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石を見つけましょう
ゴダール男爵領地に着きました?
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ディナールの町を出てから特にトラブルもなく予定どおりに進み、ボーヌの町で1泊だけして、それもリュイエの町で買い足しができない物を中心の買い物のみで済ました。
そして、ようやく見えてきました!ゴダール男爵領地の町壁と門が!
ゴダール男爵領地には町の出入り口の門がふたつあって、ひとつはアラスの町方面の門。
そしてもうひとつがここ、ボーヌの町方面の門。
「あれ?門番がいますよ。しかもふたりも」
「ん?」
いやいや、私たちが出るときは門番なんてアラスの町方面の門にしか配置していなかったし、それもふたりも配置できるほど自警団の人数は多くないはず。
セヴランの声に誘われるように、馬車の窓から顔を出して外を見てみる。
「あ、本当にふたりも門番がいるし・・・ちゃんと鎧っぽいの着て剣も佩いてるわ」
仕事のないお爺ちゃんとかじゃなくて、まだ若そうな男の人よ。
ここって、本当にゴダール男爵領地?
ううん?私たちってば、ボーヌの町からゴダール男爵領地までの道を間違えたかな?
「そんな訳ないでしょう。あそこはゴダール男爵領地で間違いないですよ。・・・思ったより早く町の復興が進んだみたいですね」
アルベールに危ないと、首根っこを掴まれて力尽くで馬車の中に顔を戻されると、いい笑顔のアルベールと目が合った。
「そんなに早く町って元に戻るの?冒険者たちが大勢立ち寄るようになったのかな?」
確かに人が戻ってくるように、芋料理やフルーツのスイーツを考えて、しっかりアラスの町で宣伝パフォーマンスもかましてきたけど。
「活気が戻ってきているのは、なんとなく分かりますよ。ずいぶん頑張ったんですね、彼らは」
そうね。
宿屋の女将さんで、リュイエの町の顔役のローズさん。
鍛冶師で荒くれ男たちをまとめていたガストンさん。
生まれたばかりのエミール君を抱いて、男爵夫人として覚悟を見せたブリジット様。
みんなみんな悲しい気持ちを抱えていてもグッと我慢して、前を見てリュイエの町のために頑張ったんだろうな。
ちょっと、センチメンタルな気分に浸っていたら、セヴランの悲鳴が聞こえてくる。
「どうしたの?」
「あっ、ヴィーさん。この門番たちが中に入れてくれないんですよ!」
「えっ!」
馭者席へ身を乗り出して様子を伺うと、門番に詰め寄るリュシアンとカヌレの姿が見えた。
うーん、ふたりの勢いに門番さんの腰が完全に引けているわね。
「私たちのこと知らないのかな?」
「いいえ。自警団の特訓に協力していたリュシアンがいるんですから、それはないですよ!でも、ここでしばらく待てって言われました」
「ここで?」
なんで町に入って待つのがダメなのよ。
早く、ローズさんやガストンさんに会いたいのに。
よしっ!私もリュシアンに加勢してやるわ!とふんむっと腕まくりして突撃しようとしたら、またまたアルベールに首根っこを掴まれてしまった。
ぐえっ!
「ほら、あちらから騎士たちが来ましたよ。大袈裟ですねぇ。一体私たちが何をしたというのか・・・」
ひいいぃぃぃっ!アルベールの笑顔が・・・笑顔が・・・、絶対零度の微笑みに進化した・・・。
「あれ?ゴダール男爵のとこに騎士なんていたっけ?」
「そういえば、騎士団らしき人は見かけませんでしたね」
そうだよね?
そんな強そうな人がいたら、私とセヴランは真っ先に庇護を求めましたもの!
立派な鎧を身に付けた騎士様は3人。
それぞれ逞しい軍馬に乗ってやって来られました。
カヌレとブリュレが鼻息荒くして、その軍馬に喧嘩を売っているようですが、ちゃんと訓練された馬は華麗にスルーしています。
「失礼。お待たせしました。私たちが町まで先導いたします」
一番体が大きくて、一番偉そうな壮年の騎士さんが、渋い美声でそう言うと、馬車の先頭と後ろ、右横に騎士さんたちが配備に付いてゆっくりなスピードで動きます。
・・・囲まれた?
左横にはブスくれたリュシアンがカヌレを宥めながら並走してくれる。
「とりあえず、大人しく付いて行きましょう」
「そうね。何かあったとしてもアルベールとリュシアンがいれば大丈夫でしょう」
私はアルベールと自分用にお菓子を追加で出す。
ルネとリオネルはお昼寝中なの。
あの子たちがいたら過剰戦力になるから、丁度よかったわ。
それにしても、どこに連れて行かれるのかしら?
「着きました」
騎士さんが先導して連れてきてくれたのは、丘の上の・・・。
「ゴダール男爵邸じゃないの」
馬車を降りた私たちは首を捻る。
ルネとリオネルはお昼寝から起こされて、目を擦りながら欠伸。
「皆さん!おかえりなさい」
満面の笑顔で私たちを迎えてくれたのは、若き男爵夫人のブリジット様とその腕の中でアブアブ言っている嫡男のエミール君。
そして・・・。
「誰?」
ブリジット様の肩を優しく抱いている、イケメンな男の人は誰でしょう?
しかも、その周りにいる優男風な従者っぽい人とか、今まで一緒だった騎士さんたちとかも・・・急に人口が増えた男爵邸の見覚えのない面子に、私の頭はクエスチョンだらけ。
「・・・ブリジット様、もしかして再婚したの?」
小さな声で呟いたのに、アルベールとリュシアンからパシーンと後頭部を叩かれました。
イタタタ。
じゃあ、一体あの人たちは誰なのよーっ!
そして、ようやく見えてきました!ゴダール男爵領地の町壁と門が!
ゴダール男爵領地には町の出入り口の門がふたつあって、ひとつはアラスの町方面の門。
そしてもうひとつがここ、ボーヌの町方面の門。
「あれ?門番がいますよ。しかもふたりも」
「ん?」
いやいや、私たちが出るときは門番なんてアラスの町方面の門にしか配置していなかったし、それもふたりも配置できるほど自警団の人数は多くないはず。
セヴランの声に誘われるように、馬車の窓から顔を出して外を見てみる。
「あ、本当にふたりも門番がいるし・・・ちゃんと鎧っぽいの着て剣も佩いてるわ」
仕事のないお爺ちゃんとかじゃなくて、まだ若そうな男の人よ。
ここって、本当にゴダール男爵領地?
ううん?私たちってば、ボーヌの町からゴダール男爵領地までの道を間違えたかな?
「そんな訳ないでしょう。あそこはゴダール男爵領地で間違いないですよ。・・・思ったより早く町の復興が進んだみたいですね」
アルベールに危ないと、首根っこを掴まれて力尽くで馬車の中に顔を戻されると、いい笑顔のアルベールと目が合った。
「そんなに早く町って元に戻るの?冒険者たちが大勢立ち寄るようになったのかな?」
確かに人が戻ってくるように、芋料理やフルーツのスイーツを考えて、しっかりアラスの町で宣伝パフォーマンスもかましてきたけど。
「活気が戻ってきているのは、なんとなく分かりますよ。ずいぶん頑張ったんですね、彼らは」
そうね。
宿屋の女将さんで、リュイエの町の顔役のローズさん。
鍛冶師で荒くれ男たちをまとめていたガストンさん。
生まれたばかりのエミール君を抱いて、男爵夫人として覚悟を見せたブリジット様。
みんなみんな悲しい気持ちを抱えていてもグッと我慢して、前を見てリュイエの町のために頑張ったんだろうな。
ちょっと、センチメンタルな気分に浸っていたら、セヴランの悲鳴が聞こえてくる。
「どうしたの?」
「あっ、ヴィーさん。この門番たちが中に入れてくれないんですよ!」
「えっ!」
馭者席へ身を乗り出して様子を伺うと、門番に詰め寄るリュシアンとカヌレの姿が見えた。
うーん、ふたりの勢いに門番さんの腰が完全に引けているわね。
「私たちのこと知らないのかな?」
「いいえ。自警団の特訓に協力していたリュシアンがいるんですから、それはないですよ!でも、ここでしばらく待てって言われました」
「ここで?」
なんで町に入って待つのがダメなのよ。
早く、ローズさんやガストンさんに会いたいのに。
よしっ!私もリュシアンに加勢してやるわ!とふんむっと腕まくりして突撃しようとしたら、またまたアルベールに首根っこを掴まれてしまった。
ぐえっ!
「ほら、あちらから騎士たちが来ましたよ。大袈裟ですねぇ。一体私たちが何をしたというのか・・・」
ひいいぃぃぃっ!アルベールの笑顔が・・・笑顔が・・・、絶対零度の微笑みに進化した・・・。
「あれ?ゴダール男爵のとこに騎士なんていたっけ?」
「そういえば、騎士団らしき人は見かけませんでしたね」
そうだよね?
そんな強そうな人がいたら、私とセヴランは真っ先に庇護を求めましたもの!
立派な鎧を身に付けた騎士様は3人。
それぞれ逞しい軍馬に乗ってやって来られました。
カヌレとブリュレが鼻息荒くして、その軍馬に喧嘩を売っているようですが、ちゃんと訓練された馬は華麗にスルーしています。
「失礼。お待たせしました。私たちが町まで先導いたします」
一番体が大きくて、一番偉そうな壮年の騎士さんが、渋い美声でそう言うと、馬車の先頭と後ろ、右横に騎士さんたちが配備に付いてゆっくりなスピードで動きます。
・・・囲まれた?
左横にはブスくれたリュシアンがカヌレを宥めながら並走してくれる。
「とりあえず、大人しく付いて行きましょう」
「そうね。何かあったとしてもアルベールとリュシアンがいれば大丈夫でしょう」
私はアルベールと自分用にお菓子を追加で出す。
ルネとリオネルはお昼寝中なの。
あの子たちがいたら過剰戦力になるから、丁度よかったわ。
それにしても、どこに連れて行かれるのかしら?
「着きました」
騎士さんが先導して連れてきてくれたのは、丘の上の・・・。
「ゴダール男爵邸じゃないの」
馬車を降りた私たちは首を捻る。
ルネとリオネルはお昼寝から起こされて、目を擦りながら欠伸。
「皆さん!おかえりなさい」
満面の笑顔で私たちを迎えてくれたのは、若き男爵夫人のブリジット様とその腕の中でアブアブ言っている嫡男のエミール君。
そして・・・。
「誰?」
ブリジット様の肩を優しく抱いている、イケメンな男の人は誰でしょう?
しかも、その周りにいる優男風な従者っぽい人とか、今まで一緒だった騎士さんたちとかも・・・急に人口が増えた男爵邸の見覚えのない面子に、私の頭はクエスチョンだらけ。
「・・・ブリジット様、もしかして再婚したの?」
小さな声で呟いたのに、アルベールとリュシアンからパシーンと後頭部を叩かれました。
イタタタ。
じゃあ、一体あの人たちは誰なのよーっ!
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