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石を見つけましょう
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あの赤い物が欲しい。
それを見た瞬間にそう思って、それ以外は考えられなくなった。
あいつの赤いのがキラキラしていて綺麗だった。
いっぱいあるのに、ひとつだけ赤いのも目を引いた。
きっと、ルネに似合う。
攻撃したら、さっきの蟻みたいに体が固かった。
ちょっと楽しめるかも・・・と、手加減して攻撃を続けると、くっついていたセヴランが「助けて」と頼んできた。
むうっ、折角遊んでいるのに、邪魔しないで!
面倒だから、左手を大きく薙ぎ払うようにする。
そこには「邪魔!」という気持ちをいっぱい含んで。
ザアーッと気持ちいいぐらいの勢いで、小さな蜘蛛が次々と吹き飛んでいく。
これで、いいでしょ?もう、邪魔しないで。
ガチン!ゴキン!と爪の攻撃が、蜘蛛の黒い体に阻まれる。
でも、かまわないよ?
欲しいのは、お前の赤い眼だから・・・。
そろそろセヴランが本気で怒りそうだから、遊びはおしまい。
じゃあねー。
ザシュッ!
物心が付いたときには、孤児院に居て、怖い院長様に折檻されていた。
「役立たず!」「無駄飯喰らい!」と言われ、殴られたし蹴られた。
お掃除が下手だったし、井戸から水を汲むのも遅かったし、畑仕事も苦手だった。
それはまだ体が小さかったからだけど、それでも何もできない自分の存在が悲しかった。
気が付いてたけれど・・・院長様は人族で、同じ孤児なのに人族の子は仕事をしないでも許されていて、働かされて怒られるのは亜人の子供ばかり。
その中でも獣人の子供はよく折檻されていた。
ルネは大きくなると、小さな獣人の子供を守るようになった。
そうすれば、獣人の子供はルネに懐いてくれたから。
奴隷商に売られた馬車の中では、ルネより小さい子供はいなかった。
大人はいっぱいいたのに・・・。
しばらくするとリオネルが馬車に乗せられた。
だから、ルネより小さなリオネルを守った。
そうしないと、自分が居ていいのか分からないから・・・。
役にも立たないで弱いルネは、いらない子になってしまうから。
アルベールにぎゅっと抱きしめられて、背中をトントンと優しく叩かれて、その腕の中で子供みたいに大きな声で泣きながら、ルネは思う。
ルネより強い大人がいるなら甘えてもいいのかも・・・。
ヴィー様が友達になってくれるなら、友達にしてもらおう。
これから大人になっていくのなら、ゆっくりと強くなっていこう。
アルベールが教えてくれた。
本当に強いのは、力だけじゃなくて、心が強い人のことだって。
ルネは心を強くしていこう。
泣きながら、そっとアルベールの背に腕を回して目を閉じた。
半ばヤケになって、どこまでも地の底まで落ちてしまえと思ったら、トンと足が地面に着いた。
「・・・やっと着いたの?」
どこまで落ちたのかと思う前に、辺り一面が眩しく光る。
「ぎゃっ!」
目がーっ、目がーっ・・・眩しい!
暗い所からいきなり閃光弾を浴びたようなダメージを与えるんじゃない!
少しずつ目を眩しさに馴らしてから、キョロキョロと周りを確認。
「なに、ここ?」
さっきまで洞窟エリアのほの暗いダンジョンに居たのに、ここは天井も地面も壁も全て水晶で囲まれている。
「キッラキラだわよ」
はて?私は迎えが来るまでここで待っていたらいいのだろうか?
でも落ちて来た穴はどこにあったのか分からない程に塞がれてしまっている。
うーん、と腕を組んで考えてみるが、無意識に足はチョコチョコと動いている。
実は、さっきから例の「おいでー、おいでー」という声が聞こえるんだよねぇ。
なんとなく、こっちかな?という方向に歩いて、幾つかめの曲がり角を曲がると、目の前に泉が広がる。
「わぁーっ、キレイ」
水晶の隙間から水がチョロチョロと注がれていて、水も綺麗で底にある水晶がハッキリと見える透明度だ。
幻想的な景色に、ここがダンジョンだと忘れてしまいそう。
「ふむ、ここで迎えを待つか」
そうと決まれば、無限収納から敷物とお茶とお菓子を取り出して、ブーツを脱いで座る。
小腹も減ってきたし、ここでひと休みといきましょう。
魔獣?
大丈夫、大丈夫!防御の魔道具もあるし、いざとなったら防御の魔法を展開するわよ。
「いただきまー・・・」
ヒラヒラと目の前に飛ぶ・・・虫?
「失礼ねー!虫じゃないわよ!」
手の平大の羽が生えた人間・・・つまり妖精みたいな物が呑気に飛んでいた。
「ようこそ!ハイエルフよ!」
ハイエルフって・・・もしかして、私のことかな?
