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第19章 ケルキラ『新』要塞攻略⑵
第111話 両手に斧で二斧流?
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「2カ所あります。レイス2体とゴースト3体が出る広間と、ワイト1体レイス1体ゴースト3体が出るそこそこの広さのホール。
ですが新しい戦法とは何をするんですか?」
練習と確認にちょうどいい部屋があるようだ。
本当に助かる、カリーナちゃんがいてくれて。
「ちょうどいい武器が手に入ったから、今度は接近戦をかけようと思って。技による連射の連続だと腕が疲れるし私らしくない気がするから」
「ゴースト相手に接近戦、ですか?」
「うん、対魔属性武器の攻撃でも遠くから連射より直接当てた方が威力があるだろうと思う。なら連射しなくても倒せるだろうから腕が疲れる可能性が低いかなと思って」
「でも連射を使わないと魔法を相殺出来ないです」
勿論それについては考えてある。
「ゴースト系は攻撃を受けると硬直するよね。その隙に倒せば多分大丈夫だと思う。あと手斧を右手と左手両方で使えば手数を増やせるし。
もちろん片手で技を出すのは難しいとは思う。それでも接近戦なら下手な技より威力があるだろうから、それなりに早く片付けられる筈だと思うんだけれど、どうだろう」
「……理屈上は間違っていません。だから出来ないという事はないと思います」
うん、カリーナちゃん判定でも問題無いようだ。
多少歯切れが悪いのはこの際気にしない方針で。
「斧2本持ちってのはパイアキアン・オンラインではあまり見ない方法論かな。まあ双剣使いはいるから出来ない事はないけれどさ。エルフと言うよりドワーフとか、いっそバーバリアンって感じがするけれどね」
双剣使いがいるならますます問題はないだろう。
何やら耳慣れない種族の方は無視だ。
「それでは今言った部屋、2カ所とも回る形でいいですか?」
「お願い」
こういったルート確認的な作業は全部カリーナちゃんにお任せだ。
正直なところ申し訳ない気がしないでもない。
ただ自分で調べても今ひとつ上手くいかないのだ。
割と方向音痴の自覚なんてのも実はあったりするし。
階段をどんどん降りていく。
「地下2階まで降ります。降りきったホールからは敵が出る可能性があるので注意して下さい」
「わかった。ありがとう」
私達よりラッキー君とサラちゃんが先行している。
2匹の挙動をみれば敵がいるかどうかわかるだろう。
なんて思ったら地下2階手前の踊り場でラッキー君とサラちゃんが立ち止まっていた。
なるほど、そこから先へ行くと敵が出るぞと言う訳か、了解だ。
「何かいそうだから、手斧の使い勝手を試してみる」
私はカリーナちゃん達にそう宣言。
屍強鬼の手斧を出して、右手と左手に持つ。
踊り場から一歩、下の段へ足を踏み出したところでお馴染み聴音検査っぽい音が聞こえた。
よし、試し切り兼ねて攻撃だ。
私はゴーストめがけてダッシュし、右腕の手斧を振るう。
あっさり一撃でゴーストは消えた。
やはり遠隔で技攻撃するより手っ取り早い。
ただ両手に斧、バランス的に振りにくい。
手斧と言ってもそこそこの重さがあるので身体が振られてしまう。
攻撃と反対側の手と手斧を上手くカウンターウェイトとして使う必要があるようだ。
さて、ゴーストは消えたがメッセージは出ていない。
きっとゲンエイグアナあたりが残っているのだろう。
ラッキー君とサラちゃんは私の邪魔にならないようにか後ろで控えている。
ならここで技の練習をさせて貰おう。
まずは右手の斧を出来るだけ速く横薙ぎに振るってみる。
『斧技・エア・スラッシュ!』
これは一応出せるようだ。
ただし周囲の景色に反応は無い。
ゲンエイグアナには当たらなかった模様。
次は両手の斧を正面で交差させる要領で出来るだけ速く奥から前、そして反対の腕方向へ高速で振る。
『斧技:ダブル・エア・スラッシュ!』
二刀流ならぬ二斧流用の技も設定されているようだ。
それとも今、新たに出来たのだろうか。
『攻撃技全書』には斧技という項目そのものが無かったからよくわからない。
確か掲示板で誰かが技の自動生成なんて事を書いていたなと思い出す。
『技と認めるのにふさわしい攻撃を確認した場合、管理・運営AIはその攻撃を技と認めるようです。技の名前及び効果は既存の類似技を参考にAIが自動生成していると思われます。
試しに大鎌でスラッシュを試したところ、ジャッジメントスラッシュという技が出ました』
大鎌なんて死神コスチュームプレイでもしているのだろうか。
というのは別として、この理論なら手斧でもそれなりの速さや力、頻度で振るえば技を出せる筈だ。
さて、今のダブル・エア・スラッシュは左右で反動を打ち消し合うから、思い切り振っても身体がブレない。
なら同じ方法で、腕力にものを言わせて連続で左右に振りまくると……
『双斧技:エリア・スラッシュ!』
やはり出たか、空間制圧系の技が。
ただこの技、腕力的に厳しい。
2~3回ならまだしもそれ以上連続で出すと腕が死にそうだ。
両手でそれぞれ斧を振りまくるのだから当然だけれど。
『レイス、ゲンエイグアナ2匹を倒した……』
腕が疲れる代わりに威力はあるようだ。
奥義の面制圧刺でも1回では倒しきれないゲンエイグアナをあっさり倒したから。
あと今のはゴーストでは無くレイスだった模様。
今の私にはあまり差がないから気にしなかったけれど。
「ありがとう、これで手斧の使い方はだいたいわかった。槍よりやっぱり攻撃力が高くて使いやすくていい。ちょい腕が疲れるけれど」
「……斧って、片手でもあんなに高速で振り回せるもんなんだな」
何故かカリーナちゃんではなくメアリーさんから先にコメントが来た。
「一般的な参考にはならないと思います。斧を使い慣れていて、それなりに攻撃力のある斧を持っていて、かつステータスが相当に高くないと……」
ですが新しい戦法とは何をするんですか?」
練習と確認にちょうどいい部屋があるようだ。
本当に助かる、カリーナちゃんがいてくれて。
「ちょうどいい武器が手に入ったから、今度は接近戦をかけようと思って。技による連射の連続だと腕が疲れるし私らしくない気がするから」
「ゴースト相手に接近戦、ですか?」
「うん、対魔属性武器の攻撃でも遠くから連射より直接当てた方が威力があるだろうと思う。なら連射しなくても倒せるだろうから腕が疲れる可能性が低いかなと思って」
「でも連射を使わないと魔法を相殺出来ないです」
勿論それについては考えてある。
「ゴースト系は攻撃を受けると硬直するよね。その隙に倒せば多分大丈夫だと思う。あと手斧を右手と左手両方で使えば手数を増やせるし。
もちろん片手で技を出すのは難しいとは思う。それでも接近戦なら下手な技より威力があるだろうから、それなりに早く片付けられる筈だと思うんだけれど、どうだろう」
「……理屈上は間違っていません。だから出来ないという事はないと思います」
うん、カリーナちゃん判定でも問題無いようだ。
多少歯切れが悪いのはこの際気にしない方針で。
「斧2本持ちってのはパイアキアン・オンラインではあまり見ない方法論かな。まあ双剣使いはいるから出来ない事はないけれどさ。エルフと言うよりドワーフとか、いっそバーバリアンって感じがするけれどね」
双剣使いがいるならますます問題はないだろう。
何やら耳慣れない種族の方は無視だ。
「それでは今言った部屋、2カ所とも回る形でいいですか?」
「お願い」
こういったルート確認的な作業は全部カリーナちゃんにお任せだ。
