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拾遺録4 帰りたい場所
1 カレンさんからの依頼(フミノ視点)
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農業も山羊ちゃん達の世話以外は一息ついた12月のある日の午後。
テーブルのこちら側に着いているのは私、リディナ、そして現在ここにいる子供達の最年長であるレイナちゃん。
そして反対側にいるのはカレンさんとミメイさんだ。
「平民を相手に成功している教育の実例について、ラツィオの国王庁に行って説明する。表向きにはそういう事でいいかな」
リディナが『表向きには』とわざわざつけた。
つまりこの資料や今の依頼には裏があるということだ。
カレンさんの依頼はいまのところ、『平民に教育をするにあたって、実績があるここの勉強会について、ラツィオの国王庁教育局での協議会で発表して欲しい』というもの。
協議会用の参考資料として次のものがここに出されている。
○ 教育の目的について。識字率2割で魔法を使えない事が普通の平民に対して最低限の教育を施す事によって、国の更なる発展を期すこと等
○ 協議会に出席する国王庁教育局の局員と、役員及び参考人として出席する者の氏名及び肩書
○ ラツィオ、ラツィオ郊外のリアナ、そしてゼノアで試行された平民教育施設の実施結果
ここまでの段階では、少なくとも私はそういった裏を感じることは出来ない。
「ええ」
カレンさんは頷いて、そして続ける。
「これ以上発展するには、平民に対する教育が必要だ。その事は国としては理解しています。ですがその計画は上手く行っていません。この資料にもある通り、試行実施の結果は惨憺たるものです」
資料というのは平民教育施設の実施結果の事だろう。
確かにこれ、率直に言って駄目駄目だ。
無理矢理生徒を集めたが、2週間しないうちに半数以上が来なくなる。
しかも1年通い続けた生徒であっても、平均的にはやっと文字を読める程度の学力までなかったとある。
その理由は、何というか多々ありすぎて……
「上手くいかない理由が、多すぎる」
口に出したつもりは無かった。
しかし実際は聞こえる声量が出ていたようだ。
カレンさんが頷く。
「ええ、その通りです。細かく上げるときりはないですが、大きくまとめると2点。教育を受ける側が学校に通うことに対するインセンティブを感じられないこと。そして教育内容に無駄が多すぎることでしょう」
カレンさんも私と同じ事に気づいているようだ。
この場の他の全員も、きっと。
そう私が思った時だった。
リディナがため息をついて、口を開いた。
「ナイケ教会が、エールダリア教会なき後の利権として教育を狙っているという事ね、これって」
リディナの言葉、私にとっては予想外だった。
ここにある資料の何処にもナイケ教会とは一言も書いていない。
確かに神学の時間とかはあるけれど、何教会とかは書いていない。
ナイケ教会を感じさせるのは、強いて言えば武術訓練が多いかなという位だ。
カレンさんは頷いた。
「これだけで気づきましたか。その通りです」
「オブザーバーとして参加している貴族のほとんどがナイケ教会関係者だからね。それにこの教育の試行カリキュラム、汚染され過ぎ。やたら武術訓練が多いこと。そしてその前後に祈りの時間が必ず入っているあたりで、もうね。訓練と祈りの時間、更に神学って結局全部ナイケ教会の指導みたいなものでしょ。それだけでで1日の3分の2を使っているのは、もういい加減にして欲しいって思うけれど」
リディナのこの言葉も、私達に対する説明だろう。
なるほど、訓練も祈りの時間も全部、ナイケ教会絡みだった訳か。
となると確かにこのカリキュラム、駄目駄目だ。
勉強時間より教会関係の時間の方が圧倒的に多い。
二呼吸くらい置いた後、カレンさんが口を開く。
「エールダリア教会なき後、ナイケ教会が教育利権を手に入れようとしています。そして困った事に貴族には少なからずナイケ教会の信者やシンパがいるのです。ただ……」
カレンさんはそこで少し間を置いた後、更に続ける。
「ナイケ教会の信者は基本的に貴族や騎士団員、武術家等です。ですから農村の実態を全くわかっていません。なおかつ国教化を目指そうとするあまり、ナイケ教会独自の教義を大量に教育に入れようとしています。
結果、求められるものとまるで異なった教育内容と体制になってしまった訳です。国王庁でもその事に気づいていますが、ナイケ教会寄りの貴族の力が強く、コントロールできない状態です」
なるほど。私は説明されないとその辺の事情がよくわからなかった。
でも、それならば……
そう思ったところで、またリディナが口を開く。
「しかしそれでは私達がただ行ったところで、何も変わらない。それでもカレンさんがここへ話を持ってきたという事は、何かただあちらへ説明しに行く以上の何かを考えている。違うかな?」
だから先程リディナは『表向き』なんて言葉を使った訳か。
