230 / 363
第6部 飛び立つ勇気
3-8大らかな性格が大物の資質なのかもしれない
しおりを挟む
私は、会社の事務所で、黙々と勉強をしていた。いつもなら、練習飛行に出ている時間だけど、最近は、内勤をしていることが多い。というのも、もう月末で、次の昇級試験まで、残り数日だからだ。
実技は、たぶん大丈夫だと思う。安全飛行講習でも、バッチリ練習してきたから、操縦は問題ない。あと、接客の実技も、日々お客様に接しているので、大丈夫だ。何といっても、リリーシャさんという、接客の達人を、毎日、見ているので。
となると、やはり問題なのは、学科試験だ。毎日、過去問を解いたり、学習ファイルを復習したりで、今まで以上に、勉強に力を入れていた。
ナギサちゃんは、先日の勉強会のあとも、一緒にお茶をした時に、各種アドバイスをしてくれている。あと、出そうな問題を、ピックアップした資料まで、作って送ってくれた。結局、今回も、ナギサちゃんに、頼りっぱなしなんだよね……。
でも、そのお蔭で、傾向も対策も分かってきた。前回の試験の時は、正直、受かる自信が、全くなかった。ただ、今回は、確かな手ごたえと、少しだけど自信がある。
とはいえ、不安はなくならないんだよねぇー。今までが、今までだっただけに。学生時代、テストでいい思い出なんて、一つもないし。自信があった時なんて、一度もなかった。覚えていると言ったら、赤点や、叱られた記憶ばかり――。
今さらだけど『学生時代に、ちゃんと勉強しておけばよかったなぁー』と、つくづく思う。やっぱり、実績や自信って、大事だよね。成功体験が一つもないと、なかなか自信は持てないので。
タイマーのアラームが鳴ると、私は、いったん手を止めた。立ち上がって大きく伸びをすると、肩のあたりが、バキバキっと音を立てる。最近、机の前で勉強ばかりだから、体中が凝っていた。
私は、窓際に近付いて、空を眺める。空は灰色で、今にも雨が降りそうだった。しかも、滅茶苦茶、寒いので、降って来たら雪になりそうだ。何でも、今年の冬は、特別に寒いらしい。
「何か、スッキリしない、天気だなぁ。はぁー、今の私の心の中みたい」
やれることは、しっかりやっている。でも、一人前になるまでは、きっと、モヤモヤした心のままなんだと思う。
親との約束。リリーシャさんへの恩返し。友人たちに追いつくこと。その全てが、次の試験に掛かっているからだ。焦ったって、しょうがないのに。試験が近づくにつれ、焦燥感が大きくなっていく。
「いかん、いかん! さて、お茶の準備でも、しよーっと」
私は、不安を無理矢理、振り払うと、早足でキッチンに向かった。
ポットに水を入れ、クッキング・プレートに置いて、お湯を沸かす。トレーの上に、ティーカップを並べ、お皿を出して、お菓子の準備もする。予定通りなら、もう直ぐ、リリーシャさんが帰って来るはずだ。
お茶の準備をしていると、外からエンジン音が聞こえてきた。私は、いったん手を止めると、急いで表に出る。だが、エア・カートは、そのまま、ガレージに向かって行った。お客様は、乗っていないようだ。
ガレージから戻って来たリリーシャさんを、玄関の前で出迎える。
「リリーシャさん、お帰りなさい。お客様は、お送りしたんですか?」
「ただいま、風歌ちゃん。雨が降りそうだったので、宿泊中のホテルまで、お送りしたの」
「確かに、すぐにでも、降りそうですよね。しかも、凄く寒いですし」
「この時期が、一番、冷えるのよね」
私たちは、笑顔で話しながら、事務所に向かって行った。
******
会社のダイニングのテーブルで、私とリリーシャさんは、ティータイムを楽しんでいた。今日は寒いので、お茶はちょっと熱めにしてある。時間は、三時五十分。今日の予約は、全て終わりなので、いつもと違って、のんびりだ。
