213 / 363
第6部 飛び立つ勇気
1-5とても幸せなのに心が満たされない理由とは……?
しおりを挟むシャルルの部屋の前で、しばらく呆然としていた。
考えてみれば、本人からは男だと言われた事は無い。
シャルルは男性に付ける名前だが、女性に付けては駄目だという法は無い、多分。
僕と言う一人称だって、王都では使ってる女性も見たことがある。
俺とか、ワシとか使ってる女性だっていた。
17歳でスリムな身体付きだが、女性だと分かればなぜ男だと思っていたのかと、自分を殴りたくなる。
ちゃんと丸みをおびた優しい身体だったのだ。
ふたつの膨らみはささやかだったが。
いや、膨らみの事は忘れよう。
これ以上突き詰めて考えては不味い事だった。
そう、彼女は女性だった。
可愛いと思っていた弟が、女性、、、妹だった?
妹、、、本当に妹?
俺はうずくまって、頭を抱えるのだった。
もう二度と顔を見せてくれないかと思ったが、夜には部屋から出てきてくれた。
「シャルル!
さっきはごめん。
俺が勝手に男の子だと思い込んでた。
君は一度も性別の話はしなかったのに。」
「別に男でも良い。
その方がお互い都合が良いでしょう。」
「都合が良い?
なんでだ?」
「同性の方が気兼ねしないでしょう。
こんな所に住んでいるんだから、男に思われていた方が安心だし。」
「シャルル、やっぱり俺と一緒に行こう。
女の子ならば、余計に一人では置いておけない。」
「ほうっておいて。
あなたは通りすがりの、ただの他人。
もう、私に係わらないで。」
シャルル、、、。
気まずい雰囲気のまま、そろろ旅に出なければならない時期がやってきた。
祖母殿はまだ帰らない。
このまま本当に、彼女をひとりで置いて行くのだろうか。
俺には彼女を説得する事が出来ない。
とても、無力だった。
考えてみれば、本人からは男だと言われた事は無い。
シャルルは男性に付ける名前だが、女性に付けては駄目だという法は無い、多分。
僕と言う一人称だって、王都では使ってる女性も見たことがある。
俺とか、ワシとか使ってる女性だっていた。
17歳でスリムな身体付きだが、女性だと分かればなぜ男だと思っていたのかと、自分を殴りたくなる。
ちゃんと丸みをおびた優しい身体だったのだ。
ふたつの膨らみはささやかだったが。
いや、膨らみの事は忘れよう。
これ以上突き詰めて考えては不味い事だった。
そう、彼女は女性だった。
可愛いと思っていた弟が、女性、、、妹だった?
妹、、、本当に妹?
俺はうずくまって、頭を抱えるのだった。
もう二度と顔を見せてくれないかと思ったが、夜には部屋から出てきてくれた。
「シャルル!
さっきはごめん。
俺が勝手に男の子だと思い込んでた。
君は一度も性別の話はしなかったのに。」
「別に男でも良い。
その方がお互い都合が良いでしょう。」
「都合が良い?
なんでだ?」
「同性の方が気兼ねしないでしょう。
こんな所に住んでいるんだから、男に思われていた方が安心だし。」
「シャルル、やっぱり俺と一緒に行こう。
女の子ならば、余計に一人では置いておけない。」
「ほうっておいて。
あなたは通りすがりの、ただの他人。
もう、私に係わらないで。」
シャルル、、、。
気まずい雰囲気のまま、そろろ旅に出なければならない時期がやってきた。
祖母殿はまだ帰らない。
このまま本当に、彼女をひとりで置いて行くのだろうか。
俺には彼女を説得する事が出来ない。
とても、無力だった。
0
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる