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第37章 夢の続き
197 1月の、とある日に
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魔技大の転入試験は無事合格した。
魔法杖の学会発表も、一応は無事に終わった。
発表した増幅機構の倍率等の関係で、発表内容や論文資料全般にわたり特定特区以外閲覧禁止措置になってしまったが、それもまあ予定の範囲内だ。
あとは優雅な冬休みと春休みを待つだけの期間……という訳にも行かないのが、高専の悲しい処だ。
しっかり授業は残っているし、下手に落第したら大学合格もろともさようなら……
だから授業は真面目に受けて、予習復習もしっかりやる必要がある。
まあそれでも、今までに比べれば楽勝モードではあるのだが。
学生会の会長副会長は、例年通り無投票推薦のみで決まった。ルイス君が会長をやらされるそうだ。
まあ彼が一番人望もあるしまともだし、ルックスも悪くないので正解だろう。
副会長がソフィーで、監査が詩織ちゃん。会計が理奈ちゃんで書記が愛希ちゃんだそうだ。
クリスマス会は豪勢にやったけれど、そろそろ人数が限界だ。
学生会現役組と卒業組に分けるとか、来年は考えようという話になった。
今年はまあ、おまけの世田谷含めて合計17人でやったけれど。
参考までに俺のプレゼントは『オークションで買ったジャンク扱い不動品のオメガ・シーマスター腕時計を新品同様に修理したもの』だ。
無論プログレスを簡略小型化した魔力増幅機構等、魔法杖としての機能もしっかり入れている。
この腕時計、沙知ちゃんの元に行ったのだけれど、怪しい事に使われないか大変に不安だ。
沙知ちゃんのレーダー系魔法はジェニーのと違い、誘導とか幻覚とか色々危険な機能がついているそうだから。
そして俺が受け取ったのは、詩織ちゃん作の試作品という収納ボックス。
「ちょっとだけ空間を捻じ曲げてあるので、容量は見かけ以上に入るのですよ」
見かけと形は、ベッド下に置ける単なる木製収納ボックス。しかし収納力は外見の1.7倍というとんでもない逸品である。
「これを発展させたら、四次元ポケットが本当に作れるんじゃないか」
「空間的制約で1.7倍、厳密には√3倍が限界なのですよ。パテントは取りましたけれど、私のユニーク魔法なので量産も辛いのですよ」
との事である。
なお今現在では増量して、同じ収納ボックスが俺のベッド下に3個設置されている。
中身は全部、詩織ちゃん関係の玩具や機械類や材料等だ。
俺へのプレゼントの筈だったのだが、何故こうなった。
冬休みも、実家往復と現役学生会による新年恒例釣り大会と例年通り。食べすぎてトド化する人間が出るのまでお約束という処。
なおルイス引退後の魚捌き役は、美雨ちゃんに内定しているそうだ。
「脊椎動物なら、内部構造はそう変わったものではないので問題ありません」
いいのだろうか、補助魔法科魔法医療専攻希望としてその発言。
魚以外を捌かないでくれよ、免許無しで。
バレンタインデーという名の、ザッハトルテと当たり付きチョコを食べる日。
今年は沙知ちゃんが犠牲になったらしいのだが、劇的な反応は何も無かった。
沙知ちゃん本人が言う処では、
「口中の感覚に対して遮断魔法をかければいただけますよ。全部遮断すると食べにくいので9割程度遮断で。少しばかり味が落ちてしまいますけれど。あとはカプサイシンを魔法で分解していくだけです」
との事である。
当たった事のある俺としては何か悔しい。
◇◇◇
さて、実は俺と香緒里ちゃんで考えている事がある。
今の学生会との関係とか、今の部屋の扱いとか広さとか、まあ色々な事の整理だ。
香緒里ちゃんやジェニーが、学生会幹部として現役でいる間はいい。
でもこの2人が学生会を卒業した後。例えばルイスやその下の世代は、マンションに勝手にやって来たりとか露天風呂を今のように自由に使ったりする事が、気分的に出来るだろうか。
それに人数がこれ以上増えると、キャパとしてももう限界だ。
学生会の世代で分けるとしても、そう素直に出来るだろうか。
このあたりの問題を解決しておきたい。
実はかなり前、工房移転の頃から2人で時々こっそり話し合っていた。
2人だけで探している理由は簡単。解決手段にはそれなりに多額の費用がかかる。
その費用がかかる事を誰にも気兼ねなく決められるのは、俺と香緒里ちゃんの2人だから。
一応ある程度の目処はあった。特区公社による、新規個人分譲型マンションの建築計画である。
俺が学生会長だった頃に着工した新規のマンションが間もなく完成し、募集を開始する。
今度の開発はここ初音台にあるマンション3棟と同規模だから、建物も室数もかなり多い。
民間の開発なら、とっくに全容なり部屋一覧なり出ているのだろう。
しかし公社の企画なので、代表的な部屋の間取り等最小限の情報しか入っていない。
完成後になって正規の募集が始まらないと情報が出てこないのだろう。
ただ完成すれば、既存のマンションも含め、かなりの物件が動く可能性が高い。
その時に、出来るだけこの露天風呂のある部屋に近い場所を確保するつもりだった。
なので常に島内の不動産状況を見ながらチャンスを窺っていた、1月末の木曜夜。
「ひょっとしたら引っ越すかもしれないのです」
詩織ちゃんが夕食中に、ぼそっとそんな事を言った。
「引っ越すって、この島から」
「新しく出来るマンションを狙っているらしいのです。お姉ちゃんも独立するし、今の部屋だと広すぎて大変だとお母さんが言っているのです」
「確かにこの部屋と同じ広されは大変れす」
「でも詩織ちゃんは距離はあまり関係ないわよね」
由香里姉の台詞に、詩織ちゃんは首を横に振る。
「新しいマンションを買うと狭くなるのです。私のと親父の機械類を置く場所が無くなるのです。でも家のことは、お母さんには逆らえないのです」
俺と香緒里ちゃんの視線があった。
これはきっとチャンスだよね。そう詩織ちゃんの目線が言っている。
早速次の日の放課後、香緒里ちゃんと一緒に田奈先生の研究室を目指す。
今日在室している事は確認済みだ。
「どうした2人雁首並べて。研究室配属関係の情報ならまだ出せる状態じゃないぞ」
そう言いつつも、何か話があるという事はわかったのだろう。
学生のいる研究室ではなく、応接室の方へと通してくれた。
「で、話は何だ」
「引っ越されるって本当ですか」
まずはそれを確認しないとならない。
田奈先生は頷いた。
「ああ。うちのがその気で困っている。今の部屋は広すぎるし部屋数も多くて掃除や維持が大変なんだと。4月には娘も独立して出て行く予定だしな」
「実はもしあのマンションの部屋を出ていかれるなら、是非とも買いたい。そうお願いするつもりで今日は来たんです」
「本気か?」
田奈先生はそう言ってから訂正する。
「本気でなければわざわざ来ないだろうな。ならちょっと待て」
田奈先生はそう言って研究室の方へ歩いて行く。
そして約1分後、印刷された数枚の紙片を持って戻ってきた。
紙片の内容は新マンション関係の資料だ。
「部外秘のコピーだから2人で確認した後はシュレッダーしろ。これに書いてある通り、新しい公営分譲マンション『聟島ノーステラス』は2月1日に募集概要公表、3日から募集開始、12日に第1回募集終了で即日抽選が行われる。第1回で購入できれば3月1日から入居開始できる予定だ。引っ越しはまあ、詩織にボーナスを出せば1日もかからないだろう。3月19日の終業式から新入生の資料が来る4月1日までの間に、細かい作業も含めて終わらせる予定だ」
魔法杖の学会発表も、一応は無事に終わった。
発表した増幅機構の倍率等の関係で、発表内容や論文資料全般にわたり特定特区以外閲覧禁止措置になってしまったが、それもまあ予定の範囲内だ。
あとは優雅な冬休みと春休みを待つだけの期間……という訳にも行かないのが、高専の悲しい処だ。
しっかり授業は残っているし、下手に落第したら大学合格もろともさようなら……
だから授業は真面目に受けて、予習復習もしっかりやる必要がある。
まあそれでも、今までに比べれば楽勝モードではあるのだが。
学生会の会長副会長は、例年通り無投票推薦のみで決まった。ルイス君が会長をやらされるそうだ。
まあ彼が一番人望もあるしまともだし、ルックスも悪くないので正解だろう。
副会長がソフィーで、監査が詩織ちゃん。会計が理奈ちゃんで書記が愛希ちゃんだそうだ。
クリスマス会は豪勢にやったけれど、そろそろ人数が限界だ。
学生会現役組と卒業組に分けるとか、来年は考えようという話になった。
今年はまあ、おまけの世田谷含めて合計17人でやったけれど。
参考までに俺のプレゼントは『オークションで買ったジャンク扱い不動品のオメガ・シーマスター腕時計を新品同様に修理したもの』だ。
無論プログレスを簡略小型化した魔力増幅機構等、魔法杖としての機能もしっかり入れている。
この腕時計、沙知ちゃんの元に行ったのだけれど、怪しい事に使われないか大変に不安だ。
沙知ちゃんのレーダー系魔法はジェニーのと違い、誘導とか幻覚とか色々危険な機能がついているそうだから。
そして俺が受け取ったのは、詩織ちゃん作の試作品という収納ボックス。
「ちょっとだけ空間を捻じ曲げてあるので、容量は見かけ以上に入るのですよ」
見かけと形は、ベッド下に置ける単なる木製収納ボックス。しかし収納力は外見の1.7倍というとんでもない逸品である。
「これを発展させたら、四次元ポケットが本当に作れるんじゃないか」
「空間的制約で1.7倍、厳密には√3倍が限界なのですよ。パテントは取りましたけれど、私のユニーク魔法なので量産も辛いのですよ」
との事である。
なお今現在では増量して、同じ収納ボックスが俺のベッド下に3個設置されている。
中身は全部、詩織ちゃん関係の玩具や機械類や材料等だ。
俺へのプレゼントの筈だったのだが、何故こうなった。
冬休みも、実家往復と現役学生会による新年恒例釣り大会と例年通り。食べすぎてトド化する人間が出るのまでお約束という処。
なおルイス引退後の魚捌き役は、美雨ちゃんに内定しているそうだ。
「脊椎動物なら、内部構造はそう変わったものではないので問題ありません」
いいのだろうか、補助魔法科魔法医療専攻希望としてその発言。
魚以外を捌かないでくれよ、免許無しで。
バレンタインデーという名の、ザッハトルテと当たり付きチョコを食べる日。
今年は沙知ちゃんが犠牲になったらしいのだが、劇的な反応は何も無かった。
沙知ちゃん本人が言う処では、
「口中の感覚に対して遮断魔法をかければいただけますよ。全部遮断すると食べにくいので9割程度遮断で。少しばかり味が落ちてしまいますけれど。あとはカプサイシンを魔法で分解していくだけです」
との事である。
当たった事のある俺としては何か悔しい。
◇◇◇
さて、実は俺と香緒里ちゃんで考えている事がある。
今の学生会との関係とか、今の部屋の扱いとか広さとか、まあ色々な事の整理だ。
香緒里ちゃんやジェニーが、学生会幹部として現役でいる間はいい。
でもこの2人が学生会を卒業した後。例えばルイスやその下の世代は、マンションに勝手にやって来たりとか露天風呂を今のように自由に使ったりする事が、気分的に出来るだろうか。
それに人数がこれ以上増えると、キャパとしてももう限界だ。
学生会の世代で分けるとしても、そう素直に出来るだろうか。
このあたりの問題を解決しておきたい。
実はかなり前、工房移転の頃から2人で時々こっそり話し合っていた。
2人だけで探している理由は簡単。解決手段にはそれなりに多額の費用がかかる。
その費用がかかる事を誰にも気兼ねなく決められるのは、俺と香緒里ちゃんの2人だから。
一応ある程度の目処はあった。特区公社による、新規個人分譲型マンションの建築計画である。
俺が学生会長だった頃に着工した新規のマンションが間もなく完成し、募集を開始する。
今度の開発はここ初音台にあるマンション3棟と同規模だから、建物も室数もかなり多い。
民間の開発なら、とっくに全容なり部屋一覧なり出ているのだろう。
しかし公社の企画なので、代表的な部屋の間取り等最小限の情報しか入っていない。
完成後になって正規の募集が始まらないと情報が出てこないのだろう。
ただ完成すれば、既存のマンションも含め、かなりの物件が動く可能性が高い。
その時に、出来るだけこの露天風呂のある部屋に近い場所を確保するつもりだった。
なので常に島内の不動産状況を見ながらチャンスを窺っていた、1月末の木曜夜。
「ひょっとしたら引っ越すかもしれないのです」
詩織ちゃんが夕食中に、ぼそっとそんな事を言った。
「引っ越すって、この島から」
「新しく出来るマンションを狙っているらしいのです。お姉ちゃんも独立するし、今の部屋だと広すぎて大変だとお母さんが言っているのです」
「確かにこの部屋と同じ広されは大変れす」
「でも詩織ちゃんは距離はあまり関係ないわよね」
由香里姉の台詞に、詩織ちゃんは首を横に振る。
「新しいマンションを買うと狭くなるのです。私のと親父の機械類を置く場所が無くなるのです。でも家のことは、お母さんには逆らえないのです」
俺と香緒里ちゃんの視線があった。
これはきっとチャンスだよね。そう詩織ちゃんの目線が言っている。
早速次の日の放課後、香緒里ちゃんと一緒に田奈先生の研究室を目指す。
今日在室している事は確認済みだ。
「どうした2人雁首並べて。研究室配属関係の情報ならまだ出せる状態じゃないぞ」
そう言いつつも、何か話があるという事はわかったのだろう。
学生のいる研究室ではなく、応接室の方へと通してくれた。
「で、話は何だ」
「引っ越されるって本当ですか」
まずはそれを確認しないとならない。
田奈先生は頷いた。
「ああ。うちのがその気で困っている。今の部屋は広すぎるし部屋数も多くて掃除や維持が大変なんだと。4月には娘も独立して出て行く予定だしな」
「実はもしあのマンションの部屋を出ていかれるなら、是非とも買いたい。そうお願いするつもりで今日は来たんです」
「本気か?」
田奈先生はそう言ってから訂正する。
「本気でなければわざわざ来ないだろうな。ならちょっと待て」
田奈先生はそう言って研究室の方へ歩いて行く。
そして約1分後、印刷された数枚の紙片を持って戻ってきた。
紙片の内容は新マンション関係の資料だ。
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