東京テルマエ学園

案 只野温泉 / 作・小説 和泉はじめ

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第22話 リーダーは誰だっ!?

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ユニット名は決まったものの、肝心のリーダーの選抜には思わぬ難関が立ちはだかっていた。
何と、3人が自分こそリーダーに相応しいと名乗り出たのだ。
一番手は言わずと知れた汐音である。

「わたし、リーダーやりますっ! ってか、わたしが一番向いてるしっ!」
十分予想できたことであったが、それを上回る自信満々の様子である。
意外にも、二番手に名乗りを上げたのは七瀬だった。

「あたし。リーダーやりたいっ!!」
(あたしがリーダーやって目立ったら渋温泉、ひいては星野荘を盛り立てていける。そして姉貴の力になるんだっ!)
強い意志をもっていることは皆にも伝わったであろう。
そして、三番手に名乗りを上げたのは・・・

「【ムーラン・ルージュ】のリーダーは、あたしがやりますっ!」
なんと、圭が名乗りを上げたのである。
圭がこういったことに積極性を示したことに誰もが驚きを隠せないでいた。

その心境とは・・・
(リーダーってことは、センターでカメラもあたしを中心に撮るよね。だったら、五郎にファンクラブとか作らせて・・・会長でもやらせようななぁ・・・)
3人とも様々な思惑がある様である。

「リーダー候補は3人か・・・。仕方ないな、お前たち3人で決めろっ!」
収拾がつかない中、葵は半ば強引の極みともいえる手段に打って出ようとしたが・・・
「葵、それは無茶過ぎや。3人で交代しながらリーダーして様子をみてから決めたらどうえ?」
見かねた弾が助け舟を出す、確かに公平平等な意見と言えるだろう。

「うちもそう言おうと思ってたんや。弾、よう言うてくれたなぁ。さすが弟や」
調子の良い葵に弾も呆れて、開いた口が塞がらない。

取り敢えずは3人でリーダーを交代しながらやって行くこととなり、一見落ち着いたかに見えなくもなかったが、【ムーラン・ルージュ】は前途多難な様相を見せていた。


翌日、アキと七瀬は葵に呼ばれていた。
「温水さんと星野さん宛に郵便が届いてるわ」
「すみません、誰からだろ?」
アキと七瀬宛の連名で送られてきた封筒、裏を返すと差出人がマンゴローブであると分かった。

「マンゴーさんから?」
「何だろ?」

封を切ると中には手紙と招待状がたくさん入っていた。
アキは入っていた手紙を広げ、七瀬も同時に視線を落とす。


<アキちゃん、七瀬ちゃん。ハンから聞いたけど【ムーラン・ルージュ】の結成、おめでと~! つきましては、3月24日 18時~ 【ぱんさー】でお祝いパーティするからお友達や先生も誘って来てね。特に、イケメンは大歓迎! もちろん、会費はタダよぉ~>


ふと考えてみると、マンゴローブだけでなく竜馬達にもしばらく会っていない。
温泉実習・講義・レポートに追われ続けていて、とてもパーティどころではなかったのだ。
マンゴローブが自分達を気にかけていてくれた事をとても嬉しく、そしてありがたく感じるアキと七瀬であった。

「久しぶりに良い顔をしているな」
葵の言葉でふと我に戻った二人。
「先生っ!」
「【ムーラン・ルージュ】の記念パーティなら、問題ない。行って来いっ!」
「はいっ!」
はちきれんばかりの笑顔になったアキと七瀬は教室へと走り出した。

