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石を見つけましょう
ディナールの町を出発しました
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なんだか、会社員に戻った気分だ・・・。
朝起きて、ご飯食べて、仕事してー。
昼ご飯食べて仕事、おやつを食べて仕事、晩御飯まで仕事して、ご飯を食べたらお風呂に入って寝る。
社畜に比べれば天国だけど、そんな味気ない生活をすること2ヶ月弱・・・。
「・・・これで、1千万ルー。白金貨にして10枚!目標達成!」
「おう!昨日で全員Cランクアップ条件の依頼数と魔獣討伐はクリアしているから、あとは護衛依頼を1回こなせばCランクに上がるぞ!」
おーっ!とアルベールとセヴラン以外が高く腕を突き上げる。
真面目に働いて働いて、掘って掘って、やっと目標額を貯めることができました!
「あれ?でもCランクになるのって、対人戦闘も経験しないといけないんじゃ?」
それでも護衛依頼中に盗賊退治でもするつもりか?
そんなタイミングよく盗賊に襲われるものなの?
「ああ。対人戦闘はあのナタンたちを捕縛したのでクリアしたことになってます」
「えっ?そうなの?」
ナタンたちのことは、依頼扱いじゃないから評価されないと思ってたわ。
「盗賊退治とか悪い奴を捕まえるとちゃんと評価されるぞ。依頼とは別にな」
そうなんだ・・・ああ、よかった。
あれは致し方無い状況だったから戦ったけど、正直魔獣以外と対峙するのは遠慮したい。
「護衛依頼は、王都に行く途中で、適当に商人の護衛依頼を受けるか、乗合馬車の護衛を受ければいいでしょう」
「・・・護衛ならなんでもいいなら、危険度の低い依頼でお願いします」
「わ、私も同感です!」
最早、ヘタレコンビと言っても過言ではない、私とセヴランがアルベールたちに訴える。
わざわざ危険なことしなくても、同じ評価なら優しい方を選択したい!
呆れた眼で見られたが、そんなものは痛くも痒くもないわっ。
「それはまたギルドで受けるときに考えましょう。ディナールの町も今日が最後です。明日はボーヌの町を目指しますよ」
アルベールの号令で、私たちはそれぞれの部屋に。
明日は朝早く出発だから、おやすみなさーい。
「よおっ、爺さんも酒か?」
私は返事をする代わりに、手の中のグラスを高く掲げてみせた。
そのグラスの中には琥珀色の液体が揺らめいている。
彼は私の向かいの席に腰を下ろし、酒瓶から勝手に手酌でグラスに注ぐ。
「なにか、気になることでも?」
「いいや。いや、違うな。なんかゾワゾワするんだよ。ゴダール男爵領地に戻ってガストンの爺さんに武器を作って貰うのはいいんだが・・・」
「王都に不安が?」
確か、リュシアンたちのパーティーは、アンティーブ国の王都を中心に稼いでいたと聞いた。
王都に行けば、昔の仲間・・・依頼失敗で失った仲間もいるみたいだが、会うことに忌避感があるのか?
「いんや。確かにあいつらに会うのは気が重いが・・・別に会ったところで、俺はかまわない」
頭を緩く左右に振った後、グラスの中の酒を呷る。
「なんか・・・王都に行くのは賛成つーか、行かないといけないと思ってる?」
「・・・行かないといけない?」
「あー、上手く言えないけどな。王都を避けても王都に行くようになると思う。それよりも・・・王都に行くまでの・・・道程かな?」
「リュイエの町で用事が済めば、再びボーヌの町を通り過ぎて王都へ・・・。その道程に何かあると思っているんですか?」
リュシアンは難しい顔をして、空になったグラスにまた酒を注ぐ。
「わからん。俺はこの直感で前のパーティーの危機を避けていたと思うが、今回のことは危険つーか、そっちの方が大事なことがあるっていうか・・・」
私はグラスに口を付けて、チビリと酒を含む。
・・・危険ではなく、大事なことがある。
たまに、獣人にはスキルではなく直感に優れている者がいる。
特にリュシアンは神狼族という希少種だ。
・・・ふむ、調べる価値はあるかも?
「ゴダール男爵領地に戻るのに支障がないなら、戻りましょう。その後のことは、私がアラスの町に行き情報を収集します」
ヴァネッサに聞けば、何か実のある話が確認できるかもしれない。
ついでに、トゥーロン王国やミュールズ国のことも調べておこう。
「あー、頼むわ。俺も、セヴランが調べてきた王都周辺の町や村の話を精査してみるわ」
「そうですね。ガストンが武器を作るのも時間がかかるでしょう。その間に王都へ行く準備をしましょうか」
ああ、とリュシアンは頷くと、グラスの残りを飲み干して立ち上がる。
「じゃあ、明日な」
「ええ。おやすみ」
私は、またグラスを目の高さまで上げて、リュシアンを見送る。
ふーっ、ゴダール男爵領地に行っても私はのんびりできそうもないですね。
アラスの町の冒険者ギルド、ギルマスのヴァネッサのふてぶてしい姿を思い出し、ため息をひとつもらした。
快晴ですっ!
宿の女将さんに挨拶して、冒険者ギルドにもここを離れる連絡をして、ブリュレの牽く馬車に乗り込みます。
カヌレにはリュシアンが騎乗しているわよ。
ゆっくりと走り出す馬車の中は、アルベールとルネとリオネル。
セヴランは馭者席にいる。
さあっ、ボーヌの町経由でゴダール男爵領地に帰るわよ!
ガラガラと馬車の車輪の音を心地よく聞きながら、私ひとり鼻息荒くしていたのだった。
だって、想像もしないわよ・・・。
ゴダール男爵領地があんなことになっているなんて・・・。
朝起きて、ご飯食べて、仕事してー。
昼ご飯食べて仕事、おやつを食べて仕事、晩御飯まで仕事して、ご飯を食べたらお風呂に入って寝る。
社畜に比べれば天国だけど、そんな味気ない生活をすること2ヶ月弱・・・。
「・・・これで、1千万ルー。白金貨にして10枚!目標達成!」
「おう!昨日で全員Cランクアップ条件の依頼数と魔獣討伐はクリアしているから、あとは護衛依頼を1回こなせばCランクに上がるぞ!」
おーっ!とアルベールとセヴラン以外が高く腕を突き上げる。
真面目に働いて働いて、掘って掘って、やっと目標額を貯めることができました!
「あれ?でもCランクになるのって、対人戦闘も経験しないといけないんじゃ?」
それでも護衛依頼中に盗賊退治でもするつもりか?
そんなタイミングよく盗賊に襲われるものなの?
「ああ。対人戦闘はあのナタンたちを捕縛したのでクリアしたことになってます」
「えっ?そうなの?」
ナタンたちのことは、依頼扱いじゃないから評価されないと思ってたわ。
「盗賊退治とか悪い奴を捕まえるとちゃんと評価されるぞ。依頼とは別にな」
そうなんだ・・・ああ、よかった。
あれは致し方無い状況だったから戦ったけど、正直魔獣以外と対峙するのは遠慮したい。
「護衛依頼は、王都に行く途中で、適当に商人の護衛依頼を受けるか、乗合馬車の護衛を受ければいいでしょう」
「・・・護衛ならなんでもいいなら、危険度の低い依頼でお願いします」
「わ、私も同感です!」
最早、ヘタレコンビと言っても過言ではない、私とセヴランがアルベールたちに訴える。
わざわざ危険なことしなくても、同じ評価なら優しい方を選択したい!
呆れた眼で見られたが、そんなものは痛くも痒くもないわっ。
「それはまたギルドで受けるときに考えましょう。ディナールの町も今日が最後です。明日はボーヌの町を目指しますよ」
アルベールの号令で、私たちはそれぞれの部屋に。
明日は朝早く出発だから、おやすみなさーい。
「よおっ、爺さんも酒か?」
私は返事をする代わりに、手の中のグラスを高く掲げてみせた。
そのグラスの中には琥珀色の液体が揺らめいている。
彼は私の向かいの席に腰を下ろし、酒瓶から勝手に手酌でグラスに注ぐ。
「なにか、気になることでも?」
「いいや。いや、違うな。なんかゾワゾワするんだよ。ゴダール男爵領地に戻ってガストンの爺さんに武器を作って貰うのはいいんだが・・・」
「王都に不安が?」
確か、リュシアンたちのパーティーは、アンティーブ国の王都を中心に稼いでいたと聞いた。
王都に行けば、昔の仲間・・・依頼失敗で失った仲間もいるみたいだが、会うことに忌避感があるのか?
「いんや。確かにあいつらに会うのは気が重いが・・・別に会ったところで、俺はかまわない」
頭を緩く左右に振った後、グラスの中の酒を呷る。
「なんか・・・王都に行くのは賛成つーか、行かないといけないと思ってる?」
「・・・行かないといけない?」
「あー、上手く言えないけどな。王都を避けても王都に行くようになると思う。それよりも・・・王都に行くまでの・・・道程かな?」
「リュイエの町で用事が済めば、再びボーヌの町を通り過ぎて王都へ・・・。その道程に何かあると思っているんですか?」
リュシアンは難しい顔をして、空になったグラスにまた酒を注ぐ。
「わからん。俺はこの直感で前のパーティーの危機を避けていたと思うが、今回のことは危険つーか、そっちの方が大事なことがあるっていうか・・・」
私はグラスに口を付けて、チビリと酒を含む。
・・・危険ではなく、大事なことがある。
たまに、獣人にはスキルではなく直感に優れている者がいる。
特にリュシアンは神狼族という希少種だ。
・・・ふむ、調べる価値はあるかも?
「ゴダール男爵領地に戻るのに支障がないなら、戻りましょう。その後のことは、私がアラスの町に行き情報を収集します」
ヴァネッサに聞けば、何か実のある話が確認できるかもしれない。
ついでに、トゥーロン王国やミュールズ国のことも調べておこう。
「あー、頼むわ。俺も、セヴランが調べてきた王都周辺の町や村の話を精査してみるわ」
「そうですね。ガストンが武器を作るのも時間がかかるでしょう。その間に王都へ行く準備をしましょうか」
ああ、とリュシアンは頷くと、グラスの残りを飲み干して立ち上がる。
「じゃあ、明日な」
「ええ。おやすみ」
私は、またグラスを目の高さまで上げて、リュシアンを見送る。
ふーっ、ゴダール男爵領地に行っても私はのんびりできそうもないですね。
アラスの町の冒険者ギルド、ギルマスのヴァネッサのふてぶてしい姿を思い出し、ため息をひとつもらした。
快晴ですっ!
宿の女将さんに挨拶して、冒険者ギルドにもここを離れる連絡をして、ブリュレの牽く馬車に乗り込みます。
カヌレにはリュシアンが騎乗しているわよ。
ゆっくりと走り出す馬車の中は、アルベールとルネとリオネル。
セヴランは馭者席にいる。
さあっ、ボーヌの町経由でゴダール男爵領地に帰るわよ!
ガラガラと馬車の車輪の音を心地よく聞きながら、私ひとり鼻息荒くしていたのだった。
だって、想像もしないわよ・・・。
ゴダール男爵領地があんなことになっているなんて・・・。
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