王国の王女

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王女と従者

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リアムが王女宮に戻ったの
丁度陽が傾き始めた時刻だった

レオンハルト・ローレンス伯爵の屋敷は王宮から少し離れている
男爵から伯爵に爵位を上げても
屋敷は
男爵時代に使っていた屋敷のまま
男爵位は
元々、ローレンス伯爵の父が持っていた爵位だ
男爵が死に
バルバドール侯爵夫人は
男爵の弟に追い出され
王都に来て
王宮の侍女から公妾になった時に
王に願い
ローレンス伯爵に爵位が戻った
元々は不当に奪った爵位だったが
それなりに揉めたと噂で聞い事がある
結局、領地は新しく男爵の爵位を貰った
弟が継ぎ
名前と遺産だけをローレンス伯爵は
譲り受けた
その時に、買った屋敷に
今もローレンス伯爵は暮らす


リアムがローズマリーの自室に着くと
ローズマリーは笑顔で出迎えた
「お帰りなさい」
「只今戻りました」
「どうでしたか?」
「お返事は了承しました」
「そう、よかったわ
ありがとうね、リアム」
リアムがじっとローズマリーを見る
ローズマリーはニコリと笑う
「心配しないで、わたくしは
王にならないわ
その為にローレンス伯爵に連絡をしたの」
「それは」
「リアムは頭がいいのにわたくしの
従者であるのがもったいないわね」
リアム、わたくしは
このままここに居てはいけないわ
だからって
アンセルムには戻れない
なら合理的にここを出る理由が必要なね
だから婚姻を」
「ローレンス伯爵と」
「ええ、先王の公妾だったバルバドール侯爵夫人を母に持つ元は男爵位の若い将軍なら
わたくしが王位を継ぐのに
王配としては難しいですわ」
「しかし、リチャード王子では
幼すぎます
ゆえに中継ぎでもと話が出てくるのではないですか?」
「そうね、けれどレテア王妃が
カスター公爵やリズリー伯爵を上手く
まとめて、その上で伯爵で将軍を夫に持つ
王女である
わたくしがリチャードを押せば
貴族もなんとかなるでしょ
お祖父様はわたくしが説得しますわ
お祖父様はわたくしを王にして
権力を握りたいわけじゃありません
筆頭の公爵として
国を思えばこそ
わたくしの即位で王位争いを避けたいのです
王位継承争いが起きれば国力が弱まるます」
「いいのですか?」
「元より婚姻は利益ですものです
個人の感情より利益です
わたくしには母が残してくれた
遺産もあるから
なにもローレンス伯爵と添い遂げなくとも
言いわけですし
そんな顔をしないでリアム
わたくしはこの国の王女ですよ」
「わかりました
ローズマリー王女
出来れば結婚後も
わたくしの目をそばに置いてください」
「あら、それはリアムがもったいないわね」
「王女」
「でも、わたくしは嬉しいわ
ありがとう」

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