229 / 323
エピローグ 卒業
第276話 卒業(本編最終話)
しおりを挟む
無事に冒険者証も受け取って、次のイベント? に向けカラバーラの街から私達の村へ移動中。
行きと同様、私達3人は小さいゴーレム車&バーボン君、それ以外は大きいゴーレム車&ライ君という組み合わせ。
リディナからサリアちゃんには『カレンさんについて、帰りのゴーレム車の中で話していいよ』と言ってある。
きっと今頃、元王女で現領主夫人、攻撃魔法無効スキル持ちの免状持ち剣士だという事を話しているだろう。
属性が多すぎて混乱するかもしれないけれど仕方ない。カレンさんの場合は全てが事実だ。
そういう人が存在するという事実もまた勉強になるだろう、きっと。
なお私の謎の魔法? については教えていない。サリアちゃんにも言っていいと言っていない。あれは参考にならない特殊技術なのだ。
まあどんな技術なのか、既にバレている気がしないでもないけれども。
「あとは記念品の授与だけです」
「だね。聖堂横の広場でいいよね、やるの」
私はセレスとリディナに頷く。
出発前にセレスから皆に、
『まだ話す事があるから途中で降りず、聖堂までゴーレム車に乗って来て下さい』
と言ってある。
「記念品の事、感づかれているかな?」
「サリアは何かあると気付いていると思います。ただ記念品の中身まではわかっていないでしょう」
どんな顔をするだろう。楽しみだ。
およそ半時間ほどで聖堂前へ到着。
ゴーレム車を降り、そして。
「それじゃ無事C級冒険者に合格した人はここに整列! 順番は気にしなくていいから」
「見学で行った人はここから見ていてください。近い将来、冒険者になっても大丈夫だと私達が判断して、無事C級冒険者になれたなら、同じ事をするつもりです」
リディナとセレスによって整列完了。
「さて、まずはC級冒険者合格おめでとう。
C級冒険者はほぼ全ての魔物や魔獣の討伐依頼を受ける事が可能なランクだよ。つまりそれだけの能力があるとギルドで認めてくれたという証明でもある訳。
だからなれる人はそんなに多くない。冒険者のほとんどはD級以下で、C級以上は冒険者10人に1人くらいかな。
だからC級冒険者になった皆は、強い魔物や魔獣を相手にしなければならない事もある。カレンさんが教えてくれたような特殊な魔物と闘わなければならない事だってあるかもしれない。
そういう意味ではD級以下の冒険者より厳しい事もあるかもしれないね。
ただその分、C級冒険者は自由だよ。どんな仕事だって依頼を受ける事が出来る。だから国内何処に行っても仕事には困らない。
仕事もほとんど自分達の裁量で決められる。細かく指示されるなんて事も無い。
その分自分達で判断しなければならない事も多いけれどね。
そんなC級冒険者になった皆に、先生達からお祝いの品を用意しました。今後の冒険の何処かで多分役に立つと思うから、受け取って使いこなしてね。
それじゃフミノ先生が1人ずつ渡していくから待っていて」
おっとこれは予定外。私がリディナに渡して、リディナから皆に渡すという形式のつもりだったのに。
でもまあいい。私はとりあえず左端にいたレウス君から順番に自在袋を2つずつ、間違わないように渡していく。
「おめでとう」
その一言を添えて。
「受け取ったら中身を確認してね。ショルダーバッグはパーティ全体として使う物、ポーチの方は個人として使う物が入っている筈だよ。
パーティ用の袋の中身が少なめな人は、討伐した魔物や魔石、必要な食料を入れる為の空きとして使ってね」
「うわっ、ちゃんとした鎧と剣だ!」
早くもレウス君が確認をはじめたようだ。
さて、皆どういう反応をするかな。
6人目、カイル君へ渡し終わった後、私は一歩引いて皆の様子を見る。
「何か凄い盾……でもこれ、買うと恐ろしく高価な気がするんだな」
「ほとんど全部、先生達の手作りだよ。布以外の素材もほとんどはフミノ先生手持ちのもの。だからお金はあまりかかっていないかな」
「でも普通に売っている物よりはずっと品質がいい筈です。使いこなして下さい」
サリアちゃん、ゴーレム馬とゴーレム車を出して絶句している。
動きが止まっていてちょうどいいから説明をしておこう。
「自在袋に入るように、ゴーレム馬もゴーレム車も軽量化した。速度はライ君と大型ゴーレム車の組み合わせとほぼ同じ程度」
あとは槍を振ったり眺めたりして確認しているカイル君にも言っておこう。
「カイルの槍はコボルトキングが持っていたものを元に改良したもの。リディナが使っているのとほぼ同じ」
「コボルトキングって……そんなの貰っていいのか!」
「問題ない。10匹倒したから。在庫もまだある」
「!」
うんうん、いい反応だ。用意した甲斐があった。
◇◇◇
どうやら皆、一通り確認したようだ。自分が受け取った自在袋の中身だけでなく、他の人の分も含めて。
勿論見学組も一緒になって確認していた。
解説も一通りしたから、どんな機能があるのかも分かってくれた筈。
「先生、でもこれ、本当にいいんですか。これを売るだけで10年以上は遊んで暮らせるだけの価値があるように僕には見えるのですが……」
流石ヒューマ君、商人の息子だけあって気付いたようだ。
「これくらい使いこなして貰わないとね、『殲滅の魔人』の直弟子なんだから」
リディナ、そこでその名前を使うか!
反応は……
「えっ!!!」
「すみません、気付いていました」
「やっぱり、なら俺はあの時……!」
「まさか……なんだな」
「!」
「……やっぱり」
それぞれ反応が違う。
気付いていたというのはサリアちゃん。
一緒に暮らしていたんだし、ミメイさんやカレンさんが来た時に近い話題が出た事もあった。
だから当然といえば当然。
あとカイル君、レウス君も何となく気付いていた模様。やっぱりという台詞はそういう事だろう。
「自分達で殲滅の魔人と名乗った事は一度も無いんだけれどね。いつの間にかそう呼ばれるようになったというだけで。
さて、今日の勉強会はこれまで。
勉強会を卒業した皆も、これでお別れじゃないんだからね。このあと1ヶ月は今まで通りこの村に住んで、冒険者をやって貰うんだから。
この村に住んでいても問題はないよね、このゴーレム車があれば。さっき行ったカラバーラの冒険者ギルドだって、もっと遠くだって自分達で行けるから。自分達が行きたい時に、自由に。
だからこれからは、6人で相談して計画を自分達で考える事。まずは明日の活動予定からかな。
6人ともC級でこれだけ装備があれば大抵の依頼は受けられる筈だよ。この後は装備を試したり聖堂で話し合ったりして、しっかり考えてね。
それじゃ私達は帰ろうか」
私とセレスは頷く。
ここからはサリアちゃん達に任せるべきだろう。
自立への一歩を歩き始めたのだから。
「先生」
カイル君がそう呼び止めた。
歩き出そうとした私達は足を止める。
「ありがとうございました」
カイル君のその声に続いて。
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
こちらに向かって6人が頭を下げた。
私達も真っすぐ向き直って、頭を下げる。
まずい、何か涙が出てきそうだ。
何故涙が出るのだろう、そう思いつつ必死に魔法を使って誤魔化す。
ふと、何か一歩進む事が出来たような気がした。
サリアちゃん達でなく私自身が。
何をどう進む事が出来たのか、そう感じた私自身にもわからない。
でも確かにそう感じたのだ。
「行こうか?」
リディナの言葉に私は頷く。
反対側を向けばサリアちゃん達から私の顔は見えない。
だから涙が出ても大丈夫。
私はリディナとセレスと並んで歩き続ける。
イリアちゃんやレイナちゃん達、エルマくん達が待っているお家に向かって。
何に対して私は一歩進む事が出来たのだろう。何故そんな風に感じたのだろう。
そんな事を考えながら。
(EOF)
行きと同様、私達3人は小さいゴーレム車&バーボン君、それ以外は大きいゴーレム車&ライ君という組み合わせ。
リディナからサリアちゃんには『カレンさんについて、帰りのゴーレム車の中で話していいよ』と言ってある。
きっと今頃、元王女で現領主夫人、攻撃魔法無効スキル持ちの免状持ち剣士だという事を話しているだろう。
属性が多すぎて混乱するかもしれないけれど仕方ない。カレンさんの場合は全てが事実だ。
そういう人が存在するという事実もまた勉強になるだろう、きっと。
なお私の謎の魔法? については教えていない。サリアちゃんにも言っていいと言っていない。あれは参考にならない特殊技術なのだ。
まあどんな技術なのか、既にバレている気がしないでもないけれども。
「あとは記念品の授与だけです」
「だね。聖堂横の広場でいいよね、やるの」
私はセレスとリディナに頷く。
出発前にセレスから皆に、
『まだ話す事があるから途中で降りず、聖堂までゴーレム車に乗って来て下さい』
と言ってある。
「記念品の事、感づかれているかな?」
「サリアは何かあると気付いていると思います。ただ記念品の中身まではわかっていないでしょう」
どんな顔をするだろう。楽しみだ。
およそ半時間ほどで聖堂前へ到着。
ゴーレム車を降り、そして。
「それじゃ無事C級冒険者に合格した人はここに整列! 順番は気にしなくていいから」
「見学で行った人はここから見ていてください。近い将来、冒険者になっても大丈夫だと私達が判断して、無事C級冒険者になれたなら、同じ事をするつもりです」
リディナとセレスによって整列完了。
「さて、まずはC級冒険者合格おめでとう。
C級冒険者はほぼ全ての魔物や魔獣の討伐依頼を受ける事が可能なランクだよ。つまりそれだけの能力があるとギルドで認めてくれたという証明でもある訳。
だからなれる人はそんなに多くない。冒険者のほとんどはD級以下で、C級以上は冒険者10人に1人くらいかな。
だからC級冒険者になった皆は、強い魔物や魔獣を相手にしなければならない事もある。カレンさんが教えてくれたような特殊な魔物と闘わなければならない事だってあるかもしれない。
そういう意味ではD級以下の冒険者より厳しい事もあるかもしれないね。
ただその分、C級冒険者は自由だよ。どんな仕事だって依頼を受ける事が出来る。だから国内何処に行っても仕事には困らない。
仕事もほとんど自分達の裁量で決められる。細かく指示されるなんて事も無い。
その分自分達で判断しなければならない事も多いけれどね。
そんなC級冒険者になった皆に、先生達からお祝いの品を用意しました。今後の冒険の何処かで多分役に立つと思うから、受け取って使いこなしてね。
それじゃフミノ先生が1人ずつ渡していくから待っていて」
おっとこれは予定外。私がリディナに渡して、リディナから皆に渡すという形式のつもりだったのに。
でもまあいい。私はとりあえず左端にいたレウス君から順番に自在袋を2つずつ、間違わないように渡していく。
「おめでとう」
その一言を添えて。
「受け取ったら中身を確認してね。ショルダーバッグはパーティ全体として使う物、ポーチの方は個人として使う物が入っている筈だよ。
パーティ用の袋の中身が少なめな人は、討伐した魔物や魔石、必要な食料を入れる為の空きとして使ってね」
「うわっ、ちゃんとした鎧と剣だ!」
早くもレウス君が確認をはじめたようだ。
さて、皆どういう反応をするかな。
6人目、カイル君へ渡し終わった後、私は一歩引いて皆の様子を見る。
「何か凄い盾……でもこれ、買うと恐ろしく高価な気がするんだな」
「ほとんど全部、先生達の手作りだよ。布以外の素材もほとんどはフミノ先生手持ちのもの。だからお金はあまりかかっていないかな」
「でも普通に売っている物よりはずっと品質がいい筈です。使いこなして下さい」
サリアちゃん、ゴーレム馬とゴーレム車を出して絶句している。
動きが止まっていてちょうどいいから説明をしておこう。
「自在袋に入るように、ゴーレム馬もゴーレム車も軽量化した。速度はライ君と大型ゴーレム車の組み合わせとほぼ同じ程度」
あとは槍を振ったり眺めたりして確認しているカイル君にも言っておこう。
「カイルの槍はコボルトキングが持っていたものを元に改良したもの。リディナが使っているのとほぼ同じ」
「コボルトキングって……そんなの貰っていいのか!」
「問題ない。10匹倒したから。在庫もまだある」
「!」
うんうん、いい反応だ。用意した甲斐があった。
◇◇◇
どうやら皆、一通り確認したようだ。自分が受け取った自在袋の中身だけでなく、他の人の分も含めて。
勿論見学組も一緒になって確認していた。
解説も一通りしたから、どんな機能があるのかも分かってくれた筈。
「先生、でもこれ、本当にいいんですか。これを売るだけで10年以上は遊んで暮らせるだけの価値があるように僕には見えるのですが……」
流石ヒューマ君、商人の息子だけあって気付いたようだ。
「これくらい使いこなして貰わないとね、『殲滅の魔人』の直弟子なんだから」
リディナ、そこでその名前を使うか!
反応は……
「えっ!!!」
「すみません、気付いていました」
「やっぱり、なら俺はあの時……!」
「まさか……なんだな」
「!」
「……やっぱり」
それぞれ反応が違う。
気付いていたというのはサリアちゃん。
一緒に暮らしていたんだし、ミメイさんやカレンさんが来た時に近い話題が出た事もあった。
だから当然といえば当然。
あとカイル君、レウス君も何となく気付いていた模様。やっぱりという台詞はそういう事だろう。
「自分達で殲滅の魔人と名乗った事は一度も無いんだけれどね。いつの間にかそう呼ばれるようになったというだけで。
さて、今日の勉強会はこれまで。
勉強会を卒業した皆も、これでお別れじゃないんだからね。このあと1ヶ月は今まで通りこの村に住んで、冒険者をやって貰うんだから。
この村に住んでいても問題はないよね、このゴーレム車があれば。さっき行ったカラバーラの冒険者ギルドだって、もっと遠くだって自分達で行けるから。自分達が行きたい時に、自由に。
だからこれからは、6人で相談して計画を自分達で考える事。まずは明日の活動予定からかな。
6人ともC級でこれだけ装備があれば大抵の依頼は受けられる筈だよ。この後は装備を試したり聖堂で話し合ったりして、しっかり考えてね。
それじゃ私達は帰ろうか」
私とセレスは頷く。
ここからはサリアちゃん達に任せるべきだろう。
自立への一歩を歩き始めたのだから。
「先生」
カイル君がそう呼び止めた。
歩き出そうとした私達は足を止める。
「ありがとうございました」
カイル君のその声に続いて。
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
こちらに向かって6人が頭を下げた。
私達も真っすぐ向き直って、頭を下げる。
まずい、何か涙が出てきそうだ。
何故涙が出るのだろう、そう思いつつ必死に魔法を使って誤魔化す。
ふと、何か一歩進む事が出来たような気がした。
サリアちゃん達でなく私自身が。
何をどう進む事が出来たのか、そう感じた私自身にもわからない。
でも確かにそう感じたのだ。
「行こうか?」
リディナの言葉に私は頷く。
反対側を向けばサリアちゃん達から私の顔は見えない。
だから涙が出ても大丈夫。
私はリディナとセレスと並んで歩き続ける。
イリアちゃんやレイナちゃん達、エルマくん達が待っているお家に向かって。
何に対して私は一歩進む事が出来たのだろう。何故そんな風に感じたのだろう。
そんな事を考えながら。
(EOF)
403
お気に入りに追加
2,923
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に巻き込まれたおばあちゃん
夏本ゆのす(香柚)
ファンタジー
高校生たちの異世界召喚にまきこまれましたが、関係ないので森に引きこもります。
のんびり余生をすごすつもりでしたが、何故か魔法が使えるようなので少しだけ頑張って生きてみようと思います。
異世界で作ろう「最強国家!」
ハク
ファンタジー
黒上 優斗は暴走車に跳ね飛ばされ死亡した。だが目を覚ますと知らないとこにいた。豪華な場所で右側には金髪美女がいる。
魔法が使えない優斗ことユート・オリビアは現代兵器やその他特殊能力で国を建国し様々な困難に立ち向かう!
注意!
第零章ではまだ国家を建国しません……おそらく!
本作品は「小説家になろう」「カクヨム」に投稿しております
2021年5月9日 アルファポリスにも投稿開始!
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ
柚木 潤
ファンタジー
実家の薬華異堂薬局に戻った薬剤師の舞は、亡くなった祖父から譲り受けた鍵で開けた扉の中に、不思議な漢方薬の調合が書かれた、古びた本を見つけた。
そして、異世界から助けを求める手紙が届き、舞はその異世界に転移する。
舞は不思議な薬を作り、それは魔人や魔獣にも対抗できる薬であったのだ。
そんな中、魔人の王から舞を見るなり、懐かしい人を思い出させると。
500年前にも、この異世界に転移していた女性がいたと言うのだ。
それは舞と関係のある人物であった。
その後、一部の魔人の襲撃にあうが、舞や魔人の王ブラック達の力で危機を乗り越え、人間と魔人の世界に平和が訪れた。
しかし、500年前に転移していたハナという女性が大事にしていた森がアブナイと手紙が届き、舞は再度転移する。
そして、黒い影に侵食されていた森を舞の薬や魔人達の力で復活させる事が出来たのだ。
ところが、舞が自分の世界に帰ろうとした時、黒い翼を持つ人物に遭遇し、舞に自分の世界に来てほしいと懇願する。
そこには原因不明の病の女性がいて、舞の薬で異物を分離するのだ。
そして、舞を探しに来たブラック達魔人により、昔に転移した一人の魔人を見つけるのだが、その事を隠して黒翼人として生活していたのだ。
その理由や女性の病の原因をつきとめる事が出来たのだが悲しい結果となったのだ。
戻った舞はいつもの日常を取り戻していたが、秘密の扉の中の物が燃えて灰と化したのだ。
舞はまた異世界への転移を考えるが、魔法陣は動かなかったのだ。
何とか舞は転移出来たが、その世界ではドラゴンが復活しようとしていたのだ。
舞は命懸けでドラゴンの良心を目覚めさせる事が出来、世界は火の海になる事は無かったのだ。
そんな時黒翼国の王子が、暗い森にある遺跡を見つけたのだ。
*第1章 洞窟出現編 第2章 森再生編 第3章 翼国編
第4章 火山のドラゴン編 が終了しました。
第5章 闇の遺跡編に続きます。
手乗りドラゴンと行く異世界ゆるり旅 落ちこぼれ公爵令息ともふもふ竜の絆の物語
さとう
ファンタジー
旧題:手乗りドラゴンと行く追放公爵令息の冒険譚
〇書籍化決定しました!!
竜使い一族であるドラグネイズ公爵家に生まれたレクス。彼は生まれながらにして前世の記憶を持ち、両親や兄、妹にも隠して生きてきた。
十六歳になったある日、妹と共に『竜誕の儀』という一族の秘伝儀式を受け、天から『ドラゴン』を授かるのだが……レクスが授かったドラゴンは、真っ白でフワフワした手乗りサイズの小さなドラゴン。
特に何かできるわけでもない。ただ小さくて可愛いだけのドラゴン。一族の恥と言われ、レクスはついに実家から追放されてしまう。
レクスは少しだけ悲しんだが……偶然出会った『婚約破棄され実家を追放された少女』と気が合い、共に世界を旅することに。
手乗りドラゴンに前世で飼っていた犬と同じ『ムサシ』と名付け、二人と一匹で広い世界を冒険する!
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。