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第105話 スーパー・テイスト
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コンコン コンコン・・・
再びノックの音がして、ドアが開いた。
「え~っと、ファンの方からの差し入れでぇーす」
帽子を目深に被った小柄な配送員がフルーツジュースの入ったディスポーザブル・タンブラーとストローを添えたトレーを持って入って来る。
テーブルの上に8個のタンブラーを並べた配送員がおもむろに色紙を取り出した。
「わぉっ、本物の【ムーラン・ルージュ】だぁ。ボク、大ファンなんですよぉ。サインとかお願い出来ませんかぁ?」
帽子で顔をはっきりと見えないが、その配達員こそ怪しい光をその瞳に宿したヤミ・イーシャであった。
(ふうん、この娘達がねぇ・・・。っ! やばいっ!)
穂波と視線が合いそうになり慌てて下を向くヤミ。
(ヤバイヤバイ、あの時の空手ガールかぁ・・・。それにしても・・・、ひぃふぅみぃ・・・。一人足りないのはドルゴちゃんのお手柄だよねぇ。でも、その分はあの人に飲んで貰うとしようかな・・・)
「保冷の効かないモノなので、早めに飲んじゃってくださいね~」
次々にアキ達のサインを集め大切そうに色紙を持つヤミ。
「それじゃ、ボクはこれで・・・。色紙も宝物にしますぅ~」
そう言って部屋を出ようとするヤミ。
「ちょっと、待てっ!」
(ヒッ! まさか・・・)
葵に呼び止められたヤミが恐る恐る振り向く。
「忘れ物だ・・・」
そう言って、テーブルに置かれていたトレーを手渡す。
「あっ、あははっ! すいません、緊張しちゃって・・・」
慌てて葵からトレーを受け取るヤミ。
「決勝戦頑張ってくださいね~」
慌てて部屋を出るヤミ。
ドンッ!
「あっ、すいません」
「いや、こっちこそ・・・。んっ?」
そのまま逃げるように走り去る配達員を見る渡。
「あいつ・・・。どこかで見たような・・・」
(いやぁ、ヤバかったなぁ・・・。でも可愛い娘達なのに、ご愁傷様ぁ。チーン)
「眠りについたお姫様は王子様のキスでも目覚めないんだよぉ~。恨むならボクじゃなくて孫を恨んでねぇ」
建物の外に出たヤミは被っていた帽子を脱ぎ、投げ捨てる。
「このサイン・・・、結構な値が付くかも。だって・・・、もうサインなんて出来なくなっちゃうんだからぁ。あはははははっ!」
高らかな笑い声を上げて、その場を立ち去るヤミだった。
テーブルの置かれた、ファンから差し入れというフルーツジュース。
「せっかくだから、頂こうよ。喉乾いてるし」
汐音が最初にタンブラーを手にする。
「んじゃ、あちも・・・」
穂波も続く。
「歌う前に喉、潤すのもいいしね」
「そうだね。皆で飲もうよ~」
涼香と圭も乗り気になっている。
「賛成っ、ちょっと暑いし」
優奈もタンブラーを手に取る。
「一つ多いのは、葵先生にっ!」
優奈から手渡されたタンブラーを受け取る葵。
「まぁ、遠慮なく頂くか・・・」
「でも・・・。何で送ってくれた人の名前が無いのかなぁ・・・」
アキも首を傾げながら、タンブラーにストローを差す。
「まぁ、シャイなファンって事も・・・」
タンブラーにストローを差した七瀬の表情が一瞬にして曇る。
(何・・・、これ・・・?)
「じゃあ、前祝いの乾杯にするかっ!」
葵がストローに口を付けようとしたその時・・・
「駄目っ! 葵先生っ! 飲んじゃダメっ!」
七瀬が突然、大声で叫んだ。
「皆も飲んじゃダメっ!」
誰もが一瞬、呆気に取られた。
(何だか分からないけど・・・。薬? 変な匂いがする・・・)
七瀬のスーパーテイストは無味無臭の筈の睡眠薬の匂いを感じ取っていた。
「どうしたの? 七瀬っ!? これが何かあるの?」
幼いころから七瀬は飲食物の僅かな差や違和感を感じ取っていた事、そして妙に勘が鋭い事を知っているアキだからこそ、このフルーツジュースが何かおかしいのだと瞬時に理解した。
(きっと・・・、毒みたいなもの。でも、皆を不安にさせちゃいけない・・・)
七瀬は慎重に言葉を選ぼうとするが、上手く言葉が見つからない。
「皆・・・。とにかくコレは駄目なのっ!」
かつて、【ぱんさー】で隠し味のチョコレートの銘柄まで当てた時の事を思い出す汐音。
「七瀬ちゃんがそう言うなら・・・。やめておこうよ」
(汐音ちゃん・・・)
アキも大きく頷く。
そして、圭も・・・
(そう言えば。何か違和感がずっとあったし・・・。決勝戦の緊張かと思ってたけど・・・。違う)
皆がタンブラーをテーブルに戻すのを見てホッとする七瀬。
(無味無臭の薬なんて・・・。一体誰が? 何の為に?)
七瀬の表情は硬い。
「兎に角、これは飲まない方が良さそうだ・・・」
葵もタンブラーをテーブルへと戻す。
そして。パンパンッと柏手を叩く。
「さぁ、お前達っ! ぼやぼやしている暇はないぞっ!」
皆が急に我に返ったかのように急ぎ準備に取り掛かる。
その様子を見ながら、葵は七瀬にそっと近寄った。
「星野、ちょっといいか?」
コクリと頷く七瀬を連れて廊下へと出る葵。
「さっきの事だが・・・。何があったんだ?」
「嫌な臭いがしたんです・・・」
「臭い? うちにはフルーツの香りしかしなかったが・・・」
「あたしには・・・、分かるんです・・・・。生まれた時から・・・」
七瀬が真剣な眼差しで葵を見つめている。
「あのジュースに入っているのは、何の味もしない何の匂いもしない怪しい薬みたいなものが・・・。もし、飲んでしまったら・・・。きっと大変な事が・・・」
「星野・・・」
「本当ですっ! 嘘じゃありませんっ!」
じっと七瀬を見つめる葵。
(そう言えば・・・。大洗が橘ゆかりの継母を言い当てたり、こいつら何か特殊な力が・・・。だから、何かあったら報告しろと・・・)
草津温泉の事を思い出す葵。
「分かった、星野。うちはお前を信じる」
「先生っ!」
「担任が生徒を信用しなくてどうする。だが、この事は皆には言うな・・・」
そして、葵の両手が七瀬の両肩に置かれる。
「星野、今は余計な事を考えずに集中しろっ! いいなっ!」
「はい・・・」
「皆の所へ戻れ、間もなく決勝戦だ」
「分かりました・・・」
不安そうな表情の七瀬を見送りながら、葵は考える。
(一体、誰がこんな事を・・・。【ムーラン・ルージュ】に優勝させたくない奴でもいるというのか・・・?)
葵の心配をよそに、怒涛の決勝戦が幕を開けようとしていたーー
それぞれの推しの色を灯したサイリウムの光が照明を低くし暗くなっている客席の暗がりを照らしている。
その最後部には、白髪白髭の壮年男性が佇んでいる。
その傍らには、美貌と色気を兼ね備えた美女・・・
言うまでもない、ミネルヴァとゆかりである。
「【ムーラン・ルージュ】がここまでやるとは正直、意外だったが・・・」
ミネルヴァの口元は笑っているが、目元は笑っていない。
「温水アキがいますから・・・」
艶然と微笑むゆかり。
「アキ・・・、か。ほっほっほっ!」
不気味に笑うミネルヴァ。
「さて、ゆかり・・・。手筈はどうなっている?」
「全て、抜かりは御座いません」
「ふむ、君の様に優秀な配下を持つと楽だねぇ・・・」
ミネルヴァの顔に底知れぬ笑いが浮かんでくる。
「あちらも、そろそろですわね」
ゆかりが腕の時計に視線を落とす。
「この盛大な花火が我々の成功を祝ってくれているようだとは思わんか? ゆかり」
「はい」
ただ、首肯するゆかり。
少女達の爽やかな舞台とは裏腹に邪悪な陰謀の渦が今まさに加速し始めていたーー
再びノックの音がして、ドアが開いた。
「え~っと、ファンの方からの差し入れでぇーす」
帽子を目深に被った小柄な配送員がフルーツジュースの入ったディスポーザブル・タンブラーとストローを添えたトレーを持って入って来る。
テーブルの上に8個のタンブラーを並べた配送員がおもむろに色紙を取り出した。
「わぉっ、本物の【ムーラン・ルージュ】だぁ。ボク、大ファンなんですよぉ。サインとかお願い出来ませんかぁ?」
帽子で顔をはっきりと見えないが、その配達員こそ怪しい光をその瞳に宿したヤミ・イーシャであった。
(ふうん、この娘達がねぇ・・・。っ! やばいっ!)
