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第5章 旅立ちは蒸気ボート
第41話 俺は微妙に納得いかない
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食事をした後、アキナ先輩こんな事を言った。
「ミタキ君の好きそうな場所にご案内いたしますわ」
案内して頂けると大変ありがたい。俺はこの街を良く知らないから。
博物館の先を海沿いに歩いて路地に入る。路地の奥に巨大な食品市場が広がっていた。穀物だの豆だの場所によっては豚の頭だの何でもかんでもあるという感じだ。
「何か凄いですね、ここ」
「この国で手に入るほとんどの食品材料は手に入りますわ」
ウージナの市場も充実していると思ったのだがその比では無い。
「よくこんな処を知っていますね」
少なくとも貴族のご令嬢が歩き回るような雰囲気の場所ではない。俺は商家の息子だからこういった場所は慣れているけれど。
「ここはここで観光名所みたいなものなのです。珍しい物が色々ありますからね。見るだけでも楽しめると評判なのですわ」
なるほど。ならひょっとしたら、日本でのなじみの食材があるかもしれない。
残り時間はあと2時間ない。急ぎ足で探索を開始する。
早速面白い物を発見。これは粒が小さいけれど小豆だ。値段は半重小銀貨1枚と高くない。思わず半重ほど購入。
「これは何ですの」
「豆です。甘く煮ると美味しいですよ」
ひ弱な俺に半重の荷物はしっかり重い。しかし時間は無いしシンハ君を召喚できる状況にもない。仕方なく背負い袋に入れて次の獲物を探す。
今度は米、コメだ! しかも短粒種。
鑑定魔法によるともち米だそうだ。迷わず半重ほど購入。
重い。この市場では豆とか穀類とかの最低単位が半重。
そんな訳で背負い袋の中は既に1重。俺が普通に持って歩ける限界に近い。
でもそういう時に限って見つけてしまうのだ。炭酸水素ナトリウム、つまり重曹なんて売っているのを。
説明によればこれは東の砂漠地帯で産出されたもの。石灰石を焼いたものと反応させて苦みを消してあると書いてある。
鑑定魔法で見てみると確かに炭酸水素ナトリウムの純度が高い。天然もの、例えばトロナ鉱石だと炭酸ナトリウムが混じって苦みが出るのだが、その辺を石灰石由来の二酸化炭素で処理してあるようだ。
用途は野菜等のあく抜き、魚介の下ごしらえ用となっている。
これは欲しいぞ。ベーキングパウダーとしても試料としても。
ほんの少し悩んだが結局購入してしまった。単位はやっぱり半重が最低量。
ああ、背負い袋が重い、重い、オモイ。肩が後ろに引っ張られる。自分の軟弱さが恨めしい……
「大丈夫でしょうか」
アキナ先輩にまで心配されてしまった。実はあまり大丈夫ではない。しかしこの宝の山を諦めるわけにはいかないのだ。
そんな訳で気合を入れて歩き出すがやっぱり重い。これは……駄目かも。
そう思った時だった。
「あ、アキナ先輩とミタキだ。やっほー」
聞き覚えがある声。何とか顔を上げて声の方を見る。
やっぱりミド・リーだ。しかもミド・リー以外の女性陣だけでなく、シンハ君まで揃っている。おおありがたや助け船!
「シンハ、悪い、すまない、ごめん。頼むからこれ持ってくれ」
奴は俺との付き合いが長い。だからすぐにどういう事態か察してくれた。
「仕方ないな。ただし謝礼として今度何か旨い物をよこせ」
「ああ。ここの材料で明日の放課後にでも作ってやるよ」
「それは聞き逃せない発言だな」
ヨーコ先輩がにやりとした。
「ここは我々の明日のおやつの為に、皆でミタキ君を手伝おうではないか」
「賛成だね」
そう言ってシモンさんが俺のバッグを取り上げる。細身で小柄な癖に腕力が凄い。
「それであと何を買い足せばいいのかな」
おいちょっと待った。
「この赤紫色の小さな豆、買い足すといいことがあるかな」
「全部買い足しておきましょう。ミタキ君はシンハ君を連れて買い物を続行してもらうことにして」
俺の意志を無視して話が進んでいく。仕方ない。俺は現在手持ちの小遣いを使いまくることを決意した。
こうなったら思う存分回って買って買って買いまくるぞ。これはヤケなのかハイなのか廃なのか。
◇◇◇
その後蒸気ボートに乗って無事ウージナへ帰って、そして翌日の放課後。
やはりヨーコ先輩とアキナ先輩にサンドイッチにされシンハ宅別館へ。
この件はどうすれば解決するだろう。アキナ先輩に訴え出たのに結局解決しなかったし。ナカさんも既に諦めかけている模様。
解決の糸口は何処だ!
このままだと俺は男子(プラス一部の女子)に嫉妬で呪い殺されそうだ。
さて、石鹸工場となっているシンハ宅別館には小さなキッチンが存在している。大分ボロくなっていたのだが、主にシモンさんの手でそこそこ綺麗に修理済みだ。
シモンさんはいじる対象物があると作業せずにはいられない性格らしい。水回りが壊れたキッチンとか、穴の空いた鍋とか。
そんな訳で調理器具も半分は完全に直っている。残り半分は資材として蒸気機関なり色々な機器に使ってしまった。
なお資材への流用については一応シンハ君の了解をとってある。シンハ君が親から了解を取ったかどうかは定かでは無いけれど。
さて、前世で俺が入院していた頃、パンケーキブームというのがあった。俺は病院から出られないのでネットで知っただけだけれども。何せ病院食とか売店で売っているものしか普通は食べられなかったから。
その時『食べたい』と思った気持ちが今、蘇ってきた。しかもあの時とは別の世界とは言え、材料もほぼ揃ってしまった。
これはもう作るしかない。かつて俺が食べたかったパンケーキ様を!
本日のお手伝いスタッフはシモンさんにお願いしている。色々器用だし、小柄な癖に結構な体力と腕力を持っているから。
というのは事実だが、本当のことを言うと隙あらば石鹸用の機械とかを魔改造してしまうからだ。
この人も目の届くところに置いておかないと危険かつ厄介な人物なのである。
「シモンさん、これを日常魔法で冷やしつつかき混ぜて。泡が細かくなって、形が出来るくらいに」
ホイップクリーム作りをシモンさんに頼む。
俺の方はパンケーキ作りだ。小麦粉、ベーキングパウダー、卵、水飴、バター、牛乳を入れ生地を作る。
ベーキングパウダーは重曹と酒石を粉々にして混ぜたもの。酒石は実家の量り売り用ワイン樽から取った酒石を使用した。鑑定魔法の応用で最適な配分比がわかるので思いのままだ。
今回のパンケーキはもっちりタイプを3段重ねの予定。小さめのフライパンで焼いて重ねる。8人分なのでとにかく数を焼く。
重ねて上から水飴かけてバターのせてホイップクリームを盛って完成。単なる甘い味と塩バター味、更にホイップクリーム味全部別々に両方楽しみたいという俺の欲望でこうなった。
本当はさらに餡子をのせたかった。しかしこれは調理時間の都合でパス。
慌てなくとも材料は買ってあるのでいつでも作れる。カーミヤで正銀貨5枚分の材料を買い込んだからな。
そんな訳で約1時間でおやつの時間。
「化粧品だけでなくこういう美味しいものが時々出るから、ここをやめられないんだよね」
「そうそう。最先端の美味しいものを食べている気がするな」
「これなら何枚でも食べられるね」
好評なのはいいことだ。俺自身も今回の出来に満足している。今度は卵白を泡立ててふわふわタイプを作ろうかな。
ただ疑問が無いわけでも無い。今回の材料は話し合いの結果ここの経費で落としていいことになった。それはいい。
でも何故俺は自分で食べたいが為に8人分を作らなくてはならないのだ。
しかもいつも作っているのは俺のような気がする。俺しかあの世界のレシピを知らないせいもあるけれど。
確かに夏合宿の時は自分から進んで調理担当をした。それはまずいものとかやばいものを食べさせられたくなかったから。
かつて俺はミド・リーのオリジナリティあふれる創作料理で倒れた事がある。その辺を用心した訳だ。
でも最近どうも何か納得がいかないような気もする。俺の気のせいだろうか。
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案内して頂けると大変ありがたい。俺はこの街を良く知らないから。
博物館の先を海沿いに歩いて路地に入る。路地の奥に巨大な食品市場が広がっていた。穀物だの豆だの場所によっては豚の頭だの何でもかんでもあるという感じだ。
「何か凄いですね、ここ」
「この国で手に入るほとんどの食品材料は手に入りますわ」
ウージナの市場も充実していると思ったのだがその比では無い。
「よくこんな処を知っていますね」
少なくとも貴族のご令嬢が歩き回るような雰囲気の場所ではない。俺は商家の息子だからこういった場所は慣れているけれど。
「ここはここで観光名所みたいなものなのです。珍しい物が色々ありますからね。見るだけでも楽しめると評判なのですわ」
なるほど。ならひょっとしたら、日本でのなじみの食材があるかもしれない。
残り時間はあと2時間ない。急ぎ足で探索を開始する。
早速面白い物を発見。これは粒が小さいけれど小豆だ。値段は半重小銀貨1枚と高くない。思わず半重ほど購入。
「これは何ですの」
「豆です。甘く煮ると美味しいですよ」
ひ弱な俺に半重の荷物はしっかり重い。しかし時間は無いしシンハ君を召喚できる状況にもない。仕方なく背負い袋に入れて次の獲物を探す。
今度は米、コメだ! しかも短粒種。
鑑定魔法によるともち米だそうだ。迷わず半重ほど購入。
重い。この市場では豆とか穀類とかの最低単位が半重。
そんな訳で背負い袋の中は既に1重。俺が普通に持って歩ける限界に近い。
でもそういう時に限って見つけてしまうのだ。炭酸水素ナトリウム、つまり重曹なんて売っているのを。
説明によればこれは東の砂漠地帯で産出されたもの。石灰石を焼いたものと反応させて苦みを消してあると書いてある。
鑑定魔法で見てみると確かに炭酸水素ナトリウムの純度が高い。天然もの、例えばトロナ鉱石だと炭酸ナトリウムが混じって苦みが出るのだが、その辺を石灰石由来の二酸化炭素で処理してあるようだ。
用途は野菜等のあく抜き、魚介の下ごしらえ用となっている。
これは欲しいぞ。ベーキングパウダーとしても試料としても。
ほんの少し悩んだが結局購入してしまった。単位はやっぱり半重が最低量。
ああ、背負い袋が重い、重い、オモイ。肩が後ろに引っ張られる。自分の軟弱さが恨めしい……
「大丈夫でしょうか」
アキナ先輩にまで心配されてしまった。実はあまり大丈夫ではない。しかしこの宝の山を諦めるわけにはいかないのだ。
そんな訳で気合を入れて歩き出すがやっぱり重い。これは……駄目かも。
そう思った時だった。
「あ、アキナ先輩とミタキだ。やっほー」
聞き覚えがある声。何とか顔を上げて声の方を見る。
やっぱりミド・リーだ。しかもミド・リー以外の女性陣だけでなく、シンハ君まで揃っている。おおありがたや助け船!
「シンハ、悪い、すまない、ごめん。頼むからこれ持ってくれ」
奴は俺との付き合いが長い。だからすぐにどういう事態か察してくれた。
「仕方ないな。ただし謝礼として今度何か旨い物をよこせ」
「ああ。ここの材料で明日の放課後にでも作ってやるよ」
「それは聞き逃せない発言だな」
ヨーコ先輩がにやりとした。
「ここは我々の明日のおやつの為に、皆でミタキ君を手伝おうではないか」
「賛成だね」
そう言ってシモンさんが俺のバッグを取り上げる。細身で小柄な癖に腕力が凄い。
「それであと何を買い足せばいいのかな」
おいちょっと待った。
「この赤紫色の小さな豆、買い足すといいことがあるかな」
「全部買い足しておきましょう。ミタキ君はシンハ君を連れて買い物を続行してもらうことにして」
俺の意志を無視して話が進んでいく。仕方ない。俺は現在手持ちの小遣いを使いまくることを決意した。
こうなったら思う存分回って買って買って買いまくるぞ。これはヤケなのかハイなのか廃なのか。
◇◇◇
その後蒸気ボートに乗って無事ウージナへ帰って、そして翌日の放課後。
やはりヨーコ先輩とアキナ先輩にサンドイッチにされシンハ宅別館へ。
この件はどうすれば解決するだろう。アキナ先輩に訴え出たのに結局解決しなかったし。ナカさんも既に諦めかけている模様。
解決の糸口は何処だ!
このままだと俺は男子(プラス一部の女子)に嫉妬で呪い殺されそうだ。
さて、石鹸工場となっているシンハ宅別館には小さなキッチンが存在している。大分ボロくなっていたのだが、主にシモンさんの手でそこそこ綺麗に修理済みだ。
シモンさんはいじる対象物があると作業せずにはいられない性格らしい。水回りが壊れたキッチンとか、穴の空いた鍋とか。
そんな訳で調理器具も半分は完全に直っている。残り半分は資材として蒸気機関なり色々な機器に使ってしまった。
なお資材への流用については一応シンハ君の了解をとってある。シンハ君が親から了解を取ったかどうかは定かでは無いけれど。
さて、前世で俺が入院していた頃、パンケーキブームというのがあった。俺は病院から出られないのでネットで知っただけだけれども。何せ病院食とか売店で売っているものしか普通は食べられなかったから。
その時『食べたい』と思った気持ちが今、蘇ってきた。しかもあの時とは別の世界とは言え、材料もほぼ揃ってしまった。
これはもう作るしかない。かつて俺が食べたかったパンケーキ様を!
本日のお手伝いスタッフはシモンさんにお願いしている。色々器用だし、小柄な癖に結構な体力と腕力を持っているから。
というのは事実だが、本当のことを言うと隙あらば石鹸用の機械とかを魔改造してしまうからだ。
この人も目の届くところに置いておかないと危険かつ厄介な人物なのである。
「シモンさん、これを日常魔法で冷やしつつかき混ぜて。泡が細かくなって、形が出来るくらいに」
ホイップクリーム作りをシモンさんに頼む。
俺の方はパンケーキ作りだ。小麦粉、ベーキングパウダー、卵、水飴、バター、牛乳を入れ生地を作る。
ベーキングパウダーは重曹と酒石を粉々にして混ぜたもの。酒石は実家の量り売り用ワイン樽から取った酒石を使用した。鑑定魔法の応用で最適な配分比がわかるので思いのままだ。
今回のパンケーキはもっちりタイプを3段重ねの予定。小さめのフライパンで焼いて重ねる。8人分なのでとにかく数を焼く。
重ねて上から水飴かけてバターのせてホイップクリームを盛って完成。単なる甘い味と塩バター味、更にホイップクリーム味全部別々に両方楽しみたいという俺の欲望でこうなった。
本当はさらに餡子をのせたかった。しかしこれは調理時間の都合でパス。
慌てなくとも材料は買ってあるのでいつでも作れる。カーミヤで正銀貨5枚分の材料を買い込んだからな。
そんな訳で約1時間でおやつの時間。
「化粧品だけでなくこういう美味しいものが時々出るから、ここをやめられないんだよね」
「そうそう。最先端の美味しいものを食べている気がするな」
「これなら何枚でも食べられるね」
好評なのはいいことだ。俺自身も今回の出来に満足している。今度は卵白を泡立ててふわふわタイプを作ろうかな。
ただ疑問が無いわけでも無い。今回の材料は話し合いの結果ここの経費で落としていいことになった。それはいい。
でも何故俺は自分で食べたいが為に8人分を作らなくてはならないのだ。
しかもいつも作っているのは俺のような気がする。俺しかあの世界のレシピを知らないせいもあるけれど。
確かに夏合宿の時は自分から進んで調理担当をした。それはまずいものとかやばいものを食べさせられたくなかったから。
かつて俺はミド・リーのオリジナリティあふれる創作料理で倒れた事がある。その辺を用心した訳だ。
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