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世界観の詳細説明
登場人物紹介
しおりを挟む◆如月 風歌(きさらぎ ふうか)
この作品の主人公。
異世界で就職するために
勢いで家出してきた。
思い立ったら即行動。何でも成せばなると思っている。
とても元気でポジティブで、並外れた行動力がある。
ただし、考えることや勉強はからっきしで
全て実践や経験から学んでいく
体育会系の脳筋少女。
無尽蔵の体力に加え
無駄にやる気と自信が高い。
視力・聴力などの五感が優れており
根っからの明るい性格とコミュ力の高さで
割とシルフィード向きの能力を持っている。
また、頭は良くないが
非常に高い適応能力を持っており
何も知らない異世界に来て
あっという間に馴染んでしまった。
ご飯と寝床さえあれば
どこでも生きていけるという
たくましい性格の持ち主でもある。
やりたいと決めたことは、意地でもやり通す
負けん気の強さと、根性を持っており
何だかんだで、粘り強さと力技で
たいていのことは、やってのけてしまう。
ただ、無計画な行動が多く
何かとトラブルに巻き込まれやすい。
しかし、ここ一番のピンチの時は
何らかの救いの手が差し伸べられる
非常に強運の持ち主でもある。
また、チート級のコミュ力(無自覚)を持っており
年齢や立場も関係なしに
どんな人とでも、すぐに仲良くなってしまう。
単純で裏のない性格のせいか
誰からも好かれやすく
着々と友人やファンを増やしている。
なお、こちらの世界に来る前から
『風の歌』を聴いており
何やら、隠された力を持っているようだが……。
◆リリーシャ・シーリング
〈ホワイト・ウイング〉の現社長にして
大人気の『スカイ・プリンセス』
二つ名は『天使の羽』
その柔らかな物腰と優しい態度
とても思いやりのあるおもてなしは
非常に高い評価を受けている。
偶然出会った
見ず知らずの風歌に手を差し伸べ
住居や仕事まで提供してあげた
とてもお人よしな性格。
口にこそ出さないが
風歌のことを自分の家族のように
心から大切にしており
風歌に対しては
異常なほど過保護である。
全てにおいて非の打ちどころがないが
母親が『伝説のシルフィード』と言われ
偉大過ぎたせいか
とても自己評価が低く
あまり自信がない様子。
また、とても繊細で傷つきやすく
色々自分で抱えて、落ち込むことも多い。
風歌とは
色んな意味で正反対な性格の持ち主。
◆ナギサ・ムーンライト
三大企業の1つ
名門〈ファースト・クラス〉に所属。
社風である『伝統』と『格式』を
自ら体現するべく日々努力しており
社内の見習い階級の中では
常にトップの成績を維持している。
とにかく真面目で
全て規則と予定に沿って行動する。
知性・教養・気品
あらゆる部分で完璧だが
とんでもなく頭が固く融通が利かない。
また、他人と距離を置いて付き合う癖があり
歯に衣着せぬ発言をするため
人間関係が上手く行っていない。
ただ、風歌たちと付き合い始めてから
だいぶ思考が柔軟になり
周りの人間に対しても
鷹揚な態度をとるようになってきている。
本人は全く気付いていないが
物凄く面倒見のいい人間で
とげとげしい態度の割りには
親身になって人助けをする
義理人情に厚い性格である。
母親は、元シルフィード・クイーンで
現在、シルフィード協会の理事をやっている。
◆ツバサ・インパルス
〈ファースト・クラス〉に所属する
大人気の『スカイ・プリンセス』
二つ名は『深紅の紅玉』
赤い髪に、赤い服装に、赤い機体。
赤が彼女のトレードマークになっている。
美形で男っぽく
とてもクールな立ち振る舞いから
女性ファンが圧倒的に多い。
女性ファンたちの強い要望もあり
彼女だけ男性用の服を改造した
専用の制服を着ている。
彼女自身もファンの心理を理解してか
完全に男性として振る舞っている。
とても楽天的に見えるが
実は非常に気が回る性格で
常に相手の先回りをして行動する。
リリーシャとは
子供のころからの幼馴染みで
今でも親友としてとても仲がいい。
一見クールに見えるが
元々はかなり感情的な性格で
子供のころは
近所の子供たちのガキ大将をやっていた。
割りと子供っぽい性格で
リリーシャの前でだけは
素の性格を出している。
◆フィニーツァ・カリバーン
業界トップ企業である
