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ナタンが連れてきた男たちは約300人ほど。
全てが寄せ集めで、冒険者崩れや捕まれば犯罪奴隷落ち確定の男たちばかりで、統制など取れているわけではない烏合の集だ。
つまり、その男たちが数多くゴダール男爵邸を離れる夜に奇襲をかけ壊滅状態にする。
烏合の衆に対するこちらの人数なんて、私たちだけで充分。
アルベールとリュシアンで、ほとんどを制圧できると確信している。
それはふたりが強いからではない。
さっきも述べた通り、こいつらは主に金に釣られてやってきたゴロツキどもで、ナタンに対しての忠誠心はこれっぽちもない。
だから、まずリーダー格の男たちを倒し、ナタンの企みが失敗したと周りの男たちに吹き込む。
しかも、騎士団とか冒険者ギルドからの使者が近いうちに男爵領地を訪れるとか言えば、奴らは我が身可愛さに逃げると思う。
つまり、私たちは300人の男を相手にするのではなく、そのうちの数名のリーダー格の男たちを倒せばいいのだ。
しかも、奴らの気持ちを挫け折るほどの圧倒的な強さで。
領地の外にいる男たちを制圧したら、町の有志にて町門を守ってもらって、そのときに外に締め出された町の人も保護してもらわないとね。
私たちは腕に自信のある町の有志と二手に分かれて、ギルドマスターたちの解放と男爵邸のナタンたちの排除に向かうの。
こちらは、時を置かずにふたつ一遍に事を起こさないと、どちらか一方に戦力を集結されたり、ブリジット様たちを人質に取られて籠城されてたら、計画が頓挫してしまうわ。
籠城作戦って地味に解決に時間がかかるから手間なのよね。
こちらも疲弊するし、犠牲が出たらやってらんないわ。
だから、果敢に攻めて短時間で決着させるのよ!
とにかく、外の奴らが町に入り暴れても困るし、私たちが奴らに挟み撃ちされてもヤバい。
作戦の決行も早いうちがいいわね。
あんまり作戦や準備に時間をかければ、奴らの耳に入って警戒されるとも限らないし。
今なら、ナタンたちは自分たちに歯向かう奴がいるとは思ってないから丁度いいわ。
どうよ、この作戦!
むっふーんとなだらかな胸を張って、仲間を睥睨すると・・・。
「なんで、そんな目で見るのよ」
なんか・・・なんか、かわいそうな子を見る、生温かい目で見られてるんですけど?
「いや・・・その作戦はなかなかいいと思うのですが、ギルドマスターたちの解放ってどうするんです?解放の魔道具か、貴方のバカみたいな魔法だけが頼りなんですよ?」
バカみたいな魔法ってなんだ!
でもそうか・・・。
さすがの私も見ただけで部屋を施錠している魔道具を解放する魔法が使えるかどうか・・・もしくは同様の魔道具を作成するか・・・。
「うーん・・・、うーん・・・。どうかな?」
えへへへ。
ちょっと、自信がないや。
「屋敷の間取り図は手に入ったが、ブリジット様たちにこちらが味方だと知らせておかないと、奇襲かけたこちら側も警戒されると思うぞ。こちらにブリジット様たちの顔見知りでも連れて行かないと、特に」
「そうね。エリク君を連れて行くわけにはいかないものね・・・」
彼、まだ子供だし。
いや、私もリオネルも子供なんだけども・・・、彼は本当の本物の子供だし。
「あー、ギルドマスターたちもそうですね。あの隠し部屋には連絡手段がありませんから」
そういえば、部屋を施錠している魔道具で外とは遮断されいるんだっけ?
うーん?なかなかいい作戦だと思ったんだけどな・・・。
こりゃ、時間をかけて作戦を立てて攻略しないとマズイかな?
横を見ると、リオネルが体を左右に動かし、ムズムズしている。
あ、こいつ、話しを聞いているだけで暴れたくなっちゃったな?
