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第27章 3学期の合間に
第233話 大型飛行機初飛行
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そしてついに飛行場全体が完成した。完成お披露目という事でマスコミまで呼んで、大型機、小型機ともに飛行させるそうだ。ただし残念ながら当日は平日。だから授業が終わってから参加だ。
まあ授業以外にも飛行場開場式典に出なかった理由は色々あるけれど。飛行場側も俺達側も授業のせいにしておいた方がお互い無難だったりする訳だ。
そんな訳でニ・ホの飛行場に俺達が着いた時には既に式典は終了。大型機も4人乗り小型機も無事試験飛行を終了したそうだ。マスコミさんみたいな方々も撤収してもういないとの事。
「大型機、小型機ともに初飛行では特に問題点は見い出せませんでした。もう少しここで試験飛行を繰り返した後、全国の飛行場へ配置する予定です」
これはジゴゼンさんの説明。あと当分の間飛行機の製造と修理はここニ・ホの飛行場で行うそうだ。
ただ各地の飛行場も施設はほぼ完成しているらしい。ここのような飛行機製造用の巨大な建物は無いけれど、飛行機格納庫や燃料タンク等は設置されているそうだ。
「それでは飛ばしてみますか。こちらの飛行機も」
「ありがとうございます。それでは全員で乗って試してみます」
「もう関係者以外はいないので大丈夫ですけれど、無理はしないでくださいね」
そんな訳で俺達用の大型機にオマーチの3人を含む14人全員が搭乗。シモンさんが機長席、俺が副操縦席に乗り込む。
「それじゃエンジンを始動するよ」
始動シークエンスは記述魔法のおかげでボタンひとつ。
『では行ってきます』
『滑走路は開けてあります。では気をつけて』
伝達魔法で連絡した後、エンジンをゆっくり地上走行用の速度まで上げる。ゆっくり機体が動き始めた。操縦桿ではなくタイヤ用のジョイスティックで操作して滑走路の端まで移動。
「この辺の動きは遅く感じるのだ」
「まあ実際遅いからなあ。自動車と違って地上を走る事を重視していないからバランスを崩さないよう万事ゆっくりになるし」
俺達用の飛行機は操縦席と客席が同一空間。なので双方で話も出来る。
ゆっくりと滑走路端に到着し、一度飛行機は止まった。
『それでは離陸を開始します。宜しいでしょうか』
『滑走路はクリアです。気を付けてくださいね』
『わかりました。それでは離陸を開始します』
伝達魔法で連絡した後、シモンさんは離陸ボタンを押す。ここから高度200腕までは記述魔法により自動だ。エンジンが一気にうなり始め、そして加速が始まる。
「この後ろに引っ張られる感は凄いですよね」
「超小型機より離陸に速度が必要ですから」
超小型機の離陸速度は時速40離程度。この大型機の離陸速度は時速70離程度だ。
だが強力なエンジン2基のおかげで離陸まであっという間。滑走路を250腕程度で離陸する。
あっという間に上昇していき、既に下は海。低翼機なので見晴らしがいい。
「あの小さい飛行機と比べると安定している感じだよね」
超小型飛行機と比べられてもなあ。
「こっちが倍近い大きさだしね」
「こんな金属の塊が空を飛ぶって何か凄いよね」
「凄いというか怖いですよね。何で飛んでいるのかわかりませんし」
「一応説明はしたと思いますけれど」
「理性と感情は違うのです」
まあわかるけれどさ。俺は前世の常識があるからその辺あまり気にならないけれど。
「とりあえずニ・ホの街の周りをぐるっと回って、それから飛行場へ戻るコースでいいんだよね」
「今回は試験飛行だしさ。それで充分だろ」
そんな訳でゆっくりと旋回を開始する。この辺からは自動ではなくシモンさんの操縦だ。一応俺の方にも連動する操縦桿があるけれど、基本的にはシモンさん任せの予定。
「この高さだと流石に街も小さく見えるよね。高さ今はどれくらい?」
「だいたい300腕くらいだな」
「熱気球で見たより遥かに高いのだ」
「でもこれくらいの高さはあの超小型飛行機でも飛んだよね」
「あれとはまた感覚がかわりますよね。あれは飛ぶだけの装置で、これは部屋ごと飛んでいる感じですから」
「確かに蒸気自動車より広いのだ」
俺達仕様のこの機体は横方向が2席+通路+1席の3席。縦方向が操縦席を除くと5列。合計が操縦席2人と客席15人の17人仕様。
更に後ろに貨物スペース1.5腕程度。しかも床が平らだから蒸気自動車より圧倒的に広い。確かに部屋と言ってもいいかもしれない。
陸地をぐるっと回った後、再び海の上に出る。
「ではそろそろ旋回して着陸態勢に入るよ」
『着陸態勢入りました』
『了解。滑走路異常無しです』
「滑走路異常無しだそうです」
高度をゆっくり落とし、高度100腕で着陸ボタンを押す。これで前方30度以内、距離3離以内に滑走路があれば飛行機は自動で着陸する。方向や距離、角度が悪い場合は自動着陸が中止され機体はゆっくり上昇を始めるので、旋回してもう一度試せばいい。
この辺は記述魔法を散々確認した。更に俺とタカス君、キーンさんにジゴゼンさんの鑑定魔法で確認しているのでまず大丈夫だと思う。
機体はまっすぐ滑走路に向かっていく。だんだん地上が迫ってくる。
そしてほとんどショックを感じることなく飛行機は無事着陸した。プロペラのピッチが変わり一気に減速する。
速度が落ちたところでシモンさんは自動着陸を解除、地上走行に切り替えた。飛行機は行きよりやや速い速度で格納庫へと向かう。
なおバック機能は無いので飛行機は格納庫前で停止。そこで全員が降りて、飛行場専用の電気自動車で後ろ向きに引っ張る。
俺の買い物用と同じタイプの自動車だが、これがなかなか便利だ。充電さえしておけばすぐ動けるし引っ張る力も強いから。
そんな訳で今では飛行場の作業用にも量産して使っている。勿論他の飛行場にも配備済みだ。
まあ授業以外にも飛行場開場式典に出なかった理由は色々あるけれど。飛行場側も俺達側も授業のせいにしておいた方がお互い無難だったりする訳だ。
そんな訳でニ・ホの飛行場に俺達が着いた時には既に式典は終了。大型機も4人乗り小型機も無事試験飛行を終了したそうだ。マスコミさんみたいな方々も撤収してもういないとの事。
「大型機、小型機ともに初飛行では特に問題点は見い出せませんでした。もう少しここで試験飛行を繰り返した後、全国の飛行場へ配置する予定です」
これはジゴゼンさんの説明。あと当分の間飛行機の製造と修理はここニ・ホの飛行場で行うそうだ。
ただ各地の飛行場も施設はほぼ完成しているらしい。ここのような飛行機製造用の巨大な建物は無いけれど、飛行機格納庫や燃料タンク等は設置されているそうだ。
「それでは飛ばしてみますか。こちらの飛行機も」
「ありがとうございます。それでは全員で乗って試してみます」
「もう関係者以外はいないので大丈夫ですけれど、無理はしないでくださいね」
そんな訳で俺達用の大型機にオマーチの3人を含む14人全員が搭乗。シモンさんが機長席、俺が副操縦席に乗り込む。
「それじゃエンジンを始動するよ」
始動シークエンスは記述魔法のおかげでボタンひとつ。
『では行ってきます』
『滑走路は開けてあります。では気をつけて』
伝達魔法で連絡した後、エンジンをゆっくり地上走行用の速度まで上げる。ゆっくり機体が動き始めた。操縦桿ではなくタイヤ用のジョイスティックで操作して滑走路の端まで移動。
「この辺の動きは遅く感じるのだ」
「まあ実際遅いからなあ。自動車と違って地上を走る事を重視していないからバランスを崩さないよう万事ゆっくりになるし」
俺達用の飛行機は操縦席と客席が同一空間。なので双方で話も出来る。
ゆっくりと滑走路端に到着し、一度飛行機は止まった。
『それでは離陸を開始します。宜しいでしょうか』
『滑走路はクリアです。気を付けてくださいね』
『わかりました。それでは離陸を開始します』
伝達魔法で連絡した後、シモンさんは離陸ボタンを押す。ここから高度200腕までは記述魔法により自動だ。エンジンが一気にうなり始め、そして加速が始まる。
「この後ろに引っ張られる感は凄いですよね」
「超小型機より離陸に速度が必要ですから」
超小型機の離陸速度は時速40離程度。この大型機の離陸速度は時速70離程度だ。
だが強力なエンジン2基のおかげで離陸まであっという間。滑走路を250腕程度で離陸する。
あっという間に上昇していき、既に下は海。低翼機なので見晴らしがいい。
「あの小さい飛行機と比べると安定している感じだよね」
超小型飛行機と比べられてもなあ。
「こっちが倍近い大きさだしね」
「こんな金属の塊が空を飛ぶって何か凄いよね」
「凄いというか怖いですよね。何で飛んでいるのかわかりませんし」
「一応説明はしたと思いますけれど」
「理性と感情は違うのです」
まあわかるけれどさ。俺は前世の常識があるからその辺あまり気にならないけれど。
「とりあえずニ・ホの街の周りをぐるっと回って、それから飛行場へ戻るコースでいいんだよね」
「今回は試験飛行だしさ。それで充分だろ」
そんな訳でゆっくりと旋回を開始する。この辺からは自動ではなくシモンさんの操縦だ。一応俺の方にも連動する操縦桿があるけれど、基本的にはシモンさん任せの予定。
「この高さだと流石に街も小さく見えるよね。高さ今はどれくらい?」
「だいたい300腕くらいだな」
「熱気球で見たより遥かに高いのだ」
「でもこれくらいの高さはあの超小型飛行機でも飛んだよね」
「あれとはまた感覚がかわりますよね。あれは飛ぶだけの装置で、これは部屋ごと飛んでいる感じですから」
「確かに蒸気自動車より広いのだ」
俺達仕様のこの機体は横方向が2席+通路+1席の3席。縦方向が操縦席を除くと5列。合計が操縦席2人と客席15人の17人仕様。
更に後ろに貨物スペース1.5腕程度。しかも床が平らだから蒸気自動車より圧倒的に広い。確かに部屋と言ってもいいかもしれない。
陸地をぐるっと回った後、再び海の上に出る。
「ではそろそろ旋回して着陸態勢に入るよ」
『着陸態勢入りました』
『了解。滑走路異常無しです』
「滑走路異常無しだそうです」
高度をゆっくり落とし、高度100腕で着陸ボタンを押す。これで前方30度以内、距離3離以内に滑走路があれば飛行機は自動で着陸する。方向や距離、角度が悪い場合は自動着陸が中止され機体はゆっくり上昇を始めるので、旋回してもう一度試せばいい。
この辺は記述魔法を散々確認した。更に俺とタカス君、キーンさんにジゴゼンさんの鑑定魔法で確認しているのでまず大丈夫だと思う。
機体はまっすぐ滑走路に向かっていく。だんだん地上が迫ってくる。
そしてほとんどショックを感じることなく飛行機は無事着陸した。プロペラのピッチが変わり一気に減速する。
速度が落ちたところでシモンさんは自動着陸を解除、地上走行に切り替えた。飛行機は行きよりやや速い速度で格納庫へと向かう。
なおバック機能は無いので飛行機は格納庫前で停止。そこで全員が降りて、飛行場専用の電気自動車で後ろ向きに引っ張る。
俺の買い物用と同じタイプの自動車だが、これがなかなか便利だ。充電さえしておけばすぐ動けるし引っ張る力も強いから。
そんな訳で今では飛行場の作業用にも量産して使っている。勿論他の飛行場にも配備済みだ。
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