お嬢様を、よろしくお願いいたします」
「はい。責任を持って、お預かりいたします」
リチャードさんを始め、一緒にいたメイドさんたちが、一斉に頭を下げる。皆に見送られる中、私はエンジンを起動し、ゆっくりと浮上して行った。広大な敷地が、少しずつ離れて、小さくなって行く。
まず最初に〈西地区〉を回る。そのあと〈中央区〉〈北地区〉〈東地区〉〈南地区〉〈新南区〉の順に回る予定だ。
本当は〈西地区〉は、一番、最後にしようと思っていた。なぜなら〈西地区〉を回ると、嫌でも、事故のあった場所に、行くことになるからだ。今までも、事故現場の付近は、ずっと避けていた。
しかし、最初に〈西地区〉を回るのを提案したのは、ユメちゃん自身だった。しかも、いきなり最初に『天使像』に向かうことを希望したのだ。『ケジメを付けないと、前に進めないから』という彼女の言葉から、並々ならぬ、強い決意を感じた。
私の後方からは、ユメちゃんの緊張感が、ヒシヒシと伝わってくる。私だって、ツバサさんから話を聴いた直後は、しばらく、近づくのを避けていたぐらいだ。事故の当事者であるユメちゃんは、想像を絶するほどの、プレッシャーだと思う。
私は、彼女が気持ちを落ち着ける時間を作るため、できるだけ、ゆっくり飛んで行く。それでも、徐々に目的地が近づいて来た。
「ユメちゃん、大丈夫……?」
「うん、平気。風ちゃんが、一緒にいてくれるから」
緊張した声を聴く限り、全然、平気じゃないのが分かる。それでも、彼女は、明るく振る舞っていた。
〈ウインド・ストリート〉の上空に着くと、真っ直ぐ、西に向かって行く。しばらく進むと、白い天使像が見えてきた。私は、広場の端のスペースを見つけると、ゆっくり高度を落として行った。
静かに着陸すると、そっと声を掛ける。
「着いたよ、ユメちゃん。行けそう?」
「うん。でも、ゴメン。ちょっとだけ、時間ちょうだい――」
「大丈夫。ゆっくりで、いいからね」
ユメちゃんの小さな手が、私の背中に、そっと触れた。ユメちゃんの心の中の、大きな葛藤と不安が、伝わって来るような気がする。
数分が経過し、
「ゴメン、お待たせ。もう、大丈夫だから」
小さな声が返って来た。
私は、先にエア・ドルフィンを降りると、手を差し出して、ユメちゃんを機体から降ろす。ユメちゃんの左手には、大事そうに、花束が抱えられていた。
「じゃ、行こうか」
「うん……」
ユメちゃんは、明らかに顔色が悪い。つないだ手も、心なしか冷たい気がする。それでも彼女は、ゆっくりと、一歩ずつ前に進んで行く。
私たちは、天使像の裏側に回り込んだ。そこには、いつにも増して、沢山の花が置いてあった。おそらく、イベントの影響だろう。
ユメちゃんは、私の手をそっと離すと、静かに献花の前に進んだ。私は、少し離れたところから、その様子をじっと見守る。
彼女は、ゆっくりと花を置くと、両手を組み、目を閉じた。人通りが多く賑やかな空間に、時が止まったかのような、静寂が訪れた気がする。
しばらくして、ユメちゃんは、小さな声で呟いた。
「来るのが遅くなって、本当に、ごめんなさい。命がけで助けてくれたのに――。もっと早く、お礼を言いに来るべきだったのに。私が、現実と向かい合う、勇気がなかったから……」
「せっかく、助けてもらった命なのに、無駄に使ってごめんなさい――。私、一人だけが生き残ったのに。勝手に、自分が不幸だと思いこんで、殻に閉じこもってしまって……」
「でも、これからは、真っ直ぐ前を向いて、歩いて行きます。あなたに貰ったこの命、大事に使って、一生懸命、生きて行きます。本当に、ありがとうございました」
ユメちゃんは、像に向かって深々と頭を下げた。私も目を閉じ、静かに頭を下げる。
私が目を開けたあとも、彼女は、頭を下げ続けていた。私は、その姿を、静かに見守った。
しばらくして、ゆっくり振り返ると、彼女は、目頭の涙を指で拭きながら、こちらに戻って来た。
「風ちゃん、ゴメンね。待たせちゃって」
「ううん、気にしないで。それより、アリーシャさんとは、お話しできた?」
「うん。お詫びもお礼も、ちゃんと言えた。私、ちゃんと、許してもらえるかな?」
「許すも何も、最初から、怒ってなんかないよ。滅茶苦茶、器の大きな人だもん。ユメちゃんが元気になって、凄く喜んでると思うよ」
アリーシャさんは、自由闊達で、物凄く大らかな人だったらしい。あの飄々としたツバサさんが『とても楽天的な人だった』と言うぐらいだから、間違いないと思う。
「だとしたら――嬉しいな」
ずっと張りつめていたユメちゃんが、ようやく、明るい笑顔を浮かべた。
「じゃ、行こうか。今日のメインは、ノア観光だからね」
「うん。行きたいところ、超いっぱい有るんだけど」
「よーし、なら、片っ端から回って行くぞー!」
「おぉー!」
