君と私の妖日記

みたそ

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それぞれの想い

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翌朝、外の日差しで明るくなった部屋と夏のジリジリとした暑さで目が覚めた。

汗ばんだ身体をゆっくりと起こすと、昨日まであんなに重かった身体がとても軽くなり、あんなに痛かった怪我の痛みもなくなっていた。


「……っ!」


お腹の包帯がゆるくなっていたので結び直すために一度包帯を解くと、昨日まであったお腹の青痣が綺麗さっぱり無くなっていた。


「……すごい」


痣のない身体を見るのは久しぶりだった。それにたくさん寝たおかげでとても気持ちがスッキリしていた。

ダダダダダダダダッーーー

すると遠くから何人かが走ってくる音が聞こえてきた。そしてその音は私のいる部屋に止まり、障子にはその人物たちの影がはっきりと見えていた。


「イチカおはよう!」

「おはよう!」「よう!」

「……」


スパーンッと勢いよく開いた障子から焔と双子の女の子達が現れた。この光景昨日も見たような……


「お、もうすっかり良くなってるな!顔色も良いね。」

「あ…あの」

「おねーたん!ご飯食べよ!」「ご飯、ご飯!」

「え…えっと」


双子ちゃん達の小さな手で私の腕を引っ張って可愛かった。でも私、子どもと触れ合ったことなんてないからどう接すればいいのか分らなかった。


「こら2人共。イチカが困ってるだろ。先に台所行ってな!」

「はーい!」「はーい!」


焔の言う事を素直に聞いた双子ちゃん達はまたあとでね!と手を振って部屋を出ていった。
呆然とする私に焔が近付いてゆっくりと腰掛けた。


「うるさくてごめんな。昨日はよく寝れた?」

「あ、はい。おかげさまで…」

「よかった。朝ご飯作ったけど食べれそう?」

「え…私の分も?」

「もちろん。みんなで食べよう。」


優しい笑顔で手を差し伸べる焔。少し躊躇いながらもその手を取ってゆっくりと立ち上がった。


「歩けるかい?」

「はい…」


焔は手を握ったまま部屋から私を連れ出してくれた。おぼつかない足取りでも何も言わずゆっくり歩いて先導する焔。握られた手がとても温かかった。

部屋の外を出るのは初めてだった。焔に連れられながら辺りを見渡してみるとこの家は平屋の木造で長い廊下と外は日差しに照らされた竹藪と小さな庭、カコンと鳴り響く鹿威しがあった。

おばあちゃん家とはまた違う古い家。初めて来たのに何故か居心地が良かった。


「着いたよ。」


ボーッと当たりを見ていたら気が付くと台所に着いていた。


「今イチカのご飯よそうから座って待ってて」


焔の手が離れてシンクの方へ向かった。
木材のテーブルが部屋の中心にあり、その向かいには白タイルの台所。焔がよそうご飯が入った鍋は炊飯器ではなく古い土釜だった。


「おねーたん、どーぞ!」「ぞ!」


双子ちゃん達から渡されたのは焼き立ての玉子焼き。
ふわっと出汁の匂いが顔いっぱいに広がり、食欲がそそられた。


「あ、ありがと…」

「イチカ、ご飯このくらいでいいか?」

「え?あ…うん。大丈夫です。」

「そんなかしこまらなくていいよ(笑)はい、どうぞ。」


渡された温かいご飯。炊きたてのご飯を食べたのはいつ振りだろう…茶碗越しに伝わる温かいご飯が手のひらに沁みた。


「おねーたん一緒に座ろ!」「座ろ~!」


双子ちゃん達に引っ張られ、席に座ると私の両サイドに双子ちゃん達が座ってニコニコしていた。可愛い…。


「うぃーす」

「おせーぞ小紅。」

「!!」


さっき入ってきた入口から寝起きの小紅さんが入ってきた。髪はボサボサで顔色も酷い。それに…お避けの匂いもしていた。


「朝飯は?」

「いい…二日酔いでそれどころじゃない。」

「飲み過ぎだ。…ったくしっかりしろよな。」

「へいへい…ん?」

「!!」


私に気づき、じーっと見つめる小紅さん。昨日のこともあるから正直凄く気まずいな…


「起きたんだ。」

「え、あ…はい」

「そう」


それだけ言うと小紅さんは自分の席に座って大きな欠伸をかいていた。
何だったんだろう…まぁいいか。
ちょっと変わった人なのかなと思っていると、テーブルにはたくさんのおかずが並べられていた。
そして準備し終わった焔が席に着くと、双子ちゃん達は手を合わせて待っていた。


「さて、食べますか!」

「いただきま~す!」「ま~す!」

「…いただきます」


私の目の前に焼き魚と玉子焼き、お味噌汁と漬物…煮物まである。旅館の朝ご飯のようだ。
こんなにたくさんのおかず…本当に食べて良いのかな?


