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第14章 今度こそリゾートだ!
第111話 遊び道具は色々と
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皆さん資源の持続可能性なんて全く気にしていないようだ。何が言いたいのかというと、つまりはまあ、色々ガンガンと捕ってしまった訳だ。後先を全く考えずに。
ただ身体強化が使える2人でも泳いで網で捕らえる戦法は難しかったようだ。ろくな魚が捕れなかった。
ただこれは解決策を思いついている。シモンさんに銛を作ってもらえばいいだろう。あの2人の体力ならそれで充分獲物を捕れるだろうから。
もちろん銛を使用しても効率的にはフールイ先輩の爆破漁法には勝てないだろう。ただ遊泳+銛なら大物を狙って獲れる。これはこれで期待大だ。
さて、昨日の夕食は焼き肉で今日の朝食はサンドイッチ。だから昼は久しぶりに海鮮という事になった。なお今回の昼食はフールイ先輩が作ってくれるそう。
だから俺はシモンさんと銛を作りながら待つ。まあ作るといっても俺は大まかな概念設計だけで実作はシモンさんの工作魔法なのだけれど。
銛は最初は2メートルくらいの棒状にしようと思った。しかしどうせ作るならと予定変更。長さ1.5腕で、銛の先端部分が分離するように作り直した。
分離した銛の先には紐が付いている。これで突くと魚体の向こう側に銛先が貫通した後広がり、魚には紐がくっついて逃げられなくなるという仕組みだ。確かスピアフィッシングで使う銛がこんなだったよなと思いだしたのだ。
もちろんゴムが無いから突くのは腕と手首の動作のみになる。しかしあの2人ならそれでも問題ないだろう。
なお銛には木と鋼を使い、全体で海水の比重と同じになる程度のバランスにしてある。
例によって反則的工作魔法で銛はあっさり完成。昼食はまだ調理中なのでヨーコ先輩とシンハ君に現物を使って使い方を説明。
「銛が魚に刺さると、ここがこう広がって魚が逃げられなくなる。そこで魚を引っ張って寄せて、銛のこの部分を回す。そうすればこっち側の紐が外れるので魚を回収できる。あとはここを戻して、銛の先端をもとに戻せばまた使える訳だ」
「つまり突いてしまえば魚は胴体に紐が通って逃げられなくなる訳か。なかなかえぐい作りだよな」
「でも魚を捕るには有効だ。ただの槍状だと魚が動けば簡単に抜けそうだしな」
更に同じものをミド・リーも欲しがった。だから結局予備も入れて5本作製。
なお調理中のフールイ先輩も欲しいかどうか聞いたところ、『私は爆破魔法での漁メインなので銛より使いやすい網が欲しい。水中で開け閉めできると嬉しい』そうだ。そして言われるとその辺の材料で何でも注文通り作ってしまうのがシモンさん。
俺も一応作ってもらおうかと思ったが、良く考えたらまだ泳げない。だから午後はまず泳ぐ練習をすることにしよう。
水泳に関する理論は一応わかっている。足りないのは実践と体力だ。
しかし波のある場所でいきなり泳げる気はしない。せめて補助道具が欲しいところ。浮き輪はゴムやビニールがないからビート板かな。ならいっそボディボードサイズにしてしまえ。
まだ材料の流木が残っているのでシモンさんに注文。長さは大体鼻の下から膝の上くらいかな。中は強度を維持できる程度に中空にして浮力を稼いでもらおう。
「シモンさん、悪いけれど……」
◇◇◇
そんな感じでシモンさんに色々作ってもらい、それぞれイメージトレーニングも一通り終えた処で。
「ランチ出来た」
フールイ先輩の声でみんなで運びに行く。
お昼はカルパッチョの他に鍋っぽいのが出ている。見ると貝や小魚がどっさり入ったオリーブオイル煮の鍋だった。これも無茶苦茶美味しそうだ。
全員そろって食事開始。皆に負けないように鍋の牡蠣をつつかせてもらう。
やばい、オリーブオイル煮の牡蠣が超美味い。これでは牡蠣の乱獲が一掃進んでしまいそうだ。
◇◇◇
食後後少し休憩した後。ほとんどの皆さんがスピアフィッシング等に挑戦。しかし俺とアキナ先輩はボディボードに挑戦だ。
実はアキナ先輩も泳ぐのはあまり得意ではないそうだ。なので俺と同じタイプのボディボードを一緒に作って貰った。
フィンとかは無いし本格的なボディボードの方法等も知りやしない。ただ何となく上にのってばちゃばちゃ動いて、運よく波に乗れたら楽しいな。そんな感じだ。
とりあえず鑑定魔法で海を見て、近くに離岸流が出ていないことを確認。波を突き抜ける感じで沖へ少し出てみる。
ボードにしがみつきながらだと泳げない俺でも前へ進める。ある程度進んだらターンして、波の来る少し前から進みだして、波に合わせて姿勢変更!
もちろん最初から上手くいくわけがない。波が自分の下を通り抜けてしまう。
負けじと次の波で再び挑戦。ふわっと浮いただけで終わった。今ひとつ!
何度も何度もやった後。すっと波に張り付くように全体が動いた。いい感じで斜め前にすーっと進む。やばいこれ楽しい。
そのまま波が崩れるところまで進んでボッチャーン。最後はひっくり返ってしまった。
おかげで思い切り海水をかぶったが、今のは確かに波に乗れていた気がする。
気付くともう深さが膝下くらいの浅場だった。よし再挑戦だ! 俺は再び沖へ向かう。
ただ身体強化が使える2人でも泳いで網で捕らえる戦法は難しかったようだ。ろくな魚が捕れなかった。
ただこれは解決策を思いついている。シモンさんに銛を作ってもらえばいいだろう。あの2人の体力ならそれで充分獲物を捕れるだろうから。
もちろん銛を使用しても効率的にはフールイ先輩の爆破漁法には勝てないだろう。ただ遊泳+銛なら大物を狙って獲れる。これはこれで期待大だ。
さて、昨日の夕食は焼き肉で今日の朝食はサンドイッチ。だから昼は久しぶりに海鮮という事になった。なお今回の昼食はフールイ先輩が作ってくれるそう。
だから俺はシモンさんと銛を作りながら待つ。まあ作るといっても俺は大まかな概念設計だけで実作はシモンさんの工作魔法なのだけれど。
銛は最初は2メートルくらいの棒状にしようと思った。しかしどうせ作るならと予定変更。長さ1.5腕で、銛の先端部分が分離するように作り直した。
分離した銛の先には紐が付いている。これで突くと魚体の向こう側に銛先が貫通した後広がり、魚には紐がくっついて逃げられなくなるという仕組みだ。確かスピアフィッシングで使う銛がこんなだったよなと思いだしたのだ。
もちろんゴムが無いから突くのは腕と手首の動作のみになる。しかしあの2人ならそれでも問題ないだろう。
なお銛には木と鋼を使い、全体で海水の比重と同じになる程度のバランスにしてある。
例によって反則的工作魔法で銛はあっさり完成。昼食はまだ調理中なのでヨーコ先輩とシンハ君に現物を使って使い方を説明。
「銛が魚に刺さると、ここがこう広がって魚が逃げられなくなる。そこで魚を引っ張って寄せて、銛のこの部分を回す。そうすればこっち側の紐が外れるので魚を回収できる。あとはここを戻して、銛の先端をもとに戻せばまた使える訳だ」
「つまり突いてしまえば魚は胴体に紐が通って逃げられなくなる訳か。なかなかえぐい作りだよな」
「でも魚を捕るには有効だ。ただの槍状だと魚が動けば簡単に抜けそうだしな」
更に同じものをミド・リーも欲しがった。だから結局予備も入れて5本作製。
なお調理中のフールイ先輩も欲しいかどうか聞いたところ、『私は爆破魔法での漁メインなので銛より使いやすい網が欲しい。水中で開け閉めできると嬉しい』そうだ。そして言われるとその辺の材料で何でも注文通り作ってしまうのがシモンさん。
俺も一応作ってもらおうかと思ったが、良く考えたらまだ泳げない。だから午後はまず泳ぐ練習をすることにしよう。
水泳に関する理論は一応わかっている。足りないのは実践と体力だ。
しかし波のある場所でいきなり泳げる気はしない。せめて補助道具が欲しいところ。浮き輪はゴムやビニールがないからビート板かな。ならいっそボディボードサイズにしてしまえ。
まだ材料の流木が残っているのでシモンさんに注文。長さは大体鼻の下から膝の上くらいかな。中は強度を維持できる程度に中空にして浮力を稼いでもらおう。
「シモンさん、悪いけれど……」
◇◇◇
そんな感じでシモンさんに色々作ってもらい、それぞれイメージトレーニングも一通り終えた処で。
「ランチ出来た」
フールイ先輩の声でみんなで運びに行く。
お昼はカルパッチョの他に鍋っぽいのが出ている。見ると貝や小魚がどっさり入ったオリーブオイル煮の鍋だった。これも無茶苦茶美味しそうだ。
全員そろって食事開始。皆に負けないように鍋の牡蠣をつつかせてもらう。
やばい、オリーブオイル煮の牡蠣が超美味い。これでは牡蠣の乱獲が一掃進んでしまいそうだ。
◇◇◇
食後後少し休憩した後。ほとんどの皆さんがスピアフィッシング等に挑戦。しかし俺とアキナ先輩はボディボードに挑戦だ。
実はアキナ先輩も泳ぐのはあまり得意ではないそうだ。なので俺と同じタイプのボディボードを一緒に作って貰った。
フィンとかは無いし本格的なボディボードの方法等も知りやしない。ただ何となく上にのってばちゃばちゃ動いて、運よく波に乗れたら楽しいな。そんな感じだ。
とりあえず鑑定魔法で海を見て、近くに離岸流が出ていないことを確認。波を突き抜ける感じで沖へ少し出てみる。
ボードにしがみつきながらだと泳げない俺でも前へ進める。ある程度進んだらターンして、波の来る少し前から進みだして、波に合わせて姿勢変更!
もちろん最初から上手くいくわけがない。波が自分の下を通り抜けてしまう。
負けじと次の波で再び挑戦。ふわっと浮いただけで終わった。今ひとつ!
何度も何度もやった後。すっと波に張り付くように全体が動いた。いい感じで斜め前にすーっと進む。やばいこれ楽しい。
そのまま波が崩れるところまで進んでボッチャーン。最後はひっくり返ってしまった。
おかげで思い切り海水をかぶったが、今のは確かに波に乗れていた気がする。
気付くともう深さが膝下くらいの浅場だった。よし再挑戦だ! 俺は再び沖へ向かう。
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