うーん、放っておくとリオネルが暴走しそうだし、エミール君を早くブリジット様に返してあげたいし。
ツンツン。
なんだよ、邪魔しないでよ。
ツンツン。
うるさいって。
ツンツン。
「なによ!・・・て、あれ?あれれ?」
そこには、私のスカートの裾をちんまり掴むゴーレムの姿が。
なんか、9体整列していて、気のせいかやる気に満ちた視線を感じる。
「えーと、君たちは何をするつもりなのかな?」
まさか、このゴーレムがあんなに活躍するとは思いませんでした。
自分が生み出したゴーレムなのにね?
本当に、こいつらの正体はなんなんだ?
ゴーレムの驚く能力を確認し、その能力の問題点を改良するためセヴランにフォローを頼み、私とアルベールとリュシアンは再びローズさんが営む宿屋に足を運んだ。
リュイエの町にナタンの手の者がちらほらうろついているのを見かけたので、なるべく目立たない道を認識阻害の魔法をかけて進みました。
「朝は、あいつらいなかったのに」
「奴等は朝から昼は町の外からゴダール男爵邸に集まるので、今ぐらいの時間はのんびりできるんじゃないですかね」
「ローズさんの店にいたらどうしよう?」
「・・・あのおばちゃんがナタン側の人間を相手するとは思えないけどな」
リュシアンの予想通り、私たちの見ている前で、ローズさんはフライパンを片手に男たちを宿屋から叩き出していました。
ははは。
そして、私たちはこっそり宿屋の中に入り、認識阻害の魔法を解除する。
「わああっ!驚いた。あんたたち、一体いつのまに来ていたんだい?それに、そこの人は・・・エルフかい?」
「ローズさん、また来ちゃった。朝お話した仲間のひとり、アルベールよ。よろしくね」
「アルベールです。エルフですが、ドワーフとも交流が持てるエルフですので、ご安心ください」
・・・その自己紹介が既に鼻につくんですけど・・・。
ガストンさんは大丈夫かな?アルベールと超絶気が合わないような・・・不安だわ。
「私たちは、ゴダール男爵夫人救出とギルドマスターたちの解放を企んでいます。どうか、助力してくださる町の代表者を集めてください。今から作戦を教えます」
ニッコリ笑うアルベールの背中から、さながら魔王ようなの覇気が見えたのは私だけではないはず。
ローズさんは声を出すこともできずに、慌てて宿屋を飛び出していった。
全てが寄せ集めで、冒険者崩れや捕まれば犯罪奴隷落ち確定の男たちばかりで、統制など取れているわけではない烏合の集だ。
つまり、その男たちが数多くゴダール男爵邸を離れる夜に奇襲をかけ壊滅状態にする。
烏合の衆に対するこちらの人数なんて、私たちだけで充分。
アルベールとリュシアンで、ほとんどを制圧できると確信している。
それはふたりが強いからではない。
さっきも述べた通り、こいつらは主に金に釣られてやってきたゴロツキどもで、ナタンに対しての忠誠心はこれっぽちもない。
だから、まずリーダー格の男たちを倒し、ナタンの企みが失敗したと周りの男たちに吹き込む。
しかも、騎士団とか冒険者ギルドからの使者が近いうちに男爵領地を訪れるとか言えば、奴らは我が身可愛さに逃げると思う。
つまり、私たちは300人の男を相手にするのではなく、そのうちの数名のリーダー格の男たちを倒せばいいのだ。
しかも、奴らの気持ちを挫け折るほどの圧倒的な強さで。
領地の外にいる男たちを制圧したら、町の有志にて町門を守ってもらって、そのときに外に締め出された町の人も保護してもらわないとね。
私たちは腕に自信のある町の有志と二手に分かれて、ギルドマスターたちの解放と男爵邸のナタンたちの排除に向かうの。
こちらは、時を置かずにふたつ一遍に事を起こさないと、どちらか一方に戦力を集結されたり、ブリジット様たちを人質に取られて籠城されてたら、計画が頓挫してしまうわ。
籠城作戦って地味に解決に時間がかかるから手間なのよね。
こちらも疲弊するし、犠牲が出たらやってらんないわ。
だから、果敢に攻めて短時間で決着させるのよ!
とにかく、外の奴らが町に入り暴れても困るし、私たちが奴らに挟み撃ちされてもヤバい。
作戦の決行も早いうちがいいわね。
あんまり作戦や準備に時間をかければ、奴らの耳に入って警戒されるとも限らないし。
今なら、ナタンたちは自分たちに歯向かう奴がいるとは思ってないから丁度いいわ。
どうよ、この作戦!
むっふーんとなだらかな胸を張って、仲間を睥睨すると・・・。
「なんで、そんな目で見るのよ」
なんか・・・なんか、かわいそうな子を見る、生温かい目で見られてるんですけど?
「いや・・・その作戦はなかなかいいと思うのですが、ギルドマスターたちの解放ってどうするんです?解放の魔道具か、貴方のバカみたいな魔法だけが頼りなんですよ?」
バカみたいな魔法ってなんだ!
でもそうか・・・。
さすがの私も見ただけで部屋を施錠している魔道具を解放する魔法が使えるかどうか・・・もしくは同様の魔道具を作成するか・・・。
「うーん・・・、うーん・・・。どうかな?」
えへへへ。
ちょっと、自信がないや。
「屋敷の間取り図は手に入ったが、ブリジット様たちにこちらが味方だと知らせておかないと、奇襲かけたこちら側も警戒されると思うぞ。こちらにブリジット様たちの顔見知りでも連れて行かないと、特に」
「そうね。エリク君を連れて行くわけにはいかないものね・・・」
彼、まだ子供だし。
いや、私もリオネルも子供なんだけども・・・、彼は本当の本物の子供だし。
「あー、ギルドマスターたちもそうですね。あの隠し部屋には連絡手段がありませんから」
そういえば、部屋を施錠している魔道具で外とは遮断されいるんだっけ?
うーん?なかなかいい作戦だと思ったんだけどな・・・。
こりゃ、時間をかけて作戦を立てて攻略しないとマズイかな?
横を見ると、リオネルが体を左右に動かし、ムズムズしている。
あ、こいつ、話しを聞いているだけで暴れたくなっちゃったな?
うーん、放っておくとリオネルが暴走しそうだし、エミール君を早くブリジット様に返してあげたいし。
ツンツン。
なんだよ、邪魔しないでよ。
ツンツン。
うるさいって。
ツンツン。
「なによ!・・・て、あれ?あれれ?」
そこには、私のスカートの裾をちんまり掴むゴーレムの姿が。
なんか、9体整列していて、気のせいかやる気に満ちた視線を感じる。
「えーと、君たちは何をするつもりなのかな?」
まさか、このゴーレムがあんなに活躍するとは思いませんでした。
自分が生み出したゴーレムなのにね?
本当に、こいつらの正体はなんなんだ?
ゴーレムの驚く能力を確認し、その能力の問題点を改良するためセヴランにフォローを頼み、私とアルベールとリュシアンは再びローズさんが営む宿屋に足を運んだ。
リュイエの町にナタンの手の者がちらほらうろついているのを見かけたので、なるべく目立たない道を認識阻害の魔法をかけて進みました。
「朝は、あいつらいなかったのに」
「奴等は朝から昼は町の外からゴダール男爵邸に集まるので、今ぐらいの時間はのんびりできるんじゃないですかね」
「ローズさんの店にいたらどうしよう?」
「・・・あのおばちゃんがナタン側の人間を相手するとは思えないけどな」
リュシアンの予想通り、私たちの見ている前で、ローズさんはフライパンを片手に男たちを宿屋から叩き出していました。
ははは。
そして、私たちはこっそり宿屋の中に入り、認識阻害の魔法を解除する。
「わああっ!驚いた。あんたたち、一体いつのまに来ていたんだい?それに、そこの人は・・・エルフかい?」
「ローズさん、また来ちゃった。朝お話した仲間のひとり、アルベールよ。よろしくね」
「アルベールです。エルフですが、ドワーフとも交流が持てるエルフですので、ご安心ください」
・・・その自己紹介が既に鼻につくんですけど・・・。
ガストンさんは大丈夫かな?アルベールと超絶気が合わないような・・・不安だわ。
「私たちは、ゴダール男爵夫人救出とギルドマスターたちの解放を企んでいます。どうか、助力してくださる町の代表者を集めてください。今から作戦を教えます」
ニッコリ笑うアルベールの背中から、さながら魔王ようなの覇気が見えたのは私だけではないはず。
ローズさんは声を出すこともできずに、慌てて宿屋を飛び出していった。
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