277 / 323
拾遺録3 仕入れ旅行の帰りに
2 出会い⑴
しおりを挟む
俺がセレスに初めて会ったのは今から1年くらい前。
父がたまたま風邪を引いて、代わりに俺が母とともに店番についていた時だった。
「失礼します」
客として入ってきた時に思った、綺麗な女性だなと。
顔が綺麗というのもある。しかしそれだけではない。服のラインと小物類の使い方が上手いのだ。
一応俺は服屋の息子だ。だからどうしても服や布物を見てしまう。
着ている服の布地そのものは高価なものではない。
高級服だと細い糸で編み目が細かく艶がある生地を良く使う。しかし彼女が着ている服は中太の糸でしっかり編み上げた対応の生地。耐久性に富んだ実用本位的な服に使われるものだ。
彼女が着ている服のデザインもそこまで特別ではない。よくある汎用服だ。
ある程度サイズが違う人でも使い回せるよう、上衣は縦横長めに、スカート部分は前後マチ多めで長め。
しかし明らかにシルエットが一般の汎用服と違う。ずっと女性らしい。
おそらく汎用服のサイズ調整の幅を削って自分にあわせたのだろう。幅も長さも。その上で着用時に自分に似合うよう着こなしている。
色合わせが上手いのもあると思う。下が薄い茶に近い生成り、上が白。どちらも良くある色だが彼女が合わせていると上品に見える。バックと靴が茶の革製というのも色デザインともに合っているし。
どういう人なのだろう。あまりそっちばかり見ないように思いつつ考える。
汎用服を売ることを考えず自分専用にサイズ調整するという事は、それなりに余裕があるという事なのだろうか。
そうだとしても素人では形を壊さずサイズ調整するのは難しい。自分でそういった事が出来るのだろうか。
うちの店は基本的に客が自分で商品を選ぶ方式だ。布も新品の服も中古服も並べて棚に仕舞った状態で店頭に出している。
だから会計の時か、客が質問がある時しか直接応対する事はない。
勿論客によっては店員が一緒に動いて説明する事を望む場合もある。しかし彼女はそうではないようだ。
気を抜くと彼女を目で追ってしまう。それに客は他に2人程店内にいる。
だから彼女だけを見ないよう、店内全体に目を配るよう注意していたところで。
別の客が俺の方に近づいてきた。汎用服を2着持っている。
「この服なんですけれど、お値段はいくら?」
値段は棚に書いてある。しかし文字が読めない人は結構多い。なのでこういう質問は普通だ。
「こちらは新品の服なので、一着正銀貨7枚、こちらは中古のB級品なので正銀貨2枚」
「同じように見えるじゃない。こっちも正銀貨2枚じゃないの」
全然違う。もちろんわざと言っているのだろう。
いらっとしてはいけない。ここは落ち着いて、慇懃無礼に接客開始。
◇◇◇
「ありがとうございました」
結局あの客、一番安い中古C級品を一着だけ買って帰った。
良くいるのだ。比較して強引に値段を下げようという輩は。物がわかっていない癖に態度だけ大きく、こちらを勢いだけで言い負かそうとする。
ただ此処カラバーラは治安はいい。あまり無茶をするようなら警備の騎士に突き出せばそれで済む。
そしてこの店は騎士団待機所の4軒隣。なので大声を出せばそれだけで誰か飛んでくる。
だからまあ、それほど面倒ではないのだけれど。
さて、定位置に戻ろうとしたところでふと視線を感じた。振り返ると俺がさっき見ていた女性だ。
「すみません。布地について伺いたいことがあるのですけれど、宜しいでしょうか」
「ええ、何でもどうぞ」
「こちらの布地は質に比べて安い気がします。なので何故この値段なのか、理由を教えて頂いて宜しいでしょうか」
よく気がついたなと俺は思った。そう、この布地は物と比べて安い。
これは俺が仕入れてきた布地だ。だから理由は良く知っている。
「これは品質的には問題ありません。安いのは仕入れが安かったからです。これを生産していた工房が資金繰りに困って、在庫を大量放出したので値が下がったんです」
そう、前回の買い出しの目玉商品だ。安くて質がいいので仕立屋等に売れるだろうと思って購入した。
しかし実際は仕立屋等からの購入はなかった。どうやら継続的に購入可能で値段が安定している布地を使う方がいいらしい。その方が商売としては楽だし安定しているから。
結果売れ残ってそのまま店に出している訳だ。
「なるほど、それで安いのですか。なら品物の質に応じて他と同じ値段で売っても良さそうなのに」
高く売ってもいい。そう店で言われたのは初めてだ。
そう思いつつも俺は父や母が以前俺に言った内容で返答する。
「利益は適正以上には取らない主義なんです。それを守らないと何処かで失敗しますから」
「なるほど。良心的なんですね。それでは次の質問です。こちらの仕入れは近くでおやりになっているのでしょうか?
