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第20章 新しい場所へ行く前に
第114話 私、開眼する?
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次は読書だ。
アイテムボックスから攻撃技全書を取り出して広げる。
『ミヤは『攻撃技全書』を読んだ。読了に2時間を消費した』
前もそうだが体感的には一瞬、なのに数時間経ってしまう。
今回は2時間で済んだけれど、これはINTが上がったおかげか、それとも2回目だからか、どっちだろう。
両方かな、これは。
さて、2回目の読了で更に新しい知識が頭に入った。
『特級及び一部奥義の剣技、槍技、弓技、拳技、投技、関節技について、名称、効果範囲、威力、使用条件を記憶しました』
レベルアップしたおかげか、以前は上級となっていた部分が特級及び一部奥義になっている。
『また以下の特殊武器技について、現在使用実績がある主な技についての名称、効果範囲、威力、使用条件を記憶しました。
斧技、刀技、鉈技、鎖鎌技、棒技、棍棒技、三節棍技、ヌンチャク技、鎌技、ナイフ技(ククリ、マチェット、コンバットナイフ、ダガー)、投擲技(投石、投げナイフ、ダーツ、メス、ブーメラン)。トランプ技、銃剣技、銃技、砲技、忍術技……』
うーむ、斧技はまだまともな方だったようだ。
特殊武器、随分と多い。
ダーツとかトランプまで技があるようだけれど、そんなのを武器として使っている人、本当にいるのだろうか。
あと忍術技とは……この世界、なかなかに懐が深い。
『また以下の特殊武器技について、発動方法を理解しました。一定の訓練の後、発動が可能となります。
○ 投擲技
回転投擲、直投擲
○ 斧技・双斧技
刈取、枝払、細断、アーススラッシュ、ホリゾントスラッシュ、ダブル・アーススラッシュ、ダブルホリゾントスラッシュ、武器破壊、反動姿勢制御、強打、壊打』
頭の中で動きを試してみると案外地味なものが多い。
刈取は水平方向の動きで物の一部を切り離す技で、枝払いは垂直方向の動きで物の一部を切り離す技。
アーススラッシュとホリゾントスラッシュはどちらも切りつける技で、アーススラッシュが縦方向、ホリゾントスラッシュが横方向。
パワースラッシュやエアスラッシュとの違いは、
○ パワースラッシュ
切るより跳ね飛ばす方を重視する技
○ エアスラッシュ
遠方を切り裂く事を重視する技
○ アーススラッシュ
斧が届く範囲を垂直に切る事に特化した技
○ ホリゾントスラッシュ
斧が届く範囲を水平に切る事に特化した技
という感じで、動きは似ているけれど何処をどう切るか、発動する際の意識の違い。
細断とエリア・スラッシュも動きはほぼ同じだ。
細断は斧一本でも発動可能で、攻撃範囲が狭く短く、その代わり威力そのものは大きい。
これも斧2本の場合は術者の意識で使い分けするとの事。
知識は結構増えたけれど、使う技そのものは今までとそう変わらない気がする。
まあこれはこれで面白かったけれど。
斧技以外にも色々と変わった技を知る事が出来て。
とことことこ、足音が聞こえた。
読書を終えた事にラッキー君が気づいたようだ。
さて、それではジャーキーを作ってみようか。
私は本を収納して、ベッドから降りる。
「ラッキー、ちょっと待っていて。ジャーキーを作ってみるから」
ラッキー君、何だろうという感じで私の顔を見た。
どうやら通じなかった模様。
まあいいか、そう思いつつ私はキッチンへ向かう。
ラッキー君、私がキッチンへ向かうとわかるとさっと離れて玄関の方へ。
カリーナちゃんの場合はキッチンへ行くと寄っていくのにこの反応の差は何なのだ!?