「また、顧問を差し置いてからに・・・」
「何か、異論が?」
「ありまへん」
葵と弾も微笑ながら、アキ達の後を追い教室へと向かった。


わいわい・ガヤガヤ


教室では既にパーティの話題で持ち切りになっている。
「タダより安いもんは無い、絶対行くでぇ!」
「僕も行って良いんですかぁ」
八郎と二郎は考えることもなく即答。
「ボクも行くよ。カトリーナも行くよね?」
ケリアンの問いに、PCから顔を上げたカトリーナが黙って頷く。
「奢り?だったら!」
「行く、行くっ!」
穂波と優奈は二つ返事でOK。
「リーダーのわたしが行かないと始まらないでしょ」
汐音はここでも自分をアピールすることを忘れない。
「アキちゃんと一緒だったら、どこでも行くっ!」
涼香はアキに腕組して離れようとしない。
「じゃあ、遠慮なく参加させて貰おうっと」
萌の軽いノリに渡も黙って頷く。
「ねぇねぇ・・・」
アキと七瀬の袖が引っ張られ、二人が振り向くと遠慮がちに圭が口を開いた。
「五郎も・・・、いいかなぁ・・・」
「もちろんっ!」
「大歓迎っ!」
「ありがとーっ!」
圭はスマホを持って教室を飛び出して行った。

「ふむ、全員参加ってところか・・・」
教室へと入って来た葵が教室を見回して言う。

「そうだっ、先生たちもっ!」
「ぜひ、お願いしますっ!」
アキの言葉に皆が賛同する。
「えっ!? うちらも・・・?」
「・・・とは言っても。さすがに迷惑じゃ・・・」
葵と弾は顔を見合わせている。

「いや、奢りと銘打っているならこれほどオイシイ話は無い。行くぞ、弾! お前も付いて来いっ!」
「やれやれ、まぁ葵が暴れんように付いて行きまひょか」
パーティに誘われたことが嬉しくて仕方のない葵と、何か問題を起こす前のストッパー役を考えた弾。

対照的な姉弟も参加する事となり教室の騒ぎは更に高まって行った。



東京都千代田区霞が関2丁目、国会や各省庁の本部機能の集中する一角にある部屋の電話が鳴った。


RrrrRrrrRrrr

「はい」
「飛鳥井課長にお電話が入っております」
「誰からだ?」
「早瀬将一郎様と」
「そうか・・・、繋いでくれ」


「忙しい時にすまない」
「早瀬先輩からとは珍しい・・・。何かありましたか?」 
「実は・・・、愚息がある犯罪組織と関わりを持ってしまったようでな・・・」
「・・・、組織対策四課からの報告は、上がってきております。駆さんでしたか?」
「流石に情報が早いな。だがどうやって?」
「早瀬先輩と私のような関係が偶然あったようです」
「浅間山学園・・・、陣内隼人か・・・。彼が組対四課に・・・」


「先輩もなかなかの情報網をお持ちのようですね。西京大学ではお世話になりました・・・」
「こちらでも出来る限りの事はするつもりだが・・・」
「この件は国家レベルでの対策が必要でしょう。萬度はミケネスのグループですから」
「ミケネス?」
「世界各国の闇の部分を仕切っているブラックマーケットです。CIAも動いてているとか」
「やはり・・・、そうか・・・。駆の未熟さと功名心、うまく利用された訳か・・・」
「どうやら、フランスに戻ったカロロスも・・・。こちらは取り逃がしましたが」
「情けないが、力を貸して欲しい」
「私は自分の職務を遂行するだけです。粛々と・・・。ただ・・・」
「ただ?」
「ある人物とコンタクトを取って頂く事になるかも知れません」
「誰と?」
「ミネルヴァ・・・」

電話機を挿んで二人の間に沈黙が流れた。

「渡くんが入学されたと聞いていますが・・・」
「戯言だ、気にするな」
「では、いずれ・・・」
「うむ・・・。頼む」


受話器を置いた飛鳥井は考え込み、そして再び受話器を取り上げる。

「私だ。組対四課の陣内と・・・、矢板を呼んでくれ」


受話器を置いた横に、机上札が置かれていた。
【国家公安委員会外事第二課長 飛鳥井 丈】



パーティ当日――

アキ達は弾と葵とともに【パンサー】へと足を運んでいた。
今回はゆかりが参加していないこともあり、葵はニンマリと喜びを隠そうともしない。


リンリンリン


ドアベルが鳴る。
中に入ると・・・

パンパパパパパンッ!

