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第16章 ケルキラ旧要塞攻略⑵
第96話 レベル40達成(ただしラッキー君)
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病院跡というけれど、建物はしっかり残っている。
2階建てと本館や海の塔に比べると低いけれど床面積はこっちの方がずっと広い。
1階は北側に廊下があり、南側に元教会っぽいホール、小部屋2部屋、玄関と階段、小部屋6部屋と並んでいる。
2階はホール部分は吹き抜けで、あとは小部屋2部屋、階段と玄関吹き抜け、小部屋6部屋という造り。
ホールにスケルトンナイト1体とスケルトンカサドール2体、ゲンエイグアナ3匹。
あとは所々にゲンエイグアナかスケルトンカサドールがいるという感じだ。
2階まで全部屋回ってひととおり敵を倒す。
「此処は何か怪しい感じの場所とかは無いね。単に敵が出てくるだけで」
「そうですね。出てくる魔物は本館や海の塔と同じなので経験値は稼げます。ですがそれだけという感じです。
ところでそろそろ休憩しませんか。ちょうど外に出ましたし、この辺なら1度片付けるとしばらく敵は出てこないですから」
海の塔と病院跡をひととおり回った。
だから確かに休憩のタイミングかもしれない。
「確かにそうだね」
僕もそう思うとラッキー君がお座りしてこっちを見上げる。
間違いなくおやつ狙いだろうけれど。
建物跡らしい崩れた石組みの上に腰掛けておやつタイム。
今回はアップルパイと牛乳だ。
もちろんラッキー君の分もある。
「こういうスタンダードなのも美味しいよね」
バターの香りとリンゴの甘酸っぱさがなかなかいい感じだ。
「これは簡単なんです。パイ生地は作ってストックしていますしリンゴを焼くのは魔法で出来ますから」
カリーナちゃんはそう言うけれど、私にとっては絶対簡単ではないだろうと思う。
何せ卵1つ割れない、ゆで卵を作ろうとして爆発させる腕なのだ。
ああ、涙が出そう……出ないけれど。
「ところでラッキーちゃん、そろそろレベル40になっていませんか?」
あ、そう言えば。
確かにラッキー君、私よりずっと多くの魔物を倒している。
それに魔犬は人間よりレベルが上がりやすい。
そろそろレベルが上がっていてもおかしくないだろう。
パスポートを出して確認してみる。
カリーナちゃんが言うとおりレベル40になっていた。
ちなみに私はレベル37。
今朝海の塔で上がったばかりだから変化がなくても仕方ない。
「なってた。レベル40」
「なら全体のステータスが上がっていると思います。そろそろ此処のボスを倒してもいい強さになっている筈です」
見ると確かに前は22だったRESが24になっている。
HPも思い切り増えているし。
「海の塔のボスと本館のボスって、どっちが強い?」
「難易度はそう変わらないとされています。ただミヤさんの技を使うなら、本館ボスのリッチーの方が海の塔のスケルトンジェネラルより倒しやすいはずです」
何故だろう。
カリーナちゃんの説明は続く。
「本館のリッチーはゴースト3体、レイス2体とともに現れて魔法攻撃を仕掛けてきます。ですので最初は敵の数と魔法が多すぎて連射系の技を使っても魔法全部を発動キャンセルしきれない可能性があります。
ただゴーストの攻撃魔法数発程度なら大したダメージにはなりません。ですのでひたすら対魔効果のある武器で連続系の攻撃技を使う。そうやって敵攻撃魔法をキャンセルしながら敵の数を減らしていけば、いずれリッチー以外の敵は倒れます。
リッチーはレイスと比べても耐久力が高いですが、1体だけになれば範囲を絞った連続攻撃で魔法を防ぎつつ倒せるでしょう」
つまり連続攻撃を続けていればそのうち倒せるという事か。
最初は多少攻撃を食らうかもしれないけれど。
「海の塔のボス、スケルトンジェネラルはデュラハン2体を伴って出現します。デュラハンは連続攻撃で倒せますがスケルトンジェネラルは耐久力がかなり高いです。だから技を使っても遠隔で倒し切るのは無理でしょう。
ですのでどうしても接近戦になります。スケルトンジェネラルの攻撃が当たると結構HPを削られるので、避けたり攻撃モーションの度に離れたりしながらです。
ただ広間とは言え建物内。オブクラリスのよう簡単に距離をとるというのは難しいです。動き方を考えなければ壁際に追い詰められて逃げられなくなります。
ですので連続技をただ出しまくるだけのリッチー攻略よりは数段面倒です」
なるほど。
「スケルトンジェネラルの耐久力ってオブクラリス並?」
「そこまでではないです。せいぜい3割くらいだと思います」
あ、思いついた。
こちらが追い詰められる事があるなら、相手を追い詰める事だって出来るかもしれない。
そして私はそういう技を持っている。
使えるかどうか聞いてみよう。
「もしスケルトンジェネラルを部屋の隅に追い詰めたとすると、そこからスケルトンジェネラルが煙になって逃げるとか、何か理不尽な方法で逃げたりするような事って、あるかな」
「そういう理不尽な逃げ方はしないと思います。スケルトン系は一応実体がありますから。
ただスケルトンジェネラル、攻撃力が高く間合いも長い長剣を装備しています。ですから追い詰めるというのは難しいです。動きも人間とそう変わらない速さですし」
よし、それなら案外簡単に倒せるかもしれない。
「それにここでボスを倒すと、あのスケルトンナイトが守っている部屋はあのまま何もなしで終わってしまうと思います」
あ、そう言えばそうだった。
「ボスを倒した後に行っても何もないんだよね」
「ええ、そうです」
「ちょっと情報を検索してみていい?」
「勿論です。それくらいの余裕は充分ありますから」
それでは検索してみるとするか。
前にカリーナちゃんに教わった情報サイトを出す。
まずはこんな感じでいいかな。
『旧要塞 本館5階』
2階建てと本館や海の塔に比べると低いけれど床面積はこっちの方がずっと広い。
1階は北側に廊下があり、南側に元教会っぽいホール、小部屋2部屋、玄関と階段、小部屋6部屋と並んでいる。
2階はホール部分は吹き抜けで、あとは小部屋2部屋、階段と玄関吹き抜け、小部屋6部屋という造り。
ホールにスケルトンナイト1体とスケルトンカサドール2体、ゲンエイグアナ3匹。
あとは所々にゲンエイグアナかスケルトンカサドールがいるという感じだ。
2階まで全部屋回ってひととおり敵を倒す。
「此処は何か怪しい感じの場所とかは無いね。単に敵が出てくるだけで」
「そうですね。出てくる魔物は本館や海の塔と同じなので経験値は稼げます。ですがそれだけという感じです。
ところでそろそろ休憩しませんか。ちょうど外に出ましたし、この辺なら1度片付けるとしばらく敵は出てこないですから」
海の塔と病院跡をひととおり回った。
だから確かに休憩のタイミングかもしれない。
「確かにそうだね」
僕もそう思うとラッキー君がお座りしてこっちを見上げる。
間違いなくおやつ狙いだろうけれど。
建物跡らしい崩れた石組みの上に腰掛けておやつタイム。
今回はアップルパイと牛乳だ。
もちろんラッキー君の分もある。
「こういうスタンダードなのも美味しいよね」
バターの香りとリンゴの甘酸っぱさがなかなかいい感じだ。
「これは簡単なんです。パイ生地は作ってストックしていますしリンゴを焼くのは魔法で出来ますから」
カリーナちゃんはそう言うけれど、私にとっては絶対簡単ではないだろうと思う。
何せ卵1つ割れない、ゆで卵を作ろうとして爆発させる腕なのだ。
ああ、涙が出そう……出ないけれど。
「ところでラッキーちゃん、そろそろレベル40になっていませんか?」
あ、そう言えば。
確かにラッキー君、私よりずっと多くの魔物を倒している。
それに魔犬は人間よりレベルが上がりやすい。
そろそろレベルが上がっていてもおかしくないだろう。
パスポートを出して確認してみる。
カリーナちゃんが言うとおりレベル40になっていた。
ちなみに私はレベル37。
今朝海の塔で上がったばかりだから変化がなくても仕方ない。
「なってた。レベル40」
「なら全体のステータスが上がっていると思います。そろそろ此処のボスを倒してもいい強さになっている筈です」
見ると確かに前は22だったRESが24になっている。
HPも思い切り増えているし。
「海の塔のボスと本館のボスって、どっちが強い?」
「難易度はそう変わらないとされています。ただミヤさんの技を使うなら、本館ボスのリッチーの方が海の塔のスケルトンジェネラルより倒しやすいはずです」
何故だろう。
カリーナちゃんの説明は続く。
「本館のリッチーはゴースト3体、レイス2体とともに現れて魔法攻撃を仕掛けてきます。ですので最初は敵の数と魔法が多すぎて連射系の技を使っても魔法全部を発動キャンセルしきれない可能性があります。
ただゴーストの攻撃魔法数発程度なら大したダメージにはなりません。ですのでひたすら対魔効果のある武器で連続系の攻撃技を使う。そうやって敵攻撃魔法をキャンセルしながら敵の数を減らしていけば、いずれリッチー以外の敵は倒れます。
リッチーはレイスと比べても耐久力が高いですが、1体だけになれば範囲を絞った連続攻撃で魔法を防ぎつつ倒せるでしょう」
つまり連続攻撃を続けていればそのうち倒せるという事か。
最初は多少攻撃を食らうかもしれないけれど。
「海の塔のボス、スケルトンジェネラルはデュラハン2体を伴って出現します。デュラハンは連続攻撃で倒せますがスケルトンジェネラルは耐久力がかなり高いです。だから技を使っても遠隔で倒し切るのは無理でしょう。
ですのでどうしても接近戦になります。スケルトンジェネラルの攻撃が当たると結構HPを削られるので、避けたり攻撃モーションの度に離れたりしながらです。
ただ広間とは言え建物内。オブクラリスのよう簡単に距離をとるというのは難しいです。動き方を考えなければ壁際に追い詰められて逃げられなくなります。
ですので連続技をただ出しまくるだけのリッチー攻略よりは数段面倒です」
なるほど。
「スケルトンジェネラルの耐久力ってオブクラリス並?」
「そこまでではないです。せいぜい3割くらいだと思います」
あ、思いついた。
こちらが追い詰められる事があるなら、相手を追い詰める事だって出来るかもしれない。
そして私はそういう技を持っている。
使えるかどうか聞いてみよう。
「もしスケルトンジェネラルを部屋の隅に追い詰めたとすると、そこからスケルトンジェネラルが煙になって逃げるとか、何か理不尽な方法で逃げたりするような事って、あるかな」
「そういう理不尽な逃げ方はしないと思います。スケルトン系は一応実体がありますから。
ただスケルトンジェネラル、攻撃力が高く間合いも長い長剣を装備しています。ですから追い詰めるというのは難しいです。動きも人間とそう変わらない速さですし」
よし、それなら案外簡単に倒せるかもしれない。
「それにここでボスを倒すと、あのスケルトンナイトが守っている部屋はあのまま何もなしで終わってしまうと思います」
あ、そう言えばそうだった。
「ボスを倒した後に行っても何もないんだよね」
「ええ、そうです」
「ちょっと情報を検索してみていい?」
「勿論です。それくらいの余裕は充分ありますから」
それでは検索してみるとするか。
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『旧要塞 本館5階』
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