やはり、寒い時期は、観光客の数が少なくなる。特に、二月は、最も観光客が少なくなる時期だ。とはいえ、うちは相変わらず、予約がいっぱい入ってるけどね。それでも、煩雑期に比べると、ゆったりした感じがする。
「やっぱり、今の時期は、観光に来る人が少ないんですか?」
「そうね。イベントの時は、お客様が多いけれど。それ以外は、少な目かしら」
「寒さのせいですか?」
「それも有るけれど。新生活の直後で、忙しい人が、多いからだと思うわ」
この世界は、一月が新生活のスタートだ。入学式や入社式も、一月に行われる。向こうの世界の、四月みたいな感覚なんだよね。今までは、四月を基準に考えていたので、あまり、ピンと来ないんだけど。
「それも、そうですね。私の場合、桜が咲く時期が、新年度の感覚なので。今一つ『忙しい』ってイメージが、ないんですよね。二月は、のんびりしたイメージなので」
「春になってからの新年度も、楽しそうね」
リリーシャさんは、ティーカップを手に、優しい笑顔を浮かべる。
「こっちの人たちは、切り替えが、早いですよね。新年になって、すぐに、入学や入社に新生活。向こうだと、お正月のあと、しばらくは、ボーッとしてたので」
だいたい、二月ぐらいまでは、ダラダラして。三月になって、ようやくエンジンがかかって。四月で、やっと本気を出す感じ。まぁ、向こうにいたころは、一年中ダラダラしてたけど……。
「この町の創世記は、お正月休みは無かったの。年末に、盛大に年越しを祝って。一月一日からは、普通に、働いていたそうよ」
「昔の人たちって、働き者だったんですねぇ」
「人手もなく、物資も少なく、戦争中だったから。みんな、生きるのに、必死だったのでしょうね」
「その状況じゃ、のんびり休んでる場合じゃ、ないですもんね」
今のこの平和な世界からは、考えられないけど。昔は、世界規模の激しい戦争が行われていた。しかも、世界大戦が四度も行われ、向こうの世界よりも、はるかに酷い状況だったのだ。
「でも、昔から、お祭りは多かったから。そこで、息抜きしていたのでしょうね」
「確かに、この町は、お祭りが多いですもんねぇ」
昔は、固定の休みがなかったので、雨の日かお祭りだけが、休暇だったようだ。シルフィードも、元々は、週七勤務だったらしいし。ちゃんとした、休暇の法制度ができたのは、割と最近だ。
「ところで、試験の準備は、順調に進んでいるかしら?」
リリーシャさんは、カップを置くと、静かに尋ねて来る。
「はい。今回は、前回に比べ、いい感じで準備が出来ています。前回は、一杯一杯でしたけど。今回は、万全な状態です」
「そう。それは、良かったわ」
「今度こそ、絶対に受かります! これ以上〈ホワイト・ウイング〉の名に、泥を塗る訳には、行きませんので」
「そんなの、気にする必要ないのに」
リリーシャさんは、一瞬、驚いた表情を浮かべたあと、クスクスと笑う。
「いや、でも――伝説のシルフィードが作った、有名企業の社員が、何度も落ちてたら、情けないですし」
「何度も受けていれば、そのうち受かる。母なら、きっと、そう言うと思うわ」
「えっ?! そんな、アバウトなんですか?」
「えぇ、物凄く大雑把だったわよ。細かいことは、気にしないし。物事の結果には、こだわらない性格だったから」
大らかな人だとは、聞いてたけど。そんなに、大雑把だったんだ。
「でも、私も、それでいいと思うの。無理しなくても、進むべき時が来れば、自然に前に進むから」
「はぁ……そんなものですか」
リリーシャさんも、結果に対しては、かなり大らかだ。私が、試験に落ちた時も、何も言わなかったし。体調管理に関しては、ちょっと注意されたけど。
「緊張しているの?」
「はい――。正直、プレッシャーは、かなり大きいです」
「大丈夫よ。何度でも、受けられるのだし。四回目で、受かる人もいるのよ」
