オリオンくんのルームメイト

1話 出逢い

ガタンゴトンと揺れながら都会の街並みを物珍し気に見つめていた。


灰色に毛先が藍色の長髪が柔らかく電車に合わせて揺れていた。


窓を見つめる横顔には笑みが見えていた。






庭の桜の花弁が風に流れる様を見ていた月嬢は、ふと思い出したようにカレンダーの所へと行く。


ふわりとした淡い金髪を耳にかけ、その場から離れる。


「蘭丸、今日じゃねぇか。ルームシェアの奴来るの」




月嬢に声掛けられ、蘭丸は柔らかな笑みを見せた。


「そうじゃのう。ご馳走を用意せねばのう 」


紫色の髪を後ろに流し、蘭丸はキッチンへと向かう。




「そういや蜜は？」


月嬢は辺りを見回しながら蘭丸に問う。


「蜜の事だから散歩じゃろう」


蘭丸は月嬢に手伝う様促し答えた。








高いビルが並ぶ街並みを歩く男がいた。


彼に振り返る者や、声を掛けたそうにする者もいた。


彼、蜜は蘭丸の言う通り散歩をしていた。


薄い桃色の横髪は柔らかく跳ね、肩まで伸びた後ろ髪は風になびいていた。


青い瞳が彼のクールさを物語っていた。




不意に誰かとぶつかる。




「あっ、すみません。よそ見をしていたもので…」


照れ臭そうにぶつかったおでこを摩っていた。




蜜はぶつかった者の足元に紙切れが落ちているのに気付き拾う。




(…都会の方は、こんなに綺麗なのでしょうか)


緑色の瞳は蜜を見つめていた。






「おい」


「！！」




間近に彼の顔があり驚いて跳ねてしまう。




「聞いていなかったのか。


落としたぞ」


「あ…地図。良かったです、これが無いとルームシェアのお家まで行けないところでした。ありがとうございます」




蜜は地図を少し眺めてから




「…偶然だな」




そう呟いた。




「来い。


俺の家だ。…俺は蜜と言う」




「！


蜜…ですね。私はオリオンです。よろしくお願いします」




ふにゃりと笑うオリオン。


蜜はそれを見てから踵を返して歩みを進めた。




ガタンゴトンと揺れながら都会の街並みを物珍し気に見つめていた。


灰色に毛先が藍色の長髪が柔らかく電車に合わせて揺れていた。


窓を見つめる横顔には笑みが見えていた。






庭の桜の花弁が風に流れる様を見ていた月嬢は、ふと思い出したようにカレンダーの所へと行く。


ふわりとした淡い金髪を耳にかけ、その場から離れる。


「蘭丸、今日じゃねぇか。ルームシェアの奴来るの」




月嬢に声掛けられ、蘭丸は柔らかな笑みを見せた。


「そうじゃのう。ご馳走を用意せねばのう 」


紫色の髪を後ろに流し、蘭丸はキッチンへと向かう。




「そういや蜜は？」


月嬢は辺りを見回しながら蘭丸に問う。


「蜜の事だから散歩じゃろう」


蘭丸は月嬢に手伝う様促し答えた。








高いビルが並ぶ街並みを歩く男がいた。


彼に振り返る者や、声を掛けたそうにする者もいた。


彼、蜜は蘭丸の言う通り散歩をしていた。


薄い桃色の横髪は柔らかく跳ね、肩まで伸びた後ろ髪は風になびいていた。


青い瞳が彼のクールさを物語っていた。




不意に誰かとぶつかる。




「あっ、すみません。よそ見をしていたもので…」


照れ臭そうにぶつかったおでこを摩っていた。




蜜はぶつかった者の足元に紙切れが落ちているのに気付き拾う。




(…都会の方は、こんなに綺麗なのでしょうか)


緑色の瞳は蜜を見つめていた。






「おい」


「！！」




間近に彼の顔があり驚いて跳ねてしまう。




「聞いていなかったのか。


落としたぞ」


「あ…地図。良かったです、これが無いとルームシェアのお家まで行けないところでした。ありがとうございます」




蜜は地図を少し眺めてから




「…偶然だな」




そう呟いた。




「来い。


俺の家だ。…俺は蜜と言う」




「！


蜜…ですね。私はオリオンです。よろしくお願いします」




ふにゃりと笑うオリオン。


蜜はそれを見てから踵を返して歩みを進めた。