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第27章 3学期の合間に
第235話 魔力電池作成中
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さて、魔力電池として実際に魔力を得られるか。実際に試作をして確かめてみよう。
魔力を取り出す部分は魔石と同じようにすればいいだろう。
そして電極というか魔極に使用する金属は何が一番いいか。とりあえず近場にある試料を全部取り出して鑑定魔法で確認。
うん、魔法銀《ミスリル》とアルミニウムが一番差が大きくていい感じ。魔石の時は魔法銅《オリハルコン》と鉛だったけれど、この組み合わせの方が効果的なようだ。後で魔石使用装置の方もこの組み合わせに改造しておこう。
あとはこの金属板であの魔力クレソンを挟めばいいんだよな。隙間があると伝達効率が悪くなりそうなので汁が出て空気が逃げるまで押し潰すように設計する。
まあ設計というか実際に工作用魔法杖で作っているのだけれど。ネジというか万力っぽい構造でギシギシ押し潰す感じで。
さて、発生した魔力をどうやって確認しようか。今のところ魔力を測るような装置は存在しないのだけれど。
ゼロから新しい装置を考えたり作ったりするのは大変だ。ここは電圧計や電流計を流用しよう。つまり一度電気魔法に変換して、これらの計器を通してやればいい。
勿論魔力の出力、つまり電気系が強めとか生物系が強めとかの誤差は出る。しかし目安にはなるだろう。
コンデンサー部分の小型化がもう限界だよな。そう思いながら魔力計と魔圧計を作る。
よし、これで実験装置はひととおり完成だ。早速電圧計改造魔圧計をつないでみる。針がういっと振り切れた。
うん、間違いなく魔力は出てきているな。抵抗か何かをつけないとあっという間に出し切ってしまいそうだけれど。
ここからは魔石の時と同じ作業だ。可変抵抗を付けて出力調整してと。これで記述魔法で出来た命令を実行してどれくらい魔力が持つか確認しよう。
そんな訳で鑑定魔法主体の記述魔法の命令文を書いてみる。
① 魔圧計と魔流計の数値を常時確認
② 12半時間毎に魔圧計と魔流計の数値を紙に記載
それだけの内容の命令文だ。
作成した試作魔力電池を記述魔法用の回路に接続。動き始めたのを確認してこれは放置。
これでどれくらいこの魔力電池が持つか目安がわかるだろう。でも念のため鑑定魔法で確認。
あ、これはあまり嬉しくない事実が発覚。電池から魔力が結構漏れている。
今の材質は内側が石英ガラスで外側を鉄で補強している状態。でもこれだけでは魔力の漏れを防げないようだ。
なので更に外側を魔法銅《オリハルコン》で囲んでやる。かなりマシになったかな。
でも困った事に外側を囲った魔法銅《オリハルコン》が魔力を帯び始めた。このままでは触れるな危険状態だ。どう改善しようか。
鑑定魔法で状況を調べると電位に相当するものが囲った魔法銅《オリハルコン》とアルミニウム極とでかなり近い感じだ。なら鉄部分を外して魔法銅《オリハルコン》だけで補強するようにして、更に魔法銅《オリハルコン》線をアルミニウム極とつないでと。そして外側をゴムで囲い、更に魔法銅《オリハルコン》で囲う。
よし、これでかなりマシになった。さっきのように魔力が貯まって『触れるな危険』という状態では無い。
あとはこの電池、このままだと生の魔法クレソンでないと動かない。何処でも使えるようにするには可搬性と保存性を持たせる必要がある。
そんな訳でさっき切ってきた魔法クレソンの残りを見てみると…… うん、どんどん魔力を放出してしまっている。
錠剤にするには確か低温で乾燥させるんだよな。そんな訳で適当な大きさに切って鍋に入れ、工作魔法で押し潰して減圧乾燥。
どうしても乾燥作業である程度の魔力は失われてしまうようだ。一応錠剤と同じ程度の魔力を持った乾燥した繊維の塊は出来たけれど。
乾燥してしまえば魔力の放出は大分少なくなるようだ。あとはこれに水分を加えれば魔力を放出しはじめる。
でも乾かす際に失われる魔力が勿体ない。他に方法は無いだろうか。
絞った汁状態だとどんどん魔力が抜けてしまう。冷凍なら大分ましだけれどこれで持ち運ぶのもどうだろうか。
例えばアルコールとか有機溶媒に濃縮して溶かすとかはどうだろう。エタノールと塩酸、原油から作ったホワイトガソリンで確認。
あまり意味が無い事が良く分かった。結局溶媒が何であれ液体状態だとどんどん魔力が抜けてしまうのだ。
よし、それなら最初から加工してしまえばいいんだよな。そんな訳で今度は工作魔法で箱を作成。
この箱の構造は実験用に作った魔法電池とほぼ同じだ。これに最初からカットして魔法クレソンを詰め込んで詰め込んで詰め込んで圧縮してと。
ちょっと形を工夫した電極というか魔極を入れて密閉する。
魔法銀《ミスリル》極は細い繊維をガラス繊維で固めたものを容器中央に棒状に伸ばす。大きいのにすると費用が掛かり過ぎるからだ。
アルミニウム極は外周と底面をぐるりと覆う形で。素材は違うが乾電池と似たような構造だ。筐体が外側から魔法銅>ガラス繊維>魔法銅>アルミニウムと四重になっているけれど。
魔力の漏れが少ない事を確認。つまり使うなら魔力クレソンを採取してすぐにこの段階まで工場で加工しろという事のようだ。
あと、試作型魔力電池の容量次第では小型化して規格サイズで作ったら便利だよな。単一とか単二とか単三とか。実際はもっと大きなサイズになると思うけれど。
魔力を取り出す部分は魔石と同じようにすればいいだろう。
そして電極というか魔極に使用する金属は何が一番いいか。とりあえず近場にある試料を全部取り出して鑑定魔法で確認。
うん、魔法銀《ミスリル》とアルミニウムが一番差が大きくていい感じ。魔石の時は魔法銅《オリハルコン》と鉛だったけれど、この組み合わせの方が効果的なようだ。後で魔石使用装置の方もこの組み合わせに改造しておこう。
あとはこの金属板であの魔力クレソンを挟めばいいんだよな。隙間があると伝達効率が悪くなりそうなので汁が出て空気が逃げるまで押し潰すように設計する。
まあ設計というか実際に工作用魔法杖で作っているのだけれど。ネジというか万力っぽい構造でギシギシ押し潰す感じで。
さて、発生した魔力をどうやって確認しようか。今のところ魔力を測るような装置は存在しないのだけれど。
ゼロから新しい装置を考えたり作ったりするのは大変だ。ここは電圧計や電流計を流用しよう。つまり一度電気魔法に変換して、これらの計器を通してやればいい。
勿論魔力の出力、つまり電気系が強めとか生物系が強めとかの誤差は出る。しかし目安にはなるだろう。
コンデンサー部分の小型化がもう限界だよな。そう思いながら魔力計と魔圧計を作る。
よし、これで実験装置はひととおり完成だ。早速電圧計改造魔圧計をつないでみる。針がういっと振り切れた。
うん、間違いなく魔力は出てきているな。抵抗か何かをつけないとあっという間に出し切ってしまいそうだけれど。
ここからは魔石の時と同じ作業だ。可変抵抗を付けて出力調整してと。これで記述魔法で出来た命令を実行してどれくらい魔力が持つか確認しよう。
そんな訳で鑑定魔法主体の記述魔法の命令文を書いてみる。
① 魔圧計と魔流計の数値を常時確認
② 12半時間毎に魔圧計と魔流計の数値を紙に記載
それだけの内容の命令文だ。
作成した試作魔力電池を記述魔法用の回路に接続。動き始めたのを確認してこれは放置。
これでどれくらいこの魔力電池が持つか目安がわかるだろう。でも念のため鑑定魔法で確認。
あ、これはあまり嬉しくない事実が発覚。電池から魔力が結構漏れている。
今の材質は内側が石英ガラスで外側を鉄で補強している状態。でもこれだけでは魔力の漏れを防げないようだ。
なので更に外側を魔法銅《オリハルコン》で囲んでやる。かなりマシになったかな。
でも困った事に外側を囲った魔法銅《オリハルコン》が魔力を帯び始めた。このままでは触れるな危険状態だ。どう改善しようか。
鑑定魔法で状況を調べると電位に相当するものが囲った魔法銅《オリハルコン》とアルミニウム極とでかなり近い感じだ。なら鉄部分を外して魔法銅《オリハルコン》だけで補強するようにして、更に魔法銅《オリハルコン》線をアルミニウム極とつないでと。そして外側をゴムで囲い、更に魔法銅《オリハルコン》で囲う。
よし、これでかなりマシになった。さっきのように魔力が貯まって『触れるな危険』という状態では無い。
あとはこの電池、このままだと生の魔法クレソンでないと動かない。何処でも使えるようにするには可搬性と保存性を持たせる必要がある。
そんな訳でさっき切ってきた魔法クレソンの残りを見てみると…… うん、どんどん魔力を放出してしまっている。
錠剤にするには確か低温で乾燥させるんだよな。そんな訳で適当な大きさに切って鍋に入れ、工作魔法で押し潰して減圧乾燥。
どうしても乾燥作業である程度の魔力は失われてしまうようだ。一応錠剤と同じ程度の魔力を持った乾燥した繊維の塊は出来たけれど。
乾燥してしまえば魔力の放出は大分少なくなるようだ。あとはこれに水分を加えれば魔力を放出しはじめる。
でも乾かす際に失われる魔力が勿体ない。他に方法は無いだろうか。
絞った汁状態だとどんどん魔力が抜けてしまう。冷凍なら大分ましだけれどこれで持ち運ぶのもどうだろうか。
例えばアルコールとか有機溶媒に濃縮して溶かすとかはどうだろう。エタノールと塩酸、原油から作ったホワイトガソリンで確認。
あまり意味が無い事が良く分かった。結局溶媒が何であれ液体状態だとどんどん魔力が抜けてしまうのだ。
よし、それなら最初から加工してしまえばいいんだよな。そんな訳で今度は工作魔法で箱を作成。
この箱の構造は実験用に作った魔法電池とほぼ同じだ。これに最初からカットして魔法クレソンを詰め込んで詰め込んで詰め込んで圧縮してと。
ちょっと形を工夫した電極というか魔極を入れて密閉する。
魔法銀《ミスリル》極は細い繊維をガラス繊維で固めたものを容器中央に棒状に伸ばす。大きいのにすると費用が掛かり過ぎるからだ。
アルミニウム極は外周と底面をぐるりと覆う形で。素材は違うが乾電池と似たような構造だ。筐体が外側から魔法銅>ガラス繊維>魔法銅>アルミニウムと四重になっているけれど。
魔力の漏れが少ない事を確認。つまり使うなら魔力クレソンを採取してすぐにこの段階まで工場で加工しろという事のようだ。
あと、試作型魔力電池の容量次第では小型化して規格サイズで作ったら便利だよな。単一とか単二とか単三とか。実際はもっと大きなサイズになると思うけれど。
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