「えぇっ?! 四回も、受けてるんですか? ある意味、凄いですね……」
何度でも、受けられるとはいえ、私じゃ、そこまで精神力が持たないと思う。受ける回数が多いほど、精神的負担は、大きくなるのだから。
「結局、人それぞれ、ペースがあるの。早ければ、いい訳じゃないし。最初は、時間が掛かっても、あとから急に、伸びて行く人もいるわ。上位階級の中にも、最初の試験を、落ちている人はいるのよ」
「そうなんですか? みんな、エリートなんだと思ってました」
上位階級のシルフィードは、ごく数人の、トップ・エリートたち。だから、当然、みんな頭がいいんだと思ってた。
「実は、ツバサちゃんも、一回目は、落ちちゃったのよね」
「えぇっ!? あの何でも、器用に出来ちゃいそうな、ツバサさんが?」
ツバサさんは、とてもクールで、何でも余裕でこなしてしまうイメージがある。
「スポーツは、得意なんだけど、勉強は今一つなのよね。それに、クールなイメージが定着したのは、だいぶ後になってからだから」
「ほへぇー。あの、ツバサさんが」
ツバサさんも、生粋の体育会系だったんだ。まぁ、体育会系でも、勉強ができる人はいるけどね。
「だから、安心して。何度、落ちてもいいけど、健康管理だけはしっかりね」
「はい。って、もう落ちませんから!」
リリーシャさんは、クスクス笑っている。
うーん、何だかなぁー。うちの親だったら『次こそは、絶対に受かりなさい』って、厳しく言うだろうけど。何度、落ちてもいいって――。
でも、お蔭で、だいぶ気持ちが楽になった。張り詰めていた緊張感が解けたせいか、体が軽くなった気がする。
よし、あまり、気負い過ぎずに頑張ろう。次は、ベスト・コンディションで臨むことだけを考えて。あとは、なるようになる、ということで……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『逆境を乗り越えて臨む2度目の昇級試験』
順境の美徳は自制であり、逆境の美徳は不撓不屈である
実技は、たぶん大丈夫だと思う。安全飛行講習でも、バッチリ練習してきたから、操縦は問題ない。あと、接客の実技も、日々お客様に接しているので、大丈夫だ。何といっても、リリーシャさんという、接客の達人を、毎日、見ているので。
となると、やはり問題なのは、学科試験だ。毎日、過去問を解いたり、学習ファイルを復習したりで、今まで以上に、勉強に力を入れていた。
ナギサちゃんは、先日の勉強会のあとも、一緒にお茶をした時に、各種アドバイスをしてくれている。あと、出そうな問題を、ピックアップした資料まで、作って送ってくれた。結局、今回も、ナギサちゃんに、頼りっぱなしなんだよね……。
でも、そのお蔭で、傾向も対策も分かってきた。前回の試験の時は、正直、受かる自信が、全くなかった。ただ、今回は、確かな手ごたえと、少しだけど自信がある。
とはいえ、不安はなくならないんだよねぇー。今までが、今までだっただけに。学生時代、テストでいい思い出なんて、一つもないし。自信があった時なんて、一度もなかった。覚えていると言ったら、赤点や、叱られた記憶ばかり――。
今さらだけど『学生時代に、ちゃんと勉強しておけばよかったなぁー』と、つくづく思う。やっぱり、実績や自信って、大事だよね。成功体験が一つもないと、なかなか自信は持てないので。
タイマーのアラームが鳴ると、私は、いったん手を止めた。立ち上がって大きく伸びをすると、肩のあたりが、バキバキっと音を立てる。最近、机の前で勉強ばかりだから、体中が凝っていた。
私は、窓際に近付いて、空を眺める。空は灰色で、今にも雨が降りそうだった。しかも、滅茶苦茶、寒いので、降って来たら雪になりそうだ。何でも、今年の冬は、特別に寒いらしい。
「何か、スッキリしない、天気だなぁ。はぁー、今の私の心の中みたい」
やれることは、しっかりやっている。でも、一人前になるまでは、きっと、モヤモヤした心のままなんだと思う。
親との約束。リリーシャさんへの恩返し。友人たちに追いつくこと。その全てが、次の試験に掛かっているからだ。焦ったって、しょうがないのに。試験が近づくにつれ、焦燥感が大きくなっていく。
「いかん、いかん! さて、お茶の準備でも、しよーっと」
私は、不安を無理矢理、振り払うと、早足でキッチンに向かった。
ポットに水を入れ、クッキング・プレートに置いて、お湯を沸かす。トレーの上に、ティーカップを並べ、お皿を出して、お菓子の準備もする。予定通りなら、もう直ぐ、リリーシャさんが帰って来るはずだ。
お茶の準備をしていると、外からエンジン音が聞こえてきた。私は、いったん手を止めると、急いで表に出る。だが、エア・カートは、そのまま、ガレージに向かって行った。お客様は、乗っていないようだ。
ガレージから戻って来たリリーシャさんを、玄関の前で出迎える。
「リリーシャさん、お帰りなさい。お客様は、お送りしたんですか?」
「ただいま、風歌ちゃん。雨が降りそうだったので、宿泊中のホテルまで、お送りしたの」
「確かに、すぐにでも、降りそうですよね。しかも、凄く寒いですし」
「この時期が、一番、冷えるのよね」
私たちは、笑顔で話しながら、事務所に向かって行った。
******
会社のダイニングのテーブルで、私とリリーシャさんは、ティータイムを楽しんでいた。今日は寒いので、お茶はちょっと熱めにしてある。時間は、三時五十分。今日の予約は、全て終わりなので、いつもと違って、のんびりだ。
やはり、寒い時期は、観光客の数が少なくなる。特に、二月は、最も観光客が少なくなる時期だ。とはいえ、うちは相変わらず、予約がいっぱい入ってるけどね。それでも、煩雑期に比べると、ゆったりした感じがする。
「やっぱり、今の時期は、観光に来る人が少ないんですか?」
「そうね。イベントの時は、お客様が多いけれど。それ以外は、少な目かしら」
「寒さのせいですか?」
「それも有るけれど。新生活の直後で、忙しい人が、多いからだと思うわ」
この世界は、一月が新生活のスタートだ。入学式や入社式も、一月に行われる。向こうの世界の、四月みたいな感覚なんだよね。今までは、四月を基準に考えていたので、あまり、ピンと来ないんだけど。
「それも、そうですね。私の場合、桜が咲く時期が、新年度の感覚なので。今一つ『忙しい』ってイメージが、ないんですよね。二月は、のんびりしたイメージなので」
「春になってからの新年度も、楽しそうね」
リリーシャさんは、ティーカップを手に、優しい笑顔を浮かべる。
「こっちの人たちは、切り替えが、早いですよね。新年になって、すぐに、入学や入社に新生活。向こうだと、お正月のあと、しばらくは、ボーッとしてたので」
だいたい、二月ぐらいまでは、ダラダラして。三月になって、ようやくエンジンがかかって。四月で、やっと本気を出す感じ。まぁ、向こうにいたころは、一年中ダラダラしてたけど……。
「この町の創世記は、お正月休みは無かったの。年末に、盛大に年越しを祝って。一月一日からは、普通に、働いていたそうよ」
「昔の人たちって、働き者だったんですねぇ」
「人手もなく、物資も少なく、戦争中だったから。みんな、生きるのに、必死だったのでしょうね」
「その状況じゃ、のんびり休んでる場合じゃ、ないですもんね」
今のこの平和な世界からは、考えられないけど。昔は、世界規模の激しい戦争が行われていた。しかも、世界大戦が四度も行われ、向こうの世界よりも、はるかに酷い状況だったのだ。
「でも、昔から、お祭りは多かったから。そこで、息抜きしていたのでしょうね」
「確かに、この町は、お祭りが多いですもんねぇ」