「どうした?食べないのか?」

「え、いや…いいんですか?」

「なにが?」

「こんな豪華な食事を食べてしまって…」

「…ぷっはははは!」


一瞬キョトンとしていた焔が突然笑い出した。
なにかおかしなことを言ったかな?


「はは…ごめんごめん。豪華な食事だなんて言われたことなかったからつい…ふふ。」

「そうなんですね…」

「遠慮せずに食べな。これは全部イチカのために作ったんだから。」

「……」


私のための…ご飯?微笑む焔に私は恐る恐る箸を取り、
茶碗を持った。箸でご飯を少し摘み、ゆっくりと口に入れた。


「……美味しい」


美味しかった。本当に美味しかった。
温かいご飯が口の中に広がってとても甘い。
お米ってこんなに美味しかったの?
私はもう一口、もう一口と無意識に箸が進んでいた。


「……」

「あ、ごめんなさい。こんなにがっついちゃって…」

「いいんだ。そんなに美味しそうに食べてくれて嬉しいよ。」

「…ありがとうございます」


その後も私は朝ご飯を食べ、気が付くとあんなにあったおかずが無くなり、お腹もいっぱいになっていた。


「ご馳走様でした。」

「お粗末様です。」

「あの、私片付けます!」


慌てて席を立ち、食器を持とうとした時、焔の手が優しくそれを止めた。


「大丈夫。イチカはゆっくり休んでな。」

「え…でも!」

「大丈夫。誰も怒らないから安心して。」

「!!」


焔の言葉に私はあの家でのことを思い出した。
片付けないと母に殴られたこと。
温かいご飯を食べたくても家にあるのは賞味期限切れの菓子パンだけだったこと。
ここでも私がやらないと何かされると思ってた…。
けれど…違った。この人はじゃない。


「美雪、沙雪。イチカと遊んでおいで」

「はーい!」「はーい!」


双子ちゃん達にまた腕を引っ張られてそのまま台所を後にした。何もしなくても焔は全く怒らなかった。

その後は双子ちゃん達に連れられて一緒に遊んだ。お手玉をしたり、鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり、お絵描きをしたり…とてもとても楽しかった。

焔はそんな私を微笑みながら眺めていた。

本当に…楽しかったんだ。


「すーっすーっ」「ん~」 

「寝ちゃったな。」

「はい。」


あんなに楽しかった時間があっという間に過ぎて、すっかり夜になっていた。夕飯もまた焔が作ってくれて、たくさん食べた後、美雪ちゃんと沙雪ちゃんが遊び疲れたせいで眠ってしまったのだ。


「あの…ありがとうございました」

「お礼なんて言わなくていいよ。喜んでもらえて良かった。」

「……」


今日一日私は食べて遊んでばかりだった。
こんなこと初めてだったからとても新鮮な気持ちになっていた。


「お風呂湧いてるけどどうする?」

「あ、もう少しこの子達の側にいます…」

「そっか。じゃあ俺は食器片付けてくるからイチカはゆっくりしてて。」

「…はい。」


焔が部屋を後にすると、美雪ちゃんと沙雪ちゃんの寝息だけが部屋の中で響いていた。暗いと思った部屋は月夜に照らされているおかげで少し明るい。


「……」


美雪ちゃんと沙雪ちゃんの頭をそっと撫で、私は静かに部屋を出た。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ザッザッザッーーー


美味しかった。楽しかった。嬉しかった。
もう二度と出来ないと思っていた。


美味しいご飯が食べられてよかった。」


満月の夜の道を裸足で歩く。
道と言っても辺りは雑草だらけで人が通るような道はない。
でもあの人から地図を貰っていたから迷わず進めていた。


「ありがとうございました…さようなら」


お家があった方向にお礼を言い、私は教えてもらった池へと向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「…行ったか」


数十分前…ここでボーッと空を眺めていると、気配を感じて、視線を向けた。
するとそこにはあの女の姿があった。辺りをキョロキョロ見渡してゆっくりと竹藪の中に入り、ガサガサと音を立てながらどこかへ行ってしまった。

あの女の向かう場所は分かっている。
昨日の晩、アタシが教えた池だろう…今朝は昨日に比べて普通そうに見えたが、やっぱり根本は変わらなかったか…


「そこまでして死にたいかね…」


あの小娘の考えていることは、多分あたしの一生かけても分からないだろう。死んだところで何も変わらないってのに…


ダダダダダダッ

「……来たね」


走る足音がこちらに近付いている。音のする方へ視線を向けると、怒りに満ちた顔をした焔が向かってきた。もう気づいたか…いや早いほうか。


「騒がしいね。何をそんなに…」


ダンッ!!!

次の瞬間、アタシが寄りかかってた柱に向かって思い切り殴った。


「イチカはどこだ。」

「……何のことだい」


焔の鋭い視線が上から突き刺さる。けれどそもそも元はといえばあの小娘が望んでやったことであってアタシのせいじゃない。
だから焔に何言われようとアタシはしらを切るつもりだった。

けれど……


「さっきイチカの部屋に行ったらお前の匂いが部屋に残っていた。」

「そりゃあ昨日はあの女の部屋にいたからね」

「違う。あれはまだ新しい匂いだった。お前…イチカに何をした。」

「……」


あ~そうだ…こいつは他より鼻が効くんだったわ。
アタシとしたことがまさかそんなのでバレるとは思わぬ誤算…さて、どうしたもんかね。

面倒になったと思っていたら、突然焔に胸ぐらを掴まれた。さすがにこれは初めてのことだったから少しだけ驚いたけれど、一切動じないアタシに焔がギッと睨みつけてきた。



「お前…分かってんのか?」

「…何を?」

「お前がやったことはの意思を無駄にするのと同じことになるんだぞ!!!」

「…っ!」



『小紅、こっち来いよ』


禅...さん

くそっ...なんで今更...あの人のことを思い出すんだ。
あの人はもう...いないのに、なのに...なのにっ!


「焔が...」

「?」

「焔が勝手なことをしたからだろ!!」


胸ぐらを掴んでいた焔の腕を振り払って、今度はアタシが焔に掴みかかる。もう限界だった...


「お前が禅さんの心臓をあの死に損ないにやらなければこんな事にはならなかったんだよ!!!」

「!!」

「焔、なんであの小娘に心臓を渡した?禅さんの心臓がアタシ達の世界では、どれほどの価値か分かってんのか?」

「......」

「あの小娘は自分自身を守る術も、這いつくばって生きようとする野心もない!なのに...どうしてあんな勢い任せで渡したんだよ!あの心臓は...あの小娘には荷が重すぎるんだよ。」


久しぶりに叫んだせいか、膝からガクンと力が抜けてへたり込む。ゼェゼェと荒く吐く息をするアタシを前に焔のやつはただ立ち尽くしていた。


「......」

「黙りかよ...言っておくけど、アタシはあの小娘に何もしてないよ。ただある場所を教えてやっただけだよ。蛍月の池けいげつのいけのことを...」

「...蛍月の池」


居場所を伝えると、焔は座り込むアタシを無視して裸足のまま外に出た。


「焔!」

「...っ」


あの小娘のもとへ行こうとする焔を引き止める。
すぐにでも向かいたいのだろう...少しだけ振り向いているけれど、身体はソワソワしてた。


「アタシは...禅さんの心臓を別のヤツに渡すべきだと思っている。今ならまだ間に合う。それでもお前はあの小娘に背負わせるつもりなのか!」


満月の夜に響くアタシの声。
言いたいことは全て言った...けれど焔がアタシの話をを聞いたところでコロコロ意志変えるような奴じゃないことは昔から知っている。

それでも...それでもこれだけは言わずにはいられなかったんだ。


「小紅...」


ソワソワしていた身体がスッと静まり、アタシの方に身体を向ける。そしてさっきまで殺意剥き出しだった目は少し力なく、どこか悲しげにこちらを見ていた。


「話してくれてありがとう...そしてごめん」


突然アタシに対して頭を下げてきた焔。
長年の付き合いではあるけれど
こんなこと一度もなかったから驚いた...

呆然としていると、ゆっくりと頭を上げた焔はポツリポツリと話し始めた


「小紅の言うことは間違っていない...たしかに禅さんの心臓は今のイチカには負担が大きい。今後イチカを狙う奴らがたくさん現れると思う...」

「だったら...!「でも!俺は...イチカから禅さんの心臓を取り出そうとは思わない。」

「...っ!」


分かっていた...けれどやっぱりダメだったか。
初めて焔がアタシに感謝して初めて謝ってきたから、もしかしたらって少し期待していたんだけどな...

 
「ごめん。」

「いや...いいさ。昔から頑固なのは変わってないね」

「......俺は馬鹿だからさ、上手く言えないんだけど...イチカに心臓を渡したこと、後悔していないんだ。」

「...それが今後あの小娘の命を狙われたとしてもかい?」


多分これがアタシがアイツに聞く最後の質問。
もっとこいつに言いたいことはあるはずなのに、焔の今の表情を見たら言う気も失せちまったよ...


「あぁ...その時は俺が一華を守る。」


それがあんたの答えなんだね。
はぁ...と溜息をついて、煙管を取り出して一服した。


「あ~あ。あんたのせいでまた面倒ごとが増えちまうよ。」

「なっ!そんな言い方...」

「ほら、ボサッとしてないでさっさと行きな。」

「言われなくても行くわ!バーカ!」


ガキみたいな捨て台詞を言って竹藪の中へ走っていった。
急に静かな夜に取り残されたアタシは煙をフーッと吐いて柱に寄りかかった。


「見てるかい禅さん...あいつまた少し成長したよ」


頑固なのは相変わらずだけどね。
ふふっと、一人しかいない夜の縁側であなたを想いながら笑った。



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