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2、広まる噂
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新学期が始まって、早くも1週間。
私は、仲良しの6人組で同じクラスになれて、すごい嬉しい気分!6人組っていうのは、私と、藍川梨乃、園田歩美、寺田咲希、羽山千鶴、野島花音のこと。
そうそう、私の隣の席に、転校生がきたの。
………でも、その転校生が___
「おーい、ゆめ~?聞いてた?」
そうだった、今は仲良しグループで話してる途中なんだった!
「あ、ごめん!聞いてなかった!」
「もー、ちゃんと聞いててよー!」
千鶴が、ぷぅーっと頬を膨らませた。
「だから、あの転校生よ‼︎最近、いろんな噂が駆け回ってるの。特に、あの前髪!実は右目がない、とか、盲目、とか。片方だけ隠すってことは、絶対何かあると思うんだけど‼︎」
千鶴がコーフン気味に顔を近づけてきた。
「ちょっと落ち着いて、千鶴。」
呆れ顔で、梨乃が千鶴を止めた。
「も~、千鶴ったら、どこでそんな情報を聞いてくるんだか……」
花音も、ヤレヤレといった風に苦笑いしていた。
「あ、それにね、初日に自己紹介あったじゃん。ウチらもクラス替えだったし。」
「うんうん。」
「それの、クラス全体でやった時、男子が集まっててその中に転校生くんもいたんだけど………」
千鶴が声を小さくした。
「……なんかね、キレたんだって。」
えぇーー⁉︎川上くんが⁉︎
驚いているのは、みんな一緒だった。
「しかも、その理由が、『右目にかかってる前髪に触ろうとしたから』なの!そうなると、やっぱり右目に何かあるよね!」
なるほど、確かに……。私も気になってきた。隣の席なんだし、聞いてみようかな………。
でも、私なんかが立ち入っちゃダメな、何かしらの事情がある気がするな………。簡単に入り込んじゃダメな、何かが……。「気になる」っていうだけの軽率な気持ちで探るのはやめよう。
だから今は、普通に仲良くしていけばいいかな。
___いつか、隠し事なんかしないくらい仲良くなって、本人から、そのことを話してくれるようになるまで………。
私は、仲良しの6人組で同じクラスになれて、すごい嬉しい気分!6人組っていうのは、私と、藍川梨乃、園田歩美、寺田咲希、羽山千鶴、野島花音のこと。
そうそう、私の隣の席に、転校生がきたの。
………でも、その転校生が___
「おーい、ゆめ~?聞いてた?」
そうだった、今は仲良しグループで話してる途中なんだった!
「あ、ごめん!聞いてなかった!」
「もー、ちゃんと聞いててよー!」
千鶴が、ぷぅーっと頬を膨らませた。
「だから、あの転校生よ‼︎最近、いろんな噂が駆け回ってるの。特に、あの前髪!実は右目がない、とか、盲目、とか。片方だけ隠すってことは、絶対何かあると思うんだけど‼︎」
千鶴がコーフン気味に顔を近づけてきた。
「ちょっと落ち着いて、千鶴。」
呆れ顔で、梨乃が千鶴を止めた。
「も~、千鶴ったら、どこでそんな情報を聞いてくるんだか……」
花音も、ヤレヤレといった風に苦笑いしていた。
「あ、それにね、初日に自己紹介あったじゃん。ウチらもクラス替えだったし。」
「うんうん。」
「それの、クラス全体でやった時、男子が集まっててその中に転校生くんもいたんだけど………」
千鶴が声を小さくした。
「……なんかね、キレたんだって。」
えぇーー⁉︎川上くんが⁉︎
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「しかも、その理由が、『右目にかかってる前髪に触ろうとしたから』なの!そうなると、やっぱり右目に何かあるよね!」
なるほど、確かに……。私も気になってきた。隣の席なんだし、聞いてみようかな………。
でも、私なんかが立ち入っちゃダメな、何かしらの事情がある気がするな………。簡単に入り込んじゃダメな、何かが……。「気になる」っていうだけの軽率な気持ちで探るのはやめよう。
だから今は、普通に仲良くしていけばいいかな。
___いつか、隠し事なんかしないくらい仲良くなって、本人から、そのことを話してくれるようになるまで………。
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