正直なところ申し訳ない気がしないでもない。
ただ自分で調べても今ひとつ上手くいかないのだ。
割と方向音痴の自覚なんてのも実はあったりするし。
階段をどんどん降りていく。
「地下2階まで降ります。降りきったホールからは敵が出る可能性があるので注意して下さい」
「わかった。ありがとう」
私達よりラッキー君とサラちゃんが先行している。
2匹の挙動をみれば敵がいるかどうかわかるだろう。
なんて思ったら地下2階手前の踊り場でラッキー君とサラちゃんが立ち止まっていた。
なるほど、そこから先へ行くと敵が出るぞと言う訳か、了解だ。
「何かいそうだから、手斧の使い勝手を試してみる」
私はカリーナちゃん達にそう宣言。
屍強鬼の手斧を出して、右手と左手に持つ。
踊り場から一歩、下の段へ足を踏み出したところでお馴染み聴音検査っぽい音が聞こえた。
よし、試し切り兼ねて攻撃だ。
私はゴーストめがけてダッシュし、右腕の手斧を振るう。
あっさり一撃でゴーストは消えた。
やはり遠隔で技攻撃するより手っ取り早い。
ただ両手に斧、バランス的に振りにくい。
手斧と言ってもそこそこの重さがあるので身体が振られてしまう。
攻撃と反対側の手と手斧を上手くカウンターウェイトとして使う必要があるようだ。
さて、ゴーストは消えたがメッセージは出ていない。
きっとゲンエイグアナあたりが残っているのだろう。
ラッキー君とサラちゃんは私の邪魔にならないようにか後ろで控えている。
ならここで技の練習をさせて貰おう。
まずは右手の斧を出来るだけ速く横薙ぎに振るってみる。
『斧技・エア・スラッシュ!』
これは一応出せるようだ。
ただし周囲の景色に反応は無い。
ゲンエイグアナには当たらなかった模様。
次は両手の斧を正面で交差させる要領で出来るだけ速く奥から前、そして反対の腕方向へ高速で振る。
『斧技:ダブル・エア・スラッシュ!』
二刀流ならぬ二斧流用の技も設定されているようだ。
それとも今、新たに出来たのだろうか。
『攻撃技全書』には斧技という項目そのものが無かったからよくわからない。
確か掲示板で誰かが技の自動生成なんて事を書いていたなと思い出す。
『技と認めるのにふさわしい攻撃を確認した場合、管理・運営AIはその攻撃を技と認めるようです。技の名前及び効果は既存の類似技を参考にAIが自動生成していると思われます。
試しに大鎌でスラッシュを試したところ、ジャッジメントスラッシュという技が出ました』
大鎌なんて死神コスチュームプレイでもしているのだろうか。
というのは別として、この理論なら手斧でもそれなりの速さや力、頻度で振るえば技を出せる筈だ。
さて、今のダブル・エア・スラッシュは左右で反動を打ち消し合うから、思い切り振っても身体がブレない。
なら同じ方法で、腕力にものを言わせて連続で左右に振りまくると……
『双斧技:エリア・スラッシュ!』
やはり出たか、空間制圧系の技が。
ただこの技、腕力的に厳しい。
2~3回ならまだしもそれ以上連続で出すと腕が死にそうだ。
両手でそれぞれ斧を振りまくるのだから当然だけれど。
『レイス、ゲンエイグアナ2匹を倒した……』
腕が疲れる代わりに威力はあるようだ。
奥義の面制圧刺でも1回では倒しきれないゲンエイグアナをあっさり倒したから。
あと今のはゴーストでは無くレイスだった模様。
今の私にはあまり差がないから気にしなかったけれど。
「ありがとう、これで手斧の使い方はだいたいわかった。槍よりやっぱり攻撃力が高くて使いやすくていい。ちょい腕が疲れるけれど」
「……斧って、片手でもあんなに高速で振り回せるもんなんだな」
何故かカリーナちゃんではなくメアリーさんから先にコメントが来た。
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