それを見た瞬間にそう思って、それ以外は考えられなくなった。
あいつの赤いのがキラキラしていて綺麗だった。
いっぱいあるのに、ひとつだけ赤いのも目を引いた。
きっと、ルネに似合う。
攻撃したら、さっきの蟻みたいに体が固かった。
ちょっと楽しめるかも・・・と、手加減して攻撃を続けると、くっついていたセヴランが「助けて」と頼んできた。
むうっ、折角遊んでいるのに、邪魔しないで!
面倒だから、左手を大きく薙ぎ払うようにする。
そこには「邪魔!」という気持ちをいっぱい含んで。
ザアーッと気持ちいいぐらいの勢いで、小さな蜘蛛が次々と吹き飛んでいく。
これで、いいでしょ?もう、邪魔しないで。
ガチン!ゴキン!と爪の攻撃が、蜘蛛の黒い体に阻まれる。
でも、かまわないよ?
欲しいのは、お前の赤い眼だから・・・。
そろそろセヴランが本気で怒りそうだから、遊びはおしまい。
じゃあねー。
ザシュッ!
物心が付いたときには、孤児院に居て、怖い院長様に折檻されていた。
「役立たず!」「無駄飯喰らい!」と言われ、殴られたし蹴られた。
お掃除が下手だったし、井戸から水を汲むのも遅かったし、畑仕事も苦手だった。
それはまだ体が小さかったからだけど、それでも何もできない自分の存在が悲しかった。
気が付いてたけれど・・・院長様は人族で、同じ孤児なのに人族の子は仕事をしないでも許されていて、働かされて怒られるのは亜人の子供ばかり。
その中でも獣人の子供はよく折檻されていた。
ルネは大きくなると、小さな獣人の子供を守るようになった。
そうすれば、獣人の子供はルネに懐いてくれたから。
奴隷商に売られた馬車の中では、ルネより小さい子供はいなかった。
大人はいっぱいいたのに・・・。
しばらくするとリオネルが馬車に乗せられた。
だから、ルネより小さなリオネルを守った。
そうしないと、自分が居ていいのか分からないから・・・。
役にも立たないで弱いルネは、いらない子になってしまうから。
アルベールにぎゅっと抱きしめられて、背中をトントンと優しく叩かれて、その腕の中で子供みたいに大きな声で泣きながら、ルネは思う。
ルネより強い大人がいるなら甘えてもいいのかも・・・。
ヴィー様が友達になってくれるなら、友達にしてもらおう。
これから大人になっていくのなら、ゆっくりと強くなっていこう。
アルベールが教えてくれた。
本当に強いのは、力だけじゃなくて、心が強い人のことだって。
ルネは心を強くしていこう。
泣きながら、そっとアルベールの背に腕を回して目を閉じた。
半ばヤケになって、どこまでも地の底まで落ちてしまえと思ったら、トンと足が地面に着いた。
「・・・やっと着いたの?」
どこまで落ちたのかと思う前に、辺り一面が眩しく光る。
「ぎゃっ!」
目がーっ、目がーっ・・・眩しい!
暗い所からいきなり閃光弾を浴びたようなダメージを与えるんじゃない!
少しずつ目を眩しさに馴らしてから、キョロキョロと周りを確認。
「なに、ここ?」
さっきまで洞窟エリアのほの暗いダンジョンに居たのに、ここは天井も地面も壁も全て水晶で囲まれている。
「キッラキラだわよ」
はて?私は迎えが来るまでここで待っていたらいいのだろうか?
でも落ちて来た穴はどこにあったのか分からない程に塞がれてしまっている。
うーん、と腕を組んで考えてみるが、無意識に足はチョコチョコと動いている。
実は、さっきから例の「おいでー、おいでー」という声が聞こえるんだよねぇ。
なんとなく、こっちかな?という方向に歩いて、幾つかめの曲がり角を曲がると、目の前に泉が広がる。
「わぁーっ、キレイ」
水晶の隙間から水がチョロチョロと注がれていて、水も綺麗で底にある水晶がハッキリと見える透明度だ。
幻想的な景色に、ここがダンジョンだと忘れてしまいそう。
「ふむ、ここで迎えを待つか」
そうと決まれば、無限収納から敷物とお茶とお菓子を取り出して、ブーツを脱いで座る。
小腹も減ってきたし、ここでひと休みといきましょう。
魔獣?
大丈夫、大丈夫!防御の魔道具もあるし、いざとなったら防御の魔法を展開するわよ。
「いただきまー・・・」
ヒラヒラと目の前に飛ぶ・・・虫?
「失礼ねー!虫じゃないわよ!」
手の平大の羽が生えた人間・・・つまり妖精みたいな物が呑気に飛んでいた。
「ようこそ!ハイエルフよ!」
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