252 / 266
第28章 春合宿は……
第243話 食卓は海鮮祭り
しおりを挟む
ちょっとボートが進むと周りの雰囲気が変わってきた。下が浅くてちょい泥っぽい感じ。
そんな場所を奥へと走った後、ミド・リーは岩の手前でボートを停める。
「どう、ここは」
どうって単なる浅瀬だろ。最初俺にはそうとしか見えなかった。
ゆるい川の河口部分のちょい泥っぽい浅瀬。そのなかに崩れやすそうな岩で出来た島があ……
ちょい待て、この島はひょっとして。鑑定魔法で見てみる。間違いない。
「これ全部牡蠣じゃないか。しかもほとんど生きている牡蠣」
「流石ミタキね。すぐ気づいた?」
「確かに牡蠣。でも大丈夫なのか」
俺が答える前にミド・リーが口を開く。
「種類は岩についているのと同じよ。ここでは他の牡蠣の貝殻にくっついて育っているみたい。川の影響で栄養が豊かで、下が砂泥だから岩みたいにくっつくものが無いとこんな風に育つみたい」
「なら遠慮なくいただこう」
「同意」
ガシガシと引っぺがしては網に入れる。うん大量大量。
これで久しぶりに牡蠣フライとか生牡蠣とか色々食べられるぞ。量が少ないと焼き牡蠣メインになるからな。前世にあったらしい牡蠣小屋方式で焼いては食べなんてのもいいかもしれない。
何せ牡蠣がびっしり集まって砂泥の上に島状態になっている感じだ。その気になればいくらでも捕れる。
そしてこの場所、獲物は牡蠣だけではなかった。アナジャコだのマテ貝だの他にも面白くて美味しい生き物が色々いる。
用意していなかったので日本の干潟でやるような捕り方は出来ない。塩とか筆とかを持ってくればよかったかな。
そんな訳で使用するのは魔法。生命反応を確認、一気に周りを掘り上げて砂ごと網に通す方式だ。
アナジャコ、マテ貝の他、色々な貝やトビハゼみたいなものも捕れる。
貝は二枚貝、細い巻貝、太い巻貝等色々。二枚貝もシジミサイズから手のひらサイズの巨大なものまでいる。
とりあえず一定以上の大きさで鑑定魔法で食べられると判断したものをキープ。俺としてはマテ貝とアナジャコが楽しみだ。
アナジャコは塩ゆでと素揚げどっちがいいだろう。マテ貝はとりあえず酒蒸しかな。山ほどとった牡蠣は焼いてもよし、フライにしてもよし、生でも当然良しだ。そんな感じで獲物大漁状態。
ひととおり獲物を捕った後、ゴムボートで別荘近くの浜へと帰還。別荘へ直行して夕食の準備だ。捕ったものは有難くいただかなくては。
とりあえず牡蠣以外の貝類は泥を吐かせておく。牡蠣もとりあえず調理までは海水に漬けておこう。
まずミド・リーが捕ったヒラメから。やっぱりこういう魚は刺身にしたくなる。捌いてサクにしてエンガワもきっちり取って冷蔵庫へ。
あと午前中に身体強化組が捕ってきた魚の残りも捌いておこう。
アナジャコは殻がちょい柔らかくてそのまま食べたいから素揚げにしよう。これなら殻ごとバリバリ食べられる。マテガイは洗った後酒で蒸してと。
牡蠣はちょいと調子に乗って捕り過ぎた。剥いても剥いても残っている。とりあえず剥いたのは生用とフライ用にして、殻付きはそのまま焼いてと。
残ったのはオイル漬けにでもしておこうかな。数日経ったらまたちょっと変わった味になるだろうから。
ならやっぱり剥いて剥いて剥いて……
帰ってきたナカさんやフールイ先輩、更にユキ先輩やタカス君、フルエさんやキーンさんにも手伝ってもらう。
ちなみにフルエさんはやっぱり揚げ物が好きらしい。なのでカキフライとアナジャコ、更に小魚類をお願いする。
あとは皆さん材料に合わせて勝手に食べたい料理を作るからお任せだ。俺は基本的に刺身とか生ものメインで。
材料も皆さん帰る毎に増えていく。日が暮れる前に無事夕食が完成。今回もやっぱり豪華だ。
「これをレモンでバリバリやるのがいいのだ」
フルエさんお勧めはアナジャコ。確かにそのままバリバリ食べられるし中も美味しい。
エビが凄く濃厚になった感じと言えばわかるだろうか。確かに何匹でもいけそうだ。
でも俺個人的にはやっぱり生魚と牡蠣で海鮮丼が一番だな。勿論俺だけ酢飯だ。何故か酢飯は皆さんに評判悪いのだが、俺はこれが正しい海鮮丼だと信じている。
具材もいい。カツオというより鮪っぽい魚の漬けとかちょいホースラディッシュ溶いた煎酒で食べるヒラメなんて最高だ。
でもタルタルソースたっぷりのせたカキフライも捨てがたい。材料がやたら豪華なアクアパッツアとか焼き物一式とかも当然美味い。俺は魚は本来生が一番派だが、焼いた身にバターソースなんかかけたのも無茶苦茶美味しいと思う。
つまりはまあ、お祭り状態という訳だ。
「冬の合宿は肉だったけれどこっちは魚だし脂が少ないからきっと健康だよね」
「食べ過ぎれば同じだと思うわよ」
「食わずに後悔するよりも食って後悔するべきだな」
「でも冬合宿で増えた分は結局減らなかったんです。身長伸びたからごまかせますけれど」
「成長期だから問題ないのだ」
言い訳をいいながら食べまくる。合宿ではいつものことだけれども。
「明日は私もこの海老もどきの捕獲に参加するのだ」
「捕り過ぎて全滅させるなよ」
「新人歓迎合宿分くらいは残しておくのだ」
「少しは生態系を考えろ」
確かに魔法で砂を掘ってしまうと一網打尽という感じだしな。その辺は少しは気をつけよう。まあ牡蠣に関してだけはいくら捕っても大丈夫そうだけれども。
ああ生牡蠣にレモン汁が美味しいが焼いただけのも美味しい。
そんな場所を奥へと走った後、ミド・リーは岩の手前でボートを停める。
「どう、ここは」
どうって単なる浅瀬だろ。最初俺にはそうとしか見えなかった。
ゆるい川の河口部分のちょい泥っぽい浅瀬。そのなかに崩れやすそうな岩で出来た島があ……
ちょい待て、この島はひょっとして。鑑定魔法で見てみる。間違いない。
「これ全部牡蠣じゃないか。しかもほとんど生きている牡蠣」
「流石ミタキね。すぐ気づいた?」
「確かに牡蠣。でも大丈夫なのか」
俺が答える前にミド・リーが口を開く。
「種類は岩についているのと同じよ。ここでは他の牡蠣の貝殻にくっついて育っているみたい。川の影響で栄養が豊かで、下が砂泥だから岩みたいにくっつくものが無いとこんな風に育つみたい」
「なら遠慮なくいただこう」
「同意」
ガシガシと引っぺがしては網に入れる。うん大量大量。
これで久しぶりに牡蠣フライとか生牡蠣とか色々食べられるぞ。量が少ないと焼き牡蠣メインになるからな。前世にあったらしい牡蠣小屋方式で焼いては食べなんてのもいいかもしれない。
何せ牡蠣がびっしり集まって砂泥の上に島状態になっている感じだ。その気になればいくらでも捕れる。
そしてこの場所、獲物は牡蠣だけではなかった。アナジャコだのマテ貝だの他にも面白くて美味しい生き物が色々いる。
用意していなかったので日本の干潟でやるような捕り方は出来ない。塩とか筆とかを持ってくればよかったかな。
そんな訳で使用するのは魔法。生命反応を確認、一気に周りを掘り上げて砂ごと網に通す方式だ。
アナジャコ、マテ貝の他、色々な貝やトビハゼみたいなものも捕れる。
貝は二枚貝、細い巻貝、太い巻貝等色々。二枚貝もシジミサイズから手のひらサイズの巨大なものまでいる。
とりあえず一定以上の大きさで鑑定魔法で食べられると判断したものをキープ。俺としてはマテ貝とアナジャコが楽しみだ。
アナジャコは塩ゆでと素揚げどっちがいいだろう。マテ貝はとりあえず酒蒸しかな。山ほどとった牡蠣は焼いてもよし、フライにしてもよし、生でも当然良しだ。そんな感じで獲物大漁状態。
ひととおり獲物を捕った後、ゴムボートで別荘近くの浜へと帰還。別荘へ直行して夕食の準備だ。捕ったものは有難くいただかなくては。
とりあえず牡蠣以外の貝類は泥を吐かせておく。牡蠣もとりあえず調理までは海水に漬けておこう。
まずミド・リーが捕ったヒラメから。やっぱりこういう魚は刺身にしたくなる。捌いてサクにしてエンガワもきっちり取って冷蔵庫へ。
あと午前中に身体強化組が捕ってきた魚の残りも捌いておこう。
アナジャコは殻がちょい柔らかくてそのまま食べたいから素揚げにしよう。これなら殻ごとバリバリ食べられる。マテガイは洗った後酒で蒸してと。
牡蠣はちょいと調子に乗って捕り過ぎた。剥いても剥いても残っている。とりあえず剥いたのは生用とフライ用にして、殻付きはそのまま焼いてと。
残ったのはオイル漬けにでもしておこうかな。数日経ったらまたちょっと変わった味になるだろうから。
ならやっぱり剥いて剥いて剥いて……
帰ってきたナカさんやフールイ先輩、更にユキ先輩やタカス君、フルエさんやキーンさんにも手伝ってもらう。
ちなみにフルエさんはやっぱり揚げ物が好きらしい。なのでカキフライとアナジャコ、更に小魚類をお願いする。
あとは皆さん材料に合わせて勝手に食べたい料理を作るからお任せだ。俺は基本的に刺身とか生ものメインで。
材料も皆さん帰る毎に増えていく。日が暮れる前に無事夕食が完成。今回もやっぱり豪華だ。
「これをレモンでバリバリやるのがいいのだ」
フルエさんお勧めはアナジャコ。確かにそのままバリバリ食べられるし中も美味しい。
エビが凄く濃厚になった感じと言えばわかるだろうか。確かに何匹でもいけそうだ。
でも俺個人的にはやっぱり生魚と牡蠣で海鮮丼が一番だな。勿論俺だけ酢飯だ。何故か酢飯は皆さんに評判悪いのだが、俺はこれが正しい海鮮丼だと信じている。
具材もいい。カツオというより鮪っぽい魚の漬けとかちょいホースラディッシュ溶いた煎酒で食べるヒラメなんて最高だ。
でもタルタルソースたっぷりのせたカキフライも捨てがたい。材料がやたら豪華なアクアパッツアとか焼き物一式とかも当然美味い。俺は魚は本来生が一番派だが、焼いた身にバターソースなんかかけたのも無茶苦茶美味しいと思う。
つまりはまあ、お祭り状態という訳だ。
「冬の合宿は肉だったけれどこっちは魚だし脂が少ないからきっと健康だよね」
「食べ過ぎれば同じだと思うわよ」
「食わずに後悔するよりも食って後悔するべきだな」
「でも冬合宿で増えた分は結局減らなかったんです。身長伸びたからごまかせますけれど」
「成長期だから問題ないのだ」
言い訳をいいながら食べまくる。合宿ではいつものことだけれども。
「明日は私もこの海老もどきの捕獲に参加するのだ」
「捕り過ぎて全滅させるなよ」
「新人歓迎合宿分くらいは残しておくのだ」
「少しは生態系を考えろ」
確かに魔法で砂を掘ってしまうと一網打尽という感じだしな。その辺は少しは気をつけよう。まあ牡蠣に関してだけはいくら捕っても大丈夫そうだけれども。
ああ生牡蠣にレモン汁が美味しいが焼いただけのも美味しい。
応援ありがとうございます!
3
お気に入りに追加
2,155
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる