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第30話 父の影

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テルマエ学園ではプロモーションビデオの撮影を終えたアキ達が皆で大浴場に浸かっていた。

「何とか・・・、終わったねぇ」
アキは湯船の中で手足を伸ばし、寛ぎモード全開になっていた。
いつもの如く、その巨乳は浮力に逆らう事無く浮かび上がっている。

「はぁ・・・」
皆が和気藹々と過ごす大浴場に近づく影にはまだ誰も気づいていない。

ガラガラガラッ!

突然、音を立てて大浴場の扉が乱暴に開け放たれた。

「何っ?」
「誰っ!?」
一点に集まった皆の視線の先には・・・

「皆と師弟愛を極めようと思ってなっ!」
カッカッカッ!と笑い声も高らかに葵が立っている。

「葵・・・、先生・・・?」
何が起きているのかと逡巡するアキ達の視線にカトリーナとハンの姿が映る。

「さぁ、行くぞ」
葵が腕を引っ張るが、カトリーナは戸惑いを見せる。
「大丈夫ヨ、行こウ・・・」
後ろに居たハンがカトリーナの肩を押す。
「カトリーナ・・・? !?」
(そうか、恥ずかしがってるんだ)
そう思ったアキはまるでウサギのように湯船から飛び出して駆け寄ろうとするが・・・

「きゃあっ!?」
濡れたタイルの上を走り出したアキが滑ってバランスを崩した。

「危なイッ!」
慌ててアキを両脇から支えるハンとカトリーナ。

「大丈夫ッ!?」
「う、うん。ありがと・・・」
ボリュームのある胸が揺れながら、両脇の二人の腕に当たる。
その時、大浴場の壁面にある大きな鏡にカトリーナの背中が映った。

そうカトリーナはインドで大火事にあい、背中全面に火傷を負っている。
そのケロイド状の跡を見せないが為にいつも一人で個浴をしていたのである。
鏡に映し出された大きな火傷の痕に一瞬、皆が絶句した。

「ワタシ・・・、火傷の痕アルカラ・・・。皆ガ気味悪がると思っテ・・・」
「カトリーナ・・・」
俯くカトリーナをアキがハグする。
そして、優しく背中を摩りながら話しかける。

「そんな事、ここにいる誰も気にしないよ・・・」
「アキ・・・」
カトリーナが目を伏せる。

「一人で悩み事、抱えてたんだね」
振り向くと、萌の姿があった。

「宗教的な問題だと思っていたよ・・・」
七瀬の言葉の通り、日本ではヒンズー教とイスラム教が混在して見られる為に誤解を生みやすい。
カトリーナとアキ達の間にあった誤解もこれで消えて行くだろう。

(ケリアン・・・。ワタシ、アキ達のサポートしっかりヤルヨ。だって、友達なんダカラ・・・)
カトリーナの目は真っ赤になっている。
きっと泣くのを我慢しているのだろう。
その光景を見ていた葵とハン、互いに顔を見合わせて微笑み、そして頷く。

「皆っ! 何をしている! 風邪ひくぞっ!」

バッシャーンっ!

葵が率先して湯船に飛び込む。

「ほら、カトリーナっ! あちなんて空手の稽古で傷だらけだし」
穂波がカトリーナに古傷を見せる。

「あたしなんて、こーんな痣もあるしっ!」
圭が率先して痣を見せる。

「そうそう、わたしも・・・」
「あたしも・・・」
アキ達は次々とあの痣をカトリーナに見せている。

(皆に痣とは・・・、珍しい・・・。っ!? まさか!?)

アキ達8人が揃って痣を持っている事、それがあの時 ゆかりが盗撮映像を直ぐに自分へと送らせた事に何か関わりがあるのではないかと感じる葵であった。



一方、【ムーラン・ルージュ】が上位どころか圏外であることを知らされ精神的大ダメージを受けた三橋は、頬もげっそりとこけてしまい見る影も無くなっていた。
局内では、三橋が肺がんを患ったという噂まで流布した程である。

その三橋だがあの日以来、自分のデスクの前に神棚を設置し、日がな一日祈願しているという有様だ。

「こりゃ、かなりヤバいなぁ。三橋さん・・・」
岩田の声も全く耳に入っていない。

「何ですかね? これ?」
丁度、三波とすずが三橋宛に送られてきた荷物をいくつも抱えて来た。

「三橋さん、通販なんてしなかったのに・・・」
首をかしげる三波とすずに音も立てずに幽鬼の如き風貌となった三橋が近寄る。

「来ぃ~たぁ~かぁ~」
「ひっ・・・!」
おどろおどろしい三橋の声に驚き、思わず荷物を落としかける三波とすず。

「あの~、何買ったんです・・・?」
恐る恐る尋ねる三波だが、三橋はひたすら箱を開け中身を出してデスクに並べだす。
その様子を遠巻きに見ている岩田達。

「・・・、四国八十八ヵ所の御朱印帳ですねぇ」
「九頭龍神社の開運祈願お守り・・・」
「あっちのは・・・、安産だからちょっと違うような・・・」
「あれは、交通安全って書いてありますよ?」
全国各地の神社・仏閣の開運グッズを買い集めているようだ。

「あっ、あれは・・・」
三橋が驚いたのは、三橋のデスク中央に置かれた鉢巻きをしたタコの置物だった。

「置くとパス・・・、受験生かよ・・・」
「うわっ、更にヤバいのがぁ・・・」
すずが指さした先には・・・

「幸運を呼ぶ水晶の数珠って・・・」
「このままだと、悪運を吸い込む壺とかまで買っちゃいそうだな、三橋さん・・・」
ぶつぶつと呪文のような呟きを続ける三橋が何かを思い出したように振り返って三波を見る。

「な・・・、何でしょうか・・・?」
じりじりと三波に近寄った三橋は、ニタリと笑って口を開く。
「なぁ、三波ぃ・・・。お前の不思議な力で俺を助けてくれよぉぉぉぉ」
最早、救いようのない状態の三橋に三波達は揃ってため息をつくしかなかった。



友情を深め合ったアキ達とカトリーナは葵と弾を交えて優勝候補筆頭である【シュシュ・ラピーヌ】のプロモーションビデオを食い入るように見ていた。

「強敵ダネ・・・」
カトリーナが囁く。
「皆っ! 早速練習を始めるぞっ!」
危機感を強めた葵が率先して指示し始めた。


(チヨット、気ニナル事、皆ガ練習シテルウチニ・・・)
アキ達の練習が始まると、カトリーナは自室に戻りPCのキーを叩く。
萬度と手を切ったカトリーナだが、湯の花温泉の件など萬度の関わる事案はこれからもアキ達に大きな影を落とすと予測し独自に様々なハッキングを行っていたのだ。

そして、萬度の配下にある中国系証券会社がテルマエ学園やミネルヴァの関連する企業の資産調査に動いている事を突き止めたのである。

無論、違法調査ではあるが相手方にもかなり優秀なハッカーがいる事は予測できた。

(学園ヲ守ルニハ・・・、コノ事実ヲ学園長ニ・・・。ソシテ・・・)
カトリーナはミネルヴァのPCへの直接送信と学園のサーバーにアクセスしようとしている怪しい信号元への逆ハックを仕掛けていた。



「にゃお~ん!」
「何ダ? ドウシタ?」
「うーん、ボクの侵入を拒むなんてテルマエ学園のITセキュリティはかなりのものだね」
「オ前デモ無理ナノカ?」
「それよりも・・・! 来た来たっ!来たよっ!!」
「何ガダ?」
「やっばり来たよっ! 逆ハックぅぅぅぅっ!」
「何ダトッ!?」
「大丈夫だよぉ、ボクが居る限りはね~」

横浜中華街の一角にある萬度のアジトでは、ヤミが両手両足の指を総動員してノートパソコンのキーを叩いている。
無論、その隣にいるのは孫だ。
しばらく、キーボードを叩く音だけが室内に響く。

「ふう、防衛成功っと。でも、このハッカー天才的だね。また、遊んで貰おっかな~」
「遊バナイデ、仕事シロ!」
「はいはい、それじゃ一つ仕事ねっ!」
「ン?」
「黄大人(ホワン・タイレン)が捕まったよ。うわっ、中国へ強制送還だってぇ~。これじゃ、孫も手を出せないよねぇ?」
ヤミは悪戯っぽい視線を向ける。

「クッッッ!」
「別にいいじゃん、黄の一人くらいさぁ」
「ソウダナ・・・。TOBソシテ、セルゲイノ出番モ近イ・・・」
孫の顔に不敵な黒い笑みが浮かんでいた。



「地区予選が終わるまでは、うちが指揮を執る! リーダー問題はその後だっ!」
「はいっ!」
葵の迫力に皆が声を揃えて応える。
そんな様子を見ていた弾だが・・・

「葵、ちょっとええか?」
弾が軽く顎をしゃくった。
「ん・・・?」
いつもと違う弾の様子に珍しく葵も素直に応じ、二人で廊下へと出る。

「急に何や? 練習中やし、手短に話せ」
弾は一呼吸、置いて話し出した。

「葵にちょっとの間、【ムーラン・ルージュ】の顧問も頼みたいんや。あの子達の担任と兼務して・・・」
弾から葵に頼み事をするのは珍しい。

「ほぉ~、自信が無いのか?」
ニヤニヤしながら葵が見つめる。

「そうやないっ! 俺は松永流の家元でもあるんやで、松永の弟子達の事も放っておけんし・・・」
「???」
「とにかく葵と違って、やらなあかん事も多いんや」
「・・・わかった」
少し考えて葵が答えた。
何か口に出せない事情を含んでいるのも感じたのだろう。

