260 / 266
第29章 春の嵐
第251話 遠い日の思い出
しおりを挟む
外は大分明るくなってきた。
ミド・リーの状態は大分ましになってきたと思う。体温も平熱に近づいたし貧血も少しだけましになった。
ただこの白血病細胞、とにかくタチが悪い。殺した時にどうも血栓になりやすい物質を放出している様だ。
前世ならその辺に対応する薬剤とかもあるのだろう。しかし今の俺達では鑑定魔法や生物系魔法の全身常時診断で兆候を見つけ、魔法で個別対処するしかない。
ある程度メカニズムがわかれば記述魔法による自動で対処はできる。しかしそこでやっぱり魔力を消費する。
他にも正常な血液成分が不足する分魔法で輸血しているのだが、その際に免疫が悪さしないように抑える事もしなければならない。元々白血病細胞を探して殺すだけでもかなり魔力を使うのに。
他に無菌状態の維持とかも継続している。
もう俺もフールイ先輩もふらふら状態だ。魔力クレソン青汁でドーピングを続けても、魔法を制御する脳の方がもうすぐ限界を迎えそうな気がする。
でも今の治療を続けて行けば確実にミド・リーは良くなる筈。だから出来るところまではとにかくやりきろう。それがフールイ先輩と昨日話し合った結果だ。
魔力クレソンの青汁はとってもまずい。そのまずさである程度意識を復活させている面もある。
でもそろそろこのまずさも気にならなくなってきた。やばいな。
「フールイ先輩一度休んでください。このままでは持ちません」
「やれる処までやる約束。むしろミタキが心配」
「俺も具合を見ながら休みますから」
「なら私もそれまではやる」
こんな感じ。限界近くまで、病気と気力との勝負だ。
最悪の場合魔法缶を全部並列に使えば2時間位は稼げる。いざとなったらそっちに移行してフールイ先輩だけでも回復して貰おう。そう思った時だった。
部屋の空気が動いた気がした。視線だけ入口に向ける。
アキナ先輩とユキ先輩だ。何故まだ早朝のこんな時間に。
「予想通りでしたね」
ユキ先輩、どういう事ですか。そう尋ねようとしたがとっさに声が出ない。
「説明は省略しますわ。とりあえず今の作業を引き継ぎましょう。フールイさんは私に、ミタキ君はユキに今の作業内容を引き継いでくださいな。急いで」
確かに俺もフールイ先輩も限界だ。時間が惜しい。
そんな訳でそれぞれ自分の作業内容を先輩達に説明する。
「わかりましたわ。それではフールイさんは仮眠室でお休みになって下さいな。授業の欠席連絡は私達で入れましたからご心配なく」
「ミタキ君はそこでそのまま休んで下さい。ミタキ君自身の血液の量を回復させますから」
その台詞を最後に俺の意識は薄れていく。多分睡眠魔法を使っ……
◇◇◇
俺は夢を見ていた。そう、これは夢だと俺は知っている。
同時に実際にあった事だという事も知っている。ある意味俺の原点近い一番鮮明な思い出。
俺は家の裏庭側の窓から外を見ていた。部屋から見る外の景色は明るくて暖かく、楽しそうに見える。
でも俺は外に出る事が出来なかった。外に出る事を禁止されていた訳ではない。怖かったのだ。
以前遊びに出て調子に乗ってあちこち歩きまわった事がある。
気が付いた時には遅かった。胸がどきどき痛む。
立っていられなくて何とか頑張って倒れて怪我しない程度にしゃがむ。視界が揺れてしゃがむ事すらできなくなる。
全身が痛い気がする。意識が薄れるのに痛いのだけは感じる。でも何もできない。何も出来ない……
あの時はその後、通りがかりの人に抱えられて治療院へ搬送された。結果後遺症も何も残らずに済んだ。
でも俺はそれ以来外に出なくなった。もう一度ああなるかもしれない。そう思うだけでも怖いから。
家の中で遊ぶものは大体遊びつくした。本も親や兄、姉のものまで含めてほぼ読みつくした。兄や姉は学校に行っているし父母ともに仕事で遊べない。
だから俺は外を眺めている。それだけで何もできない。ただ外に憧れている。
裏庭の前の路地を女の子が通りかかった。ここの窓からよく見る女の子だ。この近くに住んでいるのだろうか。
いつもならそのまま通り過ぎる処で彼女は立ち止まる。
「ねえ、いつもそこで何をしているの」
彼女に気付かれていた。そのことに気付いて俺はドキリとする。何故か心臓がバクバク言っているのを何とか誤魔化す。
大丈夫。問題ない。そう俺は自分に言い聞かせる。
「外を見ているんだ」
そのまま彼女へ返す。他に答が無かったから。
「ふーん。でも毎日同じところから見ていて飽きない?」
飽きるさ、当然。でも俺にはそれしか出来ないんだ。その辺の文句は敢えて隠して極力平然と台詞を言う。
「同じ景色でも少しは変わるだろ。毎日見ていれば」
葉っぱが一枚無くなっている。歩く人の服装が変わる。そんな事で季節が変わったんだなと気づくことが出来る。
「でも色々歩いた方が景色は変わると思うわよ」
彼女の言っている事はもっともだ。でも俺にはそれが出来ない。
そう思ってこみ上げる感情は怒りか悲しみか羨望か。その時の未熟な俺にはそれはわからない。
「一緒に遊ぼうよ。少し先の水路の処、今日花が咲いたんだよ」
まだ実際に行った事が無い場所だ。俺は何度も見た地図を思い描いてどの辺の場所か考えてみる。
「そこって貴族様の水路じゃないのか」
「大丈夫よ。そこの子も友達だから」
そうなのか。その辺書物等からの知識ばかりで頭でっかちの俺にはわからない。
「身体が悪いんだ。あまり動くと倒れちゃうから」
事実だけれど行けないことの言い訳。この台詞は俺の心の鍵だ。
これで彼女は去って行って、俺も彼女も元の風景に戻るんだろう。俺はそう思ったのだけれど。
「大丈夫よ。私も治癒や回復魔法使えるから」
えっ!? 俺が疑問に思ったのに気づいたのだろう。
「本当よ。家も治療院だし」
そうなのか。そういえばすぐ近くの治療院に俺と同じくらいの女の子がいると聞いたことはあるけれど。
「だから大丈夫だよ。ねえ、だから行こう」
彼女はそう言って俺に手を差し出す。勿論路地から裏庭を隔てているから物理的には俺には届かない。
けれど。
「わかった。ちょっと待っていて」
俺は窓際から立ち上がって、そして……
ミド・リーの状態は大分ましになってきたと思う。体温も平熱に近づいたし貧血も少しだけましになった。
ただこの白血病細胞、とにかくタチが悪い。殺した時にどうも血栓になりやすい物質を放出している様だ。
前世ならその辺に対応する薬剤とかもあるのだろう。しかし今の俺達では鑑定魔法や生物系魔法の全身常時診断で兆候を見つけ、魔法で個別対処するしかない。
ある程度メカニズムがわかれば記述魔法による自動で対処はできる。しかしそこでやっぱり魔力を消費する。
他にも正常な血液成分が不足する分魔法で輸血しているのだが、その際に免疫が悪さしないように抑える事もしなければならない。元々白血病細胞を探して殺すだけでもかなり魔力を使うのに。
他に無菌状態の維持とかも継続している。
もう俺もフールイ先輩もふらふら状態だ。魔力クレソン青汁でドーピングを続けても、魔法を制御する脳の方がもうすぐ限界を迎えそうな気がする。
でも今の治療を続けて行けば確実にミド・リーは良くなる筈。だから出来るところまではとにかくやりきろう。それがフールイ先輩と昨日話し合った結果だ。
魔力クレソンの青汁はとってもまずい。そのまずさである程度意識を復活させている面もある。
でもそろそろこのまずさも気にならなくなってきた。やばいな。
「フールイ先輩一度休んでください。このままでは持ちません」
「やれる処までやる約束。むしろミタキが心配」
「俺も具合を見ながら休みますから」
「なら私もそれまではやる」
こんな感じ。限界近くまで、病気と気力との勝負だ。
最悪の場合魔法缶を全部並列に使えば2時間位は稼げる。いざとなったらそっちに移行してフールイ先輩だけでも回復して貰おう。そう思った時だった。
部屋の空気が動いた気がした。視線だけ入口に向ける。
アキナ先輩とユキ先輩だ。何故まだ早朝のこんな時間に。
「予想通りでしたね」
ユキ先輩、どういう事ですか。そう尋ねようとしたがとっさに声が出ない。
「説明は省略しますわ。とりあえず今の作業を引き継ぎましょう。フールイさんは私に、ミタキ君はユキに今の作業内容を引き継いでくださいな。急いで」
確かに俺もフールイ先輩も限界だ。時間が惜しい。
そんな訳でそれぞれ自分の作業内容を先輩達に説明する。
「わかりましたわ。それではフールイさんは仮眠室でお休みになって下さいな。授業の欠席連絡は私達で入れましたからご心配なく」
「ミタキ君はそこでそのまま休んで下さい。ミタキ君自身の血液の量を回復させますから」
その台詞を最後に俺の意識は薄れていく。多分睡眠魔法を使っ……
◇◇◇
俺は夢を見ていた。そう、これは夢だと俺は知っている。
同時に実際にあった事だという事も知っている。ある意味俺の原点近い一番鮮明な思い出。
俺は家の裏庭側の窓から外を見ていた。部屋から見る外の景色は明るくて暖かく、楽しそうに見える。
でも俺は外に出る事が出来なかった。外に出る事を禁止されていた訳ではない。怖かったのだ。
以前遊びに出て調子に乗ってあちこち歩きまわった事がある。
気が付いた時には遅かった。胸がどきどき痛む。
立っていられなくて何とか頑張って倒れて怪我しない程度にしゃがむ。視界が揺れてしゃがむ事すらできなくなる。
全身が痛い気がする。意識が薄れるのに痛いのだけは感じる。でも何もできない。何も出来ない……
あの時はその後、通りがかりの人に抱えられて治療院へ搬送された。結果後遺症も何も残らずに済んだ。
でも俺はそれ以来外に出なくなった。もう一度ああなるかもしれない。そう思うだけでも怖いから。
家の中で遊ぶものは大体遊びつくした。本も親や兄、姉のものまで含めてほぼ読みつくした。兄や姉は学校に行っているし父母ともに仕事で遊べない。
だから俺は外を眺めている。それだけで何もできない。ただ外に憧れている。
裏庭の前の路地を女の子が通りかかった。ここの窓からよく見る女の子だ。この近くに住んでいるのだろうか。
いつもならそのまま通り過ぎる処で彼女は立ち止まる。
「ねえ、いつもそこで何をしているの」
彼女に気付かれていた。そのことに気付いて俺はドキリとする。何故か心臓がバクバク言っているのを何とか誤魔化す。
大丈夫。問題ない。そう俺は自分に言い聞かせる。
「外を見ているんだ」
そのまま彼女へ返す。他に答が無かったから。
「ふーん。でも毎日同じところから見ていて飽きない?」
飽きるさ、当然。でも俺にはそれしか出来ないんだ。その辺の文句は敢えて隠して極力平然と台詞を言う。
「同じ景色でも少しは変わるだろ。毎日見ていれば」
葉っぱが一枚無くなっている。歩く人の服装が変わる。そんな事で季節が変わったんだなと気づくことが出来る。
「でも色々歩いた方が景色は変わると思うわよ」
彼女の言っている事はもっともだ。でも俺にはそれが出来ない。
そう思ってこみ上げる感情は怒りか悲しみか羨望か。その時の未熟な俺にはそれはわからない。
「一緒に遊ぼうよ。少し先の水路の処、今日花が咲いたんだよ」
まだ実際に行った事が無い場所だ。俺は何度も見た地図を思い描いてどの辺の場所か考えてみる。
「そこって貴族様の水路じゃないのか」
「大丈夫よ。そこの子も友達だから」
そうなのか。その辺書物等からの知識ばかりで頭でっかちの俺にはわからない。
「身体が悪いんだ。あまり動くと倒れちゃうから」
事実だけれど行けないことの言い訳。この台詞は俺の心の鍵だ。
これで彼女は去って行って、俺も彼女も元の風景に戻るんだろう。俺はそう思ったのだけれど。
「大丈夫よ。私も治癒や回復魔法使えるから」
えっ!? 俺が疑問に思ったのに気づいたのだろう。
「本当よ。家も治療院だし」
そうなのか。そういえばすぐ近くの治療院に俺と同じくらいの女の子がいると聞いたことはあるけれど。
「だから大丈夫だよ。ねえ、だから行こう」
彼女はそう言って俺に手を差し出す。勿論路地から裏庭を隔てているから物理的には俺には届かない。
けれど。
「わかった。ちょっと待っていて」
俺は窓際から立ち上がって、そして……
35
お気に入りに追加
2,199
あなたにおすすめの小説
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
前世ポイントッ! ~転生して楽しく異世界生活~
霜月雹花
ファンタジー
17歳の夏、俺は強盗を捕まえようとして死んだ――そして、俺は神様と名乗った爺さんと話をしていた。話を聞けばどうやら強盗を捕まえた事で未来を改変し、転生に必要な【善行ポイント】と言う物が人より多く貰えて異世界に転生出来るらしい。多く貰った【善行ポイント】で転生時の能力も選び放題、莫大なポイントを使いチート化した俺は異世界で生きていく。
なろうでも掲載しています。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
『特別』を願った僕の転生先は放置された第7皇子!?
mio
ファンタジー
特別になることを望む『平凡』な大学生・弥登陽斗はある日突然亡くなる。
神様に『特別』になりたい願いを叶えてやると言われ、生まれ変わった先は異世界の第7皇子!? しかも母親はなんだかさびれた離宮に追いやられているし、騎士団に入っている兄はなかなか会うことができない。それでも穏やかな日々。
そんな生活も母の死を境に変わっていく。なぜか絡んでくる異母兄弟をあしらいつつ、兄の元で剣に魔法に、いろいろと学んでいくことに。兄と兄の部下との新たな日常に、以前とはまた違った幸せを感じていた。
日常を壊し、強制的に終わらせたとある不幸が起こるまでは。
神様、一つ言わせてください。僕が言っていた特別はこういうことではないと思うんですけど!?
他サイトでも投稿しております。
転生したら唯一の魔法陣継承者になりました。この不便な世界を改革します。
蒼井美紗
ファンタジー
魔物に襲われた記憶を最後に、何故か別の世界へ生まれ変わっていた主人公。この世界でも楽しく生きようと覚悟を決めたけど……何この世界、前の世界と比べ物にならないほど酷い環境なんだけど。俺って公爵家嫡男だよね……前の世界の平民より酷い生活だ。
俺の前世の知識があれば、滅亡するんじゃないかと心配になるほどのこの国を救うことが出来る。魔法陣魔法を広めれば、多くの人の命を救うことが出来る……それならやるしかない!
魔法陣魔法と前世の知識を駆使して、この国の救世主となる主人公のお話です。
※カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
知識チートの正しい使い方 〜自由な商人として成り上ります! え、だめ? よろしい、ならば拷問だ〜
ノ木瀬 優
ファンタジー
商人として貧しいながらも幸せな暮らしを送っていた主人公のアレン。ある朝、突然前世を思い出す。
「俺、異世界転生してる?」
貴族社会で堅苦しい生活を送るより、知識チートを使って商人として成功する道を選んだが、次第に権力争いに巻き込まれていく。
※なろう、カクヨムにも投稿しております。
※なろう版は完結しておりますが、そちらとは話の構成を変える予定です。
※がっつりR15です。R15に収まるよう、拷問シーンは出血、内臓などの描写を控えておりますが、残虐な描写があります。苦手な方は飛ばしてお読みください。(対象の話はタイトルで分かるようにしておきます)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる