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幸せになりましょう
悪意の行先はいつも弱い者へでした
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エルフ族は長命。
他の亜人たち、特に獣人なんかは長命でも、ほぼ人族と同じ年齢で一人前と認識される。
こちらの世界だと、概ね十六歳前後で成人扱いだって。
だけど、エルフ族では見た目の成長が止まる十代ではまだ子供扱いで、五十歳ぐらいで大人の扱いになるらしい。
アルベールは「エルフの里の感覚なので、町育ちのエルフは違うかもしれない」と補足してたけど。
つまり・・・目の前でえぐえぐと泣いているシャルル・ノアイユ公爵は見た目は二十代前半だけど、エルフの感覚なら、まだ子供ってこと?
「そうですね。そして、私たちエルフは幼い同族に対しては異常なほど庇護欲を・・・」
「あー、うん。あの周りにいる元奴隷のエルフさんたちは、ノアイユ公爵のお守りなのね・・・」
元奴隷のエルフの皆さんは、今も泣いている主人である彼をどう慰めるかと、オロオロしています。
私は、ノアイユ公爵の生い立ちの続きを聞くために、先ほどの年嵩なエルフを無理やりこちらへ引っ張ってきて続きを促した。
「ええっと・・・」
ノアイユ公爵が気になるのか、彼をチラチラと気にしながらも、生まれた後の話をぽつぽつと零していく。
エルフだった母親の命と引き換えに、彼が生まれてノアイユ公爵家は騒然とした。
たぶん、身籠ってから2年も産まれなかったから死んだとか思っていただろうし、まさか、人族との間にエルフが生まれるとは期待してなかったのだろう。
早速、美しく生まれた我が子と奴隷契約を結ぼうとして、できなかったノアイユ公爵は彼の扱いに困ることになる。
「契約ができなかった?」
「ヴィー。近い血縁関係にある者とは奴隷契約は結べないのです」
そうなんだ・・・知らなかったわ。
奴隷としてノアイユ公爵家に縛り付けることができない彼を、他の貴族たちへの奴隷として献上するのを惜しんだ父親でもある前公爵は、彼を隠れて育てることにした。
ただし、自分の三番目の子供として出生届は出して、表向きには病弱で社交はできないと吹聴して。
このとき、二番目の子供で公爵令嬢だったアデライドに王家から第二妃としての輿入れの打診があった。
前公爵は、この申し入れを受け入れる。
権力欲のためでも、王家への忠誠でもなく、ただ娘が王族の一員となれば、エルフの奴隷を手に入れやすくなるとの下心で、娘を差し出したのだ。
しかし、アデライドも否やはなかった。
王家に嫁げば、見目麗しいエルフの奴隷を好きなだけ周りに侍らすことができると、夢見ていたからだ。
実際、彼女は王家に嫁いで公務をこなす褒美としてエルフの奴隷を望み、実家の申し入れを無視して自分だけの奴隷を買い集めた。
娘を王家に差し出せば好きなだけエルフの奴隷を変えるとほくそ笑んでいた前公爵は、その娘にエルフ奴隷を買い占められて思うように奴隷を得られなくなってしまった。
そこで、考えたのは娘が産む王子、王女を利用することだ。
どちらでもいいから、公爵家に迎えいれ自分の後を継がせる。
そして、王族の伝手を使いエルフの奴隷を集める野望を抱く。
今の陛下が退位すれば第二妃である自分の娘の力も弱くなるが、次の王の兄弟である孫には影響がない。
むしろ邪魔する娘がいなくなるので、麗しいエルフの奴隷を独占することができるかもしれない。
「そのためには・・・自分の息子が邪魔だったのです・・・」
「嫡男がいたよね?あれ?その人って・・・」
確か、ユベールの馬鹿が起こした惨劇の犠牲になっていた気がする。
どうやら、前侯爵は自分の欲望のために、今まで公爵を継ぐのに努力をしてきた嫡男を無碍に扱ったらしい。
つまり、後継ぎから外すので、結婚をさせない、子供を作らせない、でも公爵家の仕事はさせる。
当然、嫡男は父親に抗議はしたが取り合ってもらえない。
まだ第二妃の懐妊の報せが無かったときに「嫡男の自分に何かあったらどうする?」と詰め寄れば、「もう一人、儂には子供がいる」とシャルルをスペアに指名した。
「エルフが公爵を継げるわけがない!」と反対すれば、「そのときは奴の相手に王女でも降嫁させよう」と尊大に宣ったそうだ。
その言葉にプツンッと頭の血管が斬れた嫡男は、手にナイフを持ちシャルルに襲いかかった。
「自分のスペアなら、人族らしくしろ・・・と怒鳴りながらシャルル様の耳を切り落としたのです」
「なんか・・・嫡男も被害者のような・・・。そこまでエルフ族に拘るなんて・・・病気を通り越してまさしく狂っているわね」
口端が引き攣る感覚にもよもよしながら、悄然とした様子で座り込むシャルル様を見る。
「ところで、アンタたちは奴隷契約が解消されたのに、なんでここに留まっているんだ?」
リュシアンが私の隣に座って、紅茶のカップに手を伸ばす。
「・・・それは・・・」
「奴隷となったエルフ族に故郷に帰るという選択肢はないですよ。困ったぐらいにプライドの高い生き物ですからね。仲間に奴隷だったと知られるぐらいなら、この地に骨を埋めるつもりなんでしょう」
同じプライドの高いエルフのアルベールが断言する。
「いや・・・それもあるが・・・。シャルル様がいるし・・・」
アルベールの言葉に、挙動不審になるエルフ族の人。
エルフ族にとって子供というのは、宝物でもあるらしい。
滅多に産まれないし、子供のときしか素直で可愛らしいときがないからって・・・アルベールの説明が辛辣なんですけど?
奴隷として屈辱的な時間を過ごす彼らにとって、主人の暴挙から守れなかった同朋の忘れ形見は、どれほどの希望を与えたんだろう。
奴隷とは言っても、着飾られて鑑賞されるだけの日々に、命が削られていくような苦痛を感じていた彼らに与えられた、何の力もない赤ん坊。
「必死に世話をしましたよ。乳の代わりを与え、夜泣きに一晩中付き合い、立った、歩いた、笑ったとみんなで喜びあいました」
だから・・・シャルル様がいる限り、この呪われた憎いノアイユ公爵邸からは離れられない、と。
うーん、どうしょうかな?別に今後のトゥーロン王国にシャルル様がいなくてもいいけど、いればいたで使い道はあるのだ。
私は、ピョンと座っていたソファーから飛び降りて、トコトコとシャルル様の傍へと歩いて行く。
アルベールとリュシアンが後ろを付いてきてくれる。
ベルナール様もおずおずと付いて来てるわね。
「ねぇ、あなた。ノアイユ公爵として生きるつもりはあるの?」
私は腰に手を当てた仁王立ちで、グスグスと泣いている大きな子供に偉そうに尋ねてみた。
他の亜人たち、特に獣人なんかは長命でも、ほぼ人族と同じ年齢で一人前と認識される。
こちらの世界だと、概ね十六歳前後で成人扱いだって。
だけど、エルフ族では見た目の成長が止まる十代ではまだ子供扱いで、五十歳ぐらいで大人の扱いになるらしい。
アルベールは「エルフの里の感覚なので、町育ちのエルフは違うかもしれない」と補足してたけど。
つまり・・・目の前でえぐえぐと泣いているシャルル・ノアイユ公爵は見た目は二十代前半だけど、エルフの感覚なら、まだ子供ってこと?
「そうですね。そして、私たちエルフは幼い同族に対しては異常なほど庇護欲を・・・」
「あー、うん。あの周りにいる元奴隷のエルフさんたちは、ノアイユ公爵のお守りなのね・・・」
元奴隷のエルフの皆さんは、今も泣いている主人である彼をどう慰めるかと、オロオロしています。
私は、ノアイユ公爵の生い立ちの続きを聞くために、先ほどの年嵩なエルフを無理やりこちらへ引っ張ってきて続きを促した。
「ええっと・・・」
ノアイユ公爵が気になるのか、彼をチラチラと気にしながらも、生まれた後の話をぽつぽつと零していく。
エルフだった母親の命と引き換えに、彼が生まれてノアイユ公爵家は騒然とした。
たぶん、身籠ってから2年も産まれなかったから死んだとか思っていただろうし、まさか、人族との間にエルフが生まれるとは期待してなかったのだろう。
早速、美しく生まれた我が子と奴隷契約を結ぼうとして、できなかったノアイユ公爵は彼の扱いに困ることになる。
「契約ができなかった?」
「ヴィー。近い血縁関係にある者とは奴隷契約は結べないのです」
そうなんだ・・・知らなかったわ。
奴隷としてノアイユ公爵家に縛り付けることができない彼を、他の貴族たちへの奴隷として献上するのを惜しんだ父親でもある前公爵は、彼を隠れて育てることにした。
ただし、自分の三番目の子供として出生届は出して、表向きには病弱で社交はできないと吹聴して。
このとき、二番目の子供で公爵令嬢だったアデライドに王家から第二妃としての輿入れの打診があった。
前公爵は、この申し入れを受け入れる。
権力欲のためでも、王家への忠誠でもなく、ただ娘が王族の一員となれば、エルフの奴隷を手に入れやすくなるとの下心で、娘を差し出したのだ。
しかし、アデライドも否やはなかった。
王家に嫁げば、見目麗しいエルフの奴隷を好きなだけ周りに侍らすことができると、夢見ていたからだ。
実際、彼女は王家に嫁いで公務をこなす褒美としてエルフの奴隷を望み、実家の申し入れを無視して自分だけの奴隷を買い集めた。
娘を王家に差し出せば好きなだけエルフの奴隷を変えるとほくそ笑んでいた前公爵は、その娘にエルフ奴隷を買い占められて思うように奴隷を得られなくなってしまった。
そこで、考えたのは娘が産む王子、王女を利用することだ。
どちらでもいいから、公爵家に迎えいれ自分の後を継がせる。
そして、王族の伝手を使いエルフの奴隷を集める野望を抱く。
今の陛下が退位すれば第二妃である自分の娘の力も弱くなるが、次の王の兄弟である孫には影響がない。
むしろ邪魔する娘がいなくなるので、麗しいエルフの奴隷を独占することができるかもしれない。
「そのためには・・・自分の息子が邪魔だったのです・・・」
「嫡男がいたよね?あれ?その人って・・・」
確か、ユベールの馬鹿が起こした惨劇の犠牲になっていた気がする。
どうやら、前侯爵は自分の欲望のために、今まで公爵を継ぐのに努力をしてきた嫡男を無碍に扱ったらしい。
つまり、後継ぎから外すので、結婚をさせない、子供を作らせない、でも公爵家の仕事はさせる。
当然、嫡男は父親に抗議はしたが取り合ってもらえない。
まだ第二妃の懐妊の報せが無かったときに「嫡男の自分に何かあったらどうする?」と詰め寄れば、「もう一人、儂には子供がいる」とシャルルをスペアに指名した。
「エルフが公爵を継げるわけがない!」と反対すれば、「そのときは奴の相手に王女でも降嫁させよう」と尊大に宣ったそうだ。
その言葉にプツンッと頭の血管が斬れた嫡男は、手にナイフを持ちシャルルに襲いかかった。
「自分のスペアなら、人族らしくしろ・・・と怒鳴りながらシャルル様の耳を切り落としたのです」
「なんか・・・嫡男も被害者のような・・・。そこまでエルフ族に拘るなんて・・・病気を通り越してまさしく狂っているわね」
口端が引き攣る感覚にもよもよしながら、悄然とした様子で座り込むシャルル様を見る。
「ところで、アンタたちは奴隷契約が解消されたのに、なんでここに留まっているんだ?」
リュシアンが私の隣に座って、紅茶のカップに手を伸ばす。
「・・・それは・・・」
「奴隷となったエルフ族に故郷に帰るという選択肢はないですよ。困ったぐらいにプライドの高い生き物ですからね。仲間に奴隷だったと知られるぐらいなら、この地に骨を埋めるつもりなんでしょう」
同じプライドの高いエルフのアルベールが断言する。
「いや・・・それもあるが・・・。シャルル様がいるし・・・」
アルベールの言葉に、挙動不審になるエルフ族の人。
エルフ族にとって子供というのは、宝物でもあるらしい。
滅多に産まれないし、子供のときしか素直で可愛らしいときがないからって・・・アルベールの説明が辛辣なんですけど?
奴隷として屈辱的な時間を過ごす彼らにとって、主人の暴挙から守れなかった同朋の忘れ形見は、どれほどの希望を与えたんだろう。
奴隷とは言っても、着飾られて鑑賞されるだけの日々に、命が削られていくような苦痛を感じていた彼らに与えられた、何の力もない赤ん坊。
「必死に世話をしましたよ。乳の代わりを与え、夜泣きに一晩中付き合い、立った、歩いた、笑ったとみんなで喜びあいました」
だから・・・シャルル様がいる限り、この呪われた憎いノアイユ公爵邸からは離れられない、と。
うーん、どうしょうかな?別に今後のトゥーロン王国にシャルル様がいなくてもいいけど、いればいたで使い道はあるのだ。
私は、ピョンと座っていたソファーから飛び降りて、トコトコとシャルル様の傍へと歩いて行く。
アルベールとリュシアンが後ろを付いてきてくれる。
ベルナール様もおずおずと付いて来てるわね。
「ねぇ、あなた。ノアイユ公爵として生きるつもりはあるの?」
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