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第6章 嵐と実りの季節です
30 僕らのメルヘン
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俺と由香里姉はベッドに並んで寝ている。
いつもなら本能を抑えるので大変な状況だが、今日は何故かそれを感じない。
風呂と外とを行き来して疲れたせいもある。
でも由香里姉の雰囲気がいつもと違う感じなのが一番の理由だ。
俺と由香里姉は互いの手を握っている。
『倉庫で風の通りが悪いから少し暑いかな。ちょっと冷気を通すよ』
そう伝わってくると同時にすこし涼しくなった。
ちょうどいい感じだ。
『あのトンネル内でもこうやって涼んだな。3人でお昼寝して』
『それで3人で同期したまま同じ夢のなかで遊んだりね』
由香里姉は結構あの頃のことを憶えているらしい。
『私も香緒里も3歳位の時からかな、この手を繋いで会話出来る魔法が使えて。でも母にはこの魔法は使うなって言われた。幼稚園ではこの魔法が気味悪がられて一人ぼっちだったし。香緒里が言葉を憶えた頃には母がこの魔法を使うとヒステリックに怒鳴るようになっちゃったし、結局2人だけでいることが多かったかな。修に会うまでは』
『初めて会った時のことは憶えている。むしゃくしゃして走り回ったらいつの間にか知らない場所にいたんだ。途方に暮れて心細くなった時。白いサマードレスを着た女の子2人に出会った。2人ともよく似ていて凄く可愛くて。女の子2人、ちょっと年長の女の子が俺より小さな女の子の手を引いている姿がすごく幻想的で。夢の世界に入り込んでしまったのかと思ったんだ』
『ふふ、ありがとう』
しまった、思ったことがだだ漏れだったらしい。
『でもあの出会いは私達も衝撃的だったのよ。対人恐怖症気味だった香緒里が、左手で私の右手を掴んだまま、何故か自分から右手を握手するように差し出して。それを修くんに握り返してもらって。『こんにちは』と伝えて修君が少しどもりながらも『お、おう。こんにちは』と逃げないでちゃんとお返事してくれて。あの時まできっと私達2人だけだった世界に、初めて友達が出来たの』
それからはかなり長いこと、一緒だった気がする。
学校が終わると俺が2人の家に行くか2人が俺の家に迎えに来て。
そしてあの公園のトンネルで3人で手を繋いでお昼寝して。
『冬は結構寒かったわね。3人でぎゅっとくっつきあって』
『夏と違って由香里姉の魔法が効かないからな。トンネルの中にダンボール持ち込んでその中入ってたり』
『そうそう、トンネルの中にダンボール、結構溜めたよね』
凄く懐かしい。
あの頃の俺にとっても2人は特別な存在だったから。
人と会話するのが苦手だった俺は、クラスメイトとも他の近所の子らとも殆ど交流がなかった。
その癖成績だけは良かったから妙な優越感だけは持っていて、その事が余計に他の人間と俺とを更に遠ざけた。
結果、プラモや電子工作をしたり本を読んだり一人でいる事が多かったのだ。
2人といる時以外は。
『あの頃と比べて私は少しは変わったかな。修は変わったかなと思ったけれど、こうして毎日会うようになるとやっぱり修は修だなって思う』
『由香里姉はこっちといつもとが違いすぎ』
『しょうがないじゃない。香緒里は前に修がいるけど、私は前に誰もいないんだから。邪魔者をバッサバッサやるうちにあっちが地になっちゃった』
『困った事にそれも似合っているけどな』
『外敵を排除しつつ似合うように鎧を作ってこうなっちゃったのよ。まあ誰も生まれたままではいられないから当然なんだろうけどね。でもね』
そう言って由香里姉は、ベッドの中の身体をこっちに向ける。
『これからちょっと修に精神的にイタズラをするね』
由香里姉はそう言って俺の方を見る。
『もし私がここで服を全部脱いで身体の力を抜いて、私の身体を修の好きなようにしていいよと言ったらどうする?』
とんでもない事を俺に聞く。
今までの雰囲気のおかげで、本能が刺激される状態にはなっていないのが幸いだ。
『必死に我慢する。今は他の人もいるし由香里姉の将来を傷つけたら不味いし』
由香里姉が微笑んだ気配が繋いだ手から伝わる。
『正解。だけどね、もし修がその気になって私にいろんな事をしようとしても、多分私は拒めないと思う。拒むのが正解とわかっいてもそうしないと修の将来を傷つけるとわかっても。いくら良識とかその辺が必死に止めようとしても、私が私である部分が喜んじゃって何でも受け入れたくてたまらなくなっちゃうと思う』
