125 / 139
第22章 昔いた街
第124話 気分は観光旅行?
しおりを挟む
現実では回転寿司屋にペットなんて、絶対に駄目だろう。
しかしここでは大型犬サイズのラッキー君も文句を言われない。
「こちらへどうぞ」
まだ時間が早いのか店内は空いている。
だからか4人用のテーブル席へと案内された。
「それではこちらがメニュー兼注文用の魔法石版になります」
「わかりました」
回転寿司なのだが現在はベルトが撤去されている。
魔法石版による注文で持ってきてくれるタイプになっているようだ。
店員さんが行った後、カリーナちゃんと話す。
「この魔法石版、画面も操作体系も現実 のタブレットそのものだよね」
「外装に石や木材を使っているだけのようです。理屈や世界観より利便性を重視したんだと思います」
「仮想世界ならではの利便性ってところかな。それじゃ注文しようか」
「ええ。何にしましょうか」
ここはやっぱり北海道らしいもので行くべきか。
いや、素直に食べたいもの中心にしよう。
「まずはお互い食べたい物5皿くらい注文して、それからにしようか」
「そうですね。それでは私から注文していいですか」
「勿論。私の方はすぐに決まりそうにないし」
正直結構目移りしている。
マグロのいいのは頼みたいし、炙りしめ鯖なんてのもそそられるし、毛ガニのほぐし身軍艦なんてのも……
なので魔法石版をカリーナちゃんに渡し、反対側から注文を眺めている。
カリーナちゃんはささっと操作して、
○ 生サーモン
○ 帆立貝
○ まぐろ
○ いか
○ 甘エビ
と注文した。
どれもなかなか美味しそうだ。
「カリーナの注文したのを1カンもらっていい?」
「勿論です。その方が種類を多く頼めます」
なら遠慮なくそうしよう。
とすると私が選ぶべきは、カリーナちゃんが頼まなかったもの。
炙りしめ鯖、毛ガニほぐし身軍艦、生ウニ、ニシン三升漬、タラ昆布締め……
そうだ、あとは。
「寿司5皿の他に汁物とかも注文していい?」
「あ、そうですね。私は岩のりの味噌汁を頼みます」
◇◇◇
「ちょっと討伐場所を確認という感じではなくなってしまいました。少し早いですけれど宿へ向かいましょうか」
感じではなくなった、という原因の9割は私だ。
「ごめん。頼みすぎた」
以前カレンさんに連れて行って貰ったケルキラの寿司屋は確かに美味しかった。
しかしここはここで悪くない、というか充分に美味しい。
その結果、思い切りよく食欲を優先させてしまったのだ。
お皿にして40枚分以上をしっかり頼んだし、その7割位は間違いなく私。
ラッキーくんにもおこぼれを数皿分やってはいるけれど。
それでも忘れずに道の反対側の店で鶏の半身揚げを購入。
そしてもと来た道の方へ。
「直接歩くと4kmちょっとありますし、路面電車を使いましょう」
「最寄りはさっきの駅?」
「ええ。あまり近くはないですけれど」
先程と同じ道をこんどは逆に辿っていく。
やはり塀がなくて屋根が違って窓が小さめ。
わかって見てみると結構違和感を覚えるつくりだなと思いつつ歩いていき、市場へ行く際に降りた路面電車の停留所へ。
すぐ来た路面電車に乗って、ギルドや港とは反対方向へ向かう。
「この辺の町並みは実物よりこの世界の背景に合わせてある感じです」
路面電車が大きく右へと曲がったあたりでカリーナちゃんがそんなことを言った。
「そうなの?」
見た感じは商業ギルドがあった付近と同じ感じ。
3階建ての石造りや煉瓦造り、あるは疑洋風の木造の建物が並んでいる。
「ええ。この辺は普通に鉄筋のビルや高いマンションがありますから」
「栄えている街なんだ」
「函館の中では、ですけれど」
ただ少し動くとすぐに周囲は2階建てくらいの建物が中心となる。たまに3階建てくらいの建物。そしてほとんどが住宅か住宅兼用の店という感じだ。
建物の様式は和風と擬洋風が3対1という感じ。
きっと建物の規模や用途は現実に準拠して、様式は時代背景というか雰囲気にあわせているのだろう。
終点のひとつ手前、『湯の川温泉』 で降りて川沿いを数分歩く。
5分程度歩いたところで、目的地の宿についた。
看板が出ているので間違いない。
外観は和風で白い土壁と黒塗りの木材、武家屋敷なんかで見たようなつくり。
瓦も他の家とは違い陶製の瓦だ。
瓦の形そのものは少し違う気がしないでもないけれど。
「ちょっと入りにくいですね。こういう場所は慣れていません」
「大丈夫だよ。ギルドで貰った案内に書いてあるくらいだし」
カリーナちゃんだけじゃない、私だって入りにくい。
しかもラッキーくんまで一緒だし。
ただドレスコード等があるならギルドの案内にも書いてあるだろう。
だからここは堂々と胸を張って。
「行こうか」
私先頭で中へ。
一応全員の服その他に清浄魔法をかけ、いつも通りを意識しながら宿の入口へ。
「いらっしゃいませ」
ここで怯んではいけない。
「本日から3泊したいです。予約はとっていませんけれど大丈夫でしょうか」
「ええ。ようこそいらっしゃいました。こちらへどうぞ」
その言葉にほっと一息。
案内されるままフロント前に幾つかある応接セットへ。
「お客様は2名と従魔1体で宜しいでしょうか」
「ええ」
「本日から3泊となりますと、空いているお部屋とプランはこちらとなります。部屋代がそれぞれこちらで、朝食と夕食がこちらとなります」
部屋と食事をそれぞれ選んでプランが決まるらしい。
そうお高くない部屋もある。
しかし此処はやっぱり……
「カリーナ、これとこれのプランでいい?」
やはり此処へ来たからには露天風呂がついた部屋だろう。
料理もそれなりに楽しめるもので。
ただ部屋はそこまで広くなくてもいいし、料理も珍しいけれど美味しさ的にはいまいちなものはいらない。
そうなると部屋は7種類あるうち高い方から3番め、料理もやはり7種類あるうちの3番めとなる。
「ええ、それがいいと思います」
ラッキー君も頷いた。
きっとわかってはいないだろうけれど。
「ならこれで3泊お願いします。支払いは先払いでいいですか?」
「ええ、そうしていただけると助かります」
合計で3円、つまりギルドの案内に出ていた『1部屋2人で1泊1円』と同じ。
手持ちのお金の半分以上を使ってしまうけれど、何なら明日以降に商業ギルドで預金から下ろせばいい。
仮想世界では私達はそこそこ金持ちなのだ。
問題は全くない。
強いて言えば3円だと支払いに若干細かいお金を使ってしまう点くらい。
2円は50銭銀貨4枚で払えるけれど、残り1円は10銭銀貨10枚になってしまうから。
高い金額の硬貨も持っておくべきだったかな。
少しだけ後悔。
しかしここでは大型犬サイズのラッキー君も文句を言われない。
「こちらへどうぞ」
まだ時間が早いのか店内は空いている。
だからか4人用のテーブル席へと案内された。
「それではこちらがメニュー兼注文用の魔法石版になります」
「わかりました」
回転寿司なのだが現在はベルトが撤去されている。
魔法石版による注文で持ってきてくれるタイプになっているようだ。
店員さんが行った後、カリーナちゃんと話す。
「この魔法石版、画面も操作体系も現実 のタブレットそのものだよね」
「外装に石や木材を使っているだけのようです。理屈や世界観より利便性を重視したんだと思います」
「仮想世界ならではの利便性ってところかな。それじゃ注文しようか」
「ええ。何にしましょうか」
ここはやっぱり北海道らしいもので行くべきか。
いや、素直に食べたいもの中心にしよう。
「まずはお互い食べたい物5皿くらい注文して、それからにしようか」
「そうですね。それでは私から注文していいですか」
「勿論。私の方はすぐに決まりそうにないし」
正直結構目移りしている。
マグロのいいのは頼みたいし、炙りしめ鯖なんてのもそそられるし、毛ガニのほぐし身軍艦なんてのも……
なので魔法石版をカリーナちゃんに渡し、反対側から注文を眺めている。
カリーナちゃんはささっと操作して、
○ 生サーモン
○ 帆立貝
○ まぐろ
○ いか
○ 甘エビ
と注文した。
どれもなかなか美味しそうだ。
「カリーナの注文したのを1カンもらっていい?」
「勿論です。その方が種類を多く頼めます」
なら遠慮なくそうしよう。
とすると私が選ぶべきは、カリーナちゃんが頼まなかったもの。
炙りしめ鯖、毛ガニほぐし身軍艦、生ウニ、ニシン三升漬、タラ昆布締め……
そうだ、あとは。
「寿司5皿の他に汁物とかも注文していい?」
「あ、そうですね。私は岩のりの味噌汁を頼みます」
◇◇◇
「ちょっと討伐場所を確認という感じではなくなってしまいました。少し早いですけれど宿へ向かいましょうか」
感じではなくなった、という原因の9割は私だ。
「ごめん。頼みすぎた」
以前カレンさんに連れて行って貰ったケルキラの寿司屋は確かに美味しかった。
しかしここはここで悪くない、というか充分に美味しい。
その結果、思い切りよく食欲を優先させてしまったのだ。
お皿にして40枚分以上をしっかり頼んだし、その7割位は間違いなく私。
ラッキーくんにもおこぼれを数皿分やってはいるけれど。
それでも忘れずに道の反対側の店で鶏の半身揚げを購入。
そしてもと来た道の方へ。
「直接歩くと4kmちょっとありますし、路面電車を使いましょう」
「最寄りはさっきの駅?」
「ええ。あまり近くはないですけれど」
先程と同じ道をこんどは逆に辿っていく。
やはり塀がなくて屋根が違って窓が小さめ。
わかって見てみると結構違和感を覚えるつくりだなと思いつつ歩いていき、市場へ行く際に降りた路面電車の停留所へ。
すぐ来た路面電車に乗って、ギルドや港とは反対方向へ向かう。
「この辺の町並みは実物よりこの世界の背景に合わせてある感じです」
路面電車が大きく右へと曲がったあたりでカリーナちゃんがそんなことを言った。
「そうなの?」
見た感じは商業ギルドがあった付近と同じ感じ。
3階建ての石造りや煉瓦造り、あるは疑洋風の木造の建物が並んでいる。
「ええ。この辺は普通に鉄筋のビルや高いマンションがありますから」
「栄えている街なんだ」
「函館の中では、ですけれど」
ただ少し動くとすぐに周囲は2階建てくらいの建物が中心となる。たまに3階建てくらいの建物。そしてほとんどが住宅か住宅兼用の店という感じだ。
建物の様式は和風と擬洋風が3対1という感じ。
きっと建物の規模や用途は現実に準拠して、様式は時代背景というか雰囲気にあわせているのだろう。
終点のひとつ手前、『湯の川温泉』 で降りて川沿いを数分歩く。
5分程度歩いたところで、目的地の宿についた。
看板が出ているので間違いない。
外観は和風で白い土壁と黒塗りの木材、武家屋敷なんかで見たようなつくり。
瓦も他の家とは違い陶製の瓦だ。
瓦の形そのものは少し違う気がしないでもないけれど。
「ちょっと入りにくいですね。こういう場所は慣れていません」
「大丈夫だよ。ギルドで貰った案内に書いてあるくらいだし」
カリーナちゃんだけじゃない、私だって入りにくい。
しかもラッキーくんまで一緒だし。
ただドレスコード等があるならギルドの案内にも書いてあるだろう。
だからここは堂々と胸を張って。
「行こうか」
私先頭で中へ。
一応全員の服その他に清浄魔法をかけ、いつも通りを意識しながら宿の入口へ。
「いらっしゃいませ」
ここで怯んではいけない。
「本日から3泊したいです。予約はとっていませんけれど大丈夫でしょうか」
「ええ。ようこそいらっしゃいました。こちらへどうぞ」
その言葉にほっと一息。
案内されるままフロント前に幾つかある応接セットへ。
「お客様は2名と従魔1体で宜しいでしょうか」
「ええ」
「本日から3泊となりますと、空いているお部屋とプランはこちらとなります。部屋代がそれぞれこちらで、朝食と夕食がこちらとなります」
部屋と食事をそれぞれ選んでプランが決まるらしい。
そうお高くない部屋もある。
しかし此処はやっぱり……
「カリーナ、これとこれのプランでいい?」
やはり此処へ来たからには露天風呂がついた部屋だろう。
料理もそれなりに楽しめるもので。
ただ部屋はそこまで広くなくてもいいし、料理も珍しいけれど美味しさ的にはいまいちなものはいらない。
そうなると部屋は7種類あるうち高い方から3番め、料理もやはり7種類あるうちの3番めとなる。
「ええ、それがいいと思います」
ラッキー君も頷いた。
きっとわかってはいないだろうけれど。
「ならこれで3泊お願いします。支払いは先払いでいいですか?」
「ええ、そうしていただけると助かります」
合計で3円、つまりギルドの案内に出ていた『1部屋2人で1泊1円』と同じ。
手持ちのお金の半分以上を使ってしまうけれど、何なら明日以降に商業ギルドで預金から下ろせばいい。
仮想世界では私達はそこそこ金持ちなのだ。
問題は全くない。
強いて言えば3円だと支払いに若干細かいお金を使ってしまう点くらい。
2円は50銭銀貨4枚で払えるけれど、残り1円は10銭銀貨10枚になってしまうから。
高い金額の硬貨も持っておくべきだったかな。
少しだけ後悔。
15
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
【完結】バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~
山須ぶじん
SF
異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。
彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。
そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。
ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。
だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。
それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。
※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。
※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる