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第9章 狩って吊して皮剥いで ~冬休み合宿編・上~
第73話 街でお買い物
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午後は買い出しだ。優先するのは明日の昼くらいまでの食事材料。
あとはここの特産でどんなものがあるかだ。とりあえず銅と魔法銅の地金は購入するつもりだけれども。
初めての街なのでまずはヨーコ先輩に案内して貰う。
街はそこそこ賑やかだ。ウージナに比べれば勿論ずっと小さいけれど活気はある。
「食料品と金属関係、どっちを先に見る?」
「とりあえずは金属関係かな。傷まないし」
「そうだね。僕も見てみたいな」
シモンさんも同意見のようだ。
「製品と地金屋どっちを優先する?」
「買いたいのは地金の方だけれど、ついでに製品も見てみたいな」
「そうだな。俺もどんなものを作っているか見てみたい」
銅製品というと、電線以外には通貨とか鍋とか食器類しか思い浮かばない。他にはどんな物があるのだろう。銅は柔らかいから武器とかには向かないし。
案内されたのは賑やかな街からちょっと離れ、川を南側に渡った先にある大きめの建物だった。
「冶金組合の店だ。2人の希望だとここがちょうどいい。地金屋だが商品のショールームもある」
なるほど、確かにちょうどいいな。
まずは製品の方からざっと見てみる。やはり食器や鍋やかん類がほとんどだ。あとは銅の針金、確かに柔らかくて錆びなくて便利かもしれない。
他には青銅や真鍮が住宅の玄関ドアの取っ手とか鍵に使われている模様。屋外用のものや油ランプも青銅製や真鍮製が多いようだ。
舟関係の金具なども同じ。鉄とちがって錆びないからな。
残念ながら予想外の用途に使われているものは無さそうだ。
あとは魔法精錬で魔石を使って作る魔法銅。品質等級が3段階あって、それぞれ投入する魔石の量と質が違うらしい。
これをコーティングした鎧や盾はある程度の攻撃魔法を散乱させ無効化する。しかし効果そのものは最上級品でも魔法銀には劣る。その分圧倒的に安いけれども。
そうなると購入するべき物は、魔法銅の地金だな。これで魔法アンテナを作り直せばより効率が上がりそうだ。
それに魔石を使った新たな道具に使うにも適していそうだ。本当は魔法銀を使いたいけれど高価だし。
そんな訳でそれぞれの地金の値段を見てみる。銅の上級品が1重で小銀貨6枚。魔法銅の最上級品がやはり1重で正銀貨6枚。
最低単位が1重というのは重い。でも特に魔法銅なんてここ以外では入手困難だし、これは買っておくべきだろう。
そんな訳でインゴット状態でお買い上げ。持つと案の定かなり重い。
「無理すんなって」
シンハ君に取り上げられる。しかも奴め片手で軽々と持ち上げやがった。腕力の違いをひしひしと感じる。
「シモンさんは買い物、いいのですか」
「ならこの青銅の2番と真鍮の1番いいかな。蒸気ボートの改良に使おうと思って」
「問題ありませんわ。予算は充分ありますし」
「なら1重ずつ買うよ」
青銅といっても青くはなく、2番だと金色に近い発色だ。値段はどちらも銅よりやや高く1重あたり正銀貨1枚程度。これもひょいひょいとシンハ君が担ぐ。
奴め合計4重背負っているのに全然重そうじゃ無い。やはり奴は頑丈人間だ。
「次は食べ物の買い出しね」
「ちょうどいい市場がある」
そんな訳でまたヨーコ先輩先頭で歩き出す。今度は街中方面だ。
大通りから一本路地を入ると、両側に食料品の店がずらりと並ぶ通りになる。
店と言っても一軒一軒は屋台程度の大きさ。だがそれがずらりと並んでいるのはなかなか壮観だ。早速面白いものがないか探索を開始する。
「この乾麺はウージナじゃあまり見ないですね」
「西岸から入っている麺だな。セノハチ運河がそれほど遠くないから、西岸のものも結構入るんだ」
セノハチ運河は中央山地を越えて半島の東西を結ぶ運河だ。そう言われればあの運河はニシーハラ侯爵領でここからほど近かったよな。
あとどうもその麺はスパゲティっぽい気がする。なら俺も料理できる筈だ。
「買ってみよう。朝や昼にちょうどいい感じだし」
他にもピザベースっぽい薄い地の丸いパンがあったので買ってみる。普通の野菜や肉も勿論購入。
そうやって買い込みながら歩いているうちに俺は見つけてしまった。赤い細長いシルエット、長さは5指太さは指位の乾燥したものが小さいボウルにぎっちり入って売られているのを。
これは間違いなく唐辛子だ。でも念のため鑑定魔法で確認してみる。
『地球の唐辛子とほぼ同じもの。乾燥済み。そこまで異常には辛くはない』
間違いない。
「すみません。この辛いのはボウル1個分でお幾らですか」
「小銀貨1枚だけど買うのかい。扱いは結構難しいよ」
「辛いのは好きなんです」
「わかっているなら大丈夫だね。毎度あり」
よしよし。
そして更に先にはニンニクも発見! そういえば作って貰ったアクアパッツァもラタトゥイユもニンニク無しでちょっと惜しかったよな。
いいぞいいぞいいぞいいぞ……
あとはここの特産でどんなものがあるかだ。とりあえず銅と魔法銅の地金は購入するつもりだけれども。
初めての街なのでまずはヨーコ先輩に案内して貰う。
街はそこそこ賑やかだ。ウージナに比べれば勿論ずっと小さいけれど活気はある。
「食料品と金属関係、どっちを先に見る?」
「とりあえずは金属関係かな。傷まないし」
「そうだね。僕も見てみたいな」
シモンさんも同意見のようだ。
「製品と地金屋どっちを優先する?」
「買いたいのは地金の方だけれど、ついでに製品も見てみたいな」
「そうだな。俺もどんなものを作っているか見てみたい」
銅製品というと、電線以外には通貨とか鍋とか食器類しか思い浮かばない。他にはどんな物があるのだろう。銅は柔らかいから武器とかには向かないし。
案内されたのは賑やかな街からちょっと離れ、川を南側に渡った先にある大きめの建物だった。
「冶金組合の店だ。2人の希望だとここがちょうどいい。地金屋だが商品のショールームもある」
なるほど、確かにちょうどいいな。
まずは製品の方からざっと見てみる。やはり食器や鍋やかん類がほとんどだ。あとは銅の針金、確かに柔らかくて錆びなくて便利かもしれない。
他には青銅や真鍮が住宅の玄関ドアの取っ手とか鍵に使われている模様。屋外用のものや油ランプも青銅製や真鍮製が多いようだ。
舟関係の金具なども同じ。鉄とちがって錆びないからな。
残念ながら予想外の用途に使われているものは無さそうだ。
あとは魔法精錬で魔石を使って作る魔法銅。品質等級が3段階あって、それぞれ投入する魔石の量と質が違うらしい。
これをコーティングした鎧や盾はある程度の攻撃魔法を散乱させ無効化する。しかし効果そのものは最上級品でも魔法銀には劣る。その分圧倒的に安いけれども。
そうなると購入するべき物は、魔法銅の地金だな。これで魔法アンテナを作り直せばより効率が上がりそうだ。
それに魔石を使った新たな道具に使うにも適していそうだ。本当は魔法銀を使いたいけれど高価だし。
そんな訳でそれぞれの地金の値段を見てみる。銅の上級品が1重で小銀貨6枚。魔法銅の最上級品がやはり1重で正銀貨6枚。
最低単位が1重というのは重い。でも特に魔法銅なんてここ以外では入手困難だし、これは買っておくべきだろう。
そんな訳でインゴット状態でお買い上げ。持つと案の定かなり重い。
「無理すんなって」
シンハ君に取り上げられる。しかも奴め片手で軽々と持ち上げやがった。腕力の違いをひしひしと感じる。
「シモンさんは買い物、いいのですか」
「ならこの青銅の2番と真鍮の1番いいかな。蒸気ボートの改良に使おうと思って」
「問題ありませんわ。予算は充分ありますし」
「なら1重ずつ買うよ」
青銅といっても青くはなく、2番だと金色に近い発色だ。値段はどちらも銅よりやや高く1重あたり正銀貨1枚程度。これもひょいひょいとシンハ君が担ぐ。
奴め合計4重背負っているのに全然重そうじゃ無い。やはり奴は頑丈人間だ。
「次は食べ物の買い出しね」
「ちょうどいい市場がある」
そんな訳でまたヨーコ先輩先頭で歩き出す。今度は街中方面だ。
大通りから一本路地を入ると、両側に食料品の店がずらりと並ぶ通りになる。
店と言っても一軒一軒は屋台程度の大きさ。だがそれがずらりと並んでいるのはなかなか壮観だ。早速面白いものがないか探索を開始する。
「この乾麺はウージナじゃあまり見ないですね」
「西岸から入っている麺だな。セノハチ運河がそれほど遠くないから、西岸のものも結構入るんだ」
セノハチ運河は中央山地を越えて半島の東西を結ぶ運河だ。そう言われればあの運河はニシーハラ侯爵領でここからほど近かったよな。
あとどうもその麺はスパゲティっぽい気がする。なら俺も料理できる筈だ。
「買ってみよう。朝や昼にちょうどいい感じだし」
他にもピザベースっぽい薄い地の丸いパンがあったので買ってみる。普通の野菜や肉も勿論購入。
そうやって買い込みながら歩いているうちに俺は見つけてしまった。赤い細長いシルエット、長さは5指太さは指位の乾燥したものが小さいボウルにぎっちり入って売られているのを。
これは間違いなく唐辛子だ。でも念のため鑑定魔法で確認してみる。
『地球の唐辛子とほぼ同じもの。乾燥済み。そこまで異常には辛くはない』
間違いない。
「すみません。この辛いのはボウル1個分でお幾らですか」
「小銀貨1枚だけど買うのかい。扱いは結構難しいよ」
「辛いのは好きなんです」
「わかっているなら大丈夫だね。毎度あり」
よしよし。
そして更に先にはニンニクも発見! そういえば作って貰ったアクアパッツァもラタトゥイユもニンニク無しでちょっと惜しかったよな。
いいぞいいぞいいぞいいぞ……
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