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石を見つけましょう
運がなかったみたいでした
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鉱山の町ディナール。
周りを標高の高い山々に囲まれた、山間の町。
鍛冶師や鉱夫に多い種族、ドワーフが人口のほとんどを占めるが、治める領主はドワーフ族ではない。
収益のほとんどを、鉱山から採掘されるいろいろな鉱石で出しており、鉱石・魔鉱石を加工した武器や魔道具の評価も高い。
その鉱石だが、ぐるりと町を囲む山々全てから採掘できる。
奥の一番高い切り立った山だけがダンジョンを抱える鉱山で、他の山の坑道は、そこそこの魔獣は出没するが普通の鉱山である。
ダンジョンは冒険者のランクを問わず挑戦することが可能だが、比較的魔獣が弱い低階層を巡るのが定番になっている。
3階層から下は、その道も環境も都度変わるため踏破した者が未だおらず、最終ボスの魔獣の正体や最終階層の数も不明だ。
他の坑道は初心者向きの4本の坑道以外は、冒険者ランクによって入れる坑道が制限されている。
採れる鉱石のランクで分けているというよりは、出没する魔獣のランクで区分けされいるそうだ。
坑道に出没する一般的な魔獣の講習もあった。
そう、講習。
私たちは冒険者ギルドに来て、鉱山の入山許可証を求めた結果、採掘初心者として1刻(約2時間)の鉱山講習をギルド職員から受けているところだった。
魔獣の講習は、種族や弱点、攻撃パターンなど。
冒険者の私たちにはとってもためになる知識だと思うけど・・・私の横で居眠りしている大きな体のダメ狼と突っ伏して熟睡している問題児虎と指で瞼が落ちないように必死で押さえている可愛い猫娘がいる。
さっきから、ベテランギルド職員さんの目が怖い。
決して、彼女が肉食獣の豹だから・・・ではない。
ビターンビターンと尻尾が床を叩きまくっているが・・・。
うー、ブルブル。
アルベール?
あいつは、前に来たときに講習もその後の実習も受けているから免除なんだって。
ひとりで高ランク冒険者が潜れる鉱山へと、旅立って行ったわ・・・。
奴、云く。
「高値で売れる鉱石を採ってきますね!ここの宿泊代も馬鹿になりませんから」
確かに、アラスの町ではしょぼい依頼しか受けてなかったし、ゴブリン退治の報酬は魔獣馬だったし、ゴダール男爵家からは金銭は受け取れないし・・・、リュイエの町のギルド職員やギルマスのヤンさんを解放した報酬ぐらいしか、マトモに稼いでない。
お金は欲しいから、アルベールには是非たんまりと鉱石を掘ってきてほしいが、このメンバーで残されると私の心労が・・・。
セヴランは真面目に講習を受けているけど、少し私たちとは距離を取って他人のような顔してるのが腹が立つ。
あーっ、早く終わらないかな?
講習が終わって、ギルドに併設された食堂で小腹を満たしています。
もぐもぐ。
この後は1刻半の実習として、初心者向けの坑道のひとつに入り、採掘します!
道具も貸してもらったし、ギルドに行ったその日に坑道に入るとは思わなかったから作業着に着替えてはこなかったけど、エプロンを貸してもらいました。
講師をしていた豹獣人のお姉さんと代わって、巨人族のおじさんが先生です。
ちなみにこのディナールの町のギルドマスターは、小人族でした。
・・・威厳って、ギルトマスターの威厳って・・・可愛かったけどサイズ感が。
「まず、この坑道は奥に行かない限り魔獣は出てこない。出てきても俺が倒すから、採掘することに集中してくれ」
初めて入った坑道は、想像していたよりも中が広かった。
天井?も高いし・・・、圧迫感が感じられなくてちょっとホッとした。
でも、暗所恐怖症の人や狭所恐怖症の人にはここでも耐えられないらしい。
実習では、採掘の基本技術とは別に、そういう恐怖症の人を坑道に入らせない意味もあるみたい。
無理して入って動けなくなって魔獣と遭遇!という事例が、何年かに1度はあるんだって。
「じゅあ、まずリオネルとセヴランから、やってみなよ」
「はい」
「・・・」
おいおい、邪魔そうに道具を見たあと、それを放り投げて自前の爪で掘ろうとすんな!
