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第4章 太平の眠りを覚ますか蒸気船

おまけ 第36話IF 歴史のスイッチは間違った方に

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 このボートそのものや技術情報を渡すべきか否か。正直なところかなり迷った。
 何せこの世界では軍は必要不可欠の存在だ。侵略して侵略されてが当たり前のように発生しているから。

 ……(中略)……

 散々考えた結果、俺の意見は『今はまだ公開しない』となった。実際に製作したシモンさんもこの意見を支持してくれた。
 なおヨーコ先輩とナカさんは軍には公開してもいい派。シンハ君は民間にも公開した方がいいのでは派だ。
 でも結局『今回は制作者と考案者の意見を尊重しましょう』というアキナ先輩の意見に全員が賛同してくれた。
 でも軍はそれでは済まなかった!

 そう、俺達が『渡さない』旨を返答した瞬間。ふっと意識が遠のいて、気がつけば檻の中に居たわけだ。
 耐魔法措置がかかっているらしく魔法が一切使えない。檻もシンハ君の怪力ですら曲げられないくらい太い鉄格子だ。
 なお俺と同室なのはシンハ君だけ。どうやら男女別に檻に入れられた模様。

「お父様、何をするんですの!」

「悪いな。これは軍事的な転換点となる技術になりそうなのだ」

「でも閉じ込める事は無いでしょう」

「他にこの技術が漏れると拙いからな。私としても不本意なのだが仕方無い」

 向こうの檻の方から聞こえるそんな台詞を聞きながら俺は考える。あそこで『渡す』という結論にしたらこの結果も変わっただろうか。
 でもそう答えても結果的にはこうなったような気がする。そしてこれから先どうなるかはわからない。
 このまま生かされるのか、それとも……

「悪いなシンハ、こんな事になっちまって」

 シンハ君は苦笑いを浮かべながら応える。

「ちょっとやり過ぎたのかもな、俺達」

 俺達2人は深い深いため息をついた。

 ~END~
(例によって後に続きません)
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