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弱虫くんは生徒会長
弱虫くんと幼馴染
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「会長。おはようございます」
「……おはよう」
「今日も変わらずかっこいい…!」
「わっ! こっち見たよ!」
生徒会長なんて……
なんで…どうして!?
僕に務まるわけないじゃん!
誰!? 推薦した人!
人前に出るのなんて無理!
陰で大人しく生きていたいのに。
「隼人。やっぱり僕に会長なんて無理だよ…」
「まーた言ってる。みんなは優那が適任だって思ったから選んでくれたんだよ? 自信持てって。俺がついてるから」
幼馴染の菊地 隼人は、昔から僕を助けてくれる。
副会長に立候補したのも、会長に推薦されてしまった僕のため。
面倒なことは大嫌いなはずなのに……
僕と隼人は寮で生活している。
ちなみに同じ部屋だ。
朝起きてから夜寝るまで、ほとんどの時間を彼と一緒に過ごしている。
僕にとって隼人は家族みたいな存在。
「やっと着いた…」
「今日も1日よく頑張りました」
そう言って隼人は僕の頭を優しく撫でた。
「子ども扱いしないでよ~」
「高校生なんてまだ子どもだろ?」
「隼人だって同じじゃん」
「……じゃあ、はい」
「え?」
隼人は僕の方に軽く頭を突き出して何かを待っていた。
「隼人…?」
「どうぞ。子ども扱いしてくださいな」
その言葉に、何をして欲しいのかわかった。
恐る恐る隼人の髪に触れる。
ふわりとしたやわらかな髪は甘い香りがする。
綿菓子みたい。
「…いつもありがとう、隼人」
「こちらこそ」
嬉しそうに目を細める隼人はまるで猫だ。
「……優那」
ハッと我にかえる。
「そろそろいいか?」
「ご、ごめん」
慌てて手を引っ込めた。
「そんなに良かった?」
「うん。ふわふわで気持ち良かった」
「それはどーも」
横を向いた隼人の耳は少し赤くなっていた。
大きなあくびを一つして、制服のネクタイを緩める。
「優那、眠いの?」
「うん…少し」
「夕飯まで寝てな」
目を閉じるとすぐに、夢の世界へと旅に出た。
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