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幸せになりましょう
ラスボスの前に来ました
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トゥーロン王国にとっても、ヴィクトル兄様にとっても最終局面の大事なところ。
それは理解しているわ。
でも、ちょっと疑問なんだけど、さっきから昔の知り合いに「私の正体は王女でしたー!オーホホホ!」と秘密をバラすと、皆一様に残念な眼で私を見るのよね?
なんでよ?
隠しきれない気品と、淑女としての清らかさが滲み出ているでしょうに。
「アイタッ!」
アルベールにペシンと額を軽く叩かれました。
「むーっ」
「何かくだらないことを考えてましたね?こんな大事なときに」
はあーっ、と肩で大きく息を吐くアルベールに、べーっと舌を出す私。
「いやいや、お嬢も爺もいい加減にしろよ。イザックたちのショックを考えてやれ」
なにおうっ!リュシアンってば、失礼ね。
「いや、俺たちはもう大丈夫だ。しかしヴィーがシルヴィー殿下だったとは・・・。王都の住民でさえ第四王女なんて存在すら知られていないのにな」
「・・・ソウデスカ」
どうせ、私はみそっかすな王女ですよ。
「だ・か・ら、そんな和やかな場合じゃないですよね?どうするんです?さっきから謁見の間からファイヤーボールやらウォーターボールやらが飛んでくるんですけどー」
セヴランが半泣きの状態で訴えてきて、現実に目を向ける。
ここをなんとかしないと、扉を隔てて向こう側にいるヴィクトル兄様たちとも合流できないもんね。
「ヴィー」
アルベールに腕を引かれて、ちょっと後ろに下がって顔を突き合わせる。
「どうしたの?」
「貴方、魔法でゴリ押しするつもりですよね?ここはイザックたちがいるので、私が魔法を使っているように見せましょう」
「ええーっ、どうせ魔道具作りで私の規格外な能力はバレてるじゃん」
ここで、チート能力を思う存分に披露しても今さらだと思うけど?
「リシュリュー辺境伯たちやヴィクトル殿下はいいとしても、イザックたちは一市民ですからね。余計な情報は隠すべきです」
アルベールの真剣な顔に押された私は渋々頷いた。
いや、どうせバレると思うけどねー、言わないけどねー、アルベールってばすぐ怒るから。
「で、どうやって謁見の間に入りますか?」
「そんなの力技で行くわよ。イザックさんも言ってたけど初級魔法程度の攻撃しかされてないって」
だったら、単純に防御すればいい。
「本当に初級魔法だけなんでしょうか?ユベールとエロイーズは王族ですよね?もう少しマシな攻撃魔法を使えると思うんですけど」
アルベールの思案気な顔を見ていても何もわからないので、私はアルベールの腕をすり抜けてトテトテとイザックさんへ。
「ねぇ、イザックさん。ユベールとエロイーズは攻撃してこないの?」
「ああ・・・あの二人は攻撃してこないな。こっちにヴィクトル殿下がいるとも思ってないしな。今のところお付きの使用人が攻撃してきている」
「ちなみにユベールとエロイーズの魔法の能力はいかほど?」
私、一応その方たちの妹のはずなんですが、例のパーティーのときに一度会っただけですので、個人情報をまったく知らないのです。
あ、そういえばヴィクトル兄様のパーソナルデータも知らないよ。
今度、聞いておこう、そうしよう。
「・・・ヴィクトル殿下から聞いた話だが、エロイーズの魔法は警戒するほどじゃない。魔力も少ないし練習なんてしないからマトモに使えないレベルだ。ユベールは魔力は並みだが属性は土だけだ」
ユベールも練習なんて真面目にしたことがないから魔力コントロールもできずに、土属性の魔法で使えるのは泥を投げることだけ・・・てヒドくない?
「子供の泥遊びかっ」
思わずツッコミいれるよね?
「ユベールは剣を使うが、お粗末な腕前だ。騎士見習いどころかスラム街のガキ大将に負けるだろうな」
イザックさんが呆れたように首を振りながら教えてくれた。
高位貴族や王族は、政略結婚のせいで魔力の多い子供が産まれやすい。
ヴィクトル兄様もリリアーヌ姉様も魔力は多いし、属性も多いし、ちゃんと魔法の先生に教わっていたので中級魔法レベルは容易く扱えるらしい。
ユベールとエロイーズはその性格も理由だろうけど、元々貴族でもなんでもないザンマルタン家の血が影響して、魔力に乏しく魔法の才能がない。
「じゃあ、やっぱり力技でここを突破しましょう?」
私は、いつのまにか後ろに立っていたアルベールへ振り向きながら言う。
「・・・そうですね」
そこからは、リュシアン、セヴラン、イザックさんたちを交えての作戦会議だ。
まずは、アルベールが行使しているようにみせかけて私が広範囲の防御魔法を展開させ、しつこい初級魔法攻撃を遮断する。
そしてヴィクトル兄様たちと合流し、謁見の間へ突入。
ユベールとエロイーズの捕縛はヴィクトル兄様がしなければならないことなので、イザックさんたちは邪魔にならないように、二人のお付きの使用人たちを捕まえる。
「使用人たって、どっちかが王になれば甘い汁が吸えると思っている奴らだ。使用人、衛兵、騎士、派閥の貴族がいるんだぜ?」
「がんばれ!」
私は、気持ちの籠っていないエールだけをイザックさんたちに送る。
私たちはイザックさんたちのヘルプでいいかな?
「ああ。特にお嬢はユベールたちの前には出ないようにな」
リュシアンが怖い顔をして私に迫るので、コクコクと何度も頷く。
「そうですよ。ヴィクトル殿下が生きているだけでも驚くでしょうけど、もう一人王族が生きているなんて知ったら・・・。いいですか?窮地に陥ったバカは何をするかわからないんですから、ユベールたちには近づかないように」
「はい」
アルベールの言葉にも素直に従いますよ。
「あのう・・・私はここで待ってたらダメでしょうかね?」
ダメに決まってんでしょ、セヴラン!
イザックさんが向こう側にいるヴィクトル兄様に突入の合図を送る。
「では、行きますか」
アルベール、アルベールの後ろにピタリとくっつく私、その後ろにリュシアン、イザックさんたちと続く。
最後尾にいるセヴランをリュシアンが無理やり自分の隣に連れて来た。
さて、防御魔法をまず扉の大きさに展開します。
アルベールの詠唱とタイミングを合わせて、私は小声で唱える。
『防げ。防御』
亀の甲羅の模様に似た透明な盾が目の前に作り出され、その盾に火の玉と水の玉がぶつかり吸収され次々と消滅していく。
「ヴィー。どんな防御魔法を使ったんですか?」
小声で訊いてくるから、私も背伸びしてアルベールの耳に小声で答える。
「魔法を弾いたら部屋の中がめちゃくちゃになるでしょ?だから吸収させたの。そうしたら魔力も補えるし」
エコでしょ?エコなのよ。
アルベールが無感情な半眼を向けるけど、何よ?
謁見の間に置いてある金目の物に、傷一つ付けないんだからね!
それは理解しているわ。
でも、ちょっと疑問なんだけど、さっきから昔の知り合いに「私の正体は王女でしたー!オーホホホ!」と秘密をバラすと、皆一様に残念な眼で私を見るのよね?
なんでよ?
隠しきれない気品と、淑女としての清らかさが滲み出ているでしょうに。
「アイタッ!」
アルベールにペシンと額を軽く叩かれました。
「むーっ」
「何かくだらないことを考えてましたね?こんな大事なときに」
はあーっ、と肩で大きく息を吐くアルベールに、べーっと舌を出す私。
「いやいや、お嬢も爺もいい加減にしろよ。イザックたちのショックを考えてやれ」
なにおうっ!リュシアンってば、失礼ね。
「いや、俺たちはもう大丈夫だ。しかしヴィーがシルヴィー殿下だったとは・・・。王都の住民でさえ第四王女なんて存在すら知られていないのにな」
「・・・ソウデスカ」
どうせ、私はみそっかすな王女ですよ。
「だ・か・ら、そんな和やかな場合じゃないですよね?どうするんです?さっきから謁見の間からファイヤーボールやらウォーターボールやらが飛んでくるんですけどー」
セヴランが半泣きの状態で訴えてきて、現実に目を向ける。
ここをなんとかしないと、扉を隔てて向こう側にいるヴィクトル兄様たちとも合流できないもんね。
「ヴィー」
アルベールに腕を引かれて、ちょっと後ろに下がって顔を突き合わせる。
「どうしたの?」
「貴方、魔法でゴリ押しするつもりですよね?ここはイザックたちがいるので、私が魔法を使っているように見せましょう」
「ええーっ、どうせ魔道具作りで私の規格外な能力はバレてるじゃん」
ここで、チート能力を思う存分に披露しても今さらだと思うけど?
「リシュリュー辺境伯たちやヴィクトル殿下はいいとしても、イザックたちは一市民ですからね。余計な情報は隠すべきです」
アルベールの真剣な顔に押された私は渋々頷いた。
いや、どうせバレると思うけどねー、言わないけどねー、アルベールってばすぐ怒るから。
「で、どうやって謁見の間に入りますか?」
「そんなの力技で行くわよ。イザックさんも言ってたけど初級魔法程度の攻撃しかされてないって」
だったら、単純に防御すればいい。
「本当に初級魔法だけなんでしょうか?ユベールとエロイーズは王族ですよね?もう少しマシな攻撃魔法を使えると思うんですけど」
アルベールの思案気な顔を見ていても何もわからないので、私はアルベールの腕をすり抜けてトテトテとイザックさんへ。
「ねぇ、イザックさん。ユベールとエロイーズは攻撃してこないの?」
「ああ・・・あの二人は攻撃してこないな。こっちにヴィクトル殿下がいるとも思ってないしな。今のところお付きの使用人が攻撃してきている」
「ちなみにユベールとエロイーズの魔法の能力はいかほど?」
私、一応その方たちの妹のはずなんですが、例のパーティーのときに一度会っただけですので、個人情報をまったく知らないのです。
あ、そういえばヴィクトル兄様のパーソナルデータも知らないよ。
今度、聞いておこう、そうしよう。
「・・・ヴィクトル殿下から聞いた話だが、エロイーズの魔法は警戒するほどじゃない。魔力も少ないし練習なんてしないからマトモに使えないレベルだ。ユベールは魔力は並みだが属性は土だけだ」
ユベールも練習なんて真面目にしたことがないから魔力コントロールもできずに、土属性の魔法で使えるのは泥を投げることだけ・・・てヒドくない?
「子供の泥遊びかっ」
思わずツッコミいれるよね?
「ユベールは剣を使うが、お粗末な腕前だ。騎士見習いどころかスラム街のガキ大将に負けるだろうな」
イザックさんが呆れたように首を振りながら教えてくれた。
高位貴族や王族は、政略結婚のせいで魔力の多い子供が産まれやすい。
ヴィクトル兄様もリリアーヌ姉様も魔力は多いし、属性も多いし、ちゃんと魔法の先生に教わっていたので中級魔法レベルは容易く扱えるらしい。
ユベールとエロイーズはその性格も理由だろうけど、元々貴族でもなんでもないザンマルタン家の血が影響して、魔力に乏しく魔法の才能がない。
「じゃあ、やっぱり力技でここを突破しましょう?」
私は、いつのまにか後ろに立っていたアルベールへ振り向きながら言う。
「・・・そうですね」
そこからは、リュシアン、セヴラン、イザックさんたちを交えての作戦会議だ。
まずは、アルベールが行使しているようにみせかけて私が広範囲の防御魔法を展開させ、しつこい初級魔法攻撃を遮断する。
そしてヴィクトル兄様たちと合流し、謁見の間へ突入。
ユベールとエロイーズの捕縛はヴィクトル兄様がしなければならないことなので、イザックさんたちは邪魔にならないように、二人のお付きの使用人たちを捕まえる。
「使用人たって、どっちかが王になれば甘い汁が吸えると思っている奴らだ。使用人、衛兵、騎士、派閥の貴族がいるんだぜ?」
「がんばれ!」
私は、気持ちの籠っていないエールだけをイザックさんたちに送る。
私たちはイザックさんたちのヘルプでいいかな?
「ああ。特にお嬢はユベールたちの前には出ないようにな」
リュシアンが怖い顔をして私に迫るので、コクコクと何度も頷く。
「そうですよ。ヴィクトル殿下が生きているだけでも驚くでしょうけど、もう一人王族が生きているなんて知ったら・・・。いいですか?窮地に陥ったバカは何をするかわからないんですから、ユベールたちには近づかないように」
「はい」
アルベールの言葉にも素直に従いますよ。
「あのう・・・私はここで待ってたらダメでしょうかね?」
ダメに決まってんでしょ、セヴラン!
イザックさんが向こう側にいるヴィクトル兄様に突入の合図を送る。
「では、行きますか」
アルベール、アルベールの後ろにピタリとくっつく私、その後ろにリュシアン、イザックさんたちと続く。
最後尾にいるセヴランをリュシアンが無理やり自分の隣に連れて来た。
さて、防御魔法をまず扉の大きさに展開します。
アルベールの詠唱とタイミングを合わせて、私は小声で唱える。
『防げ。防御』
亀の甲羅の模様に似た透明な盾が目の前に作り出され、その盾に火の玉と水の玉がぶつかり吸収され次々と消滅していく。
「ヴィー。どんな防御魔法を使ったんですか?」
小声で訊いてくるから、私も背伸びしてアルベールの耳に小声で答える。
「魔法を弾いたら部屋の中がめちゃくちゃになるでしょ?だから吸収させたの。そうしたら魔力も補えるし」
エコでしょ?エコなのよ。
アルベールが無感情な半眼を向けるけど、何よ?
謁見の間に置いてある金目の物に、傷一つ付けないんだからね!
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