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26、我慢大会、最終決戦とその後。▷
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オルトが好きなんだと思ったら、まるで憑き物でも落ちたかのように、妙に頭が冷静になった。
香の効果が切れてきたのか?とも思ったが、絶賛もくもく稼働中。
自分から剥がされてぐずるオルトに、手早く胸元やズボンを緩め、コップに水を入れる。
先に飲んで確かめて、何も入ってなさそうだったので、安心して飲ませた。
そんなシスルにオルトは納得がいかなかった。
上手に飲めないオルトに最後の方は口移しで飲ませてくれた。
それも照れたりとか躊躇も一切なく、事務的にも見えて何だかオルトは変な気持ちになった。
その口移しに関しても、何度もしつこいぐらい『口移しで良いか』と確認とってきた。
それが『救護のお仕事』的に見えて、妙にイラついて。
その口移しも自分自身、全然不快じゃなかったのもなに気にムカついた。
自分がオルトだとわかると、団長の理性は落ち着いたようだ。
自分はまだこんなに香の効果が出ているのに、だ。
あーあ、すいませんね!ハヴィじゃなくて!!
何で僕こんな腹が立っているのだろうと思い直してみても、やっぱりなんかムカつくのだ。
何だよハヴィじゃ無いからってそんなガッカリしなくてもいいじゃん。
何だか気持ちがコントロール出来ずに、また泣けてきた。
さっきは本当に慰めてあげたかった。
あんな強い人が泣くなんて、絶対辛いはずだと思ったから。
だけどギュッてしたのも一瞬で、すぐ様シスルから剥がされ、さっさと寝かせられたのだった。
くそう、何だよクソが。こんな状況でも手を出してこないほど、自分に魅力がないのかと泣けてくる。
そんな団長はグズグズのオルトに気がつくこともなく、少しでもオルトを楽にしてやろうと部屋中を探索してみたものの。
換気しようにも窓もドアも何かで塞がれており、密閉された状態。
内側からはシスルが今出来る最大限の力で蹴り上げても、びくともしなかった。
部屋の隅っこに小さな換気口を見つけ、ないよりマシだと開放してみる。
とりあえず分かったのは、充満した香が燃え尽きるまでどうすることも出来ないようだった。
何なら酸素も薄くなってる気がする。
多分それは気のせいなんだろうけど。
オルトは自分の感情と戦っていた。
ハヴィじゃないと分かった途端、一切こっちを見ない団長。
自分はそんなに魅力がないのかと、ものすごく落ち込んできた。
とにかく泣けてきて、グスグスと鼻がなる。
止まらない涙に視界がぼやけていたが、気がつくと遠くにいた団長が自分の涙を高そうなシャツで拭ってくれていた。
「もう少しの辛抱だ、私と一緒で嫌だろうが、そんなに泣かないでくれ……」
は?いやとか言ってませんが?
もはや何に対しての怒りかもわからない。
自分が何に怒っていて、何に悲しんでいるのか。
しかもオルトは団長なんて好みじゃ無いと思っていたのに。
自分も苦しいだろうに、ずっと優しく解放してくれたり、涙を拭ってくれるこの男にときめいている自分がいるのだ。
でもこの男は自分を好きじゃ無い、と。
それがもう悲しくて悔しくて。
やっぱり何をやってもハヴィに勝てないんだと思うと、自分の存在価値さえ疑う始末。
どうしようもなく泣くオルトを、シスルが優しく頬を撫でた。
それなのに自分は、機嫌が悪い子供のようにジタバタと体を動かし、泣いた。
その度に団長は謝りながら涙を拭ってくれる。
思わずオルトが撫でられた手に頬擦りをした。
「辛いだろが、私が触るわけにはいかないから……」
泣きながらシスルの手にしがみつくオルトに、シスルはお手上げのポーズ。
時折触れるのは頬と涙だけ。
それにまた腹が立つ。
「触ってダメとか、言ってません、けど?」
絶え絶えの息で声を振り絞り睨みつけた。
この時思い返せばもうただ意地になっていたのかもしれない。
ハヴィじゃないとダメなのか。
似てない自分はあなたにとって微塵も興味がない存在なのかと。
お互いこんな状況でも手を出されないことがもう悔しくて悲しくて。
今まで生きてきてこんな自分は勿論知らないのだが。
今はハヴィではない自分を認めて欲しくて。
この目の前の男に、自分だけを見て欲しいと、そう思った。
キッと睨むと団長はポカンと間抜けな顔してこちらを見ている。
「え、触って、だ……え?」
もう体が苦しくてどうにか欲しいのと、ハヴィと比べられることにほとほと嫌気がさしたのと、もう何が何だかわからないけど。
ともかくハッキリしているのは、ハヴィの事を好きな不毛なシスルを自分が何とかしたくなる。
ハヴィなんか諦めて自分を好きになればいい。どうしたらこの男を自分の方に振り向かさられるのか。
後悔なんてあとでいくらでもすればいい。
二人して冷静じゃないのもわかってる。
でも今は、もうダメだ。何でもいいから触れ合いたい。
オルトはダメ元でシスルに手を伸ばす。
すると一回なんか困ったような、照れたような顔をして考え込んだが、今度はちゃんとその手に応えるかのように、おずおずとオルトを抱きしめた。
2度目の首元にゆっくりと腕を回すと垂れた目尻が緩む。
あ、この目……好き。
そしてだらしなく開いた自分の口に、整った形の唇が落ちてきた。
さっさと剥ぎ取られた服も、自分を触る優しい手も、何だか慣れているようでやっぱりムカついた。
ムカつきながら、オルトは胸の奥が満たされていった。
自分から出る甘い吐息。さっきまで恥ずかしくて死ぬかと思ったけど。
そんなのも気にならない程、オルトの心は満たされ、シスルの体温と一緒に甘く溶けていった。
香の効果が切れてきたのか?とも思ったが、絶賛もくもく稼働中。
自分から剥がされてぐずるオルトに、手早く胸元やズボンを緩め、コップに水を入れる。
先に飲んで確かめて、何も入ってなさそうだったので、安心して飲ませた。
そんなシスルにオルトは納得がいかなかった。
上手に飲めないオルトに最後の方は口移しで飲ませてくれた。
それも照れたりとか躊躇も一切なく、事務的にも見えて何だかオルトは変な気持ちになった。
その口移しに関しても、何度もしつこいぐらい『口移しで良いか』と確認とってきた。
それが『救護のお仕事』的に見えて、妙にイラついて。
その口移しも自分自身、全然不快じゃなかったのもなに気にムカついた。
自分がオルトだとわかると、団長の理性は落ち着いたようだ。
自分はまだこんなに香の効果が出ているのに、だ。
あーあ、すいませんね!ハヴィじゃなくて!!
