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我儘
しおりを挟むおはよう、今日の天気はどう?
そちらは暖かいですか。
体調はどう?最近、寒くなってきたね。
ご飯はちゃんと食べてる?
いつも適当に済ませてるって言ってたからあなたがいつ帰ってきてもいいように、おかずを多めに作っています。
そちらに届けるか迷うんだけどね、子供達がいつもより多いー!って言いながら全部完食してくれるの。
あたし、結婚してから今までずっとあなたの夢を応援してきた。
文句一つ言わずにね。
そのことは感謝してくれてるのかな?
もう、当たり前みたいになってたかもしれないね。
人生一度きりだから、大切な貴方には思う存分好きなことをして欲しくてあたしのわがまま一つも言えなかったの。
でもね、あたしもう限界かもしれない。
子供たちが寝た後、隠れて泣いているのを知ったら貴方はどう思うでしょうね。
慰めてあげたい?可哀想?
きっと優しい貴方だから、何も声をかけてこないでそっと抱きしめてくれるのでしょうね。
もう行かないとか言って。
だから何も言えないの。
何より1番にあたしのことを考えてくれるあなただから、あたし今まで本当の気持ちを言えなかった。
仕事だから仕方ない。
そう何度も自分に言い聞かせてきたよ。
たまには貴方の前で、子供みたいに泣いてみたいとも思う。
優しすぎるあなたを、どうしようもなく困らせてみたいと思ってしまう時もあるの。
だけど、たまに帰ってくる貴方の嬉しそうな『ただいま』を聞いたらまた何も言えなくなしまうんだろうなぁと、考えていたらまた笑えてきて。
いつかあなたに言ってやりたい
最初で最後のあたしの我儘
「今まで近くにいられなかった分、これからはずっと貴方の隣で支えさせてください」
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