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第15章 新学期を迎えて
第122話 新設備の確認
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3の曜日の放課後遅く、ほぼ全ての工事が完了した。シモンさんのチートな魔法を酷使した結果だ。熱い浴槽、ぬるめの浴槽のほか、水シャワー、そして小さいながらスチームサウナ室まである。
お湯や水は蒸気機関で上へと持ち上げられ、熱交換器で適温にあたためられる。風呂場や浴槽そのものは木製で、かつての日本でなら北欧風と言いたくなるような仕上げ。
窓は透明で今日は青空と白い雲がよく見える。開けると爽やかな風が中へと注く。
「明日の放課後に皆で使い勝手を試してみて、それから新人さんをお迎えですね」
「絶対自分の家より快適だよねここ。眠れるしご飯も作れるし」
「こんな浴室、うちの家にも無いな。だからわざわざあの別荘を造ったんだしさ」
「まあ論評するのは明日試してからだよね」
「楽しみ」
そんな訳で明日は水着持参だ。何だかなあと思うが仕方ない。ノリノリでシモンさんと色々構想を膨らませた俺自身が悪いのだ。
多分、そう、きっと。
◇◇◇
そんな訳で本日は水着デー。
学校のそれも研究院の研究室で何をやっているんだと言わないでくれ。俺だって色々思うところはあるんだ。
あるんだけれど仕方ない。なにせ展望風呂なんてのが出来てそれを試さなければならないから。
いや、実はこれは風呂に見えるけれど風呂ではない!蒸気機関の実用見本装置のひとつ、揚水装置だ!! 勿論これは俺の俺自身に対する言い訳である。
あ、もうひとつ言い訳を思いついた。
「シモンさん。この風呂を排水する勢いで発電機をつくれるかな。その電気でこの辺を強制換気する換気扇をつければここも湿度がこもらず長持ちするだろ」
名目は水力発電の実用見本装置である。
「いいねそれ。早速作ろうかな」
熱めの方の浴槽からシモンさんが立ち上がる。勿論水着だ。胸はあまり無いが体形は……ゲフンゲフン。
「今日くらいはのんびりここを楽しんだらどうですか」
「シンハの処の新工場で使ったタービンを小型化して発電機に接続するだけだからね。材料もまだまだあるし半時間もかからないと思うよ」
水着のまますたすたと工場の方へ出て行く。
「何もそんな話、今しなくてもいいのに」
ミド・リーに怒られた。ちなみに奴はぬるい方の浴槽の中央、つまり俺の真横にいる。
「いや、思いついたのでつい」
「ミタキさんを責めないでやって下さいな。シモンさんはつくる事が楽しいようですから」
「同意、あれはシモンさんの宿業」
これはアキナ先輩とフールイ先輩。アキナ先輩は俺の斜め前くらいの場所。フールイ先輩は熱めの浴槽のこっち側にいる。
この2人は水着姿になるとかなり爆発力がある。何処がとか聞かないでくれ。あえて意識しないようにしているのだから。
「うおー、暑かった」
シンハ君がスチームサウナから出てくる。その後ろからヨーコ先輩が、
「ふっふっふ。私の勝ちだな」
なんて言いながら出てきたりする訳で……
「あそこで我慢は身体に悪いですよ」
「目一杯我慢した後のシャワーが気持ちいいんだ」
「そうそう」
そんな事を言いながら2人で水シャワーを浴びている。
いやシンハ、よくあんな密室でヨーコ先輩と2人きりで平気だな。俺だと邪念や煩悩に襲われまくるぞ間違いなく。ヨーコ先輩は何やかんやいって綺麗だしさ。
ファンクラブに今の色々を見つかったら八つ裂きにされるぞ。男子の方でも女子の方でも。
「ミタキ君。取りあえずタービンと発電機、それにモーター2組を作ったから審査魔法で確認お願いしていいかな」
下から声がかかる。
「わかった。今行くよ」
取りあえず風呂から上がってささっと身体を拭き、Tシャツを羽織った。
◇◇◇
追加製作した水力発電機の実用見本装置、及び換気扇2組を設置。そしておやつの時間になる。
本日は風呂に入る事がわかっているからメニューを変えてみた。ドリンクは冷たい牛乳、デザートはあんパンである。本当はこのために牛乳用の瓶を用意したかったが、流石にやめておいた。
「何だこの組み合わせと思ったけれど、意外といいなこれ」
「パンの中の黒いのの甘みがじんわり染みますわ」
「牛乳の冷たいの、風呂にあう」
うんうん。やっぱり風呂といえば冷たい瓶牛乳の一気飲みだろう。そして牛乳にあう食べ物といえばやっぱりあんパンだ。
勿論そんな常識も風習もこの世界には無いけれどな。元日本人の俺としてはお約束だ。実際に試した経験は無いのだけれど。
「あとは明日、どんな新人が来るかですね」
そう言えば明日来る可能性が高いんだよな。
「誰かはともかく人数や男女別もわかっていないんですか」
「国王庁の調査は完了していると思いますけれどね。まだ開示されていませんわ」
つまり新人であるという事以外何もわからないという事か。
「でも国王庁の審査結果ってどうやってこっちに伝達されるんだろう」
「それもわからないんだ、今のところ」
何もかもわからないという事か。
「でも明日は少し人数が来てもいい程度にお茶菓子は用意しましょう」
まあそうだな。
「多少余っても困る事はないしね」
皆で食い尽くすからな。
お湯や水は蒸気機関で上へと持ち上げられ、熱交換器で適温にあたためられる。風呂場や浴槽そのものは木製で、かつての日本でなら北欧風と言いたくなるような仕上げ。
窓は透明で今日は青空と白い雲がよく見える。開けると爽やかな風が中へと注く。
「明日の放課後に皆で使い勝手を試してみて、それから新人さんをお迎えですね」
「絶対自分の家より快適だよねここ。眠れるしご飯も作れるし」
「こんな浴室、うちの家にも無いな。だからわざわざあの別荘を造ったんだしさ」
「まあ論評するのは明日試してからだよね」
「楽しみ」
そんな訳で明日は水着持参だ。何だかなあと思うが仕方ない。ノリノリでシモンさんと色々構想を膨らませた俺自身が悪いのだ。
多分、そう、きっと。
◇◇◇
そんな訳で本日は水着デー。
学校のそれも研究院の研究室で何をやっているんだと言わないでくれ。俺だって色々思うところはあるんだ。
あるんだけれど仕方ない。なにせ展望風呂なんてのが出来てそれを試さなければならないから。
いや、実はこれは風呂に見えるけれど風呂ではない!蒸気機関の実用見本装置のひとつ、揚水装置だ!! 勿論これは俺の俺自身に対する言い訳である。
あ、もうひとつ言い訳を思いついた。
「シモンさん。この風呂を排水する勢いで発電機をつくれるかな。その電気でこの辺を強制換気する換気扇をつければここも湿度がこもらず長持ちするだろ」
名目は水力発電の実用見本装置である。
「いいねそれ。早速作ろうかな」
熱めの方の浴槽からシモンさんが立ち上がる。勿論水着だ。胸はあまり無いが体形は……ゲフンゲフン。
「今日くらいはのんびりここを楽しんだらどうですか」
「シンハの処の新工場で使ったタービンを小型化して発電機に接続するだけだからね。材料もまだまだあるし半時間もかからないと思うよ」
水着のまますたすたと工場の方へ出て行く。
「何もそんな話、今しなくてもいいのに」
ミド・リーに怒られた。ちなみに奴はぬるい方の浴槽の中央、つまり俺の真横にいる。
「いや、思いついたのでつい」
「ミタキさんを責めないでやって下さいな。シモンさんはつくる事が楽しいようですから」
「同意、あれはシモンさんの宿業」
これはアキナ先輩とフールイ先輩。アキナ先輩は俺の斜め前くらいの場所。フールイ先輩は熱めの浴槽のこっち側にいる。
この2人は水着姿になるとかなり爆発力がある。何処がとか聞かないでくれ。あえて意識しないようにしているのだから。
「うおー、暑かった」
シンハ君がスチームサウナから出てくる。その後ろからヨーコ先輩が、
「ふっふっふ。私の勝ちだな」
なんて言いながら出てきたりする訳で……
「あそこで我慢は身体に悪いですよ」
「目一杯我慢した後のシャワーが気持ちいいんだ」
「そうそう」
そんな事を言いながら2人で水シャワーを浴びている。
いやシンハ、よくあんな密室でヨーコ先輩と2人きりで平気だな。俺だと邪念や煩悩に襲われまくるぞ間違いなく。ヨーコ先輩は何やかんやいって綺麗だしさ。
ファンクラブに今の色々を見つかったら八つ裂きにされるぞ。男子の方でも女子の方でも。
「ミタキ君。取りあえずタービンと発電機、それにモーター2組を作ったから審査魔法で確認お願いしていいかな」
下から声がかかる。
「わかった。今行くよ」
取りあえず風呂から上がってささっと身体を拭き、Tシャツを羽織った。
◇◇◇
追加製作した水力発電機の実用見本装置、及び換気扇2組を設置。そしておやつの時間になる。
本日は風呂に入る事がわかっているからメニューを変えてみた。ドリンクは冷たい牛乳、デザートはあんパンである。本当はこのために牛乳用の瓶を用意したかったが、流石にやめておいた。
「何だこの組み合わせと思ったけれど、意外といいなこれ」
「パンの中の黒いのの甘みがじんわり染みますわ」
「牛乳の冷たいの、風呂にあう」
うんうん。やっぱり風呂といえば冷たい瓶牛乳の一気飲みだろう。そして牛乳にあう食べ物といえばやっぱりあんパンだ。
勿論そんな常識も風習もこの世界には無いけれどな。元日本人の俺としてはお約束だ。実際に試した経験は無いのだけれど。
「あとは明日、どんな新人が来るかですね」
そう言えば明日来る可能性が高いんだよな。
「誰かはともかく人数や男女別もわかっていないんですか」
「国王庁の調査は完了していると思いますけれどね。まだ開示されていませんわ」
つまり新人であるという事以外何もわからないという事か。
「でも国王庁の審査結果ってどうやってこっちに伝達されるんだろう」
「それもわからないんだ、今のところ」
何もかもわからないという事か。
「でも明日は少し人数が来てもいい程度にお茶菓子は用意しましょう」
まあそうだな。
「多少余っても困る事はないしね」
皆で食い尽くすからな。
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