穂波と視線が合いそうになり慌てて下を向くヤミ。
(ヤバイヤバイ、あの時の空手ガールかぁ・・・。それにしても・・・、ひぃふぅみぃ・・・。一人足りないのはドルゴちゃんのお手柄だよねぇ。でも、その分はあの人に飲んで貰うとしようかな・・・)
「保冷の効かないモノなので、早めに飲んじゃってくださいね~」
次々にアキ達のサインを集め大切そうに色紙を持つヤミ。
「それじゃ、ボクはこれで・・・。色紙も宝物にしますぅ~」
そう言って部屋を出ようとするヤミ。
「ちょっと、待てっ!」
(ヒッ! まさか・・・)
葵に呼び止められたヤミが恐る恐る振り向く。
「忘れ物だ・・・」
そう言って、テーブルに置かれていたトレーを手渡す。
「あっ、あははっ! すいません、緊張しちゃって・・・」
慌てて葵からトレーを受け取るヤミ。
「決勝戦頑張ってくださいね~」
慌てて部屋を出るヤミ。
ドンッ!
「あっ、すいません」
「いや、こっちこそ・・・。んっ?」
そのまま逃げるように走り去る配達員を見る渡。
「あいつ・・・。どこかで見たような・・・」
(いやぁ、ヤバかったなぁ・・・。でも可愛い娘達なのに、ご愁傷様ぁ。チーン)
「眠りについたお姫様は王子様のキスでも目覚めないんだよぉ~。恨むならボクじゃなくて孫を恨んでねぇ」
建物の外に出たヤミは被っていた帽子を脱ぎ、投げ捨てる。
「このサイン・・・、結構な値が付くかも。だって・・・、もうサインなんて出来なくなっちゃうんだからぁ。あはははははっ!」
高らかな笑い声を上げて、その場を立ち去るヤミだった。
テーブルの置かれた、ファンから差し入れというフルーツジュース。
「せっかくだから、頂こうよ。喉乾いてるし」
汐音が最初にタンブラーを手にする。
「んじゃ、あちも・・・」
穂波も続く。
「歌う前に喉、潤すのもいいしね」
「そうだね。皆で飲もうよ~」
涼香と圭も乗り気になっている。
「賛成っ、ちょっと暑いし」
優奈もタンブラーを手に取る。
「一つ多いのは、葵先生にっ!」
優奈から手渡されたタンブラーを受け取る葵。
「まぁ、遠慮なく頂くか・・・」
「でも・・・。何で送ってくれた人の名前が無いのかなぁ・・・」
アキも首を傾げながら、タンブラーにストローを差す。
「まぁ、シャイなファンって事も・・・」
タンブラーにストローを差した七瀬の表情が一瞬にして曇る。
(何・・・、これ・・・?)