昔は、固定の休みがなかったので、雨の日かお祭りだけが、休暇だったようだ。シルフィードも、元々は、週七勤務だったらしいし。ちゃんとした、休暇の法制度ができたのは、割と最近だ。
「ところで、試験の準備は、順調に進んでいるかしら?」
リリーシャさんは、カップを置くと、静かに尋ねて来る。
「はい。今回は、前回に比べ、いい感じで準備が出来ています。前回は、一杯一杯でしたけど。今回は、万全な状態です」
「そう。それは、良かったわ」
「今度こそ、絶対に受かります! これ以上〈ホワイト・ウイング〉の名に、泥を塗る訳には、行きませんので」
「そんなの、気にする必要ないのに」
リリーシャさんは、一瞬、驚いた表情を浮かべたあと、クスクスと笑う。
「いや、でも――伝説のシルフィードが作った、有名企業の社員が、何度も落ちてたら、情けないですし」
「何度も受けていれば、そのうち受かる。母なら、きっと、そう言うと思うわ」
「えっ?! そんな、アバウトなんですか?」
「えぇ、物凄く大雑把だったわよ。細かいことは、気にしないし。物事の結果には、こだわらない性格だったから」
大らかな人だとは、聞いてたけど。そんなに、大雑把だったんだ。
「でも、私も、それでいいと思うの。無理しなくても、進むべき時が来れば、自然に前に進むから」
「はぁ……そんなものですか」
リリーシャさんも、結果に対しては、かなり大らかだ。私が、試験に落ちた時も、何も言わなかったし。体調管理に関しては、ちょっと注意されたけど。
「緊張しているの?」
「はい――。正直、プレッシャーは、かなり大きいです」
「大丈夫よ。何度でも、受けられるのだし。四回目で、受かる人もいるのよ」
「えぇっ?! 四回も、受けてるんですか? ある意味、凄いですね……」
何度でも、受けられるとはいえ、私じゃ、そこまで精神力が持たないと思う。受ける回数が多いほど、精神的負担は、大きくなるのだから。
「結局、人それぞれ、ペースがあるの。早ければ、いい訳じゃないし。最初は、時間が掛かっても、あとから急に、伸びて行く人もいるわ。上位階級の中にも、最初の試験を、落ちている人はいるのよ」
「そうなんですか? みんな、エリートなんだと思ってました」
上位階級のシルフィードは、ごく数人の、トップ・エリートたち。だから、当然、みんな頭がいいんだと思ってた。
「実は、ツバサちゃんも、一回目は、落ちちゃったのよね」
「えぇっ!? あの何でも、器用に出来ちゃいそうな、ツバサさんが?」
ツバサさんは、とてもクールで、何でも余裕でこなしてしまうイメージがある。
「スポーツは、得意なんだけど、勉強は今一つなのよね。それに、クールなイメージが定着したのは、だいぶ後になってからだから」
「ほへぇー。あの、ツバサさんが」
ツバサさんも、生粋の体育会系だったんだ。まぁ、体育会系でも、勉強ができる人はいるけどね。
「だから、安心して。何度、落ちてもいいけど、健康管理だけはしっかりね」
「はい。って、もう落ちませんから!」
リリーシャさんは、クスクス笑っている。
うーん、何だかなぁー。うちの親だったら『次こそは、絶対に受かりなさい』って、厳しく言うだろうけど。何度、落ちてもいいって――。
でも、お蔭で、だいぶ気持ちが楽になった。張り詰めていた緊張感が解けたせいか、体が軽くなった気がする。
よし、あまり、気負い過ぎずに頑張ろう。次は、ベスト・コンディションで臨むことだけを考えて。あとは、なるようになる、ということで……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回――
『逆境を乗り越えて臨む2度目の昇級試験』
順境の美徳は自制であり、逆境の美徳は不撓不屈である
0
お気に入りに追加
107
あなたにおすすめの小説
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる