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石を見つけましょう
のんびりしました
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ガストンさんが武器を作っている間、私たちはリュイエの町でのんびりと出来上がりを待つことにした。
まず、アルベールは気になることがあると言って、アラスの町へ情報収集に出かけた。
セヴランは、リュイエの町のお店や宿屋の経営指導と、芋畑や果樹園、牧場の視察を嬉しそうにしている。
ルネは、男爵邸でメイド修行と、ローズさんの宿屋でお手伝いをしている。
そのルネにリオネルはくっついていたかったけど、邪魔だから!ハッキリ言って邪魔だから!
そう指摘されて不貞腐れた顔で、自警団のおっちゃんたちをしばき倒しています。
リュシアンは、リオネルとは反対に上機嫌でカヌレとブリュレの世話をして、騎士隊の訓練に混ざり、時々リオネルを連れて冒険者ギルドの依頼を受けている。
私?
私はのんびりしてますよ?
ローズさんの宿屋で芋料理やスイーツのレシピを考え、エミール君のための知育玩具を作り、みんなのおやつを作って。
お金稼ぎにポーション作ってギルドに売って、雑貨屋さんのハンドメイドアクセサリーを手伝うフリして、魔道具の開発にも余念がないです!
・・・・・・。
ま、みんな20日過ぎたぐらいから、暇を持て余すようになったけど。
「暇なのか?じゃ、一緒にギルドの依頼受けるか?」
「今日は何をするの?」
「あー、アラスの町との街道警備」
「・・・パス」
私が馬車の中のソファにごろりと寝転がって返事をすると、リュシアンは苦笑してセヴランを引き摺って馬車から出て行った。
セヴランは、ここに来て一度も魔獣討伐をしていないので、今日は問答無用で連れて行かれるのだ。
ルネとリオネルは、騎士隊の訓練に付き合っている。
ルネも大人しくメイド業に励んでいたけど、体がウズウズしてきたのだろう。
私は、討伐なんてノーサンキューなので、のんびりしますとも・・・。
あ、唐揚げ作ろう。
あ、揚げ物するならコロッケとかも作っておこう。
芋ならいっぱいあるしな!
いっぱい作った料理の数々を出来立て熱々のまま、無限収納に放り込んでいく。
バジルソースの料理ゾーンに手を付けて、ふとアルベールの姿を見ていないことに気づく。
バジル味はアルベールの好物なのだ。
ふむ、アラスの町に情報収集に出かけ、その後、隣の侯爵領地に何か調べものをすると言って足を延ばし、戻ってきて再びアラスの町に行った・・・あれ?行ったままだっけ?
うーんと、あっ、その後もう一度戻ってきてラウル様と密談して、またアラスの町に行ったんだった。
・・・何をしているのかしら?
最初、アラスの町の冒険者ギルドのギルドマスターである鬼人族のヴァネッサさんといい感じなのかなぁーと呑気に思っていたけど。
「・・・行動が怪しいわ」
そもそも、私たちはガストンさんから武器を受け取ったら、ボーヌの町を通り王都に向けて寄り道しながら旅を続けるつもり。
情報収集は大事だけど、そんなに大層な情報収集はいらないと思うのだけど?
私は腑に落ちない思いを抱えながら、気もそぞろにカヌレとブリュレにおやつをあげ、今日の晩御飯を作るのだった。
朝から夕方まで作り置きを作りまくって、そしてまた晩御飯を作る自分にちょっと遠い目になるわ。
シチューがぐつぐつと煮えて、ミルクの優しい匂いがキッチンに充満する頃、男爵邸からルネとリオネルが帰ってきた。
「だだいまー!お腹減ったー!」
リオネルは空腹を知らせること以外は、あまり喋らないのよねぇ。
今度からもう少しお喋りするように、教育しようかな?
「もうすぐできるから、お風呂に入っておいでー」
騎士隊との訓練なら泥だらけになったんでしょ?サッパリしてきなさい。
「「はーい」」
ふたりは良いお返事をすると、パタパタと可愛い足音を立ててお風呂へと消えていった。
しばらくするとシャワーの水音が聞こえる。
テーブルにお皿を並べていると、今度はリュシアンとセヴランが帰ってきた。
セ・・・セヴランに死相が出ているんだけと、大丈夫?
「おー、丁度良かったなー!腹減ったよ、お嬢。メシー」
「・・・うん。とりあえずセヴランは生きている?」
バコンとリュシアンがセヴランの後頭部を軽く殴る。
暴力はんたーい!
「イタッ!何するんですか!」
「あ、生きてた」
「生きてますよ!死にそうな目に遭いましたけど、生きてますよ!ご飯食べますよ!生きてます・・・よ・・・。うぇっ」
あ、泣きだした。
ふたりも、軽くシャワー浴びて汚れを・・・心の汚れを落としてきなさい。
この馬車の出入口には、魔道具で自動的に「クリーン魔法」が発動するんだけど、やっぱり汚れたらお風呂に入ってサッパリしたいもんね!
アルベールはどうせ帰ってこないからと、残りのメンバーで今日も賑やかにご飯を食べていたら、カヌレとブリュレの嘶きが聞こえた後、ガシャンと馬車の扉が開く。
「おや?私の分はありますか?」
そこには何日振りかのアルベールの姿が。
「あるけど・・・。久しぶりねぇ」
ルネが立ち上がって小走りでキッチンへ行き、アルベールの分の夕飯を準備する。
アルベールはリュシアンの手からグラスを奪い取り、中に入っていたエールをグビグビと飲み干す。
そしてニヤリと笑ったアルベールは、シチューに舌鼓を打ちながら、特大級の爆弾を落とすのだった・・・。
まず、アルベールは気になることがあると言って、アラスの町へ情報収集に出かけた。
セヴランは、リュイエの町のお店や宿屋の経営指導と、芋畑や果樹園、牧場の視察を嬉しそうにしている。
ルネは、男爵邸でメイド修行と、ローズさんの宿屋でお手伝いをしている。
そのルネにリオネルはくっついていたかったけど、邪魔だから!ハッキリ言って邪魔だから!
そう指摘されて不貞腐れた顔で、自警団のおっちゃんたちをしばき倒しています。
リュシアンは、リオネルとは反対に上機嫌でカヌレとブリュレの世話をして、騎士隊の訓練に混ざり、時々リオネルを連れて冒険者ギルドの依頼を受けている。
私?
私はのんびりしてますよ?
ローズさんの宿屋で芋料理やスイーツのレシピを考え、エミール君のための知育玩具を作り、みんなのおやつを作って。
お金稼ぎにポーション作ってギルドに売って、雑貨屋さんのハンドメイドアクセサリーを手伝うフリして、魔道具の開発にも余念がないです!
・・・・・・。
ま、みんな20日過ぎたぐらいから、暇を持て余すようになったけど。
「暇なのか?じゃ、一緒にギルドの依頼受けるか?」
「今日は何をするの?」
「あー、アラスの町との街道警備」
「・・・パス」
私が馬車の中のソファにごろりと寝転がって返事をすると、リュシアンは苦笑してセヴランを引き摺って馬車から出て行った。
セヴランは、ここに来て一度も魔獣討伐をしていないので、今日は問答無用で連れて行かれるのだ。
ルネとリオネルは、騎士隊の訓練に付き合っている。
ルネも大人しくメイド業に励んでいたけど、体がウズウズしてきたのだろう。
私は、討伐なんてノーサンキューなので、のんびりしますとも・・・。
あ、唐揚げ作ろう。
あ、揚げ物するならコロッケとかも作っておこう。
芋ならいっぱいあるしな!
いっぱい作った料理の数々を出来立て熱々のまま、無限収納に放り込んでいく。
バジルソースの料理ゾーンに手を付けて、ふとアルベールの姿を見ていないことに気づく。
バジル味はアルベールの好物なのだ。
ふむ、アラスの町に情報収集に出かけ、その後、隣の侯爵領地に何か調べものをすると言って足を延ばし、戻ってきて再びアラスの町に行った・・・あれ?行ったままだっけ?
うーんと、あっ、その後もう一度戻ってきてラウル様と密談して、またアラスの町に行ったんだった。
・・・何をしているのかしら?
最初、アラスの町の冒険者ギルドのギルドマスターである鬼人族のヴァネッサさんといい感じなのかなぁーと呑気に思っていたけど。
「・・・行動が怪しいわ」
そもそも、私たちはガストンさんから武器を受け取ったら、ボーヌの町を通り王都に向けて寄り道しながら旅を続けるつもり。
情報収集は大事だけど、そんなに大層な情報収集はいらないと思うのだけど?
私は腑に落ちない思いを抱えながら、気もそぞろにカヌレとブリュレにおやつをあげ、今日の晩御飯を作るのだった。
朝から夕方まで作り置きを作りまくって、そしてまた晩御飯を作る自分にちょっと遠い目になるわ。
シチューがぐつぐつと煮えて、ミルクの優しい匂いがキッチンに充満する頃、男爵邸からルネとリオネルが帰ってきた。
「だだいまー!お腹減ったー!」
リオネルは空腹を知らせること以外は、あまり喋らないのよねぇ。
今度からもう少しお喋りするように、教育しようかな?
「もうすぐできるから、お風呂に入っておいでー」
騎士隊との訓練なら泥だらけになったんでしょ?サッパリしてきなさい。
「「はーい」」
ふたりは良いお返事をすると、パタパタと可愛い足音を立ててお風呂へと消えていった。
しばらくするとシャワーの水音が聞こえる。
テーブルにお皿を並べていると、今度はリュシアンとセヴランが帰ってきた。
セ・・・セヴランに死相が出ているんだけと、大丈夫?
「おー、丁度良かったなー!腹減ったよ、お嬢。メシー」
「・・・うん。とりあえずセヴランは生きている?」
バコンとリュシアンがセヴランの後頭部を軽く殴る。
暴力はんたーい!
「イタッ!何するんですか!」
「あ、生きてた」
「生きてますよ!死にそうな目に遭いましたけど、生きてますよ!ご飯食べますよ!生きてます・・・よ・・・。うぇっ」
あ、泣きだした。
ふたりも、軽くシャワー浴びて汚れを・・・心の汚れを落としてきなさい。
この馬車の出入口には、魔道具で自動的に「クリーン魔法」が発動するんだけど、やっぱり汚れたらお風呂に入ってサッパリしたいもんね!
アルベールはどうせ帰ってこないからと、残りのメンバーで今日も賑やかにご飯を食べていたら、カヌレとブリュレの嘶きが聞こえた後、ガシャンと馬車の扉が開く。
「おや?私の分はありますか?」
そこには何日振りかのアルベールの姿が。
「あるけど・・・。久しぶりねぇ」
ルネが立ち上がって小走りでキッチンへ行き、アルベールの分の夕飯を準備する。
アルベールはリュシアンの手からグラスを奪い取り、中に入っていたエールをグビグビと飲み干す。
そしてニヤリと笑ったアルベールは、シチューに舌鼓を打ちながら、特大級の爆弾を落とすのだった・・・。
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