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昔話
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私が5歳の頃、父と母は離婚した。
原因は母の不倫。
まだ幼かった私は母に手を取られ、父を残して家を出ていった記憶が微かに残っている。
あの時の父の顔はとても悲しそうな表情をしていたのを今でも覚えている。
あれ以来、父とは一度も会っていない。
どこで何をしているのかも分からない。
でも、定期的に養育費は振り込まれていると母から聞いたことはある。けれど…そのお金も結局は母のために使われるからすぐに無くなる。
家を出た私達は今の団地に引っ越した。ここは家賃が安いけど外も中も古い。それでも母と私、そして当時一緒に住んでいた母の彼氏の3人で住むにはちょうどいい広さだったのを覚えている。
「一華。これからはママと新しいパパの3人、ここで楽しく暮らしましょうね!」
「うん!」
久しぶりの母の笑顔。
私は笑っている母が大好きだった。
だから嬉しくて嬉しくて、パパがいない違和感は
あったものの、母に抱きついて笑いあったあの頃はとても幸せだった。
けれど、そう長くは続かなかった…
「なんで!?結婚しようって約束したじゃない!」
夜中、リビングに響く母の声で目を覚ました。
寝室で寝ていた私は重い瞼をこすりながら
襖を少し開けて覗くと、そこでは母と母の彼氏が喧嘩していた。
「あなたが私と結婚するって言ったからあの男と離婚したのよ!?なのに別れるなんてどうして?」
「気が変わったんだよ。お前みたいなメンヘラヒス女、もう相手すんのも疲れたわ。」
「…はぁ?何言ってんの?」
「それにガキまでいると正直メンドーだし、他に女ができた。だからもう別れよう。」
「…ふざけんなぁぁあ!!!」
怒り狂った母は家に置いてある食器や家具を手当たり次第手に取り、彼氏に投げつけては発狂していた。
彼氏の方はそれを見て怖くなったのかすぐにリビングを飛び出し、それ以降戻ってこなくなった。
「はぁ…はぁ…」
グチャグチャになったリビングで呆然と立つ母。
あんなに怒る母を見たのは初めてだった。
すごく怖くて泣きそうになったけど当時の私はきっと抱きしめたらまた笑ってくれると思い、寝室を出た。
「ママ…?」
力なくダランと垂れる腕を小さい手でギュッと握ったーーー
「触るなぁァァァ!!!!」
その瞬間、突然火がついたように母は私の手を振り払い、睨みつけてきた。
私はなぜ母が怒っているのか分からず、怯えながら母の顔を見た。
「あんたのせいよ!!あんたがいるからあの人は出て行ったのよぉぉお!!!」
鬼の形相で見る母の目は鋭い刃物のように私を睨む。
あまりの恐怖に自然と涙がボロボロと流れていた。
「ご、ごめんなさい…ごめんなさい」
「あ~も~うるさい、うるさい!!泣くな!!」
手は出さなかったのが不幸中の幸いだった。けれどそのあとも私に罵声を浴びせ続けた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ですから、何も問題ないですってば。」
翌日、児童相談所の人が来た。
昨日の夜の罵声を聞いた人が通報したんだろう。
中年の男性と女性の2人、母と話していた。
「昨夜あなたの怒鳴り声が近隣に響いたと通報がありましてね?何かあったのかな~と…」
「子供が危ないことをしようとしたからついカッとなって注意しただけですけど?」
「でもお子さんの泣き声も長い時間聞こえたとも…」
「別に注意されて泣く子なんてたくさんいますよね?叩いたわけでもないのに人を悪者扱いしないでもらえます?」
「………」
数分話し合うと母はバタンと扉を閉めてリビングに戻ってきた。
児童相談所に通報されたのがよほど腹が立ったのか大分いらついていた。
「はぁ~まじうざいわ。あんたがピーピー泣いてたせいだからね。これ以上迷惑かけんなよ。」
「ごめんなさい…」
この日から私は母に逆らったら怒られると認識するようになり、出来るだけ母の逆鱗に触れないよう常に警戒しながら生活するようになった。
母はとても家庭的な人だったのに、夜の仕事を始めてからは家事を一切しなくなった。洗濯物も溜まり、ゴミも増え、ご飯はコンビニ弁当か菓子パンとどんどん生活水準が低くなっていった。
ママの役に立ちたい…!
そう思った幼い頃の私は部屋の掃除やゴミ出しをやっていた。そうすれば母が喜んでくれると思ったからだ。
けれどそれは逆効果だった…毎朝5歳の女の子が一人でゴミ出しをしていることや、いつも同じ服を着ている様子を近所の人達が不審に思い、その結果、また児童相談所に通報されてしまったのだ。
パーンッ!!!