思わず俺の心臓がドキリと鼓動を打つ。
今のってひょっとして情熱的なまでの告白だろうか。
『でもそれは多分香緒里も同じよ。香緒里の方がもっと直接的かな。割としょっちゅう修にアピールもしているし。本当は私の求めているものと香緒里が求めているものは、きっと形が違うんだろうけどね』
『形ってどんな?』
『それは言わぬが花かな。来週香緒里に直接聞いてみれば?』
何故来週なのだろう。
『朱里のくじは誰がどう引いても朱里の思うような結果になる。そういう魔法がかかっているの。だから順番で行くと来週の金曜夜はここに香緒里がいる筈よ』
そうなのか、でも。
『それって八百長じゃ』
『かもね。でも私は朱里の裁定を信じているし、朱里も自分のエゴにはこの魔法を使わない。翆も気づいていると思うよ。それを言わないのも信頼関係』
そうだったのか、と俺は思う。
『あとね、私は4年だから来年春には学生会を引退するけれど、誰を選ぶか選ばないかは急いで考える必要は無いからね。私を選ぶのも香緒里を選ぶのも、ジェニーちゃんを選ぶのも選ばないのも修の自由。みんな選んじゃってハーレム状態にするのも修の選択次第だし、この中から一人を選んでも全く他の人を選んでもそれは修の自由よ。私としては、私一人を選んで欲しいけれどね』
『何か俺が色々気づいていないようですまないな』
『本人からは案外見えないものよ。ジェニーちゃんの事もね』
何だろう。
『ジェニーがどうかしたのか』
『気づいていないよね、やっぱり』
『確かにジェニーの義足は俺の作品だし感謝はされているようだけれど』
由香里姉がちょっとため息をついたような気配が伝わる。
『修はそれだけのつもりだろうけど、ジェニーちゃんの態度を見るとそれだけじゃないと思うよ。きっと義足に何かを重ねているんだと思う。その思いが修に向いている。これもいつか2人だけでじっくり話を聞いたほうがいいと思うな』
自分だけを好きになって欲しい、と言った癖に選ぶのは俺だと言う。
挙句の果てに他のライバルの心配をしたりする。
その辺りがある種俺の記憶を刺激する。
『やっぱり由香里姉って、姉貴なんだな』
『姉貴って、ひょっとして恋人扱いは無理って事?』
『そうじゃなくてさ……』
長い夜は更けていく。
いつもなら本能を抑えるので大変な状況だが、今日は何故かそれを感じない。
風呂と外とを行き来して疲れたせいもある。
でも由香里姉の雰囲気がいつもと違う感じなのが一番の理由だ。
俺と由香里姉は互いの手を握っている。
『倉庫で風の通りが悪いから少し暑いかな。ちょっと冷気を通すよ』
そう伝わってくると同時にすこし涼しくなった。
ちょうどいい感じだ。
『あのトンネル内でもこうやって涼んだな。3人でお昼寝して』
『それで3人で同期したまま同じ夢のなかで遊んだりね』
由香里姉は結構あの頃のことを憶えているらしい。
『私も香緒里も3歳位の時からかな、この手を繋いで会話出来る魔法が使えて。でも母にはこの魔法は使うなって言われた。幼稚園ではこの魔法が気味悪がられて一人ぼっちだったし。香緒里が言葉を憶えた頃には母がこの魔法を使うとヒステリックに怒鳴るようになっちゃったし、結局2人だけでいることが多かったかな。修に会うまでは』
『初めて会った時のことは憶えている。むしゃくしゃして走り回ったらいつの間にか知らない場所にいたんだ。途方に暮れて心細くなった時。白いサマードレスを着た女の子2人に出会った。2人ともよく似ていて凄く可愛くて。女の子2人、ちょっと年長の女の子が俺より小さな女の子の手を引いている姿がすごく幻想的で。夢の世界に入り込んでしまったのかと思ったんだ』
『ふふ、ありがとう』
しまった、思ったことがだだ漏れだったらしい。
『でもあの出会いは私達も衝撃的だったのよ。対人恐怖症気味だった香緒里が、左手で私の右手を掴んだまま、何故か自分から右手を握手するように差し出して。それを修くんに握り返してもらって。『こんにちは』と伝えて修君が少しどもりながらも『お、おう。こんにちは』と逃げないでちゃんとお返事してくれて。あの時まできっと私達2人だけだった世界に、初めて友達が出来たの』
それからはかなり長いこと、一緒だった気がする。
学校が終わると俺が2人の家に行くか2人が俺の家に迎えに来て。
そしてあの公園のトンネルで3人で手を繋いでお昼寝して。
『冬は結構寒かったわね。3人でぎゅっとくっつきあって』