〈ウィンドミル〉に所属。
社風の『自由にのびのびと』を
体現したかのような性格。
ルールや常識などを
一切気にすることなく
自由にのびのびと
常に自分のペースだけで
行動している。
しかし、とても小柄で
子供ような可愛らしい見た目と
素直で純粋な性格のため
誰からも好かれる
愛されキャラである。
とてものんびりした性格であるが
魔力制御能力が非常に高く
エア・ドルフィンの操縦能力は
かなり高い。
さらに『風の加護』を受けており
風の通り道(マナライン)を
視認する能力を持っている。
『旋風の魔女』
フィーネ・カリバーンの子孫でもあるため
その力を少し継承しているらしい。
風と昼寝とネコと食べることを
こよなく愛している。
特に、食に対する情熱と執着は
常軌を逸しており
人間離れした
無限の食欲を持っている。
自由気ままで、全く行動が読めないことから
社内では『緑の妖精』と呼ばれている。
年齢は、れっきとした15歳だが
子供に間違えられることが多く
道を歩いているとご婦人方から
飴やお菓子などをもらうことが多い。
◆メイリオ・フォン
〈ウィンドミル〉に所属する
大人気の『スカイ・プリンセス』
二つ名は『癒しの風』
とても穏やかな性格で
柔らかな口調や態度は
『まるでそよ風のようだ』と言われており
まさに、二つ名を
体現した性格である。
また、趣味が『ハーブの育成』で
部屋中にハーブの鉢があり
会社の敷地内にも
自分専用のハーブ園を持っている。
ハーブティーやハーブ料理
ハーブを使った薬や健康法などに
精通している。
そのため
『ハーブマスター』とも言われており
社内ではとても有名。
社内で体調の悪い子を見つけると
ハーブを調合してあげている。
料理やお菓子作りも得意で
ハーブをふんだんに使ったメニューは
プロも絶賛するほどの腕前だ。
料理関係の雑誌に
彼女のレシピが載ったことが
何度もある。
フィニーツァのことは
自分の実の妹のように
可愛がっている。
シルフィードとしても
非常に優れた能力を持っているが
本人はハーブ育成に夢中で
あまり気にしていない様子だ。
◆アンジェリカ・ヴァーズ
〈ファースト・クラス〉に所属する
ナギサの同期のシルフィード。
縦ロールとよく響く大きな声
さらに、沢山の取り巻きを連れているため
やたらと目立つ。
彼女は世界的に有名な大財閥
『ヴァーズ財閥』のご令嬢。
ヴァーズ財閥は
あらゆる業種に進出し
政財界にも大きな影響力を持ち
莫大な資産と権力を持っている。
エア・ドルフィンの
最大シェアを誇る『ヴァーズ・エア』も
ヴァーズ系列である。
世界トップレベルの
大富豪の一族であり
その富や権力目当てに
彼女にすり寄る者も多い。
上から目線で
非常に横柄な態度をとっており
同期たちからは
『アンジェリカ様』と呼ばれている。
だが、その実
高飛車なお嬢様はただの演技で
とても純粋な少女だったりする。
生粋の箱入り娘で
世の中の常識をほとんど知らない。
アンジェリカにも
正々堂々と本音を言うナギサのことを
とても気にいっている。
◆ノーラ・ベイル
風歌が住んでいるアパートの
おっかない大家さん。
いつもほうきを片手に
掃除をしているが
かつては、知らない人はいない、というぐらい
超有名な『シルフィード・クイーン』だった。
現役時代の二つ名は
『疾風の剣』
『最速のシルフィード』とも言われ
卓越した飛行技術を持っている。
元々は趣味で
各種レースに参加しており
世界最高峰の
『GSR』(グランド・スカイ・レース)でも
優勝経験がある。
プロ顔負けの実力で
あちこちのレースチームからも
お誘いが来ていた。
ただ、本人曰く
『レースはただの趣味』らしい。
物言いは物凄くきつく
いつも険しい表情をしているが
実際は、とても面倒見のよい性格。
リリーシャが
行き場のない風歌を見つけた時も
快く部屋を貸し出した。
いつも『お馬鹿な子』と
発言をしているが
風歌の成長を
密かに楽しんでいるようだ。
◆マリア・リミュエール
〈シルフィード・ショップ〉の店員をしており
風歌とは、そこで知り合った。
今は、ただの店員だが
かつては『シルフィード・クイーン』として
大活躍していた。
現役時代の二つ名は
『聖なる光』
とても優しく慈愛にあふれた姿は
まさに、二つ名通りである。
彼女は『アルテナ教会』のシスターと
シルフィードを掛け持ちでやっており
現役時代も
ひたすらボランティアなどの
奉仕活動に努め
収入のほぼ全てを
孤児院に寄付していた。
自分の人生の全てを
神への信仰と他人のために尽くしており
『聖女』の名で呼ぶ人も多い。
以前『光のマリア』という
ドキュメンタリー映画が公開され
〈グリュンノア〉で
彼女の名を知らない者はいない。
知らなかったのは
風歌だけである。
◆キラリス・ローランド
三大企業の一つ
〈アクア・リゾート〉に所属する
見習いシルフィード。
クールなものが大好きで
カッコいい言動、カッコいいポーズなどに
異常にこだわったりしている。
本人いわく
闇の支配者の血族で
強力な闇の魔力を持っているらしい……。
だが、実際の所は
ただの中二病である。
パッと見変な性格だが
実はバリバリのスポーツマン。
かなり長いこと
格闘技をやっており
公式戦にも参加している。
彼女の師匠が
同じ会社に所属する
『MMA』6連覇中で無敗の王者
ミラージュ・ハイゼルだ。
見た目に反して
中々の努力家で
日々の鍛錬を欠かさない。
同じ体育系同士のせいか
風歌のことを魂の盟友として
認めている。
◆ミラージュ・ハイゼル
〈アクア・リゾート〉に所属する
超人気の『シルフィード・クイーン』
二つ名は
『金剛の戦乙女』
彼女はシルフィードよりも
『MMA』のプロ格闘家として
有名である。
デビューより不敗で
全戦全勝。
破竹の勢いで上り詰め
『MMA』6連覇中のチャンピオン。
『史上最強のフィジカルを持つ格闘家』と言われる
圧倒的なパワーファイター。
清楚で上品なシルフィードが多い中
硬派で威風堂々とした姿は
一線を画している。
だが、そのカッコよさに憧れ
多くのファンたちが
彼女の元に訪れている。
ファンの7割は格闘ファンで
『シルフィード界のヒーロー』
などと言われている。
キラリスには
かなり厳しく接しているが
努力家で根性のある彼女を
結構、気に入っている様子だ。
◆ミューリア・キャンベル
〈ウィンドミル〉に所属する
フィニーツアの同期の新米シルフィード。
とてもアクティブな性格で
いつもテンションが高め。
学生時代は
『バレーボール部』に所属しており
とても優れた運動神経をしている。
ただ、その活発な性格に見合わず
趣味は『ドーナツの食べ歩き』
幼少時代、おばあちゃんが
よくドーナツを作ってくれて
それがきっかけで
無類ドーナツ好きになったらしい。
学生時代は
スポーツをやっていたため
節制していたが
シルフィードになってからは
『ドーナツ三昧』の生活をしている。
毎食、食べているうえに
おやつもドーナツが多い。
本人は
『ドーナツがあれば生きていける』
と言い張っている。
この言葉に対して
フィニーツァが深く感銘を受け
それがきっかけで
仲良くなったらしい。
ちなみに
町中のドーナツ店の
全ドーナツを制覇しており
パン屋やスーパーのドーナツも
全て食べつくしている。
ドーナツの知識量は
フィニーツァも驚くほどで
将来はドーナツ研究家になり
世界中のドーナツを食べるのが
彼女の夢である。
ちなみに、一番好きなドーナツは
よくおばあちゃんが作ってくれていた
『オールド・ファッション』
◆メイベル・ホーリー
〈ウィンドミル〉に所属する
フィニーツアの同期。
フィニーツァとミューリアと一緒に
『スイーツ同盟』を組んでおり
よく3人で食べ歩きをしている。
元々は食べ歩き仲間であるが
社内でも一緒にいることが多く
何だかんだで仲がいい。
とても大人しい性格で
趣味は人形作りとお菓子作り。
普段は自己主張しない
控えめな性格だが
クレープの話になると
物凄く雄弁になる。
子供のころ
〈ドルフィンランド〉で食べた
クレープに感動して
それ以来
大のクレープ好きになった。
本物のクレープだけではなく
キーホルダーや置物
Tシャツにタオルなど
部屋中が
クレープグッズだらけである。
また、店を食べ歩くだけでなく
自分でもクレープ作りの
研究をしており
千を超えるレシピを
持っている。
もちろん、町中の
クレープ店は全て食べ歩いており
出店はもちろん
アミューズメント施設も
クレープを食べるためだけに通うほどだ。
朝食は必ず手作りクレープで
休日は1日3食クレープを食べている。
クレープ愛が強すぎるため
ドーナツ好きのミューリアとは
しばしば対立している。
◆ローゼリカ・ムーンライト