まあ邪魔が入らない分楽だ、そう思うことにしよう。
それではメアリーさん流のジャーキーを調理するぞ。
新要塞の帰りに肉屋で買ってきた鶏胸肉をアイテムボックスから取り出す。
失敗する可能性を考えて、10枚程買ってきた。
まず最初は試作ということで2枚で挑戦。
別ウィンドウを出してメアリーさんのWebページを表示させる。
『おまけ パイアキアン・オンライン内生活情報
○ お勧めの店
○ お気に入りの武器・道具類
○ 従魔のすすめ
○ 魔法料理の調理レシピ』
なかなか使えそうな情報が多いので、項目によっては既に何度か読んでいたりする。
レシピの項目ははじめてだけれど。
レシピの項目には30種類くらいの料理が目次形式で並んでいた。
『大型肉食従魔用、鶏胸肉まるごと柔らかジャーキー』は真ん中くらいにある。
ページを開いていつでも読んで確認出来る状態にしてから、調理開始だ。
ふむふむ、鶏胸肉を皮を下にして広げ、網の上に置くと。
下に脂が落ちるから、ここは網でないと駄目だと。
キッチンを漁ったら魚や肉を焼くときに使うらしい受け皿付きの網があったので、これを使う。
次は……
◇◇◇
うん、なかなかいい感じに仕上がった。
肉は綺麗な飴色で気持ちがいい弾力性がある。
皮の脂もべたつかず綺麗に乾いていて手で持っても汚れない。
ラッキー君にやる前にちょっと試食してみよう。
丸かじりしそうになって、そしてWebページにあった注意書きを思い出す。
人が食べる場合は1cmより細く切って食べないとかみ切れないから注意と。
元脳筋のエルフだからきっと噛む力も常人以上だとは思う。
しかしここで試すのはきっと愚策だろう。
なのでWebページにある通り、包丁を斜めに滑らすようにして切る。
一切れ分だけカットして、さて味見だ。
かみ応えは肉厚なスルメという感じ。
しかし味はまぎれもない肉で、しかも濃い。
これはラッキー君だけにやるのはもったいない気がする。
でも人間用はまた少し違うレシピがあったな、そういえば。
ハーブ入り食塩水を塗りたくってから魔法乾燥させる方法が。
足下から気配を感じた。
ラッキー君がお座りして私の方を見上げている。
はあはあしてよだれがたれそうな状態だ。
さっきまでは私から逃げるように玄関側へ行っていた癖に。
でもまあこれはラッキー君用だ。
だから今カットした残りを味見させてやることにしよう。
まずは完成したもう1個をアイテムボックスへと収納。
現物があるとラッキー君、いつまでも欲しがるから。
そしてさっき一切れ分カットしたジャーキーの残りを手に取る。
「はいラッキー、伏せ」
だだっと伏せをして私の方を見る。
もう早く欲しくてたまらない様子だ。
「はい」
前に出すと猛烈な勢いでがっついた。
うんうん、ラッキー君にも好評な模様。
これではじめて料理らしい料理が出来たなと思う。
袋ラーメンカット野菜入りとか、それにウィンナー追加とかではなくて。
今回の成功の原因は何だろう。
考察して、そして気づいた。
そうだ、今回私はWebに書いてある通りに作ったのだった。
素材や調味料、調理道具等で一切他の物で代用とかしないで。
フライパンでは無く網を使ったし、鶏肉も皮を下にしてしっかり広げた。
加熱も書いてある通り180℃で5分、そして乾燥もちょうど25%までにして。
そうか、まずは代用とか工程省略とかをせず、書いてある通りに作れば失敗はないのだ、多分。
今までは材料や道具で揃わないものがあると、自分で判断して代用品を使ったりした。
加熱も高温で短時間に変更したり、調理器具も似たようなもので代用したり。
おそらくそれが失敗の原因だったのだろう。
なら次回、別の料理だって書いてある通り作れば出来るのかもしれない。
でも取り敢えず、このジャーキーは量産しておこう。
成功経験を積み重ねて自信に繋げるのだ。
材料も揃っているし、書いてある通りにやれば問題無いだろう。
卵を割る、キャベツを千切りにする等の高度な技は、多分まだ無理だろうけれど。
アイテムボックスから攻撃技全書を取り出して広げる。
『ミヤは『攻撃技全書』を読んだ。読了に2時間を消費した』
前もそうだが体感的には一瞬、なのに数時間経ってしまう。
今回は2時間で済んだけれど、これはINTが上がったおかげか、それとも2回目だからか、どっちだろう。
両方かな、これは。
さて、2回目の読了で更に新しい知識が頭に入った。
『特級及び一部奥義の剣技、槍技、弓技、拳技、投技、関節技について、名称、効果範囲、威力、使用条件を記憶しました』
レベルアップしたおかげか、以前は上級となっていた部分が特級及び一部奥義になっている。
『また以下の特殊武器技について、現在使用実績がある主な技についての名称、効果範囲、威力、使用条件を記憶しました。
斧技、刀技、鉈技、鎖鎌技、棒技、棍棒技、三節棍技、ヌンチャク技、鎌技、ナイフ技(ククリ、マチェット、コンバットナイフ、ダガー)、投擲技(投石、投げナイフ、ダーツ、メス、ブーメラン)。トランプ技、銃剣技、銃技、砲技、忍術技……』
うーむ、斧技はまだまともな方だったようだ。
特殊武器、随分と多い。
ダーツとかトランプまで技があるようだけれど、そんなのを武器として使っている人、本当にいるのだろうか。
あと忍術技とは……この世界、なかなかに懐が深い。
『また以下の特殊武器技について、発動方法を理解しました。一定の訓練の後、発動が可能となります。
○ 投擲技
回転投擲、直投擲
○ 斧技・双斧技
刈取、枝払、細断、アーススラッシュ、ホリゾントスラッシュ、ダブル・アーススラッシュ、ダブルホリゾントスラッシュ、武器破壊、反動姿勢制御、強打、壊打』
頭の中で動きを試してみると案外地味なものが多い。
刈取は水平方向の動きで物の一部を切り離す技で、枝払いは垂直方向の動きで物の一部を切り離す技。
アーススラッシュとホリゾントスラッシュはどちらも切りつける技で、アーススラッシュが縦方向、ホリゾントスラッシュが横方向。
パワースラッシュやエアスラッシュとの違いは、
○ パワースラッシュ
切るより跳ね飛ばす方を重視する技
○ エアスラッシュ
遠方を切り裂く事を重視する技
○ アーススラッシュ
斧が届く範囲を垂直に切る事に特化した技
○ ホリゾントスラッシュ
斧が届く範囲を水平に切る事に特化した技
という感じで、動きは似ているけれど何処をどう切るか、発動する際の意識の違い。
細断とエリア・スラッシュも動きはほぼ同じだ。
細断は斧一本でも発動可能で、攻撃範囲が狭く短く、その代わり威力そのものは大きい。
これも斧2本の場合は術者の意識で使い分けするとの事。
知識は結構増えたけれど、使う技そのものは今までとそう変わらない気がする。
まあこれはこれで面白かったけれど。
斧技以外にも色々と変わった技を知る事が出来て。
とことことこ、足音が聞こえた。
読書を終えた事にラッキー君が気づいたようだ。
さて、それではジャーキーを作ってみようか。
私は本を収納して、ベッドから降りる。
「ラッキー、ちょっと待っていて。ジャーキーを作ってみるから」
ラッキー君、何だろうという感じで私の顔を見た。
どうやら通じなかった模様。
まあいいか、そう思いつつ私はキッチンへ向かう。
ラッキー君、私がキッチンへ向かうとわかるとさっと離れて玄関の方へ。
カリーナちゃんの場合はキッチンへ行くと寄っていくのにこの反応の差は何なのだ!?
まあ邪魔が入らない分楽だ、そう思うことにしよう。
それではメアリーさん流のジャーキーを調理するぞ。
新要塞の帰りに肉屋で買ってきた鶏胸肉をアイテムボックスから取り出す。
失敗する可能性を考えて、10枚程買ってきた。
まず最初は試作ということで2枚で挑戦。
別ウィンドウを出してメアリーさんのWebページを表示させる。
『おまけ パイアキアン・オンライン内生活情報
○ お勧めの店
○ お気に入りの武器・道具類
○ 従魔のすすめ
○ 魔法料理の調理レシピ』
なかなか使えそうな情報が多いので、項目によっては既に何度か読んでいたりする。
レシピの項目ははじめてだけれど。
レシピの項目には30種類くらいの料理が目次形式で並んでいた。
『大型肉食従魔用、鶏胸肉まるごと柔らかジャーキー』は真ん中くらいにある。
ページを開いていつでも読んで確認出来る状態にしてから、調理開始だ。
ふむふむ、鶏胸肉を皮を下にして広げ、網の上に置くと。
下に脂が落ちるから、ここは網でないと駄目だと。
キッチンを漁ったら魚や肉を焼くときに使うらしい受け皿付きの網があったので、これを使う。
次は……
◇◇◇
うん、なかなかいい感じに仕上がった。
肉は綺麗な飴色で気持ちがいい弾力性がある。
皮の脂もべたつかず綺麗に乾いていて手で持っても汚れない。
ラッキー君にやる前にちょっと試食してみよう。
丸かじりしそうになって、そしてWebページにあった注意書きを思い出す。
人が食べる場合は1cmより細く切って食べないとかみ切れないから注意と。
元脳筋のエルフだからきっと噛む力も常人以上だとは思う。
しかしここで試すのはきっと愚策だろう。
なのでWebページにある通り、包丁を斜めに滑らすようにして切る。
一切れ分だけカットして、さて味見だ。
かみ応えは肉厚なスルメという感じ。
しかし味はまぎれもない肉で、しかも濃い。
これはラッキー君だけにやるのはもったいない気がする。
でも人間用はまた少し違うレシピがあったな、そういえば。
ハーブ入り食塩水を塗りたくってから魔法乾燥させる方法が。
足下から気配を感じた。
ラッキー君がお座りして私の方を見上げている。
はあはあしてよだれがたれそうな状態だ。
さっきまでは私から逃げるように玄関側へ行っていた癖に。
でもまあこれはラッキー君用だ。
だから今カットした残りを味見させてやることにしよう。
まずは完成したもう1個をアイテムボックスへと収納。
現物があるとラッキー君、いつまでも欲しがるから。
そしてさっき一切れ分カットしたジャーキーの残りを手に取る。
「はいラッキー、伏せ」
だだっと伏せをして私の方を見る。
もう早く欲しくてたまらない様子だ。
「はい」
前に出すと猛烈な勢いでがっついた。
うんうん、ラッキー君にも好評な模様。
これではじめて料理らしい料理が出来たなと思う。
袋ラーメンカット野菜入りとか、それにウィンナー追加とかではなくて。
今回の成功の原因は何だろう。
考察して、そして気づいた。
そうだ、今回私はWebに書いてある通りに作ったのだった。
素材や調味料、調理道具等で一切他の物で代用とかしないで。
フライパンでは無く網を使ったし、鶏肉も皮を下にしてしっかり広げた。
加熱も書いてある通り180℃で5分、そして乾燥もちょうど25%までにして。
そうか、まずは代用とか工程省略とかをせず、書いてある通りに作れば失敗はないのだ、多分。
今までは材料や道具で揃わないものがあると、自分で判断して代用品を使ったりした。
加熱も高温で短時間に変更したり、調理器具も似たようなもので代用したり。
おそらくそれが失敗の原因だったのだろう。
なら次回、別の料理だって書いてある通り作れば出来るのかもしれない。
でも取り敢えず、このジャーキーは量産しておこう。
成功経験を積み重ねて自信に繋げるのだ。
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