「じゃあ、前祝いの乾杯にするかっ!」
葵がストローに口を付けようとしたその時・・・
「駄目っ! 葵先生っ! 飲んじゃダメっ!」
七瀬が突然、大声で叫んだ。
「皆も飲んじゃダメっ!」
誰もが一瞬、呆気に取られた。
(何だか分からないけど・・・。薬? 変な匂いがする・・・)
七瀬のスーパーテイストは無味無臭の筈の睡眠薬の匂いを感じ取っていた。
「どうしたの? 七瀬っ!? これが何かあるの?」
幼いころから七瀬は飲食物の僅かな差や違和感を感じ取っていた事、そして妙に勘が鋭い事を知っているアキだからこそ、このフルーツジュースが何かおかしいのだと瞬時に理解した。
(きっと・・・、毒みたいなもの。でも、皆を不安にさせちゃいけない・・・)
七瀬は慎重に言葉を選ぼうとするが、上手く言葉が見つからない。
「皆・・・。とにかくコレは駄目なのっ!」
かつて、【ぱんさー】で隠し味のチョコレートの銘柄まで当てた時の事を思い出す汐音。
「七瀬ちゃんがそう言うなら・・・。やめておこうよ」
(汐音ちゃん・・・)
アキも大きく頷く。
そして、圭も・・・
(そう言えば。何か違和感がずっとあったし・・・。決勝戦の緊張かと思ってたけど・・・。違う)
皆がタンブラーをテーブルに戻すのを見てホッとする七瀬。
(無味無臭の薬なんて・・・。一体誰が? 何の為に?)
七瀬の表情は硬い。
「兎に角、これは飲まない方が良さそうだ・・・」
葵もタンブラーをテーブルへと戻す。
そして。パンパンッと柏手を叩く。
「さぁ、お前達っ! ぼやぼやしている暇はないぞっ!」
皆が急に我に返ったかのように急ぎ準備に取り掛かる。
その様子を見ながら、葵は七瀬にそっと近寄った。
「星野、ちょっといいか?」
コクリと頷く七瀬を連れて廊下へと出る葵。
「さっきの事だが・・・。何があったんだ?」
「嫌な臭いがしたんです・・・」
「臭い? うちにはフルーツの香りしかしなかったが・・・」
「あたしには・・・、分かるんです・・・・。生まれた時から・・・」
七瀬が真剣な眼差しで葵を見つめている。
「あのジュースに入っているのは、何の味もしない何の匂いもしない怪しい薬みたいなものが・・・。もし、飲んでしまったら・・・。きっと大変な事が・・・」
「星野・・・」
「本当ですっ! 嘘じゃありませんっ!」
じっと七瀬を見つめる葵。
(そう言えば・・・。大洗が橘ゆかりの継母を言い当てたり、こいつら何か特殊な力が・・・。だから、何かあったら報告しろと・・・)
草津温泉の事を思い出す葵。
「分かった、星野。うちはお前を信じる」
「先生っ!」
「担任が生徒を信用しなくてどうする。だが、この事は皆には言うな・・・」
そして、葵の両手が七瀬の両肩に置かれる。
「星野、今は余計な事を考えずに集中しろっ! いいなっ!」
「はい・・・」
「皆の所へ戻れ、間もなく決勝戦だ」
「分かりました・・・」
不安そうな表情の七瀬を見送りながら、葵は考える。
(一体、誰がこんな事を・・・。【ムーラン・ルージュ】に優勝させたくない奴でもいるというのか・・・?)
葵の心配をよそに、怒涛の決勝戦が幕を開けようとしていたーー
それぞれの推しの色を灯したサイリウムの光が照明を低くし暗くなっている客席の暗がりを照らしている。
その最後部には、白髪白髭の壮年男性が佇んでいる。
その傍らには、美貌と色気を兼ね備えた美女・・・
言うまでもない、ミネルヴァとゆかりである。
「【ムーラン・ルージュ】がここまでやるとは正直、意外だったが・・・」
ミネルヴァの口元は笑っているが、目元は笑っていない。
「温水アキがいますから・・・」
艶然と微笑むゆかり。
「アキ・・・、か。ほっほっほっ!」
不気味に笑うミネルヴァ。
「さて、ゆかり・・・。手筈はどうなっている?」
「全て、抜かりは御座いません」
「ふむ、君の様に優秀な配下を持つと楽だねぇ・・・」
ミネルヴァの顔に底知れぬ笑いが浮かんでくる。
「あちらも、そろそろですわね」
ゆかりが腕の時計に視線を落とす。
「この盛大な花火が我々の成功を祝ってくれているようだとは思わんか? ゆかり」
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