こうして私たちは〈天使広場〉を飛び立ち、町を一周する観光に向かう。チラリと下を見た時、心なしか、天使像が、微笑んでいるように見えた……。
******
私たちは、予定通り〈中央区〉から順に回って行った。まずは、お約束の〈シルフィード像〉から。そのあとは〈北地区〉の牧場に行って、ソフトクリームを食べたり。私の行きつけの〈東地区商店街〉も案内する。
ユメちゃんは、まるで、この町に初めて来た観光客のように、物凄くはしゃいでいた。どうやら、昔から、行動範囲は狭かったみたいだ。学校も、ずっと〈西地区〉だったので、それ以外の地区は、ほとんど行ったことがないらしい。
でも、これほど喜んでくれると、実に観光案内のし甲斐がある。意外と、ノリのいいお客様って、少ないからね。
私たちは、観光名所や、人気のお店を、次々と回って行く。ユメちゃんの希望で、雑誌にのっていたお店を、片っ端から見て行った。物凄く流行には敏感だし、こうして見ると『今時の若者だなぁー』って感じがする。
考えて見れば、今までもELのやり取りで、いつもユメちゃんから、流行の情報を教えてもらってたもんね。
その後も、順番に各地区を移動し〈新南区〉を一周したあと、スタート地点の〈西地区〉に戻って来た。私たちが、最後に向かったのは〈サファイア・ビーチ〉だ。
〈西地区〉は、観光客が多いが、今はシーズンオフなので、海の近くは空いていた。それに、日が水平線に沈みかけている夕方なので、砂浜には誰もおらず、完全に貸し切り状態だった。
私たちは、二人並んで、波の音を聴きながら、赤く染まる夕日を眺めていた。先ほどから、ユメちゃんは、ずっと黙り込んでいる。
散々、はしゃぎ回ったので、疲れてしまったのだろうか? でも、表情は、どことなく真剣で、何か考え事をしているように見える。私は、彼女が口を開くまで、じっと待つことにした。
それから、だいぶ時間が経ち、ようやくユメちゃんのほうから、声を掛けてくる。
「風ちゃん、今日は本当にありがとう。一日中、私のわがままに付き合ってくれて」
「こちらこそ、ありがとう。私、一人前になってから、ちゃんとした観光案内、初めてなんだよね。第一号のお客様が、ユメちゃんで、本当に良かった」
「そうなんだ――?」
「うん。ちゃんと、以前の約束、守れたね」
二人で視線を合わせると、お互いにそっと微笑む。
「私ね、ここのところ毎日、ずっと考えてたんだ。これから先、どうするべきなのか? これからの人生、どうやって生きて行くべきなのか?」
「でも、いざ考えて見ると、何も分からなくて。偉そうに、他人のアドバイスをしてたくせに、自分のことは、何も分からないなんて。おかしいよね……」
頭のいいユメちゃんなら、何でも分かっていると、思ってた。でも、そんなことないよね。この世の中は、分からないことだらけだ。特に、自分のことほど、よく分からない。
「それが、普通なんだと思うよ。他人のことは、よく見えても、自分のことって、本当に分からないもん。私もそうだし」
「でも、風ちゃんには、明確な夢や目標があるじゃない? それって、自分が、ちゃんと見えてるからじゃないの?」
「そんな、カッコイイものじゃないよ。ちゃんと見えてたら、親と喧嘩して、家出なんかしないし。色んな物が見えてきたのは、こっちに来てから。それでも、まだ見えてないものが多くて。たぶん、人生の一割も、見えてないんじゃないかな?」
これから先、どんな生き方をするのか。どんな人生のなるのか。そんなものは、サッパリ分からない。ただ、漠然とした、夢や希望があるだけだ。
「物凄く、ひた向きに頑張ってるのに。そんなものなの?」
「うん、そんなもんだよ。きっと人はね、よく分かんないから、頑張るんだと思う。何となく、そっちかなぁ、って方向に、必死に進んで行く。もし、明確に分かってたら、そんなに、頑張らないんじゃないかな?」
「言われてみれば、そうかもね――」
私は、考えるの苦手だから、行動に、ほぼ全振りなんだけど。でも、いくら考えたって、明確な未来は、誰にも分からないと思う。
「ザックリ方向を決めて、突っ走って。何かある度に、方向修正をする。時には痛い目にあって、立ち止まって。それでも、しばらくしたら、また走り始める。人生って、そんなもんじゃない?」
「進んだり止まったりを、繰り返して。結果的に、ちょっとだけ、前に進む。まぁ、こんな非効率な生き方は、私だけかもしれないけどね」
壁にぶつかったら、それを迂回せずに、どんなに時間が掛かっても、それを無理矢理、乗り越える。それが、私の生き方だ。だから、立ち止まることだって多い。
「そんなことない。きっと、みんなそうだと思う。私は、進むのが怖くて、ずっと立ち止まり続けちゃったけど。そろそろ、歩き始めないとね……」
再び、静寂が訪れる。波の音だけが響き、心が洗い流されて行くような気分だ。