「!!」
「余計なことすんじゃないよ!またあんたのせいで私が怒られたじゃない!どうしてくれんのよ!」
この日初めて母に平手打ちされた。
ジンジンと叩かれた頬に痛みが走る。
そして同時に涙もたくさん流れていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
「はぁ~あんたなんて産まなきゃよかった」
ため息をつく母に私はただ泣きながら謝ることしか出来なかった…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1年後、私は小学生になった。
「ねぇ君なんかくさ~い」
入学早々、隣の席の子に臭いと言われた。
それからというもの、クラスの全員から生ゴミ女とバカにされるようになり、いじめの対象になってしまった。
「なあお前、風呂入ってんの?」
「てかそれ昨日も着てなかった?(笑)」
「きったね~こっち来んなよ!」
毎日毎日教室に入る度にゴミだ汚いと言われ、先生に何度も相談しても全く対応してもらえなかった。
きっと面倒事を増やしたくなかったのだろう…
一度だけ母に相談したこともあった。
けれどーーー
「へぇ~…で?だから何?私にどうしろって言うの?忙しいんだからくだらないことに時間かけないで。」
と、あっさり切り捨てられてしまった。
それからというもの、私は小学校から高校生になるまで虐められ続け、誰にも相談することなく、ずっと1人で我慢する生活を送るのだったーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……ん」
私寝ちゃってたんだ…
手帳から写真を取り出して眺めていたら、急に睡魔に襲われて今の今まで眠っていたみたいだ。
「嫌なこと思い出しちゃったな…」
部屋はすっかり暗くなり、時刻は0時を回っていた。
窓を開けるとムワッとした夏の蒸し暑い風がリビングに入ってきた。
「意味ないか…」
換気しようとしたけれど異常気象のせいで夜もすごく暑い。本当はエアコンはあるけれど使ったら母に叱られるので1人でいる時は絶対に使えない。
部屋の中も外も暑いけれど何となくベランダに腰掛けて空を見上げた。
「私…なんで生きてるんだろう」
クラスの人たちからはいじめを受けて、
先生や母から見捨てられて、
そして…父親も一度も会いに来てくれなかった…
私って生きる意味があるのかな?
学校で殴られた身体がまだ痛む中、私は母の言葉を思い出した。
『あんたなんて産まなきゃよかった』
私、生まれちゃいけなかったんだ…
昔、私に言い放った母の言葉にまた胸がキュッと苦しくなる。
「そっか…そっかぁ」
真夜中のベランダ。
体育座りになり、締め付ける胸を隠すように
身体を丸くして顔を伏せたーーー
原因は母の不倫。
まだ幼かった私は母に手を取られ、父を残して家を出ていった記憶が微かに残っている。
あの時の父の顔はとても悲しそうな表情をしていたのを今でも覚えている。
あれ以来、父とは一度も会っていない。
どこで何をしているのかも分からない。
でも、定期的に養育費は振り込まれていると母から聞いたことはある。けれど…そのお金も結局は母のために使われるからすぐに無くなる。
家を出た私達は今の団地に引っ越した。ここは家賃が安いけど外も中も古い。それでも母と私、そして当時一緒に住んでいた母の彼氏の3人で住むにはちょうどいい広さだったのを覚えている。
「一華。これからはママと新しいパパの3人、ここで楽しく暮らしましょうね!」
「うん!」
久しぶりの母の笑顔。
私は笑っている母が大好きだった。
だから嬉しくて嬉しくて、パパがいない違和感は
あったものの、母に抱きついて笑いあったあの頃はとても幸せだった。
けれど、そう長くは続かなかった…
「なんで!?結婚しようって約束したじゃない!」
夜中、リビングに響く母の声で目を覚ました。
寝室で寝ていた私は重い瞼をこすりながら
襖を少し開けて覗くと、そこでは母と母の彼氏が喧嘩していた。
「あなたが私と結婚するって言ったからあの男と離婚したのよ!?なのに別れるなんてどうして?」
「気が変わったんだよ。お前みたいなメンヘラヒス女、もう相手すんのも疲れたわ。」
「…はぁ?何言ってんの?」
「それにガキまでいると正直メンドーだし、他に女ができた。だからもう別れよう。」
「…ふざけんなぁぁあ!!!」
怒り狂った母は家に置いてある食器や家具を手当たり次第手に取り、彼氏に投げつけては発狂していた。
彼氏の方はそれを見て怖くなったのかすぐにリビングを飛び出し、それ以降戻ってこなくなった。
「はぁ…はぁ…」
グチャグチャになったリビングで呆然と立つ母。
あんなに怒る母を見たのは初めてだった。
すごく怖くて泣きそうになったけど当時の私はきっと抱きしめたらまた笑ってくれると思い、寝室を出た。
「ママ…?」
力なくダランと垂れる腕を小さい手でギュッと握ったーーー
「触るなぁァァァ!!!!」
その瞬間、突然火がついたように母は私の手を振り払い、睨みつけてきた。
私はなぜ母が怒っているのか分からず、怯えながら母の顔を見た。
「あんたのせいよ!!あんたがいるからあの人は出て行ったのよぉぉお!!!」
鬼の形相で見る母の目は鋭い刃物のように私を睨む。
あまりの恐怖に自然と涙がボロボロと流れていた。
「ご、ごめんなさい…ごめんなさい」
「あ~も~うるさい、うるさい!!泣くな!!」
手は出さなかったのが不幸中の幸いだった。けれどそのあとも私に罵声を浴びせ続けた。
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「ですから、何も問題ないですってば。」
翌日、児童相談所の人が来た。
昨日の夜の罵声を聞いた人が通報したんだろう。
中年の男性と女性の2人、母と話していた。
「昨夜あなたの怒鳴り声が近隣に響いたと通報がありましてね?何かあったのかな~と…」
「子供が危ないことをしようとしたからついカッとなって注意しただけですけど?」
「でもお子さんの泣き声も長い時間聞こえたとも…」
「別に注意されて泣く子なんてたくさんいますよね?叩いたわけでもないのに人を悪者扱いしないでもらえます?」
「………」
数分話し合うと母はバタンと扉を閉めてリビングに戻ってきた。
児童相談所に通報されたのがよほど腹が立ったのか大分いらついていた。
「はぁ~まじうざいわ。あんたがピーピー泣いてたせいだからね。これ以上迷惑かけんなよ。」
「ごめんなさい…」
この日から私は母に逆らったら怒られると認識するようになり、出来るだけ母の逆鱗に触れないよう常に警戒しながら生活するようになった。
母はとても家庭的な人だったのに、夜の仕事を始めてからは家事を一切しなくなった。洗濯物も溜まり、ゴミも増え、ご飯はコンビニ弁当か菓子パンとどんどん生活水準が低くなっていった。
ママの役に立ちたい…!
そう思った幼い頃の私は部屋の掃除やゴミ出しをやっていた。そうすれば母が喜んでくれると思ったからだ。
けれどそれは逆効果だった…毎朝5歳の女の子が一人でゴミ出しをしていることや、いつも同じ服を着ている様子を近所の人達が不審に思い、その結果、また児童相談所に通報されてしまったのだ。
パーンッ!!!
「!!」
「余計なことすんじゃないよ!またあんたのせいで私が怒られたじゃない!どうしてくれんのよ!」
この日初めて母に平手打ちされた。
ジンジンと叩かれた頬に痛みが走る。
そして同時に涙もたくさん流れていた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
「はぁ~あんたなんて産まなきゃよかった」
ため息をつく母に私はただ泣きながら謝ることしか出来なかった…
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1年後、私は小学生になった。
「ねぇ君なんかくさ~い」
入学早々、隣の席の子に臭いと言われた。
それからというもの、クラスの全員から生ゴミ女とバカにされるようになり、いじめの対象になってしまった。
「なあお前、風呂入ってんの?」
「てかそれ昨日も着てなかった?(笑)」
「きったね~こっち来んなよ!」
毎日毎日教室に入る度にゴミだ汚いと言われ、先生に何度も相談しても全く対応してもらえなかった。
きっと面倒事を増やしたくなかったのだろう…
一度だけ母に相談したこともあった。
けれどーーー
「へぇ~…で?だから何?私にどうしろって言うの?忙しいんだからくだらないことに時間かけないで。」
と、あっさり切り捨てられてしまった。
それからというもの、私は小学校から高校生になるまで虐められ続け、誰にも相談することなく、ずっと1人で我慢する生活を送るのだったーーー
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「……ん」
私寝ちゃってたんだ…
手帳から写真を取り出して眺めていたら、急に睡魔に襲われて今の今まで眠っていたみたいだ。
「嫌なこと思い出しちゃったな…」
部屋はすっかり暗くなり、時刻は0時を回っていた。
窓を開けるとムワッとした夏の蒸し暑い風がリビングに入ってきた。
「意味ないか…」
換気しようとしたけれど異常気象のせいで夜もすごく暑い。本当はエアコンはあるけれど使ったら母に叱られるので1人でいる時は絶対に使えない。
部屋の中も外も暑いけれど何となくベランダに腰掛けて空を見上げた。
「私…なんで生きてるんだろう」
クラスの人たちからはいじめを受けて、
先生や母から見捨てられて、
そして…父親も一度も会いに来てくれなかった…
私って生きる意味があるのかな?
学校で殴られた身体がまだ痛む中、私は母の言葉を思い出した。
『あんたなんて産まなきゃよかった』
私、生まれちゃいけなかったんだ…
昔、私に言い放った母の言葉にまた胸がキュッと苦しくなる。
「そっか…そっかぁ」
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