王国の王女

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王と王女

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建国して300年余
大陸一の大国バルセル厶王国の
第18代国王アンドリューの
国葬が行われた

王都中央の歴代王族の
結婚式や国葬が行われた教会

ローズマリーは最前列に座っていた
司祭の死者への言葉を聞きながら
思い出すのは
義父との思い出
普通の家族にはなれなかった
義父はローズマリーに
関心がなかった
またローズマリーも
義父には
父より国王として接していた
まだアリア元王妃のほうが
親子らしい事をしたし
祖父のジェイムスのほうが
家族らしかった

アンセルム公爵もそうだ
幼少より可愛がってくれたが
家族という感情はあまりない

わたくしは、自分で思ってるより
一人だったのね

一通り終わると
ローズマリーはすぐに王女宮に戻った
本来なら、王女として
残らなけばならないが
すべて王妃に任せた

「お帰りなさいませ」
サマンサが出迎える
「疲れたから、しばらく一人にして」
「はい」
自室からサマンサが出ていくと
ローズマリーは
喪服のままベットに倒れ込んだ
「疲れた…」
義父の死に
王位継承
自身の身の振り方
ここ何日も考える事が多い
アリア元王妃が離縁した時に言っていた
言葉が蘇る
わたくしの15年はなんだったの

「わたくしも同じね
生まれてから20年
わたくしの人生はなんなの
ただ王女の娘に産まれただけなのに」
ローズマリーは
ゆっくりと目を閉じる


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