クラッカーが鳴り渡り、紙吹雪やら花吹雪が派手に飛び出す。
天井から吊るされたくす玉が割れると、〈ムーランルージュ結成!〉と書かれた垂れ幕が降りてきた。

「おめでとー!」
満面の笑みを浮かべたマンゴローブにハグされるアキ。
「くっ・・・、苦しいです・・・。マンゴーさん・・・」
抱き締められた気恥ずかしさか、それともマンゴローブの力が入り過ぎているのかアキは真っ赤になっている。

「やぁ、七瀬ちゃん。おめでとう」
「ありがとうございます」
拍手しながら迎え入れる早乙女と竜馬を見て照れくさそうに頭を下げる七瀬。
「きゃあっ!流馬だけじゃなくて・・・」
優奈が震えている。
「隼人・・・」
穂波は今にも卒倒しそうだ。
そして・・・
「お・・・、大友武蔵・・・まで・・・」
汐音に至ってはそのまま座り込みそうな感激の声が響いた。

そんな中、一人行動が早かったのは・・・
なんと、涼香である。
三人の間をするすると移動してしっかりとサインを集めているのは、普段の涼香からは思いつかない素早さだった。


「あらぁ、こちらって良いオ・ト・コ!」
イケメンの弾を見つけるとすかさず接近し、ちゃっかりと隣に陣取ったのは他の誰でもない、マンゴローブである。

「アタクシ、マンゴローブって言うのぉ。 ア・ナ・タ、お名前は?」
「【ムーラン・ルージュ】の顧問の、松永弾です。本業は、京舞踊やってますのや。マンゴローブさんも良ろしおしたら、一度 京舞踊どうえ?」
ニッコリと微笑ながらもさりげなく京舞踊へと誘うところなど、なかなか営業テクニックもあるのかも知れない。

「まぁ、京言葉でお誘いを受けるなんて、アタクシ・・・感激っ!」
すり寄りながら弾の手を取り、さりげなく流し目を送るマンゴローブの背後に燃え上がる紅蓮の炎があった。

「コラ~ッ!!オカマっ!!弾から離れいっ!!」
マンゴローブに襲われる?と、勘違いした葵がマンゴローブを弾から引き離す。
その葵の顔をじっと見つめたマンゴローブは何を思ったのか急に怪しい笑みを浮かべるといきなり葵に抱き着いて力いっぱい抱き締める。
やはり男の力なのだろうか、流石の葵でもマンゴローブを振りほどけない。

「どこのチンチクリンかと思ったら、弾先生と同じお顔してっ! もしかして、双子(ツイン)とかかしら、可愛いわぁ~」
「えーいっ!離さんかっ!オカマっ!!」
葵は突然の事にバタバタしている。
隣の成り行きを見守っていた弾は笑いを堪えるのに必死であった。

(くっくっくっ・・・ 面白い見せもんですけど、ここは助けまひょか)
「マンゴローブはん、これは姉の葵ですわ。一応、温水はんたちの担任しよります。放してやって貰まへんやろか?」
弾は葵とマンゴローブの間に割って入った。

「え~っ! アキちゃん達の先生っ! ? これは、ゴメンなさぁい。アタクシ・・・、つい・・・」
慌ててマンゴローブは葵から離れ、大げさに平伏している。

「弾っ! 礼は言わへんからなっ! だいたい、姉を助けるのは弟の務めやしっ!」
キッと両目尻を吊り上げてマンゴローブを睨みながら、葵はアキ達の席へと足を向ける。
「まぁ、怖いお姉様ねぇ・・・。お顔は一緒なのにぃ・・・」
マンゴローブにとっても予想外の展開だったのだろうか。
「昔から、あんなんですわぁ」
弾も苦笑しながら、葵の後ろ姿を見つめていた。



その頃、成田空港では孫が大柄なロシア人を出迎えていた。

「久しブリダナ、セルゲイ」
「ГОСПОДИН(ガスパヂーン)(ミスターの意) 孫。アナタを守れと言われて来マシタ」
「フフッ、最高の頼モシイ助っ人ダ。コレデ何も恐れなくてイイ。二月会ナド子供ノ遊びダ」
「誰をヤレバ?」
「暫クは、私の側ニ・・・。モウスグ実働部隊ヲ指揮シテ貰ウ」
「УРАЗУМЕТНО(ウラズミェートナ)」(了解ですの意)
「ロシア語ダト分かりニクイナ」
セルゲイは少し考え込んだが・・・

