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第30章 冬はつとめて(2) ~修4年冬編・後半~
156 悪魔なゲーム
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次の発言者は月見野先輩だ。
「バネ工場の注文と在庫の方は大丈夫?」
これは問題ない。
もうすぐ春休みなので旅行代がてら強制労働してもらえばいいだけだ。
そして鈴懸台先輩。
「この前朱里が魔技大の院生と歩いていたけどさ、結構イケメンだったよな」
瞬間的に赤くなる表示。
月見野先輩、早くも第3ゲーム進出決定!
奈津季さんの番だ。
「やっぱり修は一昨年のビキニ型チョコの方が好みだったのかな」
負けない、負けないぞ!
何とかセーフ。
香緒里ちゃんの番になる。
「今年は税金が厳しかったので、春の旅行は取りやめです!」
ああああああっ。
香緒里ちゃんと俺以外全員が一気に赤表示になってしまった。
やるな、香緒里ちゃん。
「本当ですか?」
思わず聞いている風遊美さんの目がちょっと本気だ。
「冗談です。本気にしないで下さいね」
にっこりと香緒里ちゃんが返す。
「さて、一気に脱落したので次は5人で対戦ですね。3人勝ち抜きにします」
鈴懸台先輩、月見野先輩、奈津季さん、ジェニー、ロビー。
そしてソフィーから発言開始。
「個人的な質問をさせて下さい。どうもこの学校へ来てからロビーの付き合いが悪くなったのですが、私から修先輩に乗り換えていないですよね」
あ、数値が黄色になった。でも何とかセーフ。
1周終了して理奈ちゃんの番になる。
そして理奈ちゃんが、凄く悪そうな笑顔。
「奈津季先輩に質問です。この次の旅行も、東京で夜に行方不明になる予定ですか」
あ、これは見てて面白い。
数字が葛藤するように上下した後、赤表示に。
奈津季さん、決勝進出だ!
そして愛希ちゃんの番だ。
悪そうな顔をした理奈ちゃんが、こそっと愛希ちゃんに耳打ち。
そして。
「ジェニー先輩ごめんなさい。ジェニー先輩は二次元の男性同士のカップリングが趣味と伺ったのですが、ご自身は相手を作られないのですか」
あっ。微妙に緊張感が走る。
主に3年以上の事情を知っている上級生の間で。
そして。
赤表示がついたのだが……
「これは特別ルールで修の負けでいいんじゃない」
何を言う、由香里姉。
でも鈴懸台先輩、月見野先輩、香緒里ちゃんの3人はうんうんと頷いている。
「そうだね、異議なし」
「私もこの件は修君の責任だと思いますわ」
「修兄、仕方ないですよね」
事情通は誰も、味方をしてくれない。
そして1年2年の事情を知らないあたりが、興味津々という顔になっている。
おいおいまずいだろ。
俺はもう勝ち抜けた筈だぞ。
「それでは特別ルールで多数決を取るわよ。諸般の事情からここでの負けは責任者の修にすべきだと思う人、挙手!」
由香里姉の採決に、何と俺以外の全員が賛意を示していやがる。
ジェニー本人まで手を上げているし。
そんな訳で、何故か俺と奈津希さんの一騎打ちとなった。
勘弁して欲しい、本当に。
そして発言者は詩織ちゃんだ。
さあ、どっちを攻めてくる。
「修先輩、あとどれ位で私の収入が修先輩に追いつくですか」
うう、負けないぞ、負けないぞ。
辛うじてだが黄色表示に留まる。
最近杖の売上が順調な分、ちょっとだけ心に余裕があった為だろうか。
まあセーフはセーフだ。
詩織ちゃんの隣はルイスだ。
「修先輩に頼みがある」
お、俺への攻撃か。
「もし江田先輩の写真を持っていたら後で見せてくれ」
何と途中で方向を変える変化球だ。
でも奈津希さんは、黄色表示までで持ちこたえる。
そして次はジェニーだ。微妙に目が座っているのが怖い。
これは絶対俺に攻撃が来るな。
「修さんは、結局誰が本命なのでしょうか。由香里先輩ですか、風遊美先輩ですか、香緒里ですか、まさか奈津季先輩でしたか」
ちょっとどきりとしたが、これも黄色表示止まりだ。
大分慣れてきたな。
隣は風遊美さん、その次は俺だ。
もう台詞は決めてある。
『春休みの旅行、東京で2泊する予定ですが、1泊目の宿、奈津希さんは必要あるでしょうか?』
そう聞いてやる予定だ。
さあ早く回ってこい。
「さて、私の番ですね」
風遊美さんだ。
まあ大丈夫だろう。
「修さんに質問します。このマンションに引っ越して3年目も半ばですね。もう女性ばかりの露天風呂には慣れたでしょうか」
お、おい。その話題を今更出すか!
気づいた時には、もう遅かった。
表示は赤色、完全にアウトだ。
「学生会長がむっつりスケベと判明したので、ゲーム終了です」
こらソフィー、その発言は無いだろう。
でも気の毒そうにこっちを見ているのはルイスだけだ。
他はもっともらしく頷いていやがる。
ただ一言、弁明させて欲しい。
俺は何も望んで露天風呂を作った訳でも、好き好んで入っている訳でもないんだ。
頼む、というか上級生は皆この事は知っているだろ。
もう一度言う。
俺のせいじゃない。信じて欲しい。
◇◇◇
さて、嘘発見器を使ったゲームの事は忘れよう。
そもそもあれは、単なる順番決めのに過ぎない。
本番はこれから。ケーキ選び当たり付きの方だ。
去年詩織ちゃんに起こった悲劇は2年生以上は皆知っている。
このサイダーは激辛緩和対策の1つだろう。
きっとあまり効かないけれど。
ゲームで負けた俺に選択の余地はない。
最後に残った1つが自動的に俺のもの。
なお外見には特に特異点は見当たらない。
去年とても美味しかったザッハトルテ本場バージョンを小型化しただけの模様だ。
白いクリームもちゃんと添えてある。
ダビデ像のような余分な細工も無い。
「それでは皆、用意はいいかい。せーのと声をかけるのでいただきますを唱和して食べる。じゃあ行くよ、せーの!」
いただきます。
そして俺もケーキを口に運ぶ。
うん、このチョコのじゃりじゃり感が美味しいんだよな。
そしてあんずジャムも……ええええええええっ!
辛さは遅れてやって来た。
慌ててサイダーで口を濯ぐ。
辛さが口中に広がった。
やばい、我慢できない、痛い。
コップを持ったまま流し台にダッシュ。
口の中に水を流してすぐ出す。
何度も何度も繰り返す。
変な汗が顔に湧いてくる。
何度も何度も口を洗うのを繰り返す。
「今日に限っては自業自得かな」
そんな奈津希さんの台詞が聞こえたような気がするが、反応出来ない。
味覚遮断の魔法でも使えればいいが、当然ながらそんな魔法は持っていない。
「今回はアプリコットジャムに仕込んだのですよ」
「致死量では無いので大丈夫ですわ」
月見野先輩、そういう問題じゃない。
まだ口の中が熱いがやっと少し落ち着いてきた。
そろそろあの飲み物が効くかな。
俺は空のコップを持ってテーブル方面に戻る。
サイダーを注いで一気飲み。
うん、美味い。
まだ辛いけれど。
「それにしてもさっきのゲーム、楽しいな。旅行でもやろうぜ」
「ソフィーさん、このゲームってパソコンとこの感知器があれば出来るのですか」
「その通りですよ。この感知器はロビーに手伝ってもらって作った私の研究用オリジナルだから、持ち出し自由ですし。何ならこれを使った別のゲームも持っていきますか。色々開発していますので……」
よし、今度の旅行は全部コンセントが無い宿で統一してやる。
実はもう予約も全て取ってあるが全部キャンセルだ!
という訳にはいかないよな、きっと。
「修先輩、そろそろ教えてあげます。サイダーより牛乳のほうが効くですよ」
おい詩織早くそれを言え。
「あひはほう」
まだ舌が死んでいて、ありがとうと喋れる状態ではない。
俺は冷蔵庫にダッシュして牛乳を取り出しコップに注ぐ。
3杯飲んでやっと普段に近い状態に近づいた。
しかし今回は俺、踏んだり蹴ったりだな。
なにか悪い事したかな、俺。
心当たりはないんだけれどさ……きっと……
「バネ工場の注文と在庫の方は大丈夫?」
これは問題ない。
もうすぐ春休みなので旅行代がてら強制労働してもらえばいいだけだ。
そして鈴懸台先輩。
「この前朱里が魔技大の院生と歩いていたけどさ、結構イケメンだったよな」
瞬間的に赤くなる表示。
月見野先輩、早くも第3ゲーム進出決定!
奈津季さんの番だ。
「やっぱり修は一昨年のビキニ型チョコの方が好みだったのかな」
負けない、負けないぞ!
何とかセーフ。
香緒里ちゃんの番になる。
「今年は税金が厳しかったので、春の旅行は取りやめです!」
ああああああっ。
香緒里ちゃんと俺以外全員が一気に赤表示になってしまった。
やるな、香緒里ちゃん。
「本当ですか?」
思わず聞いている風遊美さんの目がちょっと本気だ。
「冗談です。本気にしないで下さいね」
にっこりと香緒里ちゃんが返す。
「さて、一気に脱落したので次は5人で対戦ですね。3人勝ち抜きにします」
鈴懸台先輩、月見野先輩、奈津季さん、ジェニー、ロビー。
そしてソフィーから発言開始。
「個人的な質問をさせて下さい。どうもこの学校へ来てからロビーの付き合いが悪くなったのですが、私から修先輩に乗り換えていないですよね」
あ、数値が黄色になった。でも何とかセーフ。
1周終了して理奈ちゃんの番になる。
そして理奈ちゃんが、凄く悪そうな笑顔。
「奈津季先輩に質問です。この次の旅行も、東京で夜に行方不明になる予定ですか」
あ、これは見てて面白い。
数字が葛藤するように上下した後、赤表示に。
奈津季さん、決勝進出だ!
そして愛希ちゃんの番だ。
悪そうな顔をした理奈ちゃんが、こそっと愛希ちゃんに耳打ち。
そして。
「ジェニー先輩ごめんなさい。ジェニー先輩は二次元の男性同士のカップリングが趣味と伺ったのですが、ご自身は相手を作られないのですか」
あっ。微妙に緊張感が走る。
主に3年以上の事情を知っている上級生の間で。
そして。
赤表示がついたのだが……
「これは特別ルールで修の負けでいいんじゃない」
何を言う、由香里姉。
でも鈴懸台先輩、月見野先輩、香緒里ちゃんの3人はうんうんと頷いている。
「そうだね、異議なし」
「私もこの件は修君の責任だと思いますわ」
「修兄、仕方ないですよね」
事情通は誰も、味方をしてくれない。
そして1年2年の事情を知らないあたりが、興味津々という顔になっている。
おいおいまずいだろ。
俺はもう勝ち抜けた筈だぞ。
「それでは特別ルールで多数決を取るわよ。諸般の事情からここでの負けは責任者の修にすべきだと思う人、挙手!」
由香里姉の採決に、何と俺以外の全員が賛意を示していやがる。
ジェニー本人まで手を上げているし。
そんな訳で、何故か俺と奈津希さんの一騎打ちとなった。
勘弁して欲しい、本当に。
そして発言者は詩織ちゃんだ。
さあ、どっちを攻めてくる。
「修先輩、あとどれ位で私の収入が修先輩に追いつくですか」
うう、負けないぞ、負けないぞ。
辛うじてだが黄色表示に留まる。
最近杖の売上が順調な分、ちょっとだけ心に余裕があった為だろうか。
まあセーフはセーフだ。
詩織ちゃんの隣はルイスだ。
「修先輩に頼みがある」
お、俺への攻撃か。
「もし江田先輩の写真を持っていたら後で見せてくれ」
何と途中で方向を変える変化球だ。
でも奈津希さんは、黄色表示までで持ちこたえる。
そして次はジェニーだ。微妙に目が座っているのが怖い。
これは絶対俺に攻撃が来るな。
「修さんは、結局誰が本命なのでしょうか。由香里先輩ですか、風遊美先輩ですか、香緒里ですか、まさか奈津季先輩でしたか」
ちょっとどきりとしたが、これも黄色表示止まりだ。
大分慣れてきたな。
隣は風遊美さん、その次は俺だ。
もう台詞は決めてある。
『春休みの旅行、東京で2泊する予定ですが、1泊目の宿、奈津希さんは必要あるでしょうか?』
そう聞いてやる予定だ。
さあ早く回ってこい。
「さて、私の番ですね」
風遊美さんだ。
まあ大丈夫だろう。
「修さんに質問します。このマンションに引っ越して3年目も半ばですね。もう女性ばかりの露天風呂には慣れたでしょうか」
お、おい。その話題を今更出すか!
気づいた時には、もう遅かった。
表示は赤色、完全にアウトだ。
「学生会長がむっつりスケベと判明したので、ゲーム終了です」
こらソフィー、その発言は無いだろう。
でも気の毒そうにこっちを見ているのはルイスだけだ。
他はもっともらしく頷いていやがる。
ただ一言、弁明させて欲しい。
俺は何も望んで露天風呂を作った訳でも、好き好んで入っている訳でもないんだ。
頼む、というか上級生は皆この事は知っているだろ。
もう一度言う。
俺のせいじゃない。信じて欲しい。
◇◇◇
さて、嘘発見器を使ったゲームの事は忘れよう。
そもそもあれは、単なる順番決めのに過ぎない。
本番はこれから。ケーキ選び当たり付きの方だ。
去年詩織ちゃんに起こった悲劇は2年生以上は皆知っている。
このサイダーは激辛緩和対策の1つだろう。
きっとあまり効かないけれど。
ゲームで負けた俺に選択の余地はない。
最後に残った1つが自動的に俺のもの。
なお外見には特に特異点は見当たらない。
去年とても美味しかったザッハトルテ本場バージョンを小型化しただけの模様だ。
白いクリームもちゃんと添えてある。
ダビデ像のような余分な細工も無い。
「それでは皆、用意はいいかい。せーのと声をかけるのでいただきますを唱和して食べる。じゃあ行くよ、せーの!」
いただきます。
そして俺もケーキを口に運ぶ。
うん、このチョコのじゃりじゃり感が美味しいんだよな。
そしてあんずジャムも……ええええええええっ!
辛さは遅れてやって来た。
慌ててサイダーで口を濯ぐ。
辛さが口中に広がった。
やばい、我慢できない、痛い。
コップを持ったまま流し台にダッシュ。
口の中に水を流してすぐ出す。
何度も何度も繰り返す。
変な汗が顔に湧いてくる。
何度も何度も口を洗うのを繰り返す。
「今日に限っては自業自得かな」
そんな奈津希さんの台詞が聞こえたような気がするが、反応出来ない。
味覚遮断の魔法でも使えればいいが、当然ながらそんな魔法は持っていない。
「今回はアプリコットジャムに仕込んだのですよ」
「致死量では無いので大丈夫ですわ」
月見野先輩、そういう問題じゃない。
まだ口の中が熱いがやっと少し落ち着いてきた。
そろそろあの飲み物が効くかな。
俺は空のコップを持ってテーブル方面に戻る。
サイダーを注いで一気飲み。
うん、美味い。
まだ辛いけれど。
「それにしてもさっきのゲーム、楽しいな。旅行でもやろうぜ」
「ソフィーさん、このゲームってパソコンとこの感知器があれば出来るのですか」
「その通りですよ。この感知器はロビーに手伝ってもらって作った私の研究用オリジナルだから、持ち出し自由ですし。何ならこれを使った別のゲームも持っていきますか。色々開発していますので……」
よし、今度の旅行は全部コンセントが無い宿で統一してやる。
実はもう予約も全て取ってあるが全部キャンセルだ!
という訳にはいかないよな、きっと。
「修先輩、そろそろ教えてあげます。サイダーより牛乳のほうが効くですよ」
おい詩織早くそれを言え。
「あひはほう」
まだ舌が死んでいて、ありがとうと喋れる状態ではない。
俺は冷蔵庫にダッシュして牛乳を取り出しコップに注ぐ。
3杯飲んでやっと普段に近い状態に近づいた。
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