ナギサの母親で
シルフィード協会の理事
十五名の内の一人。
理事の中で最も発言力があり
『次期理事長は確実』と言われている。
なお、現役時代は
名門〈ファース・トクラス〉の
トップシルフィードであり
世界中の人が知るほど有名な
『シルフィード・クイーン』だった。
今でも非常にファンが多く
キャリアウーマンの筆頭として
特に働く女性たちに絶大な人気がある。
現役時代の二つ名は
『白金の薔薇』
圧倒的なまでの
気品と美しさで
『最も気高いシルフィード』
と言われていた。
立ち振る舞いや
人間性はもちろんのこと
卓越した知識や操縦技術は
非の打ちどころがなく
『完璧な才女』や『全能の女神』
とも言われていた。
外見も内面も
あらゆる点で完璧で
年に一度行われている
シルフィード人気投票でも
堂々の一位であった。
『グランド・エンプレス』の
最終候補の二名に残っていたが
アリーシャ・シーリングに
僅差で敗れてしまった。
正反対の性格の
楽天的で自由なアリーシャには
色々と思うところがあったようだが
グランド・エンプレス就任の際には
心から祝福を送っている。
どこまで行っても
気高く公平な人間である。
自他ともに厳しいが
実際には情に厚い性格。
ナギサが〈ファースト・クラス〉に
入社したことや
常に成績トップで
活躍していることは
内心ではかなり喜んでいる。
感情表現が苦手なのと
素直に気持ちが伝えられないのは
母子そろって同じようだ。
◆エクステリア・ヒューロー
〈ルミナス・スター〉に所属する
大人気の『シルフィード・クイーン』
二つ名は
『守護騎士』
ファンからは
『愛の騎士』『忠義の騎士』『エクス様』
などとも呼ばれている。
彼女は非常に人気が高いが
『最も無口なシルフィード』
と言われており
極めて異色な
シルフィード・クイーンである。
また、シルフィード業界では
白が基調であるにもかかわらず
真っ黒な制服を着ており
その胸には常に
『スターリメイン』の
白い花飾りを付けている。
彼女は幼いころに家族を失い
親戚たちの家を転々と
たらい回しにされており
最終的には
養護施設に預けられたという
複雑な過去がある。
15歳になると
養護施設の院長の紹介で
中堅シルフィード会社の
〈ルミナス・スター〉に入社。
空いていた寮の2人部屋で
長らく1人で生活しており
仕事以外は
部屋にずっと籠りっきりだった。
そんなある日
ルームメイトとしてやって来たのが
メルティー・スプリントであった。
家族が誰もいないという
同じ境遇でありながら
明るく優しい彼女に
少しずつ心を開いて行く。
やがて、お互いが無くてならない
特別な存在になり
友人以上の関係になって行った。
二人はともに
幸せな日々を送っていたが
ある時メルティーが
難病であることが発覚し
入院することになる。
しかも、日に日に衰弱していき
残された余命は、あとわずかと診断された。
元々エクステリアは
社交性も出世欲も
全くない性格であったが
メルティーの
『あなたが、一流のシルフィードなった姿が見たい』
という夢を叶えるべく
並々ならぬの努力をして
トップの座までのぼり詰めた。
だが、エクステリアが
『シルフィード・クイーン』になった姿を見ることなく
メルティーはこの世を去った。
彼女の亡きあとも
『困っている人たちの力になってあげて』
という遺言を、ひたすら忠実に守り続けている。
同性愛の『カミングアウト事件』があり
一時、進退問題まで発展したが
逆に、その問題以降
絶大な人気を得ることとなった。
異色なシルフィードであるが
その愛と忠義に生きる姿に共感する
熱狂的なファンが多い。
◆カレンティア・アルファーノ
〈ベル・フィオーレ〉所属の
新米シルフィード。
濃い目の化粧に
派手に染めた髪と
着崩した独特なファッション。
マイアの世界で言うところの
『ギャル』である。
見た目の派手さに加え
物凄くテンションが高く
突き抜けて明るく
何事にも楽天的な性格だ。
基本、お洒落をすることと
遊ぶことにしか興味がない。
そのため自主練の時間は
適当にサボったり
遊びまわったりしている。
そのくせ
アフターファイブや休日は
友達たちを誘って
門限ギリギリまで遊び歩いている。
物凄く流行に敏感で
あらゆる新しい情報をチェックしており
暇さえあればSNSを見て
情報交換や情報収集に余念がない。