「私も、先のことは、よく分からないけど。一つだけ、決めたことが有るんだ。私、一から、学校に行き直そうと思う」
「一からって――?」
「私、中一の三月から、学校行ってないから。数ヶ月、行っただけで、ずっと、お休みしてたんだよね。だから、また、中一から、やり直そうかと思って」
「あぁ……そういうこと。でも、ユメちゃんなら、編入試験、受かるんじゃない?」
ユメちゃんの場合は、事情が事情だし。試験さえ受かれば、途中から入れるはずだ。しかも、滅茶苦茶、頭いいし。
「でも、それじゃあ、私の気持ちの、区切りがつかないんだ。それに、もう一つ、夢があるから――」
「それって、どんな?」
ユメちゃんだと、本が好きだから、小説家とかかな?
「前にも、言ったじゃない。私、シルフィードになりたいって」
「ええっ?! あれ本気だったの……?」
「ひどーい。冗談だと思ってたの?」
「いや、ある程度、本気だとは思ってたけど。でも、今の事情を考えると――。事故のことが有ってなお、それでも、シルフィードになりたいの……?」
あの悲惨な事故は、一生、記憶から消えることは、ないだろう。それに、空の恐怖が、完全になくなった訳でもない。
「空が怖いのに、シルフィードになりたいなんて、やっぱ、おかしいかな――?」
「ううん、全然。だって、シルフィードのこと、全く知らなかった人間が、こうやって、シルフィードやってるんだもん。私以上に、おかしな人間なんて、いないよ」
何の知識もなく、学校すら行ってない異世界人が、シルフィードをやってるのだから。ユメちゃんに、出来ないはずがない。
「あははっ。やっぱ、風ちゃんは凄いね。私も、絶対に、風ちゃんみたいなシルフィードになるから。それまで、待っててくれる――?」
「もちろん。いつまででも、待ってる。どうせ私も、しぶとく上を目指して、かじり付いてるつもりだから。十年後も二十年後も、シルフィードやってると思うよ」
「うん。きっと風ちゃんなら、そうだろうなぁー、って私も思う」
ユメちゃんは、私の左手に、そっと触れてきた。私は、その小さな手を、しっかりと握り返す。
未来は、誰にも分からない。もちろん、私たち二人の未来も。でも、歩みを止めない限り、ちょっとずつでも、前に進んで行くはずだ。時には、大きな壁が、立ちはだかる時もあると思う。でも、それだって、時間を掛ければ、乗り越えられるはずだ。
私は、これからも、前に進み続けよう。何があっても、憧れの人の背中を、追い掛け続け。そして今度は、私を追い掛けて来る人のために。
もっと先に、限界を超えて……。行けるところまで、どこまでも――。
例えそれが、私の望んだ場所じゃなかったとしても、後悔はしない。一番の後悔は、進まないことだから。
私は、永遠に進み続ける。シルフィードの頂点に、手が届くまで……。
―― 見習い編 完 ――
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第7部 予告――
「大丈夫だよ。確かに死にそうにはなるけど、実際には死なないから」
「ぐっ……私だけじゃない、ファンがいないの」
「いい加減、その生活、やめたらどうだ?」
『悲しいけど、それが才能の差ってものだろう……』
「私は、いつだって常識的だっ!」
「力の差を目の当たりにすると、ちょっと、自信を無くすんだよ」
「あわわっ……その、違うんです。けっして、怪しい者では……」
『結局は、自分が納得できる生き方が、一番だと思う』
「いつかは、こうなるって、信じてました!」
「私は一度、逃げ出そうとしたのだから……」
「理屈じゃない、風を感じろ」
『私は飛ぶために生きているんだから。ここでは負けられない……』
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自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
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転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
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最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
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※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
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