「弾は弾の事をやれ。うちはうちの事をする。今は、あの子達をちゃんと見届けんとな」
「頼むで・・・」
ここ数か月の間で弾が頼もしくなったように葵は感じていた。

(弾が言ったのなら・・・。それなりの理由もあるか・・・)

「ちょっと、今から松永に行ってくるわ」
「ああ、ヨシに宜しくな」
葵は何かを感じたのか、目を細めて微笑む。
そして弾はその日のうちに京都へと向かった。



DODOTV局内では、相変わらず三橋が一日中と言っていいほど神棚と開運グッズに手を合わせている。

「三橋さん、お弁当持ってきましたよ。少しでも食べないと・・・」
机の上の開運グッズも日を追うごとに増え続けている。

(何? この瓶・・・。人工精霊って・・・)
三波を見た三橋がフラフラと近寄る。

「三波ぃ~、お前の変な力で何とか・・・、ならないかぁ・・・」
青白い顔に目の下の隈・・・、まるで生きる屍のような三橋に三波も思わず後ずさりする。

「いつもいつも変な力とか言われても・・・、何の事ですか? もう、しっかりして下さいっ!」
三波の叫び声も耳に届いていないかのように、三橋は室内を幽霊のように彷徨う。

その時・・・

バタンッ!
ドアが荒々しく開き、興奮したディレクターが駆け込んでくる。

「みっ、三橋さんっ! 【ムーラン・ルージュ】が10位まで急浮上してきましたよっ!」
「あ・・・?」
呆けた表情のまま振り返る三橋だったが・・・

「はっ、はあぁぁぁぁっ!?」
突然、瞳に生気が戻る。

「じっ・・・、10位っ!」
見る見るうちに三橋の顔に血の気が差してくる。
無論、局内も騒然としていた。

「うっひょ~っ! 俺の・・・、俺の祈りが天に通じたぞ~っ!!」
あまりの嬉しさにその場で何度も何度も万歳三唱し続ける三橋、まだまだこれからが勝負なのだが・・・
「置くとパスの効き目かぁ・・・?」
岩田は机の上に置かれたタコの置物に目をやる。

「でも・・・。安産とか・・・、交通安全とかって関係無くないですかぁ?」
束になっているお守りをしげしげと見つめて、すずが呟いた。
「それに開運の数珠と・・・、人工精霊でしょ・・・」
三波も言葉を繋げないでいた。



実は全国で行われているアイドル甲子園の地区予選のプロモーションビデオをデイサービスで見ていた老人がきっかけだったのだ。

「ほう、こんな事しとるんじゃのう」
「日本全国でやっとるのか・・・、若い娘は良いのう・・・」
「今度は東京のが映ったぞ・・・。んっ!? この子たちは!? おい皆、見てくれや」
「何じゃ。おう、この娘達は・・・」
「草津の竜宮城の時の・・・」
そうである、アキ達が草津温泉で接客した敬老会の面々であった。

「しかし、東京では応援できんのお・・・」
「儂の孫が東京の大学に行っとるぞ」
「儂の娘が東京の嫁いどる・・・」
こうして、甥だの姪だの孫だの知り合いだのと次々に敬老会の面々が電話しだしたのだ。

更に、奈良の十津川温泉でも同じことが起きていた。
そして、ダンテのファン達がSNSで【ムーラン・ルージュ】応援を拡散させたことが重なって一気に浮上してきていたのだった。

もしかしたら、三橋の祈りが気まぐれな神様に届いたのかも知れないということも一応触れておく事としよう。



京都に戻った弾が松永流の門を潜る。

(なんや、久しぶりに帰ってきたみたいに感じるなぁ)
「まぁ、坊ちゃん、えらい急なお戻りで・・・」
ヨシが慌てて出迎える。

「・・・、ヨシに話があってな・・・」
「坊ちゃん・・・。立ち話も何ですよって・・・、奥に・・・」
弾と並んで歩くヨシ。
何かを察しているのか、沈黙のまま歩み続ける。
京菓子と宇治茶が用意され、テーブルに置かれた。
ヨシは弾が話し出すのをじっと待っている。

「ヨシ・・・。聞いて貰いたい事があるんや・・・。家元を・・・、葵に譲ろうかと思うてるんや・・・」
「お嬢はんに・・・」
少し驚いた様に見えもしたが、ヨシは直ぐにいつのも笑顔に戻った。

「坊ちゃんがそうお決めにならはったんでしたら・・・、少しお待ちを・・・」
何かを決断したかの様に抽斗から1枚のセピア色になった写真を取り出し弾に手渡す。

「この人は・・・?」
ヨシに尋ねる弾。
その写真には、母・雪乃に抱きかかえられた双子の赤子と雪乃よりも年上と思われる男性が写っている。

ヨシは哀し気に語り出す。

「坊ちゃんとお嬢はんの・・・お父様どす。雪乃お嬢はんから、もしもの時が来たらお話しするようにと言付かっておりました・・・」
ヨシが嗚咽を漏らす。

弾が写真を裏返すと、そこにはR・Mとイニシャルが書かれていた。
「R・M・・・、誰なんだ?」
弾はヨシに問いかける。

「峰流馬様・・・。突然、現れてあっという間に雪乃お嬢はんの御心を掴んでしまった方どす。先々代もヨシもお止めしたんどすが・・・。お二人の愛を求められました・・・」
幼いころから父の事を聞いてはいけないと暗黙の内に感じていた。
その父の姿が写真として弾の目の前にある。

「生きている・・・のか? 今は何処に・・・?」
「今は・・・、今は・・・」
弾の問いにヨシは苦しみながら答えるしかないと決断し口を開いた。

「今は、ミネルヴァと名乗っておいでどす」
「峰流馬・・・。あのミネルヴァが父だと・・・?  そっ、そんな・・・」
弾は体の奥底から吹きあがってくる激しい感情を抑えきれなくなっていた。
まるで体中の血が逆流しているかのような・・・

「この・・・男が・・・! 俺の・・・、俺と葵のっ!」
怒りの感情が弾の全てを包み込み始めていた。

「ヨシ・・・、すまないが・・・っ! 一人にしてくれっ・・・」
頭を垂れ今はそれを言うのが精いっぱいだった。

「坊ちゃん・・・」
かける言葉が見つからず、そっと一礼して退室するヨシ。
襖が閉まると同時に弾の目から大粒の涙が次々と流れ出た。

「くうっっっっ!」
声を押し殺して咽び泣く弾。

(お母はん・・・)

それは果たして、悔し涙だったのだろうか。
それとも、悲しみの涙だったのだろうか・・・
弾本人にもそれは分からないであろう。



逢魔が時を迎えた頃、ようやく弾は顔を上げた。
果たして、全てを受け入れたのだろうか?
そして、ヨシを部屋に招き入れる。

「ヨシにも重荷を背負わせてしもうて・・・。すまんかったなぁ・・・。この通りや・・・」
ヨシに頭を垂れる弾。

「坊ちゃん・・・」
その姿を見るヨシの目にも涙が浮かんでいる。

「もったいない・・・。もったいない事どす・・・」
同じ言葉を何度も何度も繰り返すヨシ。

ヨシの目には幼かった頃の弾の面影が今の姿と重なって見えていた。



敬老会の面々や十津川の住民達の応援、そしてダンテファンのSNS拡散により【ムーラン・ルージュ】の人気はうなぎのぼりになり、ついに3位にまでたどり着いていた。
三橋は朝に夕に神棚と開運グッズに柏手を打っている。
最早、日課になっていると言っても良いだろう。

「神様・仏様、洋の東西は問いません。決して贅沢は言いません。ただ、あと一歩、【ムーラン・ルージュ】を何とか2位までお願いします!!」
真摯に拝んでいるとも言えなくは無いが、苦しい時の神頼みとはまさにこの状況なのだろう。

「あれっ、そう言えば・・・。俺達WEB投票しましたっけ?」
何げなく岩田が言った言葉に、すずも続く。

「あっ、ホントだ。あたし忘れてましたぁ」
ハッとする三波。

「三橋さん・・・、わたし達・・・。すっかり忘れてますよ~!」
口をぽかんと開けて二の句が継げない三橋。

「うわぁ~! 何やってんだぁ俺はっ! 急げっ! 投票すんぞ~っ!」


同じ頃、バタバタと目まぐるしい毎日となりすっかり失念していた弾も京都から戻りWEB投票を行った後に学園長室へと足を向ける。



そして、【ムーラン・ルージュ】が僅差で2位に確定した。

1位【シュシュ・ラピーヌ】VS2位【ムーラン・ルージュ】の東京地区予選決勝がDODOTVから告知されたのである。

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