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第22章 昔いた街
第121話 お高いお宿
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中へ入るとケルキラの冒険者ギルドと同じような作りだった。
この辺は商業ギルドと同じだ。
中で勤務している受付嬢の服装がいわゆる着物なのも商業ギルドと同じ。
「依頼掲示板を見てみましょうか」
「だね」
見たところ依頼の内容はケルキラとそう変わらない。
薬草採取、魔獣討伐、移動時の護衛なんて感じ。
ただ薬草や魔獣の種類がケルキラと少し異なる。
魔獣はヒグマっぽかったりエゾジカだったり、現実の日本では絶滅したオオカミだったり。
つまり北海道ナイズされている感じだ。
薬草はケルキラのものと名前は同じ。
なのだけれど、微妙に葉の付き方や大きさが違うように見える。
依頼掲示板の隣はギルドからのお知らせの掲示板。
ここには講習のお知らせも貼ってあった。
基礎教養や討伐実習や戦闘訓練等、ケルキラの冒険者ギルドでもあった講習の他に独自の講習がいくつかある。
その中にどう見ても私達向けに見えるものがあった。
「この『来訪冒険者用特別講習』や『来訪冒険者用一日講習』は私達向けだよね、きっと」
「そうですね。講習費用も10銭、200Cと安いですし。
おそらく冒険者が此処へ早く馴染んで居着いてくれるよう、安く設定しているのだと思います」
きっとカリーナちゃんの言う通りだ。
「なら申し込んでいい?」
「ええ、ただラッキーちゃんがいるので2人同時に受けるのはやめた方がいいと思います。1日講習の方を交互に受けて、それで更に必要があると思えば3日間の特別講習を交互に受ける形で」
確かにその方がいいだろう。
講習中、ラッキー君を宿などで待たせたままにするのはかわいそうだし。
内部が同じなら受付方法も同じ。
申込用紙をオートコンプリートで記載した後、『講習受付』と書かれた窓口へ。
着物姿の受付嬢さんは私とカリーナちゃんの申込用紙を確認して頷いた。
「来訪冒険者用特別講習、2名ですね。ミヤさんが明日4月2日の9時から15時まで、カリーナさんが明後日4月3日の9時から15時までの講習で宜しいでしょうか」
「ええ、それでお願いします」
「わかりました。それでは講習受講料金は20銭となります」
10銭銀貨2枚で支払う。
「ありがとうございました。こちらが受講証兼領収書となります。講習の際にお持ち下さい。
それと失礼ですが、こちらハコダテははじめてでしょうか?」
ギルドの人だから正直に言っても大丈夫だよな。
「ええ、今朝の船でついたところです」
「でしたらこちらをどうぞ」
受け取ったのは紙3枚。
ハコダテの街の案内図、近隣の魔物の狩り場や薬草等の採取場所の地図、それぞれの案内図に書かれたお勧めの店、宿、狩り場、採取場等の説明やコメントを書いた説明。
運営からの資料とは違い、所々手描き風。
旅行先で手に入ると嬉しくて便利なタイプのパンフレットだ。
「そちらに載っている宿はこのギルドのお勧めです。ほとんどの宿は従魔も一緒に宿泊可能となっています。料金にかなり幅がありますので予算に応じて選んで頂ければ」
「ありがとうございます」
ありがたく受け取らせて貰う。
「こちらこそご利用ありがとうございました。そちらの掲示板にあります依頼等についても宜しくお願いします」
窓口から離れ、待合室的な場所の椅子に座ってカリーナちゃんと作戦会議。
「市場をざっと見た後、お昼を兼ねて何処かのお店で一休みして、その後近くの狩り場をさらっと回り、午後3時頃になったら宿を取りに行くという感じでいいでしょうか?」
「そうだね。感覚的には家を出てまだ1時間くらいだからお腹空いていないし。市場や宿はどの辺がいいと思う?」
どうやらこの街の中心は更に東の方にあるようだ。
大きな市場は結構東、もっと東、その少し東の3カ所。
そして宿は結構東の市場付近と、これら市場よりずーっと東に固まっている。
「取り敢えず近い方の市場から見ていきましょう。宿はこれで見ると近い方が安く、遠い方が高級な宿が多いようです」
確かに宿の値段、ずーっと東側の辺りはややお高め。
でもそこで私はある文字を発見した。
「この遠い場所、温泉があるんだ」
「ええ。現実の函館では湯の川温泉に当たる場所だと思います」
本物の函館にも温泉があるのか。
無知と言われそうだけれど知らなかった。
まあ実際に行った事が無いし、札幌近郊2泊3日が私の北海道経験の全てなので勘弁して欲しい。
「ラッキーが入れる温泉も……あるね」
ギルドで聞いた通り宿のほとんどは従魔OK。
そしてお高いと思った宿賃も温泉があると思うと判断が甘くなる……
「この宿、1泊だけ泊まってみたいんだけれど、どう? ペットと一緒に入れる貸切露天風呂付で、部屋にもお風呂があって」
宿賃はかなりお高めだ。
1部屋2人で1泊1円、換算すると2千C。
ケルキラの標準的な2人部屋が600Cだからお値段3倍以上。
現実ならともかくパイアキアン・オンラインの宿として今までに見た事がないレベル。
市場近くの宿は同じ条件で30銭程度。
つまりこの街の物価が高い訳ではない。
この宿の宿賃が高いだけだ。
しかし温泉があるし部屋も露天風呂付きでかつ広い。
料理も美味しい海鮮が出てくるようだ。
冒険者ギルドのコメントも『文句なくお勧め。ただ高いからたまのご褒美宿としてでも』なんて書いてある。
「そうですね。最初の2~3泊くらいは泊まってもいいと思います。以降はこの街に留まるか、陸続きの別の場所に行くか考えて宿なり貸家なり探しましょう」
この辺は商業ギルドと同じだ。
中で勤務している受付嬢の服装がいわゆる着物なのも商業ギルドと同じ。
「依頼掲示板を見てみましょうか」
「だね」
見たところ依頼の内容はケルキラとそう変わらない。
薬草採取、魔獣討伐、移動時の護衛なんて感じ。
ただ薬草や魔獣の種類がケルキラと少し異なる。
魔獣はヒグマっぽかったりエゾジカだったり、現実の日本では絶滅したオオカミだったり。
つまり北海道ナイズされている感じだ。
薬草はケルキラのものと名前は同じ。
なのだけれど、微妙に葉の付き方や大きさが違うように見える。
依頼掲示板の隣はギルドからのお知らせの掲示板。
ここには講習のお知らせも貼ってあった。
基礎教養や討伐実習や戦闘訓練等、ケルキラの冒険者ギルドでもあった講習の他に独自の講習がいくつかある。
その中にどう見ても私達向けに見えるものがあった。
「この『来訪冒険者用特別講習』や『来訪冒険者用一日講習』は私達向けだよね、きっと」
「そうですね。講習費用も10銭、200Cと安いですし。
おそらく冒険者が此処へ早く馴染んで居着いてくれるよう、安く設定しているのだと思います」
きっとカリーナちゃんの言う通りだ。
「なら申し込んでいい?」
「ええ、ただラッキーちゃんがいるので2人同時に受けるのはやめた方がいいと思います。1日講習の方を交互に受けて、それで更に必要があると思えば3日間の特別講習を交互に受ける形で」
確かにその方がいいだろう。
講習中、ラッキー君を宿などで待たせたままにするのはかわいそうだし。
内部が同じなら受付方法も同じ。
申込用紙をオートコンプリートで記載した後、『講習受付』と書かれた窓口へ。
着物姿の受付嬢さんは私とカリーナちゃんの申込用紙を確認して頷いた。
「来訪冒険者用特別講習、2名ですね。ミヤさんが明日4月2日の9時から15時まで、カリーナさんが明後日4月3日の9時から15時までの講習で宜しいでしょうか」
「ええ、それでお願いします」
「わかりました。それでは講習受講料金は20銭となります」
10銭銀貨2枚で支払う。
「ありがとうございました。こちらが受講証兼領収書となります。講習の際にお持ち下さい。
それと失礼ですが、こちらハコダテははじめてでしょうか?」
ギルドの人だから正直に言っても大丈夫だよな。
「ええ、今朝の船でついたところです」
「でしたらこちらをどうぞ」
受け取ったのは紙3枚。
ハコダテの街の案内図、近隣の魔物の狩り場や薬草等の採取場所の地図、それぞれの案内図に書かれたお勧めの店、宿、狩り場、採取場等の説明やコメントを書いた説明。
運営からの資料とは違い、所々手描き風。
旅行先で手に入ると嬉しくて便利なタイプのパンフレットだ。
「そちらに載っている宿はこのギルドのお勧めです。ほとんどの宿は従魔も一緒に宿泊可能となっています。料金にかなり幅がありますので予算に応じて選んで頂ければ」
「ありがとうございます」
ありがたく受け取らせて貰う。
「こちらこそご利用ありがとうございました。そちらの掲示板にあります依頼等についても宜しくお願いします」
窓口から離れ、待合室的な場所の椅子に座ってカリーナちゃんと作戦会議。
「市場をざっと見た後、お昼を兼ねて何処かのお店で一休みして、その後近くの狩り場をさらっと回り、午後3時頃になったら宿を取りに行くという感じでいいでしょうか?」
「そうだね。感覚的には家を出てまだ1時間くらいだからお腹空いていないし。市場や宿はどの辺がいいと思う?」
どうやらこの街の中心は更に東の方にあるようだ。
大きな市場は結構東、もっと東、その少し東の3カ所。
そして宿は結構東の市場付近と、これら市場よりずーっと東に固まっている。
「取り敢えず近い方の市場から見ていきましょう。宿はこれで見ると近い方が安く、遠い方が高級な宿が多いようです」
確かに宿の値段、ずーっと東側の辺りはややお高め。
でもそこで私はある文字を発見した。
「この遠い場所、温泉があるんだ」
「ええ。現実の函館では湯の川温泉に当たる場所だと思います」
本物の函館にも温泉があるのか。
無知と言われそうだけれど知らなかった。
まあ実際に行った事が無いし、札幌近郊2泊3日が私の北海道経験の全てなので勘弁して欲しい。
「ラッキーが入れる温泉も……あるね」
ギルドで聞いた通り宿のほとんどは従魔OK。
そしてお高いと思った宿賃も温泉があると思うと判断が甘くなる……
「この宿、1泊だけ泊まってみたいんだけれど、どう? ペットと一緒に入れる貸切露天風呂付で、部屋にもお風呂があって」
宿賃はかなりお高めだ。
1部屋2人で1泊1円、換算すると2千C。
ケルキラの標準的な2人部屋が600Cだからお値段3倍以上。
現実ならともかくパイアキアン・オンラインの宿として今までに見た事がないレベル。
市場近くの宿は同じ条件で30銭程度。
つまりこの街の物価が高い訳ではない。
この宿の宿賃が高いだけだ。
しかし温泉があるし部屋も露天風呂付きでかつ広い。
料理も美味しい海鮮が出てくるようだ。
冒険者ギルドのコメントも『文句なくお勧め。ただ高いからたまのご褒美宿としてでも』なんて書いてある。
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