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第23章 二度目の学園祭
第198話 まさかこんな終わりとは
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展示のある教室に戻る。ミド・リーとフルエさんが展示室番をしていた。
「あ、いたいた。連絡つかなかったけれど何処行っていたの?」
ミド・リーにいきなりそう聞かれる。連絡がつかない? ミド・リーなら生物魔法の応用で連絡出来る筈なのだけれど。
「すみません。保秘のため外部遮断かけていました」
ナカさんの仕業だったようだ。相変わらず色々な魔法隠し持っていて使うよな。しかし問題はそこではない。連絡しようと思った内容の方だ。
「何かあったのか?」
「去年と同じよ。優秀発表団体の表彰」
そう言えばそういうものもあったな。今更ながらに思い出した。
「すみません。外部遮断かけていたから放送魔法も一切入っていないんです」
「去年と同じくヨーコ先輩とシンハを行かせたからいいけれどね」
本当にそれでいいのだろうか。まあ俺としては自分が犠牲者にならなければいいというのはあるけれど。
それにその2人なら舞台映えもするだろう。だからまあ、それで良かったという事にするも。
「どんな賞を取られたんですか」
「何と学園祭最優秀賞なのだ」
向こうの学校の女子の質問にフルエさんの返答。
フルエさんは結構喜んでいるようだ。しかし俺は驚きも喜びもほとんど感じない。
今年も発表が派手だったしな。動画でもかなり人を集めたし仕方無い。俺の感想はその程度だ。
「凄いですね。最優秀ですか」
事情を知らないオマーチからのお客様はそう褒めてくれる。しかしだ。
「申し訳無いですよね。去年も頂いてしまいましたし」
ナカさんの台詞に昨年と同じ面子は思わず頷いてしまう。どうやら皆さん、俺と似たような感覚の模様。
「皆さん喜び方が薄いですね」
今回が初めてのタカス君にそんな事を言われる状態だ。
「反則技かつ力尽くで優秀賞を貰っているような気がしてね」
「発表内容が学生レベルではないですからね。仕方無いと思いますよ」
ミド・リーはともかくターカノさんまでそんな事を言う状態だ。おいおい。まあその通りではあるだろうけれど。
「でも取りあえずめでたいのは確かなのだ。そろそろ表彰も終わるし上の部屋も終わるからとりあえず祝うのだ。ケーキセットは全員分余裕であるのだ」
ケーキセットとはこの前姉貴に差し入れさせたのと同じものだ。予約して昼前に俺が買ってきた。数は例によって人数分の倍。だからお客様の分も充分ある。
「ただいまー。上は終わりました」
ユキ先輩とフールイ先輩が上映会場から戻ってきた。
「表彰式は?」
こちらは放送で状況を知っている模様。
「ヨーコ先輩とシンハ、昨年と同じよ」
「了解」
あっさり。やはりその程度の感覚と認識の模様だ。
するとちょうどそこへ。
「ただいまー。貰ってきたぞ」
ヨーコ先輩とシンハ君がトロフィーだの表彰状だの持って戻ってきた。
「いやあ、2年連続2回目受賞、他の研究会の視線が痛かったぜ」
「そうそう。あんな展示反則ですよという感じがたまらなくてさ」
うーん。シンハ君はともかくヨーコ先輩もこんなだっただろうか。でもまあいいかと思う。ここの中でくらいはこのくらいの本音ベースで。
「片付けは明日にして取りあえずは祝勝会だな」
「ちょうどケーキを配るところだったのだ」
そんな訳でお客様交えてささやかな祝勝会がはじまる。
「あとは冬休みだな。合宿は去年と同じでいいか」
「魔獣の革も役だったしね。でも先輩達は受験だけれどいいのかな」
「入試程度の問題、間違えなければ大丈夫だ」
「同意」
ヨーコ先輩もフールイ先輩も強気というか何というか……
「合宿に行かれるんですか」
「長期休みは大体半分くらい合宿だなここは。冬は前半が魔獣狩り、後半が温泉だ」
「温泉って何ですか」
「要は自然にお湯が出ている大きい風呂だよ。似たような物は研究室の上にも作ったけれどさ」
「そう言えば研究室の2階部分は見ていなかったですね」
あ、それは……。実はあえて案内しなかったのだけれど……
「ならやるか、風呂パーティ。ボイラー起動して3半時間もあれば使えるだろあそこ」
おいちょっと勘弁してくれヨーコ先輩。
「でも今日はお客様もいるし」
「水着のスペアは結構あるから大丈夫ですね」
「夏に色々買い出しましたし」
あ、これは駄目なパターンだ。俺とタカス君は顔を見合わせる。しかし味方は合計2人。多勢に無勢という奴だ。
「面白そうですね」
「今日は安息日ですし、3人は私が責任持って送り届けますから。遅くなると言う連絡も今しました」
ターカノさんまでこれだ。頼むからこんな時に有能ぶりを発揮しないで欲しい。
「ならパーティ用にちょっと買い出しをしておきましょう。学園祭の模擬店が投げ売り状態ですからちょうどいいですわ。シモンさんとミタキ君はお風呂の準備をお願いします」
「学園祭があったから久しぶりですね、あそこを使うの」
「大きいお風呂って初めてです。どんな感じなのでしょうか」
「なかなか気持ちいいわよ。今日はほどよく寒いからちょうどいいわ」
こうなってはもう取り返しがつかない。俺は皆に見られないよう小さくため息をついた。
「あ、いたいた。連絡つかなかったけれど何処行っていたの?」
ミド・リーにいきなりそう聞かれる。連絡がつかない? ミド・リーなら生物魔法の応用で連絡出来る筈なのだけれど。
「すみません。保秘のため外部遮断かけていました」
ナカさんの仕業だったようだ。相変わらず色々な魔法隠し持っていて使うよな。しかし問題はそこではない。連絡しようと思った内容の方だ。
「何かあったのか?」
「去年と同じよ。優秀発表団体の表彰」
そう言えばそういうものもあったな。今更ながらに思い出した。
「すみません。外部遮断かけていたから放送魔法も一切入っていないんです」
「去年と同じくヨーコ先輩とシンハを行かせたからいいけれどね」
本当にそれでいいのだろうか。まあ俺としては自分が犠牲者にならなければいいというのはあるけれど。
それにその2人なら舞台映えもするだろう。だからまあ、それで良かったという事にするも。
「どんな賞を取られたんですか」
「何と学園祭最優秀賞なのだ」
向こうの学校の女子の質問にフルエさんの返答。
フルエさんは結構喜んでいるようだ。しかし俺は驚きも喜びもほとんど感じない。
今年も発表が派手だったしな。動画でもかなり人を集めたし仕方無い。俺の感想はその程度だ。
「凄いですね。最優秀ですか」
事情を知らないオマーチからのお客様はそう褒めてくれる。しかしだ。
「申し訳無いですよね。去年も頂いてしまいましたし」
ナカさんの台詞に昨年と同じ面子は思わず頷いてしまう。どうやら皆さん、俺と似たような感覚の模様。
「皆さん喜び方が薄いですね」
今回が初めてのタカス君にそんな事を言われる状態だ。
「反則技かつ力尽くで優秀賞を貰っているような気がしてね」
「発表内容が学生レベルではないですからね。仕方無いと思いますよ」
ミド・リーはともかくターカノさんまでそんな事を言う状態だ。おいおい。まあその通りではあるだろうけれど。
「でも取りあえずめでたいのは確かなのだ。そろそろ表彰も終わるし上の部屋も終わるからとりあえず祝うのだ。ケーキセットは全員分余裕であるのだ」
ケーキセットとはこの前姉貴に差し入れさせたのと同じものだ。予約して昼前に俺が買ってきた。数は例によって人数分の倍。だからお客様の分も充分ある。
「ただいまー。上は終わりました」
ユキ先輩とフールイ先輩が上映会場から戻ってきた。
「表彰式は?」
こちらは放送で状況を知っている模様。
「ヨーコ先輩とシンハ、昨年と同じよ」
「了解」
あっさり。やはりその程度の感覚と認識の模様だ。
するとちょうどそこへ。
「ただいまー。貰ってきたぞ」
ヨーコ先輩とシンハ君がトロフィーだの表彰状だの持って戻ってきた。
「いやあ、2年連続2回目受賞、他の研究会の視線が痛かったぜ」
「そうそう。あんな展示反則ですよという感じがたまらなくてさ」
うーん。シンハ君はともかくヨーコ先輩もこんなだっただろうか。でもまあいいかと思う。ここの中でくらいはこのくらいの本音ベースで。
「片付けは明日にして取りあえずは祝勝会だな」
「ちょうどケーキを配るところだったのだ」
そんな訳でお客様交えてささやかな祝勝会がはじまる。
「あとは冬休みだな。合宿は去年と同じでいいか」
「魔獣の革も役だったしね。でも先輩達は受験だけれどいいのかな」
「入試程度の問題、間違えなければ大丈夫だ」
「同意」
ヨーコ先輩もフールイ先輩も強気というか何というか……
「合宿に行かれるんですか」
「長期休みは大体半分くらい合宿だなここは。冬は前半が魔獣狩り、後半が温泉だ」
「温泉って何ですか」
「要は自然にお湯が出ている大きい風呂だよ。似たような物は研究室の上にも作ったけれどさ」
「そう言えば研究室の2階部分は見ていなかったですね」
あ、それは……。実はあえて案内しなかったのだけれど……
「ならやるか、風呂パーティ。ボイラー起動して3半時間もあれば使えるだろあそこ」
おいちょっと勘弁してくれヨーコ先輩。
「でも今日はお客様もいるし」
「水着のスペアは結構あるから大丈夫ですね」
「夏に色々買い出しましたし」
あ、これは駄目なパターンだ。俺とタカス君は顔を見合わせる。しかし味方は合計2人。多勢に無勢という奴だ。
「面白そうですね」
「今日は安息日ですし、3人は私が責任持って送り届けますから。遅くなると言う連絡も今しました」
ターカノさんまでこれだ。頼むからこんな時に有能ぶりを発揮しないで欲しい。
「ならパーティ用にちょっと買い出しをしておきましょう。学園祭の模擬店が投げ売り状態ですからちょうどいいですわ。シモンさんとミタキ君はお風呂の準備をお願いします」
「学園祭があったから久しぶりですね、あそこを使うの」
「大きいお風呂って初めてです。どんな感じなのでしょうか」
「なかなか気持ちいいわよ。今日はほどよく寒いからちょうどいいわ」
こうなってはもう取り返しがつかない。俺は皆に見られないよう小さくため息をついた。
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