嫌な顔しないで、道具を使って掘ってください。
「お嬢。俺たちはあっちで掘ろう」
「うん。ルネもおいで」
岩壁にキラキラ光って見えるのは何だろうなー!
高い鉱石だと嬉しいなー、えへえへ。
そして掘ること1刻ぐらい。
私は・・・あまりの事に打ちひしがれていた・・・。
ルネが掘れば、百発百中で何かの鉱石が出てくる。
本人はまっっったく、興味が無いのに!
セヴランは、7割ぐらいの的中率なんだけど、スキルの「目利き」を使って掘ったそう。
手堅いね、狐獣人なのに・・・て偏見かな?
ルネは、5割よりちょいいい確率で掘り当てている。
いい石が出たときに、嬉しそうに私に見せにくるのが、かわゆす。
んで、リュシアンは3割を切る程度の確率で、しかも掘り当てる石は雑魚。
あまり金にならない、銅とか鉄。
リュシアンも掘ってギルド職員の巨人族のおじさんに苦笑されるループに、心が折れてそう。
そして、私。
私・・・リオネルと反対で、掘っても掘っても鉱石が出てこない!
ただの石や岩!
キラキラしているのにぃぃぃ!
運が無いの?私は運が無いの?・・・あ、無いかも・・・。
だってねぇ、前世は社畜のアラサー女子で晩ご飯を買いに寄ったコンビニで事故に遭って死んじゃったし・・・。
生まれ変わって王女という地位の高い女性になったのに、ネグレクトで命を狙われ逃亡生活で、今や冒険者というヤクザな商売。
無いわー、幸運なんか、これっぽちも、ミジンコ並みにもないわー!
ガックシ・・・。
周りを標高の高い山々に囲まれた、山間の町。
鍛冶師や鉱夫に多い種族、ドワーフが人口のほとんどを占めるが、治める領主はドワーフ族ではない。
収益のほとんどを、鉱山から採掘されるいろいろな鉱石で出しており、鉱石・魔鉱石を加工した武器や魔道具の評価も高い。
その鉱石だが、ぐるりと町を囲む山々全てから採掘できる。
奥の一番高い切り立った山だけがダンジョンを抱える鉱山で、他の山の坑道は、そこそこの魔獣は出没するが普通の鉱山である。
ダンジョンは冒険者のランクを問わず挑戦することが可能だが、比較的魔獣が弱い低階層を巡るのが定番になっている。
3階層から下は、その道も環境も都度変わるため踏破した者が未だおらず、最終ボスの魔獣の正体や最終階層の数も不明だ。
他の坑道は初心者向きの4本の坑道以外は、冒険者ランクによって入れる坑道が制限されている。
採れる鉱石のランクで分けているというよりは、出没する魔獣のランクで区分けされいるそうだ。
坑道に出没する一般的な魔獣の講習もあった。
そう、講習。
私たちは冒険者ギルドに来て、鉱山の入山許可証を求めた結果、採掘初心者として1刻(約2時間)の鉱山講習をギルド職員から受けているところだった。
魔獣の講習は、種族や弱点、攻撃パターンなど。
冒険者の私たちにはとってもためになる知識だと思うけど・・・私の横で居眠りしている大きな体のダメ狼と突っ伏して熟睡している問題児虎と指で瞼が落ちないように必死で押さえている可愛い猫娘がいる。
さっきから、ベテランギルド職員さんの目が怖い。
決して、彼女が肉食獣の豹だから・・・ではない。
ビターンビターンと尻尾が床を叩きまくっているが・・・。
うー、ブルブル。
アルベール?
あいつは、前に来たときに講習もその後の実習も受けているから免除なんだって。
ひとりで高ランク冒険者が潜れる鉱山へと、旅立って行ったわ・・・。
奴、云く。
「高値で売れる鉱石を採ってきますね!ここの宿泊代も馬鹿になりませんから」
確かに、アラスの町ではしょぼい依頼しか受けてなかったし、ゴブリン退治の報酬は魔獣馬だったし、ゴダール男爵家からは金銭は受け取れないし・・・、リュイエの町のギルド職員やギルマスのヤンさんを解放した報酬ぐらいしか、マトモに稼いでない。
お金は欲しいから、アルベールには是非たんまりと鉱石を掘ってきてほしいが、このメンバーで残されると私の心労が・・・。
セヴランは真面目に講習を受けているけど、少し私たちとは距離を取って他人のような顔してるのが腹が立つ。
あーっ、早く終わらないかな?
講習が終わって、ギルドに併設された食堂で小腹を満たしています。
もぐもぐ。
この後は1刻半の実習として、初心者向けの坑道のひとつに入り、採掘します!
道具も貸してもらったし、ギルドに行ったその日に坑道に入るとは思わなかったから作業着に着替えてはこなかったけど、エプロンを貸してもらいました。
講師をしていた豹獣人のお姉さんと代わって、巨人族のおじさんが先生です。
ちなみにこのディナールの町のギルドマスターは、小人族でした。
・・・威厳って、ギルトマスターの威厳って・・・可愛かったけどサイズ感が。
「まず、この坑道は奥に行かない限り魔獣は出てこない。出てきても俺が倒すから、採掘することに集中してくれ」
初めて入った坑道は、想像していたよりも中が広かった。
天井?も高いし・・・、圧迫感が感じられなくてちょっとホッとした。
でも、暗所恐怖症の人や狭所恐怖症の人にはここでも耐えられないらしい。
実習では、採掘の基本技術とは別に、そういう恐怖症の人を坑道に入らせない意味もあるみたい。
無理して入って動けなくなって魔獣と遭遇!という事例が、何年かに1度はあるんだって。
「じゅあ、まずリオネルとセヴランから、やってみなよ」
「はい」
「・・・」
おいおい、邪魔そうに道具を見たあと、それを放り投げて自前の爪で掘ろうとすんな!
嫌な顔しないで、道具を使って掘ってください。
「お嬢。俺たちはあっちで掘ろう」
「うん。ルネもおいで」
岩壁にキラキラ光って見えるのは何だろうなー!
高い鉱石だと嬉しいなー、えへえへ。
そして掘ること1刻ぐらい。
私は・・・あまりの事に打ちひしがれていた・・・。
ルネが掘れば、百発百中で何かの鉱石が出てくる。
本人はまっっったく、興味が無いのに!
セヴランは、7割ぐらいの的中率なんだけど、スキルの「目利き」を使って掘ったそう。
手堅いね、狐獣人なのに・・・て偏見かな?
ルネは、5割よりちょいいい確率で掘り当てている。
いい石が出たときに、嬉しそうに私に見せにくるのが、かわゆす。
んで、リュシアンは3割を切る程度の確率で、しかも掘り当てる石は雑魚。
あまり金にならない、銅とか鉄。
リュシアンも掘ってギルド職員の巨人族のおじさんに苦笑されるループに、心が折れてそう。
そして、私。
私・・・リオネルと反対で、掘っても掘っても鉱石が出てこない!
ただの石や岩!
キラキラしているのにぃぃぃ!
運が無いの?私は運が無いの?・・・あ、無いかも・・・。
だってねぇ、前世は社畜のアラサー女子で晩ご飯を買いに寄ったコンビニで事故に遭って死んじゃったし・・・。
生まれ変わって王女という地位の高い女性になったのに、ネグレクトで命を狙われ逃亡生活で、今や冒険者というヤクザな商売。
無いわー、幸運なんか、これっぽちも、ミジンコ並みにもないわー!
ガックシ・・・。
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