私が納得したところでカレンさんが頷いた。
「その通りです。そしてこの依頼は私が国王庁教育局に依頼されたという形になっています。ですが大本の依頼は国王陛下からです」
「エールダリア教会の際に関わった貴族を大々的に処分した。だから今、ナイケ教会に対して大々的に同じ事をすると、貴族の過半が王家から離れていく可能性が高い。このままでは何時自分の家も処分されるかという不安が出るだろうし、ナイケ教会側も当然その不安をあおり立てるだろうから。
ましてやナイケ教会は貴族にシンパが多い。故にこの時点で直接王家が乗り出して大鉈を振るうことは無理。背景はこんな感じでいい?」
このリディナの言葉は確認の形をとっている。
でも本当は私やレイナちゃんに対する説明だろう。
リディナやカレンさんにとっては当然の前提事項なのだろうけれど、私達には通じないとわかっているから。
カレンさんは頷いた。
「ええ。ですが不正、もしくは教会による国政介入行為が明らかになれば話は変わるでしょう。
そしてリディナさん達は、ナイケ教会にはない教育の実績があります。これは国王庁教育局が調査した上で、正規の報告書として出しています。ですからナイケ教会のシンパであろうと否定は出来ません」
大分話が見えてきた。
しかしここは私が拙い知識で出した推論を口にするより、リディナの言葉を待つべきだろう。
「つまり実績で揺さぶって、向こうにボロを出させる。それこそが今回の真の目的。違うかな?」
「その通りです。ただ真の目的というならば、ここの村と同等に近い教育を全国の農村に広げることでしょう。もちろん即座に行うには教員の数が足りませんし、各領主が素直に応じるとも限りません。ですが」
カレンさんはそこで一度言葉を切って、大きく深呼吸して、そして続ける。
「ここで楔を打ち込む必要がある。そう国王家、及び教育局の方では判断しています。
もちろん関係者、例えば皆さんの身体の安全、そして留守にする間のここの農場の維持と安全管理には万全を尽くすつもりです。具体的には領騎士団の他、迷宮消去者、速く飛ぶ者、南の風、3つの冒険者パーティにも依頼を出すつもりでいます。
また冒険者ギルド本部の方にも協力を依頼しています」
迷宮消去者、速く飛ぶ者、南の風はここの勉強会卒業者で結成された冒険者パーティだ。
更に冒険者ギルド本体も動かすつもりらしい。
「エールダリア教会相手の時以上の態勢をとる訳ね、ここで」
「ええ」
カレンさんは頷いた。
「エールダリア教会よりナイケ教会の方が貴族のシンパが多い分、困難でしょうから。ですが負けるとは思っていません。
それにこれは必要なことだ。そう私は信じていますから」
テーブルのこちら側に着いているのは私、リディナ、そして現在ここにいる子供達の最年長であるレイナちゃん。
そして反対側にいるのはカレンさんとミメイさんだ。
「平民を相手に成功している教育の実例について、ラツィオの国王庁に行って説明する。表向きにはそういう事でいいかな」
リディナが『表向きには』とわざわざつけた。
つまりこの資料や今の依頼には裏があるということだ。
カレンさんの依頼はいまのところ、『平民に教育をするにあたって、実績があるここの勉強会について、ラツィオの国王庁教育局での協議会で発表して欲しい』というもの。
協議会用の参考資料として次のものがここに出されている。
○ 教育の目的について。識字率2割で魔法を使えない事が普通の平民に対して最低限の教育を施す事によって、国の更なる発展を期すこと等
○ 協議会に出席する国王庁教育局の局員と、役員及び参考人として出席する者の氏名及び肩書
○ ラツィオ、ラツィオ郊外のリアナ、そしてゼノアで試行された平民教育施設の実施結果
ここまでの段階では、少なくとも私はそういった裏を感じることは出来ない。
「ええ」
カレンさんは頷いて、そして続ける。
「これ以上発展するには、平民に対する教育が必要だ。その事は国としては理解しています。ですがその計画は上手く行っていません。この資料にもある通り、試行実施の結果は惨憺たるものです」
資料というのは平民教育施設の実施結果の事だろう。
確かにこれ、率直に言って駄目駄目だ。
無理矢理生徒を集めたが、2週間しないうちに半数以上が来なくなる。
しかも1年通い続けた生徒であっても、平均的にはやっと文字を読める程度の学力までなかったとある。
その理由は、何というか多々ありすぎて……
「上手くいかない理由が、多すぎる」
口に出したつもりは無かった。
しかし実際は聞こえる声量が出ていたようだ。
カレンさんが頷く。
「ええ、その通りです。細かく上げるときりはないですが、大きくまとめると2点。教育を受ける側が学校に通うことに対するインセンティブを感じられないこと。そして教育内容に無駄が多すぎることでしょう」
カレンさんも私と同じ事に気づいているようだ。
この場の他の全員も、きっと。
そう私が思った時だった。
リディナがため息をついて、口を開いた。
「ナイケ教会が、エールダリア教会なき後の利権として教育を狙っているという事ね、これって」
リディナの言葉、私にとっては予想外だった。
ここにある資料の何処にもナイケ教会とは一言も書いていない。
確かに神学の時間とかはあるけれど、何教会とかは書いていない。
ナイケ教会を感じさせるのは、強いて言えば武術訓練が多いかなという位だ。
カレンさんは頷いた。
「これだけで気づきましたか。その通りです」
「オブザーバーとして参加している貴族のほとんどがナイケ教会関係者だからね。それにこの教育の試行カリキュラム、汚染され過ぎ。やたら武術訓練が多いこと。そしてその前後に祈りの時間が必ず入っているあたりで、もうね。訓練と祈りの時間、更に神学って結局全部ナイケ教会の指導みたいなものでしょ。それだけでで1日の3分の2を使っているのは、もういい加減にして欲しいって思うけれど」
リディナのこの言葉も、私達に対する説明だろう。
なるほど、訓練も祈りの時間も全部、ナイケ教会絡みだった訳か。
となると確かにこのカリキュラム、駄目駄目だ。
勉強時間より教会関係の時間の方が圧倒的に多い。
二呼吸くらい置いた後、カレンさんが口を開く。
「エールダリア教会なき後、ナイケ教会が教育利権を手に入れようとしています。そして困った事に貴族には少なからずナイケ教会の信者やシンパがいるのです。ただ……」
カレンさんはそこで少し間を置いた後、更に続ける。
「ナイケ教会の信者は基本的に貴族や騎士団員、武術家等です。ですから農村の実態を全くわかっていません。なおかつ国教化を目指そうとするあまり、ナイケ教会独自の教義を大量に教育に入れようとしています。
結果、求められるものとまるで異なった教育内容と体制になってしまった訳です。国王庁でもその事に気づいていますが、ナイケ教会寄りの貴族の力が強く、コントロールできない状態です」
なるほど。私は説明されないとその辺の事情がよくわからなかった。
でも、それならば……
そう思ったところで、またリディナが口を開く。
「しかしそれでは私達がただ行ったところで、何も変わらない。それでもカレンさんがここへ話を持ってきたという事は、何かただあちらへ説明しに行く以上の何かを考えている。違うかな?」
だから先程リディナは『表向き』なんて言葉を使った訳か。
私が納得したところでカレンさんが頷いた。
「その通りです。そしてこの依頼は私が国王庁教育局に依頼されたという形になっています。ですが大本の依頼は国王陛下からです」
「エールダリア教会の際に関わった貴族を大々的に処分した。だから今、ナイケ教会に対して大々的に同じ事をすると、貴族の過半が王家から離れていく可能性が高い。このままでは何時自分の家も処分されるかという不安が出るだろうし、ナイケ教会側も当然その不安をあおり立てるだろうから。
ましてやナイケ教会は貴族にシンパが多い。故にこの時点で直接王家が乗り出して大鉈を振るうことは無理。背景はこんな感じでいい?」
このリディナの言葉は確認の形をとっている。
でも本当は私やレイナちゃんに対する説明だろう。
リディナやカレンさんにとっては当然の前提事項なのだろうけれど、私達には通じないとわかっているから。
カレンさんは頷いた。
「ええ。ですが不正、もしくは教会による国政介入行為が明らかになれば話は変わるでしょう。
そしてリディナさん達は、ナイケ教会にはない教育の実績があります。これは国王庁教育局が調査した上で、正規の報告書として出しています。ですからナイケ教会のシンパであろうと否定は出来ません」
大分話が見えてきた。
しかしここは私が拙い知識で出した推論を口にするより、リディナの言葉を待つべきだろう。
「つまり実績で揺さぶって、向こうにボロを出させる。それこそが今回の真の目的。違うかな?」
「その通りです。ただ真の目的というならば、ここの村と同等に近い教育を全国の農村に広げることでしょう。もちろん即座に行うには教員の数が足りませんし、各領主が素直に応じるとも限りません。ですが」
カレンさんはそこで一度言葉を切って、大きく深呼吸して、そして続ける。
「ここで楔を打ち込む必要がある。そう国王家、及び教育局の方では判断しています。
もちろん関係者、例えば皆さんの身体の安全、そして留守にする間のここの農場の維持と安全管理には万全を尽くすつもりです。具体的には領騎士団の他、迷宮消去者、速く飛ぶ者、南の風、3つの冒険者パーティにも依頼を出すつもりでいます。
また冒険者ギルド本部の方にも協力を依頼しています」
迷宮消去者、速く飛ぶ者、南の風はここの勉強会卒業者で結成された冒険者パーティだ。
更に冒険者ギルド本体も動かすつもりらしい。
「エールダリア教会相手の時以上の態勢をとる訳ね、ここで」
「ええ」
カレンさんは頷いた。
「エールダリア教会よりナイケ教会の方が貴族のシンパが多い分、困難でしょうから。ですが負けるとは思っていません。
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