近くにそういった工房があるという話は聞かないのですけれど」
その辺まで把握しているのだろうか、この人は。そう思いつつ返答する。
「この工房があるのはネイプル近郊です。この店の商品は私が直接ネイプルへ行って仕入れてきています。なので仕入れ値はわかっていますからね」
彼女はうんうんと頷いた。
「なるほど、それでここ最近のように海が荒れた日が続いても値段が変わらないで、物が安定しているんですね。
わかりました。それではこの布、もし宜しければここに巻いてある分、全部下さい。もし他にも在庫があって同じ値段で出してもいいなら、そちらも出来れば買いたいです」
えっ!
この布は30腕巻きだ。まだ切っていないからそのままの長さ。
そして安いとはいえ1腕あたり正銀貨2枚の値段を出している。つまり……
「1巻き30腕で小金貨6枚ですが、宜しいでしょうか」
「ええ。他に同じような布の在庫があって、似たような値段で出して頂けるものがありましたらお願いしたいです。3巻までは即金で購入できますけれど、どうでしょうか」
正金貨数枚程度の買い物を店頭で即買いするような客は普通いない。
俺の表情を見て彼女はその事に気づいたようだ。
「あ、もし何でしたら商業ギルド経由で払いましょうか。店頭にそれだけの現金を置くのは危険ですよね」
あ、間違いない、本物だ。俺は認めてしまう。商業ギルドを噛ませれば偽金なんて使えない。
ただ万が一という事がある。だから信用出来ても高額取引は商業ギルドを通した方がいい。預金していれば手数料はかからない。
「わかりました。これと同じ布地はあと1巻あります。
あとこれよりやや厚手の地になりますが、同じ理由で安くなってまだ店頭に並んでいない品もございます。もし宜しければご覧になりますか?」
「ありがとうございます。それではその布地も見せて頂けますでしょうか」
「わかりました。こちらです。あとこちらの布地は売れないように確保しておきましょう」
自在袋機能付きのバックに布地を仕舞う。なにせこの辺の布地、1巻で3重近い。持ち歩くなら自在袋に入れた方が無難だ。
「高性能な自在袋があるのですね」
「布地は重いので搬送には必需品です。それでは倉庫に案内させます」
そう言っても若い男である俺と二人で倉庫というのはまずいだろう。なので店の奥にいてこちらの話をおそらく聞いているだろう母に案内を頼む。
※ この世界での1反は、幅1m×長さ60mです。また布地は亜麻と羊毛の混紡で、概ね1mあたり290gくらいのものだと思って下さい。
父がたまたま風邪を引いて、代わりに俺が母とともに店番についていた時だった。
「失礼します」
客として入ってきた時に思った、綺麗な女性だなと。
顔が綺麗というのもある。しかしそれだけではない。服のラインと小物類の使い方が上手いのだ。
一応俺は服屋の息子だ。だからどうしても服や布物を見てしまう。
着ている服の布地そのものは高価なものではない。
高級服だと細い糸で編み目が細かく艶がある生地を良く使う。しかし彼女が着ている服は中太の糸でしっかり編み上げた対応の生地。耐久性に富んだ実用本位的な服に使われるものだ。
彼女が着ている服のデザインもそこまで特別ではない。よくある汎用服だ。
ある程度サイズが違う人でも使い回せるよう、上衣は縦横長めに、スカート部分は前後マチ多めで長め。
しかし明らかにシルエットが一般の汎用服と違う。ずっと女性らしい。
おそらく汎用服のサイズ調整の幅を削って自分にあわせたのだろう。幅も長さも。その上で着用時に自分に似合うよう着こなしている。
色合わせが上手いのもあると思う。下が薄い茶に近い生成り、上が白。どちらも良くある色だが彼女が合わせていると上品に見える。バックと靴が茶の革製というのも色デザインともに合っているし。
どういう人なのだろう。あまりそっちばかり見ないように思いつつ考える。
汎用服を売ることを考えず自分専用にサイズ調整するという事は、それなりに余裕があるという事なのだろうか。
そうだとしても素人では形を壊さずサイズ調整するのは難しい。自分でそういった事が出来るのだろうか。
うちの店は基本的に客が自分で商品を選ぶ方式だ。布も新品の服も中古服も並べて棚に仕舞った状態で店頭に出している。
だから会計の時か、客が質問がある時しか直接応対する事はない。
勿論客によっては店員が一緒に動いて説明する事を望む場合もある。しかし彼女はそうではないようだ。
気を抜くと彼女を目で追ってしまう。それに客は他に2人程店内にいる。
だから彼女だけを見ないよう、店内全体に目を配るよう注意していたところで。
別の客が俺の方に近づいてきた。汎用服を2着持っている。
「この服なんですけれど、お値段はいくら?」
値段は棚に書いてある。しかし文字が読めない人は結構多い。なのでこういう質問は普通だ。
「こちらは新品の服なので、一着正銀貨7枚、こちらは中古のB級品なので正銀貨2枚」
「同じように見えるじゃない。こっちも正銀貨2枚じゃないの」
全然違う。もちろんわざと言っているのだろう。
いらっとしてはいけない。ここは落ち着いて、慇懃無礼に接客開始。
◇◇◇
「ありがとうございました」
結局あの客、一番安い中古C級品を一着だけ買って帰った。
良くいるのだ。比較して強引に値段を下げようという輩は。物がわかっていない癖に態度だけ大きく、こちらを勢いだけで言い負かそうとする。
ただ此処カラバーラは治安はいい。あまり無茶をするようなら警備の騎士に突き出せばそれで済む。
そしてこの店は騎士団待機所の4軒隣。なので大声を出せばそれだけで誰か飛んでくる。
だからまあ、それほど面倒ではないのだけれど。
さて、定位置に戻ろうとしたところでふと視線を感じた。振り返ると俺がさっき見ていた女性だ。
「すみません。布地について伺いたいことがあるのですけれど、宜しいでしょうか」
「ええ、何でもどうぞ」
「こちらの布地は質に比べて安い気がします。なので何故この値段なのか、理由を教えて頂いて宜しいでしょうか」
よく気がついたなと俺は思った。そう、この布地は物と比べて安い。
これは俺が仕入れてきた布地だ。だから理由は良く知っている。
「これは品質的には問題ありません。安いのは仕入れが安かったからです。これを生産していた工房が資金繰りに困って、在庫を大量放出したので値が下がったんです」
そう、前回の買い出しの目玉商品だ。安くて質がいいので仕立屋等に売れるだろうと思って購入した。
しかし実際は仕立屋等からの購入はなかった。どうやら継続的に購入可能で値段が安定している布地を使う方がいいらしい。その方が商売としては楽だし安定しているから。
結果売れ残ってそのまま店に出している訳だ。
「なるほど、それで安いのですか。なら品物の質に応じて他と同じ値段で売っても良さそうなのに」
高く売ってもいい。そう店で言われたのは初めてだ。
そう思いつつも俺は父や母が以前俺に言った内容で返答する。
「利益は適正以上には取らない主義なんです。それを守らないと何処かで失敗しますから」
「なるほど。良心的なんですね。それでは次の質問です。こちらの仕入れは近くでおやりになっているのでしょうか?
近くにそういった工房があるという話は聞かないのですけれど」
その辺まで把握しているのだろうか、この人は。そう思いつつ返答する。
「この工房があるのはネイプル近郊です。この店の商品は私が直接ネイプルへ行って仕入れてきています。なので仕入れ値はわかっていますからね」
彼女はうんうんと頷いた。
「なるほど、それでここ最近のように海が荒れた日が続いても値段が変わらないで、物が安定しているんですね。
わかりました。それではこの布、もし宜しければここに巻いてある分、全部下さい。もし他にも在庫があって同じ値段で出してもいいなら、そちらも出来れば買いたいです」
えっ!
この布は30腕巻きだ。まだ切っていないからそのままの長さ。
そして安いとはいえ1腕あたり正銀貨2枚の値段を出している。つまり……
「1巻き30腕で小金貨6枚ですが、宜しいでしょうか」
「ええ。他に同じような布の在庫があって、似たような値段で出して頂けるものがありましたらお願いしたいです。3巻までは即金で購入できますけれど、どうでしょうか」
正金貨数枚程度の買い物を店頭で即買いするような客は普通いない。
俺の表情を見て彼女はその事に気づいたようだ。
「あ、もし何でしたら商業ギルド経由で払いましょうか。店頭にそれだけの現金を置くのは危険ですよね」
あ、間違いない、本物だ。俺は認めてしまう。商業ギルドを噛ませれば偽金なんて使えない。
ただ万が一という事がある。だから信用出来ても高額取引は商業ギルドを通した方がいい。預金していれば手数料はかからない。
「わかりました。これと同じ布地はあと1巻あります。
あとこれよりやや厚手の地になりますが、同じ理由で安くなってまだ店頭に並んでいない品もございます。もし宜しければご覧になりますか?」
「ありがとうございます。それではその布地も見せて頂けますでしょうか」
「わかりました。こちらです。あとこちらの布地は売れないように確保しておきましょう」
自在袋機能付きのバックに布地を仕舞う。なにせこの辺の布地、1巻で3重近い。持ち歩くなら自在袋に入れた方が無難だ。
「高性能な自在袋があるのですね」
「布地は重いので搬送には必需品です。それでは倉庫に案内させます」
そう言っても若い男である俺と二人で倉庫というのはまずいだろう。なので店の奥にいてこちらの話をおそらく聞いているだろう母に案内を頼む。
※ この世界での1反は、幅1m×長さ60mです。また布地は亜麻と羊毛の混紡で、概ね1mあたり290gくらいのものだと思って下さい。
550
お気に入りに追加
2,923
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に巻き込まれたおばあちゃん
夏本ゆのす(香柚)
ファンタジー
高校生たちの異世界召喚にまきこまれましたが、関係ないので森に引きこもります。
のんびり余生をすごすつもりでしたが、何故か魔法が使えるようなので少しだけ頑張って生きてみようと思います。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。