『夏と違って由香里姉の魔法が効かないからな。トンネルの中にダンボール持ち込んでその中入ってたり』
『そうそう、トンネルの中にダンボール、結構溜めたよね』
凄く懐かしい。
あの頃の俺にとっても2人は特別な存在だったから。
人と会話するのが苦手だった俺は、クラスメイトとも他の近所の子らとも殆ど交流がなかった。
その癖成績だけは良かったから妙な優越感だけは持っていて、その事が余計に他の人間と俺とを更に遠ざけた。
結果、プラモや電子工作をしたり本を読んだり一人でいる事が多かったのだ。
2人といる時以外は。
『あの頃と比べて私は少しは変わったかな。修は変わったかなと思ったけれど、こうして毎日会うようになるとやっぱり修は修だなって思う』
『由香里姉はこっちといつもとが違いすぎ』
『しょうがないじゃない。香緒里は前に修がいるけど、私は前に誰もいないんだから。邪魔者をバッサバッサやるうちにあっちが地になっちゃった』
『困った事にそれも似合っているけどな』
『外敵を排除しつつ似合うように鎧を作ってこうなっちゃったのよ。まあ誰も生まれたままではいられないから当然なんだろうけどね。でもね』
そう言って由香里姉は、ベッドの中の身体をこっちに向ける。
『これからちょっと修に精神的にイタズラをするね』
由香里姉はそう言って俺の方を見る。
『もし私がここで服を全部脱いで身体の力を抜いて、私の身体を修の好きなようにしていいよと言ったらどうする?』
とんでもない事を俺に聞く。
今までの雰囲気のおかげで、本能が刺激される状態にはなっていないのが幸いだ。
『必死に我慢する。今は他の人もいるし由香里姉の将来を傷つけたら不味いし』
由香里姉が微笑んだ気配が繋いだ手から伝わる。
『正解。だけどね、もし修がその気になって私にいろんな事をしようとしても、多分私は拒めないと思う。拒むのが正解とわかっいてもそうしないと修の将来を傷つけるとわかっても。いくら良識とかその辺が必死に止めようとしても、私が私である部分が喜んじゃって何でも受け入れたくてたまらなくなっちゃうと思う』
思わず俺の心臓がドキリと鼓動を打つ。
今のってひょっとして情熱的なまでの告白だろうか。
『でもそれは多分香緒里も同じよ。香緒里の方がもっと直接的かな。割としょっちゅう修にアピールもしているし。本当は私の求めているものと香緒里が求めているものは、きっと形が違うんだろうけどね』
『形ってどんな?』
『それは言わぬが花かな。来週香緒里に直接聞いてみれば?』
何故来週なのだろう。
『朱里のくじは誰がどう引いても朱里の思うような結果になる。そういう魔法がかかっているの。だから順番で行くと来週の金曜夜はここに香緒里がいる筈よ』
そうなのか、でも。
『それって八百長じゃ』
『かもね。でも私は朱里の裁定を信じているし、朱里も自分のエゴにはこの魔法を使わない。翆も気づいていると思うよ。それを言わないのも信頼関係』
そうだったのか、と俺は思う。
『あとね、私は4年だから来年春には学生会を引退するけれど、誰を選ぶか選ばないかは急いで考える必要は無いからね。私を選ぶのも香緒里を選ぶのも、ジェニーちゃんを選ぶのも選ばないのも修の自由。みんな選んじゃってハーレム状態にするのも修の選択次第だし、この中から一人を選んでも全く他の人を選んでもそれは修の自由よ。私としては、私一人を選んで欲しいけれどね』
『何か俺が色々気づいていないようですまないな』
『本人からは案外見えないものよ。ジェニーちゃんの事もね』
何だろう。
『ジェニーがどうかしたのか』
『気づいていないよね、やっぱり』
『確かにジェニーの義足は俺の作品だし感謝はされているようだけれど』
由香里姉がちょっとため息をついたような気配が伝わる。
『修はそれだけのつもりだろうけど、ジェニーちゃんの態度を見るとそれだけじゃないと思うよ。きっと義足に何かを重ねているんだと思う。その思いが修に向いている。これもいつか2人だけでじっくり話を聞いたほうがいいと思うな』
自分だけを好きになって欲しい、と言った癖に選ぶのは俺だと言う。
挙句の果てに他のライバルの心配をしたりする。
その辺りがある種俺の記憶を刺激する。
『やっぱり由香里姉って、姉貴なんだな』
『姉貴って、ひょっとして恋人扱いは無理って事?』
『そうじゃなくてさ……』
長い夜は更けていく。
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