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悪を倒しましょう
空を飛んでみました
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レイモン氏は飛竜騎士団に守られて、トゥーロン王国のリシュリュー辺境伯領地へと帰って行った。
彼が辺境伯領地に到着して、すぐにリシュリュー辺境伯を中心に編成された騎士団が、王都へと進軍を密かに開始する。
私たちが懸念している二つの内の一つ、未だに動向が掴めていないノアイユ公爵への調査は引き続き行ってもらう予定だ。
もう一つはミュールズ国第2王子のアデル殿下の安否だけど・・・、どうせイザックたちと一緒でしょ?大丈夫、大丈夫!たぶん。
さて、アンティーブ国からミュールズ国へと潜入する私たちは、二手に分かれて進軍します!
まずは、アラスの町から、アンティーブ国とミュールズ国の間を流れる大河「オーヌ川」を北上する部隊。
ミュールズ国がビーストをオーヌ川を使ってアンティーブ国へ放り込んできたのなら、こちらもオーヌ川を利用して潜入しますよ、そりゃね。
こちらは、何かあっても外交問題とかにならないように権力集中型です。
まずは王弟クリストフ様!そしてその護衛と称して王都騎士団の精鋭たち!
冒険者ギルドという、ある意味治外法権からヴァネッサ姉さんとその護衛?Aランク冒険者パーティー!
軍船だと怪しまれるから、冒険者ギルド所有の中型船で移動しています。
まさか、ミュールズ国も冒険者ギルドがこちら側に付いてるとは思うまい。
イレギュラーに潜入するのは、私たちとヴィクトル兄様たち。
レイモン氏にお願いして、飛竜は3体貸してもらいました。
まずはヴィクトル兄様とベルナール様が騎乗する飛竜ですが、こちらはリシュリュー辺境伯領でベルナール様がたまに騎乗していた知己の飛竜ということで、ザ・安定感で選ばれました。
飛竜の背に乗るのは、ヴィクトル兄様とベルナール様とビビりまくっているユーグ君。
もう一体は小柄なスピード重視の飛竜だけど、こちらはミュールズ国王都ミシェル殿下への連絡用です。
騎乗するのもリシュリュー辺境伯飛竜騎士団の通信兵です。
非戦闘員なので、守ってあげなければ!
最後の飛竜には・・・、私とリュシアンが騎乗するのですよ!
もちろん、リュシアンに飛竜を扱った経験があるわけないんだけれども、そこは希少種族の!神狼族の底力で!
「ムリだろっ!無茶言うなよっ」
「えー、カヌレとブリュレはできたじゃん。飛竜だって弱肉強食の魔獣の一種でしょ?強さで服従させてみなさいよ」
これは無茶でもなんでもないぞよ?レイモン氏だって、結局は強さが肝心です、て言ってたし。
ぐぬぐぬしているリュシアンを横目に、アルベールがススーッと飛竜に近づいて喉笛を両手でグワシッと掴み上げました。
え?
「リュシアンが嫌がるなら、私が乗りましょう。なあに、トカゲに教えればいいのですよ・・・誰が主人か、ねぇ」
いやいや、その飛竜の主人は騎士団の長であるリシュリュー辺境伯ですよ?
でもアルベールは涼しい顔のまま、手からビリビリと攻撃魔法を飛竜に浴びせてるらしく、喉を掴まれて暴れていた飛竜が段々大人しくなり、口からダラーッと長い舌を垂らし出したよ?
「いやーっ!アルベール!飛竜が死んじゃう」
私は自分の両手を両頬に当てて、大きな声で叫んだ!
貴重な移動手段で、しかもその後の私の作戦の重要な飛竜がーっ!
「おっと、やり過ぎました?では、お前・・・わかっているな?」
グイッと喉を掴んだまま、アルベールは自分と飛竜の視線を合わせて、一言一言区切るように言い聞かせた。
大きな体の飛竜が、恐怖から涙目でコクンコクンと小さく頷いたように見えたわよ。
「じゃあ、私とリュシアンとアルベールで飛竜に乗るわ。ちょっと、リュシアン。アンタも飛竜の調教しておきなさい。アルベールのやり方でわかったでしょ?」
あれよりはソフトにやりなさいよ。
じゃないと、飛竜のメンタルが心配だわよ。
リュシアンはブツブツ言いながら飛竜のほうへ歩いて行った。
私は、残されたセヴランとルネとリオネルたちの所へ。
なんか、安心した顔でセヴランが気を抜いてるけど、アンタたちも一緒にミュールズ国に潜入するからね?置いていかないわよ?
「はあ?だって・・・飛竜に騎乗するのに人数オーバーでは?」
「乗れるわよ?セヴランたちは乗らないけど。だって馬車があるじゃん」
馬車を置いていくわけ無いし、私の「無限収納」に仕舞って移動してもいいけど、そうなったらカヌレとブリュレが困るじゃない?
二頭だけ、陸地を走って追い駆けてこさせるの?かわいそうでしょ?
「じゃ・・・じゃあ、どうするんです?」
ゴクリと喉を鳴らすセヴランに、私はカヌレとブリュレと馬車を指差して教えてあげる。
「セヴランたちは馬車に乗って、そのまま空を飛ぶのよ?」
そのために、飛竜を3体も貸してもらったんですもの。
オーヌ川を移動するクリストフさんたちは、川を上っていくのでそんなに早く移動できないとのことで、彼らより大分遅れてから私たちは移動を開始しました。
空、飛んでます!ひゃっほおおう!
トゥーロン王国の飛竜騎士団との協力体制は、王都にいる王族と一部の貴族、騎士団しか知らされていないので、隠密行動中ですよ?
ふふふ、すっかり最近忘れていましたが、私のチート能力で飛竜たちを丸ごと隠蔽しているのです!
気配に敏い人には、なんとなく空に大きな物が移動しているような気がするかもしれないが、見上げた空には何もなし!
実際には、3体の飛竜が三角形の陣形で飛んで移動していますけど。
その背には、ヴィクトル兄様たちと私たちと飛竜騎士団通信兵が乗っていて、飛竜たちの足それぞれに括りつけられたロープの先には・・・馬車が吊るされているのだ!
ちなみに、カヌレとブリュレは馬車に繋いであって、その足元には馬車から伸びる長く厚い板があり、その上に乗っています。
若干、二頭の馬は空を滑るスケートボードを楽しんでいるように見える。
馬車の中には、セヴランとルネとリオネルとカミーユさんが乗っています。
こちらも、他から見えないように隠蔽魔法を施していますよ。
目指すは、ミュールズ国のビースト研究所!
アラスの町を飛び立って、カミーユさんと出会ったサン・ブルージュの町を超えた森の先にあるミュールズ国との国境を目指します。
待ってろよ!ギッタンギッタンのバッコバコにしてやるかんな!
彼が辺境伯領地に到着して、すぐにリシュリュー辺境伯を中心に編成された騎士団が、王都へと進軍を密かに開始する。
私たちが懸念している二つの内の一つ、未だに動向が掴めていないノアイユ公爵への調査は引き続き行ってもらう予定だ。
もう一つはミュールズ国第2王子のアデル殿下の安否だけど・・・、どうせイザックたちと一緒でしょ?大丈夫、大丈夫!たぶん。
さて、アンティーブ国からミュールズ国へと潜入する私たちは、二手に分かれて進軍します!
まずは、アラスの町から、アンティーブ国とミュールズ国の間を流れる大河「オーヌ川」を北上する部隊。
ミュールズ国がビーストをオーヌ川を使ってアンティーブ国へ放り込んできたのなら、こちらもオーヌ川を利用して潜入しますよ、そりゃね。
こちらは、何かあっても外交問題とかにならないように権力集中型です。
まずは王弟クリストフ様!そしてその護衛と称して王都騎士団の精鋭たち!
冒険者ギルドという、ある意味治外法権からヴァネッサ姉さんとその護衛?Aランク冒険者パーティー!
軍船だと怪しまれるから、冒険者ギルド所有の中型船で移動しています。
まさか、ミュールズ国も冒険者ギルドがこちら側に付いてるとは思うまい。
イレギュラーに潜入するのは、私たちとヴィクトル兄様たち。
レイモン氏にお願いして、飛竜は3体貸してもらいました。
まずはヴィクトル兄様とベルナール様が騎乗する飛竜ですが、こちらはリシュリュー辺境伯領でベルナール様がたまに騎乗していた知己の飛竜ということで、ザ・安定感で選ばれました。
飛竜の背に乗るのは、ヴィクトル兄様とベルナール様とビビりまくっているユーグ君。
もう一体は小柄なスピード重視の飛竜だけど、こちらはミュールズ国王都ミシェル殿下への連絡用です。
騎乗するのもリシュリュー辺境伯飛竜騎士団の通信兵です。
非戦闘員なので、守ってあげなければ!
最後の飛竜には・・・、私とリュシアンが騎乗するのですよ!
もちろん、リュシアンに飛竜を扱った経験があるわけないんだけれども、そこは希少種族の!神狼族の底力で!
「ムリだろっ!無茶言うなよっ」
「えー、カヌレとブリュレはできたじゃん。飛竜だって弱肉強食の魔獣の一種でしょ?強さで服従させてみなさいよ」
これは無茶でもなんでもないぞよ?レイモン氏だって、結局は強さが肝心です、て言ってたし。
ぐぬぐぬしているリュシアンを横目に、アルベールがススーッと飛竜に近づいて喉笛を両手でグワシッと掴み上げました。
え?
「リュシアンが嫌がるなら、私が乗りましょう。なあに、トカゲに教えればいいのですよ・・・誰が主人か、ねぇ」
いやいや、その飛竜の主人は騎士団の長であるリシュリュー辺境伯ですよ?
でもアルベールは涼しい顔のまま、手からビリビリと攻撃魔法を飛竜に浴びせてるらしく、喉を掴まれて暴れていた飛竜が段々大人しくなり、口からダラーッと長い舌を垂らし出したよ?
「いやーっ!アルベール!飛竜が死んじゃう」
私は自分の両手を両頬に当てて、大きな声で叫んだ!
貴重な移動手段で、しかもその後の私の作戦の重要な飛竜がーっ!
「おっと、やり過ぎました?では、お前・・・わかっているな?」
グイッと喉を掴んだまま、アルベールは自分と飛竜の視線を合わせて、一言一言区切るように言い聞かせた。
大きな体の飛竜が、恐怖から涙目でコクンコクンと小さく頷いたように見えたわよ。
「じゃあ、私とリュシアンとアルベールで飛竜に乗るわ。ちょっと、リュシアン。アンタも飛竜の調教しておきなさい。アルベールのやり方でわかったでしょ?」
あれよりはソフトにやりなさいよ。
じゃないと、飛竜のメンタルが心配だわよ。
リュシアンはブツブツ言いながら飛竜のほうへ歩いて行った。
私は、残されたセヴランとルネとリオネルたちの所へ。
なんか、安心した顔でセヴランが気を抜いてるけど、アンタたちも一緒にミュールズ国に潜入するからね?置いていかないわよ?
「はあ?だって・・・飛竜に騎乗するのに人数オーバーでは?」
「乗れるわよ?セヴランたちは乗らないけど。だって馬車があるじゃん」
馬車を置いていくわけ無いし、私の「無限収納」に仕舞って移動してもいいけど、そうなったらカヌレとブリュレが困るじゃない?
二頭だけ、陸地を走って追い駆けてこさせるの?かわいそうでしょ?
「じゃ・・・じゃあ、どうするんです?」
ゴクリと喉を鳴らすセヴランに、私はカヌレとブリュレと馬車を指差して教えてあげる。
「セヴランたちは馬車に乗って、そのまま空を飛ぶのよ?」
そのために、飛竜を3体も貸してもらったんですもの。
オーヌ川を移動するクリストフさんたちは、川を上っていくのでそんなに早く移動できないとのことで、彼らより大分遅れてから私たちは移動を開始しました。
空、飛んでます!ひゃっほおおう!
トゥーロン王国の飛竜騎士団との協力体制は、王都にいる王族と一部の貴族、騎士団しか知らされていないので、隠密行動中ですよ?
ふふふ、すっかり最近忘れていましたが、私のチート能力で飛竜たちを丸ごと隠蔽しているのです!
気配に敏い人には、なんとなく空に大きな物が移動しているような気がするかもしれないが、見上げた空には何もなし!
実際には、3体の飛竜が三角形の陣形で飛んで移動していますけど。
その背には、ヴィクトル兄様たちと私たちと飛竜騎士団通信兵が乗っていて、飛竜たちの足それぞれに括りつけられたロープの先には・・・馬車が吊るされているのだ!
ちなみに、カヌレとブリュレは馬車に繋いであって、その足元には馬車から伸びる長く厚い板があり、その上に乗っています。
若干、二頭の馬は空を滑るスケートボードを楽しんでいるように見える。
馬車の中には、セヴランとルネとリオネルとカミーユさんが乗っています。
こちらも、他から見えないように隠蔽魔法を施していますよ。
目指すは、ミュールズ国のビースト研究所!
アラスの町を飛び立って、カミーユさんと出会ったサン・ブルージュの町を超えた森の先にあるミュールズ国との国境を目指します。
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