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4.2
しおりを挟む特に予定もないけど、このまま帰るのも勿体無いし少し遠回りして帰ろう。
いつもは通らない大通り。
平日の真昼間でも人だらけだ。
「ねぇお姉さん、ひとりなの?」
つけてる時計ニ万円。
ネックレスも指輪も大したことないな。
「あっすみません。これから彼氏とデートなんですっ」
「えー、そうなんだぁ、残念」
お金ない男が話しかけてこないで欲しい。
男性を外見で判断するあたしも、だいぶ心が荒んでる。
「あれ?ナナミちゃん?」
「…あぁ!タクヤ君」
この子はお父さんがどっかの社長でその跡取り息子。
2ヶ月前くらいに出会って仲良くなったけどなかなかの金持ちだったはず。
「奇遇じゃん!飯まだならご飯行かない?」
「ごめん~もう食べちゃった」
「そっかぁ。あ、そういえば来月誕生日でしょ?」
「…あー、うん!覚えててくれたんだ嬉しい~」
プレゼント目当てで一人一人に違う月言ってるから自分の本当の誕生日を忘れそうになる。
「最近の新作でナナミに似合いそうなバック見つけたんだよね~、次いつ会えるかわかんないから今から買いに行かね?」
「えぇ~?いいの!嬉しい!」
少し筋肉のついた腕に絡みつくと彼も満足そうに歩き出した。
「あそこ凄い人だなぁ」
「ん?どこどこ~?」
「花屋なのに珍しい」
彼が指差す先には確かに小さな人だかりがあった。
「本当だぁ、お花なんて貰ったことないなぁ」
まぁ貰っても正直困るんだけど。
植物に興味ないし。
毎日水あげるの絶対めんどくさいじゃん。
「マジ?じゃあ俺が初めてプレゼントしてやるよ!」
「えぇ?わざわざいいよ~。それに今買っても荷物になっちゃう」
「そんなデケェ花は買わないよ!まぁ、見るだけ行ってみよーぜ」
「う、うん」
本当にいらないのに最悪。
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