特にコスメやファッションは
常に流行の最先端を行っており
専門家並の詳しい知識を持っている。
ただ、仕事関係の勉強は
ほとんどやっておらず素行も悪いため
落ちこぼれ社員である。
シルフィードになったのは
お洒落をして空を飛びたかったのと
シルフィードの制服に憧れたから。
可愛さや美しさを追求するためなら
お金も努力も一切惜しまず
頑張る部分を間違えてはいるものの
実はかなりの努力家だったりする。
なお〈ベル・フィオーレ〉に
入社したのは
〈ベル・ステラ〉の化粧品を
社員割引きで安く入手するため。
徹底して
自分のポリシーを押し通し
我が道を進み続けている。
一見、いい加減な性格に見えるが
物凄く友達想いの性格で
困った友人を見かけると
無条件に助けたり
応援したりしている。
成績は学生時代から
赤点スレスレだったが
エア・ドルフィンの操縦は
なかなかの腕前である。
◆エマリエール・ローウェン
〈ファースト・クラス〉所属の
新人シルフィードでナギサの同期。
普段は特に目立たない
地味で大人しい性格。
成績は中の上程度だが
仕事も勉強も
真剣に取り組んでいる。
幼い頃に両親が別れ
母親と二人で
慎ましく暮らしていた。
だが、彼女の夢であった
将来シルフィードになることを
叶えるために
母親は一生懸命に働き
彼女をシルフィード学校に
通わせてくれた。
必死に勉学に励んだ甲斐もあり
名門企業の〈ファースト・クラス〉に
無事に入社することができた。
希望者が多く大変な高倍率で
入社試験も非常に厳しいため
『最難関企業』と言われており
裕福な家庭のお嬢様も多いことから
庶民出の彼女にとっては
大変な快挙だった。
なお、彼女がシルフィードになったのも
〈ファースト・クラス〉に入ったのも
人気シルフィードになってお金を稼ぎ
母親を楽させてあげる為である。
全てが順風満帆に進んでいたのも束の間
彼女が入社して1ヵ月ほどして
母親が倒れて入院することになった。
今まで無理をして働いた過労に加え
大きな病気が見つかったからだ。
送ってもらっていた
仕送りは止まってしまい
自分の寮費や生活費に加え
母親の入院費まで
やり繰りしなければならなくなった。
見習い給の3万ベルでは
足りるはずもなく
さんざん悩んだ末に
会社に内緒で夜のバイトを始めた。
昼間は仕事と勉強に励み
仕事が終わったら夜中はアルバイトに行って
朝方に返って来る。
毎日、2、3時間の睡眠時間で
かなりギリギリの生活を送っていた。
そんなさなか
ミス・ハーネスの依頼で調査に来た
ナギサに見つかってしまった。
だが、ナギサのお蔭で事なきを得て
彼女のことは心の底から感謝しており
半ば強引に友人になった。
いつも一人で行動しているナギサに
同期の中では唯一、気軽に声をかける存在で
いついかなる時でも、彼女の味方をしている。
そのせいで
アンジェリカの取り巻きたちと
たまに衝突することもある。
とても義理堅い性格のため
一生を懸けて恩返ししようと思っており
ある意味ナギサ以上に真面目である。
◆リスティー・メイソン
〈ホワイト・ハート〉所属の
新人シルフィード。
上昇中の接触事故を起こし
『安全飛行講習』に参加して
風歌と知り合った。
黒縁の眼鏡をかけ
一見インテリそうに見えるが
実はとんでもない『ドジっ子』である。
根は真面目だが
非常に気が小さく
いつもアワアワして
空回っている。
真面目に勉強もして
頭もいいのだが
異常に本番に弱く
テストでは実力を発揮できていない。
会社でもミスばかりして
いつも先輩や上司に
怒られてばかりだ。
無類の『犬好き』で
町で犬を見かけるたびに
話し掛けたり撫でたりしている。
実家では5頭の犬を飼っており
休日には寮から家に帰り
1日中、犬と戯れて過ごしている。
なお〈ホワイト・ハート〉は
当物病院やペットホテルなども
経営しており
シルフィード会社のすぐ隣に
ペットホテルが併設されている。
本当はトリマーや獣医に
なりたかったようだが
不器用なため諦めて
系列のシルフィード会社
〈ホワイト・ハート〉に入社した。
人手が足りない時は
隣のペットホテルの手伝いをしており
散歩や世話などを喜んでやっている。
動物たちには非常に好かれやすく
とても心優しい少女である。
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