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第26章 冬合宿は続く
第227話 研究室分室?
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「そういえば飛行場とかいつ頃出来ますかね」
何となく気になったから皆の意見を聞いてみた。
「殿下がああ言ったからには冬のうちには作るんじゃないか」
「今月中に出来ているかもしれません」
おいおい脅さないでくれ、ナカさん。
「何でしたら明日油田の方を見に行ってみればいいのでは。ここからそれほど遠くないと聞いていますし、あの移動魔法用魔道具があれば簡単ですよね」
タカモ先輩の台詞に成程と思う。原油精製も同時にやっている筈だしな。
「そうですね。明日にでも見に行ってみたいと思います」
「それでよろしければ私も連れて行っていただけますでしょうか。あの原油というものには色々な可能性があるように思えるのです。以前1缶いただいて研究してみました。でもどうも実際に原油で何か新しい物を作るにはかなりの量を必要とするようです。採掘する場所に行ってみれば色々新しい発見があるかもしれません」
「なら大きい容器も持っていけばいいんじゃない。フールイ先輩の大型魔法杖で行き帰り送って貰えば荷物が多くても大丈夫だし」
確かにそうだな。
「明日は安息日だし工事をしていてもお休みだよね」
うんうん。それならばだ。
「フールイ先輩、お願いしていいですか」
「問題ない。明日の午前でいい?」
「お願いします」
頭を下げる。
「そうと決まれば大きな入れ物を作らないとね。荷車に乗るように作ればいいかな。その方が運びやすいだろうし」
シモンさんはすぐに席を立って作りに行きそうだ。
「食事後でいいだろ。どうせ今使っているこの鉄板、今回しか使わないだろうから。これを解体して材料にすればいいだろうし」
「でもこの食べ方面白いよね。また2~3日したらやりたいからこれはそのままにして、別の材料を使って作るよ」
結局行ってしまった。作るモードになったシモンさんを止める事は出来ない。
「申し訳ないです。私が原油を欲しいといったばかりに」
「いいのいいの。シモンさんは物を作っている時が一番楽しいんだから」
「そうそう。気にしないで大丈夫です」
「同意。平常運転」
ウージナの皆さんはシモンさんのこの手の行動にもう慣れている。
「ところで新しい物って、どんなものを作れるのでしょうか」
「選択肢が多すぎて戸惑う位です。まずは色々作ってみてそれから考えた方がいいかもしれません」
確かに前世では原油を材料にプラスチックだの何だの色々作っていたしな。
「あとあのエンジンに最適な潤滑油も作らないとならないですしね」
流石にジェットエンジン用の色々な潤滑油なんてものは俺には出来ない。なのでタカモ先輩とキーンさんに御願いしていたのだ。この2人で組めば大体の素材は目的に合わせて作れるらしい。
蒸気自動車用シリンダーオイルも蒸気ボート用のタービンオイルも専用品を作って貰った位だ。チートというか便利というかはおいておいて。
そんな話とは関係なく、横からミド・リーが俺のひじをちょいちょいつつく。理由がわかった俺はお好み焼きの生地を薄く広く伸ばし、上にキャベツを乗せた。
作るのは正統派広島風お好み焼き。ミド・リーが『美味しく作ったのをよこせ』と訴えているから。この辺は付き合いが長いから大体わかる。
俺自身はもう腹いっぱいなのだけれどさ。大体ミド・リーは俺の倍くらいは食べるから。
焼きながらちょっと考える。 次は平打ち麺にして煎酒ベースと鶏ガラ&魚系出汁、猪魔獣の背脂を使った尾●風ラーメンでも作ろうかな。
◇◇◇
翌日の朝食はボイルしたソーセージ、卵焼き、ポテト&生野菜サラダ、クリームスープ、パン。ソーセージは当然この前作ったものだ。
俺はサラダをつつきながら魔道具で油田付近を遠隔偵察してみる。やはり油田には既に殿下の手が伸びていた。かなり状態が変わっている。
まず近くの馬車道から支線馬車道が通じている。そして今まで以上に広い範囲を壁で囲ってあって、立派な門が出来ていた。
中は駐車場のような広い石畳スペースと車庫風の建物と事務所風の建物。あと俺が作ったのより更に立派な採掘櫓と貯蔵用らしい大型タンク。採掘櫓のすぐ横まで石畳が伸びている。
おそらく例の蒸気トラックで原油を運ぶことを前提にしているのだろう。石畳とか車庫風の建物はきっとそれを意味している。
なお精製施設はここには無いようだ。建物内や付近一帯を見てみたが現在は人はいない模様。安息日でお休みだからだろうか。
門のところを確認する。
『関係者以外立ち入り禁止 国王庁・ニシーハラ侯爵家』
そんな札が出ている。とすると俺達が入ってはまずいのだろうか。
あ、何か看板に微妙な魔力を感じる。更に鑑定魔法を重ねて確認。
『ウージナのグループ研究実践及びオマーチのヤスカワ分室の諸君宛。君達は関係者に含むよ。ここには採掘用に軍や研究機関の者も出入りするが気兼ねなく使ってくれたまえ。
なお5番倉庫と中に入っている一式、事務棟の3番会議室と中の什器一式は君達用だ。門や建物等の鍵は3番会議室の机の中に入っている。自由に使ってくれ。ホン・ド・ヒロデン』
おいおいおいおい。メッセージ魔法に殿下本人の魔法証明まで入っている。なら念の為確認しておくか。
朝食中で全員揃っているので今が一番都合がいい。
「アキナ先輩かヨーコ先輩、殿下から油田の事で何か連絡は入っていますか」
「そう言えば飛行機の燃料研究のために少し開発するって連絡が入っていたな。詳細は現場に行けば分かるようにしておくって」
ヨーコ先輩に連絡が行っていたか。これは全員に言っておいた方がいいな。
「油田があった場所に馬車道とか貯蔵タンクとか事務所なんかが出来ています。更に中の会議室の一室と倉庫の一部を自由に使ってくれとメッセージ魔法で記載がありました」
「それなら一度、全員で確認した方がいいですわ、きっと」
「そうですね」
アキナ先輩とユキ先輩が頷く。
「私達も行ってみて大丈夫なのでしょうか」
「オマーチのヤスカワ分室も関係者の中に入っていました。だから行ってみた方がいいと思います」
タカモ先輩にそう返答しておく。
「なら全員で行ってみたほうがいいねきっと。それほど遠くないから魔道具で充分移動できるし」
「食べたら着替えてすぐ移動だな」
「そうですね」
そんな訳で食事の後少ししたらお出かけだ。
何となく気になったから皆の意見を聞いてみた。
「殿下がああ言ったからには冬のうちには作るんじゃないか」
「今月中に出来ているかもしれません」
おいおい脅さないでくれ、ナカさん。
「何でしたら明日油田の方を見に行ってみればいいのでは。ここからそれほど遠くないと聞いていますし、あの移動魔法用魔道具があれば簡単ですよね」
タカモ先輩の台詞に成程と思う。原油精製も同時にやっている筈だしな。
「そうですね。明日にでも見に行ってみたいと思います」
「それでよろしければ私も連れて行っていただけますでしょうか。あの原油というものには色々な可能性があるように思えるのです。以前1缶いただいて研究してみました。でもどうも実際に原油で何か新しい物を作るにはかなりの量を必要とするようです。採掘する場所に行ってみれば色々新しい発見があるかもしれません」
「なら大きい容器も持っていけばいいんじゃない。フールイ先輩の大型魔法杖で行き帰り送って貰えば荷物が多くても大丈夫だし」
確かにそうだな。
「明日は安息日だし工事をしていてもお休みだよね」
うんうん。それならばだ。
「フールイ先輩、お願いしていいですか」
「問題ない。明日の午前でいい?」
「お願いします」
頭を下げる。
「そうと決まれば大きな入れ物を作らないとね。荷車に乗るように作ればいいかな。その方が運びやすいだろうし」
シモンさんはすぐに席を立って作りに行きそうだ。
「食事後でいいだろ。どうせ今使っているこの鉄板、今回しか使わないだろうから。これを解体して材料にすればいいだろうし」
「でもこの食べ方面白いよね。また2~3日したらやりたいからこれはそのままにして、別の材料を使って作るよ」
結局行ってしまった。作るモードになったシモンさんを止める事は出来ない。
「申し訳ないです。私が原油を欲しいといったばかりに」
「いいのいいの。シモンさんは物を作っている時が一番楽しいんだから」
「そうそう。気にしないで大丈夫です」
「同意。平常運転」
ウージナの皆さんはシモンさんのこの手の行動にもう慣れている。
「ところで新しい物って、どんなものを作れるのでしょうか」
「選択肢が多すぎて戸惑う位です。まずは色々作ってみてそれから考えた方がいいかもしれません」
確かに前世では原油を材料にプラスチックだの何だの色々作っていたしな。
「あとあのエンジンに最適な潤滑油も作らないとならないですしね」
流石にジェットエンジン用の色々な潤滑油なんてものは俺には出来ない。なのでタカモ先輩とキーンさんに御願いしていたのだ。この2人で組めば大体の素材は目的に合わせて作れるらしい。
蒸気自動車用シリンダーオイルも蒸気ボート用のタービンオイルも専用品を作って貰った位だ。チートというか便利というかはおいておいて。
そんな話とは関係なく、横からミド・リーが俺のひじをちょいちょいつつく。理由がわかった俺はお好み焼きの生地を薄く広く伸ばし、上にキャベツを乗せた。
作るのは正統派広島風お好み焼き。ミド・リーが『美味しく作ったのをよこせ』と訴えているから。この辺は付き合いが長いから大体わかる。
俺自身はもう腹いっぱいなのだけれどさ。大体ミド・リーは俺の倍くらいは食べるから。
焼きながらちょっと考える。 次は平打ち麺にして煎酒ベースと鶏ガラ&魚系出汁、猪魔獣の背脂を使った尾●風ラーメンでも作ろうかな。
◇◇◇
翌日の朝食はボイルしたソーセージ、卵焼き、ポテト&生野菜サラダ、クリームスープ、パン。ソーセージは当然この前作ったものだ。
俺はサラダをつつきながら魔道具で油田付近を遠隔偵察してみる。やはり油田には既に殿下の手が伸びていた。かなり状態が変わっている。
まず近くの馬車道から支線馬車道が通じている。そして今まで以上に広い範囲を壁で囲ってあって、立派な門が出来ていた。
中は駐車場のような広い石畳スペースと車庫風の建物と事務所風の建物。あと俺が作ったのより更に立派な採掘櫓と貯蔵用らしい大型タンク。採掘櫓のすぐ横まで石畳が伸びている。
おそらく例の蒸気トラックで原油を運ぶことを前提にしているのだろう。石畳とか車庫風の建物はきっとそれを意味している。
なお精製施設はここには無いようだ。建物内や付近一帯を見てみたが現在は人はいない模様。安息日でお休みだからだろうか。
門のところを確認する。
『関係者以外立ち入り禁止 国王庁・ニシーハラ侯爵家』
そんな札が出ている。とすると俺達が入ってはまずいのだろうか。
あ、何か看板に微妙な魔力を感じる。更に鑑定魔法を重ねて確認。
『ウージナのグループ研究実践及びオマーチのヤスカワ分室の諸君宛。君達は関係者に含むよ。ここには採掘用に軍や研究機関の者も出入りするが気兼ねなく使ってくれたまえ。
なお5番倉庫と中に入っている一式、事務棟の3番会議室と中の什器一式は君達用だ。門や建物等の鍵は3番会議室の机の中に入っている。自由に使ってくれ。ホン・ド・ヒロデン』
おいおいおいおい。メッセージ魔法に殿下本人の魔法証明まで入っている。なら念の為確認しておくか。
朝食中で全員揃っているので今が一番都合がいい。
「アキナ先輩かヨーコ先輩、殿下から油田の事で何か連絡は入っていますか」
「そう言えば飛行機の燃料研究のために少し開発するって連絡が入っていたな。詳細は現場に行けば分かるようにしておくって」
ヨーコ先輩に連絡が行っていたか。これは全員に言っておいた方がいいな。
「油田があった場所に馬車道とか貯蔵タンクとか事務所なんかが出来ています。更に中の会議室の一室と倉庫の一部を自由に使ってくれとメッセージ魔法で記載がありました」
「それなら一度、全員で確認した方がいいですわ、きっと」
「そうですね」
アキナ先輩とユキ先輩が頷く。
「私達も行ってみて大丈夫なのでしょうか」
「オマーチのヤスカワ分室も関係者の中に入っていました。だから行ってみた方がいいと思います」
タカモ先輩にそう返答しておく。
「なら全員で行ってみたほうがいいねきっと。それほど遠くないから魔道具で充分移動できるし」
「食べたら着替えてすぐ移動だな」
「そうですね」
そんな訳で食事の後少ししたらお出かけだ。
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