何で僕こんな腹が立っているのだろうと思い直してみても、やっぱりなんかムカつくのだ。
何だよハヴィじゃ無いからってそんなガッカリしなくてもいいじゃん。
何だか気持ちがコントロール出来ずに、また泣けてきた。
さっきは本当に慰めてあげたかった。
あんな強い人が泣くなんて、絶対辛いはずだと思ったから。
だけどギュッてしたのも一瞬で、すぐ様シスルから剥がされ、さっさと寝かせられたのだった。
くそう、何だよクソが。こんな状況でも手を出してこないほど、自分に魅力がないのかと泣けてくる。
そんな団長はグズグズのオルトに気がつくこともなく、少しでもオルトを楽にしてやろうと部屋中を探索してみたものの。
換気しようにも窓もドアも何かで塞がれており、密閉された状態。
内側からはシスルが今出来る最大限の力で蹴り上げても、びくともしなかった。
部屋の隅っこに小さな換気口を見つけ、ないよりマシだと開放してみる。
とりあえず分かったのは、充満した香が燃え尽きるまでどうすることも出来ないようだった。
何なら酸素も薄くなってる気がする。
多分それは気のせいなんだろうけど。
オルトは自分の感情と戦っていた。
ハヴィじゃないと分かった途端、一切こっちを見ない団長。
自分はそんなに魅力がないのかと、ものすごく落ち込んできた。
とにかく泣けてきて、グスグスと鼻がなる。
止まらない涙に視界がぼやけていたが、気がつくと遠くにいた団長が自分の涙を高そうなシャツで拭ってくれていた。
「もう少しの辛抱だ、私と一緒で嫌だろうが、そんなに泣かないでくれ……」
は?いやとか言ってませんが?
もはや何に対しての怒りかもわからない。
自分が何に怒っていて、何に悲しんでいるのか。
しかもオルトは団長なんて好みじゃ無いと思っていたのに。
自分も苦しいだろうに、ずっと優しく解放してくれたり、涙を拭ってくれるこの男にときめいている自分がいるのだ。
でもこの男は自分を好きじゃ無い、と。
それがもう悲しくて悔しくて。
やっぱり何をやってもハヴィに勝てないんだと思うと、自分の存在価値さえ疑う始末。
どうしようもなく泣くオルトを、シスルが優しく頬を撫でた。
それなのに自分は、機嫌が悪い子供のようにジタバタと体を動かし、泣いた。
その度に団長は謝りながら涙を拭ってくれる。
思わずオルトが撫でられた手に頬擦りをした。
「辛いだろが、私が触るわけにはいかないから……」
泣きながらシスルの手にしがみつくオルトに、シスルはお手上げのポーズ。
時折触れるのは頬と涙だけ。
それにまた腹が立つ。
「触ってダメとか、言ってません、けど?」
絶え絶えの息で声を振り絞り睨みつけた。
この時思い返せばもうただ意地になっていたのかもしれない。
ハヴィじゃないとダメなのか。
似てない自分はあなたにとって微塵も興味がない存在なのかと。
お互いこんな状況でも手を出されないことがもう悔しくて悲しくて。
今まで生きてきてこんな自分は勿論知らないのだが。
今はハヴィではない自分を認めて欲しくて。
この目の前の男に、自分だけを見て欲しいと、そう思った。
キッと睨むと団長はポカンと間抜けな顔してこちらを見ている。
「え、触って、だ……え?」
もう体が苦しくてどうにか欲しいのと、ハヴィと比べられることにほとほと嫌気がさしたのと、もう何が何だかわからないけど。
ともかくハッキリしているのは、ハヴィの事を好きな不毛なシスルを自分が何とかしたくなる。
ハヴィなんか諦めて自分を好きになればいい。どうしたらこの男を自分の方に振り向かさられるのか。
後悔なんてあとでいくらでもすればいい。
二人して冷静じゃないのもわかってる。
でも今は、もうダメだ。何でもいいから触れ合いたい。
オルトはダメ元でシスルに手を伸ばす。
すると一回なんか困ったような、照れたような顔をして考え込んだが、今度はちゃんとその手に応えるかのように、おずおずとオルトを抱きしめた。
2度目の首元にゆっくりと腕を回すと垂れた目尻が緩む。
あ、この目……好き。
そしてだらしなく開いた自分の口に、整った形の唇が落ちてきた。
さっさと剥ぎ取られた服も、自分を触る優しい手も、何だか慣れているようでやっぱりムカついた。
ムカつきながら、オルトは胸の奥が満たされていった。
自分から出る甘い吐息。さっきまで恥ずかしくて死ぬかと思ったけど。
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