「OK!ボス」
孫はニヤリと笑う。
「ХОРОШО(ハラショー)、ソレでイイ」
孫とセルゲイの黒い笑みが交差していた。



話をパーティ会場へと戻そう。
テーブルにはサンドイッチ・ケーキ・パスタ・ハンバーガーなど様々な軽食が用意されていた。
「飲み物はフリードリンクですから、言ってくださいね」
早乙女の声が響く。
そんな中・・・
「おい、五郎・・・」
「はい、何ですか?」
武蔵に呼ばれた五郎、武蔵が五郎の後ろへと目配せをする。

ハッとして後ろを振り返ると・・・
「圭ちゃ・・・ん・・・」
そうである、圭から誘われて?来たのだが、先輩である武蔵がウェイターとして動いているのを見て、無意識に手伝っていたのだ。
「あっちへ行ってこい」
「でも、先輩が働いているのを黙って見てるのは・・・」


ここ【ぱんさー】はロックバンド【ダンテ】が売り出すまでのバイト先だったこともあり今でも時間の取れる時はウェイターとして給仕しているのである。
一応、表向きは・・・だが。


「俺たちはこれも仕事、今日のお前は客だ。さっさと行って来いっ!」
そう言うと、五郎の背中をバンっと叩く。
「すいません、先輩っ!」
勢いよく頭を下げると、五郎はパスタとケーキを皿に取り圭の下へと急ぐ。

「ごめん、圭ちゃん。遅くなって・・・」
「ふう・・。ここで五郎に待たされる時はいつも大友さん絡みだもんね・・・」
「・・・」
「でも・・・、ありがとっ! 五郎っ!」
以前にここで武蔵と初めて会った時に言われた言葉を思い出す圭。
(西郷は不器用だが、良い漢だ。よろしくなっ!・・・か。 まったく解かってるって・・・ね 五郎)
武蔵へと軽く会釈した後、五郎をじっと見つめる圭であった。


「ラテアート上がったよ、隼人っ!」
「はいよっ! マンゴーさん、宜しくっ!」
「あっ! ハン、行キマースっ!」
(ほうっ、これならな・・・)
隼人とマンゴローブ、ハンを見ていた竜馬が早乙女を見る。
同じように武蔵の視線も・・・
2人の視線を受けた早乙女は軽く頷いている。
(マンゴローブママの為、少し動くか・・・)
その視線の先には、ハンの姿があった。


竜馬・隼人・武蔵の増員の他、マンゴローブ・ハンも手伝いに入ったものの手が回らずにいつの間にか、アキと七瀬も手伝いに入っていた。

「ごめんね。お客さんに手伝わせて・・・」
「いえ、こうしている方が落ち着きますし・・・、ねっ!」
「そうですよ、気にしないでください」
早乙女は申し訳なさそうに言うが、アキと七瀬はまったく気にしていないようだ。
「アキちゃーん、こっちもぉ」
「はーい、待っててぇ! あっ!」
沢山の飲み物を運んでいたアキが躓きそうになったところを、渡が支え受け止めた。
「危なねぇなぁ・・・、気を付けろよな、アキ」
「へへっ・・・、ありがと・・・。渡」
「俺が運んでやる」
言うが早いが渡は各テーブルへと飲み物を次々と手際よく配って行く。

(そう言えば、【ル・パルファン】で実習した時も渡、ちゃんと出来てたよなぁ)
渡の姿を見つめるアキ。
そのアキの視線に気付いたのだろうか、渡がアキに近寄り話しかける。
「あのさ・・・」
「ん・・・?」
「その・・・、【ムーラン・ルージュ】おめでとう・・・。俺・・・、アキの事・・・。あの・・・」
大きな瞳をまん丸にして渡の顔を覗き込むアキ。
「渡っ?」
そんなアキの行動にドギマギする渡。
(コイツ、本当に小動物みたいなヤツだな・・・。俺はそんなアキが・・・)
渡は軽く頭を振り、アキを見直した。

「ア・・・、アキならやれるよ。俺もずっと何処までも応援するからなっ!」
「うんっ!」
顔を真っ赤にしている渡と嬉しそうなアキ。
端から見ると似合いのカップルだが、それを見つめる視線が二つあった。
(渡がアキを好きだってのは分かってるし・・・、あの事もあるけど・・・、あたしも渡が・・・。諦めたくない・・・)
親友との関係、そしてあの渋温泉での出来事が七瀬の心で葛藤を繰り返していた。
そして、もう一人・・・

(あれが早瀬渡か・・・。早瀬先輩の異母兄弟、そして早瀬コンツェルンの渋温泉開発の今の責任者・・・)

七瀬と隼人の視線が向けられている事に渡は全く気付いていなかった。


「アキちゃん、こっちでケーキ食べようよ」
涼香がアキを呼ぶ。
「あっ、涼香ちゃん! 今行くねっ!」

パーティも盛り上がって来た頃・・・


「そう言えば、確かアイドル甲子園の地区予選出場会見するって言ってたな」
早乙女の声に皆がピクリと反応した。
「誰が?」
「どこのチーム?」
汐音と七瀬が早乙女に詰め寄る。
「丁度、始まる頃だと思ったが・・・、竜馬っ!」
竜馬が店内のスクリーンモニターのスイッチを入れ、テレビ放送を映す。


「こちら、アイドル甲子園地区予選出場の緊急会見です」
女性アナウンサーがマイクを持って中継している。
「あ・・・、三波さんだ」
「ホントだ・・・」


画面下には、テロップが流れている。
《堀塚音楽スクール、アイドル甲子園にエントリー!!》
一人、渡だけが、反応した。
(堀塚っ!? 梨央音さんの・・・!?)

「堀塚って・・・、あのっ?」
七瀬が、テレビ画面に釘付けになった。
「堀ジェンヌで全国的にファンのいっぱいいる・・・」
「あっ、映像が切り替わるよ」


切り替わった映像では、4人の少女達の舞台が映されている。
「これって、歌劇・・・?」
「わたしたち・・・、こんな人たちを相手に戦うの・・・」
誰もが同じ事を考えてしまっていた。
勝てる訳が無い・・・と。


「何をしているっ!」
葵の声が静寂を破る。
「戦う前から負けると思っているなら、勝ち目などある訳が無いっ!」
弾も葵の隣に立つ。

「皆はん、これまで無理やと思った事をやり遂げて来たんと違いますか?」
水を打ったような沈黙、その中でぽつりと呟く声が聞こえた。

「ラインダンス・・・したよね」
「敬老会の皆さんたちが喜んでくれた・・・」
「チアダン、やったよね・・・」
「弾先生・葵先生の三味線とコラボした・・・」
「公民館で初めてコンサートしたよねっ!」
「出来る、出来るよっ!」
誰もが自分達の軌跡を思い出していた。

「わたしたちなら、絶対出来るっ!」
「私たちは・・・っ!」
アキ達8人が顔を見合わせ、大きく頷く、そして・・・!
「私たちは、東京テルマエ学園 ムーラン・ルージュっ!!」
アキを中心にして、皆が同時に叫んだ。


その時、【ぱんさー】に居合わせた誰もが後に同じ言葉を語っている。
「無限の可能性を見た・・・」と。


束の間の休息に突然現れた強力なライバル、彼女達に次々と訪れる苦難の数々・・・
これまでに無い大きな渦がここ東京を中心にして加速し始めていた。

アキ達【ムーラン・ルージュ】・テルマエ学園・DODOTV・警察機構・早瀬コンツェルン・二月会・萬度を含めた暗黒組織・・・、そして戦国武将の転生と家紋の秘密・・・。

いよいよ、新たな幕が開けようとしていた・・・
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