51 / 85
初級ダンジョン 探索編
三人のおじさんどうする?
しおりを挟む
思ったより初級ダンジョンから出たハズレドロップアイテムである調味料や根っこもどきがみんなに好評だったので、いろいろ気になることはあるけれども晩ご飯の後にしようとなり、ぼくは大量のキングボアのお肉を焼きました。
あの、不気味なタレをからめて。
大量のキングボアのショウガ焼きを食べ尽くし、ふほほほほーっと、全員で満足げな吐息をもらして、グイッとコップのお水を一気飲み。
「おいしかったですね」
ニッコリ笑顔のぼくの感想に、みんなも笑顔でコクリと頷いてくれました。
レオもみょーんと触手を伸ばして、満足をアピールしています。
さて、食事も終わったし後片付けして、初めてのダンジョン攻略で疲れた体をベッドに沈めたい。
カチャカチャとお皿を集めだしたぼくの腕を、オスカーさんがやんわりと静止します。
「へ?」
「スラ……レオ。悪いな? 後片付けを頼んでもいいかな? 私たちはこの人のことでクルトと話したいんだ」
クイッとオスカーさんが顎で示したのは、ふよふよと浮かんでいる和のおじさん。
ああーっ、やっぱりスルーはできない案件でしたか……。
レオは「任して」とばかりに触手で胸? をバーンと叩いて、ポイポイッとお皿を自分の体に取り込んでいく。
レオ、そのまま自分の体の中で【洗浄】してしまうの?
いいなぁ、便利だなぁ。
「クルト。場所を移そう」
「ああ、はい」
ううーん、現実逃避もできませんか……言い訳、どうしようかな?
ぼくたちは二階に上がり、ギルドスペースへ移動して、ギルドマスター執務室の隣にあるサロンへと入りました。
「わぁ、ここ使うの初めてね。わぁい、このソファーふかふか」
ビアンカさんがソファーに飛び乗るように座ると、ディーターさんがキョロキョロと部屋を見回し、まだ何も収められていないチェストや飾り棚の引出しを開けてみている。
「……君たちにも見えているよね? この、小さな……何かを?」
「ええ」
「ああ」
ビアンカさんの隣の一人掛けソファーにディーターさんが座る。
ぼくは逃げられないようにオスカーさんの隣に座らされた。
お茶ぐらい用意してもいいのでは? と思ったけど、オスカーさんが離席を許してくれそうもありません。
「それで、クルト。一体、なんなんだ?」
コレは? と、和のおじさんを指差す。
「あー、そのぅ、…………ぼくの、スキルです」
ぼくも和のおじさんの存在を100%理解しているわけじゃないから、段々と声が小さくなってしまう。
「「「スキル?」」」
三人が首を傾げるけど、和のおじさんたち三人はぼくの謎スキル『異世界レシピ』の補助機能らしいんだもん。
「和のおじさん。こっちで自分のこと説明してよ」
「ン? 坊主、いいのかバラしても?」
ひょいと片眉を上げてみせるけど、オスカーさんたちにバレたのは和のおじさんのせいでしょ?
「ちぇっ。じゃあ、他の奴らも呼ぼうぜ」
「えっ?」
ぼくが止める間もなく、ポンッポンッと他の二人のおじさんたちも姿を現す。
「やぁ、中じゃ」
「はーい、洋です」
「そして、ワシが和だ」
三人のおじさんが腰に両手を当ててふんぞり返って、みんなにご挨拶をしました。
「ク、クルトーッ!」
オスカーさんの絶叫に、ぼくは「あははは」と乾いた笑いで答えるしかできません。
「つまり、このおじさんたちが協力することで、クルトの料理が失敗することがなく、知らない料理も今日のように美味しく作ることができるのね」
「そうじゃ」
中のおじさん……もう面倒だから、中のおじさんは「チュウ」、洋のおじさんは「ヨウ」、和のおじさんは「カズ」と呼ぶことにしました。
チュウはビアンカさんにぴんっと自分の髭を指で跳ね、鷹揚に頷いてみせた。
「今日のショーユ、黒い調味料でもっと美味しい料理ができるぞ」
「本当ですか?」
オスカーさんまで、カズの話に食いついていく。
「ダンジョン攻略が進めば、もっと美味しい料理ができますよ」
「……もしかして、スイーツもか?」
ディーターさんの似付かわしくない質問に、ヨウはうんうんと頷いて応えました。
「「「クルト」」」
「はい?」
「「「ダンジョンに行こう!」」」
いやー、今日、行ったばかりですよね?
それより、この不思議物体のことはいいんですか?
「いいんじゃない。このギルドハウスの中だけ実体化してくれれば。メンバーだけの内緒ってことで」
「そうだな。ミアには明日、話しておこう」
いいのかな? そんな簡単には認めちゃって。
カズはチュウとヨウに「お前だけズルい」と責められている。
どうやら、今回手に入れた調味料はカズのジャンルだったらしい。
「坊主。明日はから揚げ作ろうな!」
カズがいい笑顔でピースサインを向けてくるけど、後ろのオスカーさんたちまでキラキラした眼でぼくを見る。
……そうですか、そうですか、みなさん不思議なことより美味しい料理なんですね?
「はい。明日も頑張って作ります」
そのためにぼくはここにいるんですから!
あの、不気味なタレをからめて。
大量のキングボアのショウガ焼きを食べ尽くし、ふほほほほーっと、全員で満足げな吐息をもらして、グイッとコップのお水を一気飲み。
「おいしかったですね」
ニッコリ笑顔のぼくの感想に、みんなも笑顔でコクリと頷いてくれました。
レオもみょーんと触手を伸ばして、満足をアピールしています。
さて、食事も終わったし後片付けして、初めてのダンジョン攻略で疲れた体をベッドに沈めたい。
カチャカチャとお皿を集めだしたぼくの腕を、オスカーさんがやんわりと静止します。
「へ?」
「スラ……レオ。悪いな? 後片付けを頼んでもいいかな? 私たちはこの人のことでクルトと話したいんだ」
クイッとオスカーさんが顎で示したのは、ふよふよと浮かんでいる和のおじさん。
ああーっ、やっぱりスルーはできない案件でしたか……。
レオは「任して」とばかりに触手で胸? をバーンと叩いて、ポイポイッとお皿を自分の体に取り込んでいく。
レオ、そのまま自分の体の中で【洗浄】してしまうの?
いいなぁ、便利だなぁ。
「クルト。場所を移そう」
「ああ、はい」
ううーん、現実逃避もできませんか……言い訳、どうしようかな?
ぼくたちは二階に上がり、ギルドスペースへ移動して、ギルドマスター執務室の隣にあるサロンへと入りました。
「わぁ、ここ使うの初めてね。わぁい、このソファーふかふか」
ビアンカさんがソファーに飛び乗るように座ると、ディーターさんがキョロキョロと部屋を見回し、まだ何も収められていないチェストや飾り棚の引出しを開けてみている。
「……君たちにも見えているよね? この、小さな……何かを?」
「ええ」
「ああ」
ビアンカさんの隣の一人掛けソファーにディーターさんが座る。
ぼくは逃げられないようにオスカーさんの隣に座らされた。
お茶ぐらい用意してもいいのでは? と思ったけど、オスカーさんが離席を許してくれそうもありません。
「それで、クルト。一体、なんなんだ?」
コレは? と、和のおじさんを指差す。
「あー、そのぅ、…………ぼくの、スキルです」
ぼくも和のおじさんの存在を100%理解しているわけじゃないから、段々と声が小さくなってしまう。
「「「スキル?」」」
三人が首を傾げるけど、和のおじさんたち三人はぼくの謎スキル『異世界レシピ』の補助機能らしいんだもん。
「和のおじさん。こっちで自分のこと説明してよ」
「ン? 坊主、いいのかバラしても?」
ひょいと片眉を上げてみせるけど、オスカーさんたちにバレたのは和のおじさんのせいでしょ?
「ちぇっ。じゃあ、他の奴らも呼ぼうぜ」
「えっ?」
ぼくが止める間もなく、ポンッポンッと他の二人のおじさんたちも姿を現す。
「やぁ、中じゃ」
「はーい、洋です」
「そして、ワシが和だ」
三人のおじさんが腰に両手を当ててふんぞり返って、みんなにご挨拶をしました。
「ク、クルトーッ!」
オスカーさんの絶叫に、ぼくは「あははは」と乾いた笑いで答えるしかできません。
「つまり、このおじさんたちが協力することで、クルトの料理が失敗することがなく、知らない料理も今日のように美味しく作ることができるのね」
「そうじゃ」
中のおじさん……もう面倒だから、中のおじさんは「チュウ」、洋のおじさんは「ヨウ」、和のおじさんは「カズ」と呼ぶことにしました。
チュウはビアンカさんにぴんっと自分の髭を指で跳ね、鷹揚に頷いてみせた。
「今日のショーユ、黒い調味料でもっと美味しい料理ができるぞ」
「本当ですか?」
オスカーさんまで、カズの話に食いついていく。
「ダンジョン攻略が進めば、もっと美味しい料理ができますよ」
「……もしかして、スイーツもか?」
ディーターさんの似付かわしくない質問に、ヨウはうんうんと頷いて応えました。
「「「クルト」」」
「はい?」
「「「ダンジョンに行こう!」」」
いやー、今日、行ったばかりですよね?
それより、この不思議物体のことはいいんですか?
「いいんじゃない。このギルドハウスの中だけ実体化してくれれば。メンバーだけの内緒ってことで」
「そうだな。ミアには明日、話しておこう」
いいのかな? そんな簡単には認めちゃって。
カズはチュウとヨウに「お前だけズルい」と責められている。
どうやら、今回手に入れた調味料はカズのジャンルだったらしい。
「坊主。明日はから揚げ作ろうな!」
カズがいい笑顔でピースサインを向けてくるけど、後ろのオスカーさんたちまでキラキラした眼でぼくを見る。
……そうですか、そうですか、みなさん不思議なことより美味しい料理なんですね?
「はい。明日も頑張って作ります」
そのためにぼくはここにいるんですから!
32
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる